わたしの名医

90種類にもおよぶ睡眠障害と向き合う。 日本睡眠学会専門医による睡眠治療。

青山・表参道睡眠ストレスクリニックは、日本睡眠学会専門医が院長をつとめる睡眠障害専門のクリニックです。「”睡眠”の面から心身の健康維持のサポートを」を理念に、あらゆる角度から睡眠に関わるすべての病気の治療を行っています。今回は、院長の中村真樹先生に、クリニックを開院した経緯や睡眠障害について、お話を伺いました。

より専門的な睡眠治療を目指して

―― 中村先生が睡眠の専門医を目指されたキッカケを教えてください。

中村 もともと、学生時代は脳外科を目指していたのですが、医学部の実習のときに、精神疾患に興味を持ち、精神科医になりました。精神科医として治療をしていくなかで、鬱病や統合失調症の患者様など、病気の症状が良くなったのに急に眠れなくなるなどの不眠症状を訴える方が多くいらっしゃいました。不眠症状に対していろいろ薬を使って治療しても不眠が改善せず、しばらくすると鬱病や統合失調症の症状が再発するといった方を数多く目の当たりにし、精神疾患と睡眠には深い関係あるのではないか、ということで精神疾患の病気のメカニズムや再発の指標として睡眠に興味をもちました。

―― どのように睡眠専門医の道へ進まれたのですか?

中村 大学卒業後は、東北大学病院の精神科で通常の精神科医としての診療に加え、睡眠外来やてんかんの治療を行っていました。
睡眠障害にはいろいろな症状があるにも関わらず、不眠症や過眠症は精神科、いびき・無呼吸は呼吸器内科・循環器科、寝ぼけ症状や睡眠時の体の不快感などは神経内科が診るなど、別々の診療科が得意とする病気だけを診察・治療していましたが、それぞれの睡眠障害を鑑別し治療するには、診療科の枠を超えて診る必要があります。

そこで、より専門的に睡眠障害の診断・治療を学ぶために、睡眠に関するすべての病気に対応する睡眠総合ケアクリニック代々木に2008年4月に移籍しました。

―― ご自身のクリニックを開院されるにあたり、思いやこだわりはありましたか?

中村 睡眠障害は、慢性的な疾患で治療には長い期間がかかります。また、睡眠障害で悩んでいる方が多く、通院される患者様は増えていくので、待ち時間が長いとか、なかなか受診出来ないといった問題がおこります。そのため、完全予約制にし、また、インターネットを介して予約・予約変更ができるようにしました。また、睡眠時無呼吸症候群の治療器具であるCPAPに関しては、クラウド型データ管理・遠隔モニタリングシステムを導入することで、CPAPの使用データを保存したメディア(SDカードやUSBメモリ)を持参せずとも、仕事の合間の時間に受診して頂いたときでも治療状況を確認できるようにしました。

私どものクリニックでは、以前勤務していた睡眠総合ケアクリニック代々木と連携しており、より精密な検査が必要な場合は代々木のクリニックへ紹介、通院の便や診療時間の関係で睡眠総合ケアクリニック代々木から当院への転院をスムーズに行えるようにしています。睡眠総合ケアクリニック代々木との連携に加え、不眠症やストレス疾患の大きな原因のひとつは都市型生活によるストレスが多いため、表参道で開院することにしました。また、来院される患者様がストレスフルな都会の喧騒から離れ、穏やかに過ごせるよう、南欧の田舎町をイメージした内装にしました。 心身の疲労回復には睡眠が重要で、眠れないと仕事や日常生活のパフォーマンスが落ちます。そういったところを睡眠の面からサポートしたいと思っております。

―― 先生は日本睡眠学会専門医でおられますが、それはどのような資格ですか?

中村 日本睡眠学会専門医は、日本睡眠学会が認定する専門医資格です。6年以上医師として医療に従事していること、2年以上睡眠学会専門医の指導もとで睡眠障害の診断・治療に従事していること、日本睡眠学会に3年以上所属し学会などに定期的に参加していること、睡眠に関する専門的な検査の経験があるといったこれらの条件をすべて満たしたうえで、症例報告書の提出と筆記・面接試験に合格すると専門医として認定をうけることができます。また、5年ごとに更新が必要です。

睡眠障害は不眠だけではない

睡眠ストレスクリニック 中村真樹先生
青山・表参道睡眠ストレスクリニック 院長 中村真樹先生

―― 睡眠障害とはどのようなものですか?

