あえて予約制ではなく、できる限り患者様を受け入れるというケーズ皮膚科美容皮膚科小倉魚町院。保険診療から美容の自費診療まで幅広い医療を提供しています。
些細なことでも気兼ねなく相談してほしいと語る、院長の森永萌美先生にホームケアの重要性、ポイントについてお話を伺いました。
患者様の年齢も主訴も幅広くさまざま、できる限り受け入れ、対応しています。
―― まず初めに貴院の特徴についてお聞かせください。
森永 皮膚でお悩みの方はどなたでも出来る限り受けいれるというスタンスで、保険診療と美容の自費診療の両方に力を入れています。
当院は予約制ではなく、赤ちゃんのおむつかぶれや湿疹からご高齢者の皮膚トラブルといった保険診療の他、飛び込みで来られる美容治療にも対応しています。美容治療ですとシミを主訴に来られる方が最も多く、20代ですとニキビでお悩みの方が多いですね。時には帯状疱疹や熱傷などの急患も受け入れます。年齢も主訴も幅広くさまざまですね。混み合いますが、ドクターの人数を調整し対応しています。
保険診療がきっかけでご来院いただき、症状が改善されてから美容治療に移行される方も多くいらっしゃいますね。
ホームケア次第で治療効果を倍増させることもある一方、その効果をゼロにすることも。
―― 美容医療におけるホームケアの役割・重要性についてお聞かせください。
森永 毎日家でできることとしてホームケアは極めて重要ですね。レーザーなどの美容治療の効果を倍増させることもある一方、効果をゼロにしてしまう可能性もあるというほど、毎日のケアで差が出ます。
例えばシミの場合ですと、レーザーで治療し改善しても、生活している以上、毎日紫外線は浴びていますし、誰しも平等に年齢を重ねていきます。
一度リセットしても毎日のケアで肌をこすってしまう、UVケアをおろそかにするといったことがあると、またシミがあらわれてしまいます。
毎日のスキンケアで肌をできる限りベストな状態で維持していくこと、肌トラブルを予防していくことはとても大事ですね。
これだけは覚えてほしい!
美肌3か条「こすらない、UVケア、保湿」
―― 貴院ではどのようにホームケアを指導されていますか?
森永 本当でしたら、患者様が洗顔するところを実際に見て、その場で指導するなどが出来たらよいのですが、毎日多数の患者様を対応しているため、現実的には難しいんですね。そのかわりにカウンセリングの際、美肌3か条として「こすらない、UVケア、保湿」の3点について記したプリントを手渡しています。
出来るだけわかりやすく、シンプルに。これだけは忘れないで欲しいという思いを込めてお渡ししています。また、診療時間外にセミナーを開くこともあります。例えば洗顔の際はぬるま湯がよいとは良く言われますが、理想的なのは32~33度、思いのほか低いと感じる温度です。実際にその温度を体感して頂いたり、洗顔の仕方、拭き方など、お手本を見せて具体的にお伝えする内容で、皆様には楽しみながらご参加いただいております。
他にはやはり今の時代ですから、お伝えしきれないことなどは、インターネットで発信しています。ブログに治療やスキンケア製品のことなど、詳細に掲載しています。患者様もよくご覧になって下さいますね。今後はより具体的に動画なども盛り込んでいく予定です。
今はインターネットで様々な情報が氾濫して、正しい情報を選び取ることが難しくなってきていると思います。私もブログで発信する際は、正確な情報を発信するように心がけています。たとえば化粧品についてであれば、不明確なところはメーカーに直接確認して発信しています。
ビタミンAのゼオスキンヘルス、トラネキサム酸のナビジョンDRの魅力。
―― ホームケアでおすすめしているブランドはどちらになりますか?
森永 成分としてはビタミンAに着目しています。
シミを主訴とされる方が多いので、まずシミということであればゼオスキンヘルスをお勧めすることが多いです。また、シミ治療後の維持やマイルドな改善をお求めの患者様にはナビジョンDRをお勧めすることが多いです。
―― これらの製品をお勧めする理由はどのようなことからでしょうか。
森永 肌のシミ治療に用いるハイドロキノンという成分があるのですが、強いブリーチ作用があります。日本ではハイドロキノンの配合量に明確な基準が設けられていないため、極端に濃度が高い製品も販売されています。高い効果を発揮する成分ではありますが、使い方を一歩間違えると、取り返しのつかない肌トラブルを起こす可能性もあるのです。
ゼオスキンヘルスはハイドロキノンの配合濃度が適切ですし、ビタミンAとともに使用することで、肌を明るくするだけでなく、肌のトーンが均一に整います。また赤ちゃんのように新鮮な印象の肌へ導くことができるところは他にない魅力だと思います。
森永 ナビジョンDRは、長きにわたりトラネキサム酸とレチノールを研究してきた歴史ある企業が医療機関向けに開発したブランドです。
安全性やものづくりにおける技術面といった意味でも信頼感があり、患者様にも自信をもってお勧めできますね。
洗顔料の選び方のポイントとは。正しい洗顔を心がけて。
―― ホームケアの使用方法や選び方で気を付けた方が良いことはありますか?
