代官山駅から徒歩で1分のところにある「あやこいとうクリニック」は、病気を未然に防ぐ、老化の速度を遅くする、予防医療・アンチエイジングの専門クリニック。今回は院長の伊藤史子先生に予防医療の重要性やホームケアで肌を若く保つ秘訣についてお話を伺いました。
子育てをしながらの開院。今ではアスリートも多く通う名クリニックへ
――なぜ、ご自身のクリニックを開院しようと思われたのですか?
伊藤 父も祖父も医者で、家系としては医者か芸術家のどっちかという環境で育ってきたこともあり、高校3年のときに医師になることを選択しました。整形外科医を希望していたのですが、当時、整形外科には女医さんは入れませんでした。そこで指をつなぐ、火傷の皮を植えるとか少し似ている分野である形成外科を選びました。最初は仕事をしながら子どもの小学校の送り迎えをしたいという理由から九品仏で開院したのですが予防医療を求めている患者様や、地方・海外からの患者様が増えたこともあり、子どもが手から離れたタイミングで、2017年にアクセスの良い代官山に移転しました。
代官山に移転してからはスキー、サッカー、水泳、新体操、ゴルフ、競馬のジョッキーなど一流アスリートも来院されるようになりました。現在では、当院の患者様の2割弱はアスリートの方です。アスリートが怪我した場合は、普通は復帰することを目標にしがちですが、当院では怪我する前よりも成績が出せることを目標に掲げています。
予防から治療まで。総合的なアンチエイジングを目指して
――簡単に貴院の特徴についてお聞かせください。
伊藤 コンセプトは予防医療です。保険診療だけでなく、アメリカの予防医療を積極的に取り入れることにより、予防から治療まで当クリニックに通うだけでまかなえるようにしています。
ホルモン補充療法や分子栄養療法、キレーションをはじめとした内面の治療や、シミ・しわなどの外面の治療、さらにはバーオソルクニアセフメソッドやスポーツトレーニングなど体幹からのアプローチにより、総合的なアンチエイジングを目指しています。そのためにスポーツ整形医、体幹アプローチインストラクター、エステティシャン、アートメイク専門看護師といったスタッフを配置し、総合的にサポートしています。
また、大きい病院ですと新しい機器を導入するのにもいろいろな手続を踏まないとすぐにはできませんが、当院では、カスタマイズした機器をはじめ、デモ機もたくさんあります。中には傷やシミを消すための、ここにしかないレーザー機器もあります。
日本人の肌質にあったイントラセルで肌の悩みを改善
――クリニックを開院してから多くの方を治療してこられたと思いますが、その中でも貴院が得意とする施術はありますか?
伊藤 当院では怪我で負った傷やケロイドの修正に、さまざまな機器を状況にあわせて使用しています。以前、エステで太ももを火傷した患者様がいらっしゃいましたが、火傷部分は保険で治してケロイド痕は治療機で消していきました。ケロイドはタイミングよく治療していくと、わからなくなるまで治療が可能です。
また年齢を重ねた皮膚のたるみには、ヒアルロン酸を皮膚に注入するか、たるんだ皮膚を切除する方法がありますが、当院ではその間をとった皮膚を縮めていくイントラセルを使用しています。日本人は真皮の真ん中くらいに傷を付けても痕が残りにくいという特徴があるため、ラジオ波を真皮層に直接照射していきます。皮膚の表面を傷つけてコラーゲン生成を促し、タンパク質が熱変性することで肌が引き締まるわけです。皮膚の切除は一発で良くなるものの過去にはなかった顔になるという特徴がありますが、イントラセルだといつのまにか若返った肌になっているのです。
イオン化したミネラルを直接肌に吸収させる
イオニゼーションセラム
――ホームケアのアイテムにイオニゼーションセラムとバクチオールを開発するに至った経緯を教えてください。
伊藤 私は、化粧水や乳液が必要とは思っていません。子どもたちは使いませんよね? 私たちが目指しているのは子どもたちと同じく丈夫で健康的な肌です。例えばアトピーの遺伝子そのものは書き換えられないけれど、みんなが羨ましがる美肌になる可能性はあると考えています。
アトピーや皮膚疾患の人たちは消化管が弱かったりすることが多く、ミネラルを飲んでも皮膚まで届かないことがありました。ですので、イオン化したミネラルを直接肌に塗る、ミネラル共存型発酵美容液を3年くらい前に開発しました。イオニゼーションセラムを直接肌に塗ることにより皮膚を掻かなくなり結果的に治りが早くなります。
――イオニゼーションセラムとバクチオールの商品特徴を教えてください。
伊藤 化粧品や花粉、紫外線、大気汚染などにより肌トラブルを起こしやすい人は、水道水に含まれる塩素のアレルギーにより肌が敏感になっていることも原因のひとつです。