中村 睡眠障害と言うと単純に眠れないといった「不眠症」を想像するかもしれませんが、
実は睡眠障害には90種類あります。不眠症状だけでなく、ぐっすり寝ているのに起きられない、日中眠くなる、いびきや寝ぼけ症状など、眠ってから起きるまで間に起きている眠りに関するすべての病気を総称して「睡眠障害」と言います。ひとことで「不眠」と言っても、ストレスによる心理学的なもの、鬱などの精神疾患に関連した精神医学的なもの、熱帯夜などの眠る環境が原因の生理的なもの、薬の副作用など薬理学的なもの、体調などの身体的なものと、原因はおおまかに5種類あります。
ですから、眠れないからといってただ睡眠薬を飲めばいいというわけではなく、何が原因かを見極めないと、適切な治療ができないわけです。

―― 睡眠障害になりやすい人はいるのですか?

中村 ストレスや心配事で「眠れない」「途中で目がさめやすい」というように、不眠症は誰でもなり得ます。
また、夜遅く寝るというのを2-3日続けるだけでも、身体はその夜ふかしのリズムに慣れてしまいます。睡眠リズムは遅いほうに慣れやすいので、夜ふかしや不規則な生活を続けると、睡眠リズム障害になってしまいます。
また、体重が増えることで睡眠時無呼吸症候群のリスクは高まります。

―― 御クリニックでは診断や治療をどのようにされているのですか?

中村 不眠は基本的には自覚症状をもとに、上記の5つの原因を探りながら分類・診断しますが、睡眠時無呼吸症候群や過眠症などは、PSG検査という、眠りの深さを脳波で測りながら眠っているときの呼吸や心電図などを同時に検査をして診断し、睡眠障害国際分類という世界で標準とされる診断基準をもとに治療を開始します。
不眠症への薬物療法は、状態を見ながら徐々にお薬をやめていくということを行っています。睡眠薬はGABA受容体作動薬(ベンゾジアゼピン系・非ベンゾジアゼピン系)、メラトニン受容体作動薬、オレキシン受容体拮抗薬の3種類あります。睡眠薬の依存性を心配する方が多いですが、実は依存性があるものはGABA受容体作動薬だけです。
脳科学としての睡眠の研究が進んでいるので、睡眠のメカニズムが徐々にわかってきており、これら3種類の薬の作用はそれぞれ特徴があるので、患者様の不眠の特徴や原因にあわせて適切にお薬を選ぶことになります。そして漠然と使い続けるのではなく、医師の指導の下、徐々に減らしていくというのが今の不眠治療の考え方です。「今日も眠れなかったらどうしよう」と、眠りに不安を抱く方も多いですが、眠る前の不安自体が不眠の悪化の原因の一つなのでまずは適切なお薬を使って、眠れるという状況を作っていくことが大切です。

睡眠は、質・量・タイミングのバランスが大切

―― よい睡眠とはどのようなものですか?また、よい睡眠をとるにはどうするとよいでしょうか?

中村 よい睡眠とは、量・質・タイミングのバランスが取れた時、それぞれが本来必要なパターンを持ち合わせたときだと言われています。よく質をあげれば量は必要ないと言う方もいらっしゃいますが、それは正しくはないです。十分な量(睡眠時間)を確保した上で、いかに質の良い眠りを維持するか、規則正しく睡眠を取るか、が大切です。

人に必要な睡眠時間は目安として7時間と言われています。これはアメリカで20代-60代の労働世代を対象に行われた睡眠に関する調査において、7時間前後の睡眠をとっている人が日中のパフォーマンスや健康度が高いという調査結果に基づいたものです。ただし、身長や体重、食べる量などに個人差があるように、必要な睡眠時間においても個人差はあります。
また、基本的には、きちんとした環境で寝ていれば睡眠の質は悪くなりません。ですので、睡眠の質を良くするというよりは、「睡眠の質を悪くしない」ことが重要です。例えば、100%で睡眠が取れている人の睡眠の質を120%にはできないので、100%からいかに下げないか、質の悪くなるような習慣をいかに無くすかなんですね。