森永 毎日のケアで肌トラブルと特に関係が深いのが洗顔なのです。意外と見落とされがちですよね。製品選びにしても皮脂が多い方は、ご自身の皮脂が肌に悪影響を及ぼし、炎症を引き起こしたり、くすみの原因になったりすることもあるので、適切に皮脂が落とせるタイプの洗顔料を選ぶ必要があります。
敏感肌の方はクレンジング選びが重要です。センシティブな肌タイプにオイルクレンジングは肌に負担がかかりすぎます。理想としては、メイク自体を軽く、落としやすい物に切り替えて、石鹸の泡洗顔で落とすことですが、どうしてもそれが難しいという方へは、低刺激のクリームタイプのクレンジングをお勧めしています。
クレンジング料の使用量も大事です。ケチらずたっぷりと手に取り、こすらないこと。肌に載せる時間は30~40秒が理想です。長くても1分以内を心がけましょう。アイメイクを落とす際もアイメイクリムーバーをコットンに含ませてふき取るタイプですと、どうしても力が入りすぎて摩擦が起きます。目元の皮膚は特にセンシティブなのですぐに炎症を起こします。慢性炎症から色素沈着につながりやすい箇所ですので、可能でしたら、アイメイクは専用リムーバーを使用しなくても落としやすいタイプに変えるのが理想ですね。
有用成分を肌の奥へ行き渡らせる
メソアクティス。
―― 保湿が大事と言うお話がありましたが、保湿ケアのポイントについてお願いいたします。
森永 化粧水を浴びるように使えば保湿ができるかというとそうではないんですよね。敏感な状態に傾いているときには化粧水がかえって刺激になる場合もあります。ある程度、基材に粘性があるもの、乳液、美容液といった肌に留まるような性質のアイテムは必要ですね。
もともと肌には外部のものを体内に入れないという機能が備わっているため、保湿効果があらわれるまでには時間がかかります。スキンケアをしているのに乾燥が改善されない場合は、ご相談ください。
当院では、メソアクティスというエレクトロポレーションを用いた施術があります。電流の力で細胞間に隙間を作り、有効成分をしっかり肌へ送り届けます。普段のスキンケアでは届かない領域にまでダイレクトに成分を行き渡らせますので、しっかりと肌へアプローチすることができます。症状に合わせた成分を組み合わせることで様々な肌悩みに対応できますし、敏感肌の方でもご利用いただけます。レーザーで症状が悪化してしまう肝斑の治療にも適用になります。
―― 人気の施術はありますか?
森永 先程お話したメソアクティスも人気ですが、当院の場合、シミの治療をご希望の方が多いのでピコシュアというピコレーザー、Qスイッチヤグレーザーといった色素トラブルに対応した治療が人気です。
1回でも効果実感が得られ、即効性があるため人気の高い施術です。
難治性の肝斑にも手だてがあります。
まずはご相談ください。
―― シミで来られる方が多いとのことですが、肝斑でお悩みの方にはどういった治療を行っていらっしゃいますか?
森永 実は私自身も妊娠中に肝斑がかなり目立つようになった経験があります。今はトラネキサム酸の内服により、ほとんど目立たなくなりました。ホルモンに起因する肝斑はなかなか完全に消すことは難しいのですが、第一の選択肢としてはトラネキサム酸の内服が最も効果的です。
問診や血液の状態などの確認をしっかりと行い、必要であれば、トラネキサム酸の量を増やして処方します。トラネキサム酸の処方、量の調整には、医師の診断が必須ですので、自己判断で多くの飲むのはおやめください。レーザーでさっと消すことが出来ないタイプではありますが、トラネキサム酸の内服、メソアクティス、ホームケアなどで軽減することができます。肝斑は治療だけでなく、診断も難しいとされていて、来院される患者様の中にも他院で肝斑を見落とされていたケースや肝斑でないアザの一種を肝斑と診断されていたりということも。通常のシミとは治療法が違いますので、医師として正しく診断することが大事だと感じています。
―― 患者様にメッセージがありましたらお願いいたします。
森永 些細なことでも気軽に相談していただきたいですね。
ニキビや、スキンケアの相談ぐらいでは行っちゃいけないのかなとためらっていらっしゃる方も多いと思います。
何かコースを組まなければいけないとか、購入しなけらばいけないということもないので、気になることがあれば、お気軽にご相談くださいね。
ケーズ皮膚科美容皮膚科小倉魚町院
ケーズ皮膚科
美容皮膚科小倉魚町院
院長 森永 萌美(もりなが もえみ)
経 歴
2008年に国立佐賀大学医学部を卒業し同年より北九州市内の病院にて内科や外科、救急科、精神科、産婦人科、小児科などで数年間の研修を経たのちに福岡市内の美容外科/美容皮膚科に勤務し幅広い美容医療に従事。その後、北九州市小倉南区のケーズクリニック皮ふ科へ就職し美容皮膚科/一般皮膚科の外来診療を担当し、また福岡県内外での勤務や研修を経験。
2013年11月、北九州市小倉北区のケーズ美容皮ふ科の開院と同時に院長に就任。またネイリスト、アロマセラピー、マクロビオティックなど趣味の分野でも幅広く資格を取得している。
資格・所属学会
日本美容皮膚科学会
日本美容外科学会(JSAPS・JSAS)
日本抗加齢美容医療学会
ケーズ皮膚科美容皮膚科小倉魚町院
〒802-0006 福岡県北九州市小倉北区魚町1-3-5 西川ビル2階
TEL:093-967-0632