イオニゼーションセラムには塩素を無毒化させるためにイオン化したカルシウムや亜鉛、マグネシウムなど、ミネラル共存下で発酵させた7種類のイオン化ミネラル成分が配合されており、肌を塩素から守ります。肌荒れや慢性的な肌トラブル、シワや乾燥、吹き出物が気になる方に人気があります。
バクチオールは保険診療では改善されないニキビ痕を肌に残らせないように開発した商品です。保険の治療薬と美容医療の間に位置するアイテムとして作りました。インド原産のバブチの種子から抽出した「バクチオール」、国産有機栽培のハトムギを発酵させた「サッカロミセス/ハトムギ種子発酵液」、ツボクサから抽出した「ツボクサエキス」、海藻のアマモから抽出した「アマモエキス」、吉林省・長白山産の薬用人参から抽出した「オタネニンジン根エキス」、芍薬、桃仁、蘇葉を組み合わせたエキス「芍桃蘇🄬-CX」などが配合されています。バクチオールは、若い人だけでなく慢性的な吹き出物で悩んでいる人に人気があります。ニキビだけでなくコロナ禍でマスク着用時に気になる肌荒れなどにも、マルチな効果が期待できます。
肌のトラブルはステロイドを使えば治りますが、ステロイドをずっと使い続けると、マラセチア・ファーファーですとか皮膚カンジタなどのカビにかかる可能性が高くなり、治療が長引くことがあります。その点、バクチオールは肌トラブルの症状があるときだけでなく、普段の保湿やシワ、たるみ予防ケアのために安心してお使いいただけます。
肌ケアは人によって異なるため
自分にあった方法を見つけるのが大事
――美しい肌を保つために日常生活において気を付けるべきことがあれば教えてください。
伊藤 外見をキレイにするのはとても大事です。だからといって日焼けしちゃダメとか、美白が一番とかは思っていません。日焼けをしてもシミができないような肌に仕上げるのが重要です。基本的にきれいな肌を作るのには材料が必要で、鉄や蛋白、ビタミンCなど全部が揃わないとコラーゲンは作られません。あとは代謝をどう維持するかです。材料があるのは大前提なのですが、代謝の過程をブロックしているものがないか患者様の状態を知るためにも検査します。検査項目は患者様がなにに困っているのかによっても違ってきます。血液のデータを解析の他に、キレーション治療も行っています。キレート剤を点滴や内服することにより身体の中から有害な重金属を排出するデトックスのひとつです。治療後の尿を解析することにより、その後の治療方針を検討します。
このキレーションはアンチエイジングだけでなく、動脈硬化治療、妊娠を希望される方のデトックスであるプレナタル治療にも向いています。大事なのは自分の身体は何をするのが上手で、何をするのが下手なのかを分析して、自分の身体にあった方法を実行することなのです。
――今後の展開について教えてください。
伊藤 機能面の予防医療はこのクリニックで対応できているので、今後は身体を進化させて、ここから将来の金メダル候補を誕生させたいと思っています。例えば扁平足だと速く走れないのですが、扁平足を直すには子どものころから足裏にアーチを作るインソールを使って覚え込ませるといったことをやるのです。アスリートや大学との協力もあり、速く走る方法や脳をうまく騙すことによってパフォーマンスをあげる方法があるのです。とはいってもクリニックができることには限界がありますので、あとは患者様も協力していただき二人三脚で進めていく必要があります。予防医療を考えている、スポーツ競技でもっとパフォーマンスをあげたいだけでなく、消したい傷があって悩んでいるという方も、お気軽にご相談ください。
医療法人社団 Xanadu あやこいとうクリニック
院長 伊藤 史子
(いとう あやこ)
経 歴
昭和大学医学部卒業後、昭和大学麻酔科、日本医科大学高度救命救急センター、都立荏原病院整形外科、西尾市民病院形成外科、清恵会病院形成外科、太田西ノ内病院形成外科、昭和大学病院形成外科、自由が丘クリニック、こころとからだの元気プラザ内形成外科、松倉クリニックを経て、2011年4月、自由が丘にて「あやこいとう クリニック」開業。
開業から2年後の2013年10月に医療法人Xanadu設立。2017年3月代官山移転後、現在に至る。
資格・所属学会
医学博士
日本形成外科学会専門医
日本レーザー医学会専門医
日本抗加齢学会会員
日本体育連盟公認スポーツドクター(スキー)
千葉大学医学部非常勤講師
医療法人社団 Xanadu あやこいとうクリニック
〒150-0033 渋谷区猿楽町24-7 代官山プラザB1D
TEL: 03-6455-1337
(受付時間10:00~18:00)
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