タイミングについては、「規則正しい生活を送る」こと。
眠ることで心身の疲労回復を促しますが、毎日同じ時間に寝起きすると、その時間に効率よく心身の疲労回復を行います。しかし、同じ6時間睡眠でも日によって寝入る時間が違うと眠りの質が悪くなり、必要とする睡眠時間が間延びしたり、目が覚めても疲労感が残ってしまいます。通常、寝付いて20~30分後に一番深いnonREM睡眠になり、そこから徐々に浅いnonREM睡眠になり、約90分後にREM睡眠が始まり、10~20分続いた後、またnonREM睡眠が始まり徐々に眠りが深くなり、さらに約90分後にまたREM睡眠が訪れます。
このようにnonREM睡眠とREM睡眠を繰り返しながら、朝方にむけて全体的に浅い眠りの割合が増えていく、これが正常なパターンです。例えば、夜12時に寝て朝7時に起きるといったように、規則正しい生活を続けていくと、身体は夜12時頃には眠る準備をはじめ、朝7時に起きるようにアイドリングをかけるような状態になるので、目覚めがよくなるわけです。

―― 日常生活の中で、睡眠の質をさげないために、自分自身で出来ることがあれば教えてください。

中村 人はリラックスするまでに1~2時間かかるので、寝る前の1時間はゆっくりすること。
また、スマホなどのブルーライトを浴びると眠りのリズムをコントロールしているメラトニンの分泌に影響を与えてしまうので、夜10時以降はなるべく控えた方が良いです。そして、食事の時間も睡眠の質に影響していると言われていますので、寝る直前に食べ過ぎないことも大切です。眠気覚ましに利用されるエナジードリンクやコーヒーに含まれるカフェインは8時間近く身体の中に残るので、夕方以降の飲用は避けるほうがよいでしょう。

睡眠の質を下げないためには、日常生活において、このような些細な心がけと、規則正しい生活を送ることが大切です。
どうしても眠れないときは、一度布団から出て、軽いストレッチをしたり、雑誌を眺めてみるなど、リラックスした状態を作るということもおすすめです。

―― 睡眠障害で悩まれている方へメッセージをお願いします。

中村 昼間の集中力を上げて仕事の効率を上げ、心身ともに健康な毎日を過ごすためには、良質で十分な睡眠が大切です。「何となく眠れない」「夜中に目が覚めるようになった」という不眠症状だけでなく、いつもと同じ睡眠時間なのに疲れが取れなくなった、眠っているときのいびき・無呼吸や体のぴくつきを指摘された、眠気に伴って「最近仕事のパフォーマンスが落ちている」「日中のモチベーションが上がらない」「何となく意欲がわかない」「ちょっとしたことで不安になる、緊張しやすい」と感じている方は、お気軽に相談に来てください。

睡眠ストレスクリニック 中村真樹先生

青山・表参道睡眠ストレスクリニック

院長 医学博士 中村 真樹(なかむら まさき)

資 格

日本睡眠学会(専門医、評議員)
日本精神神経学会(専門医・指導医)
日本臨床神経生理学会(脳波専門医)
精神保健指定医

所属学会

日本精神神経学会
日本臨床神経生理学会
日本睡眠学会
東京精神医学会
日本不安障害学会
日本精神科診断学会
日本生物学的精神医学会
日本てんかん学会
日本ヒト脳機能マッピング学会
臨床MR脳機能研究会

青山・表参道睡眠ストレスクリニック

睡眠ストレスクリニック

〒107-0062 東京都港区南青山5丁目1−22 青山ライズスクエア 3F
TEL:03-6427-6062

診療時間日・祝
10:00~13:00
14:30~18:30

休診日:日・祝日
完全予約制で初診予約は電話のみ
◎…第1水曜日は休診
▲…土曜日は9:00〜13:00

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