目の下のクマやたるみは、顔の印象を大きく左右する悩みの一つです。「クマ取りをしたいけれど、失敗したらどうしよう」「どこで受けても同じ?」といった不安を抱える方も少なくありません。
本記事では、眼科医としてのキャリアを持ち、現在は美容外科医として多くの症例を手掛けるAILE Clinic(エールクリニック)の井原 力哉院長にインタビュー。眼科医ならではの視点から見たクマ取りのリスク、そして「とにかく平らにすればいい」という昨今の風潮への警鐘など、納得感のある施術を受けるためのヒントを伺いました。
インタビュー:眼科医から美容外科医へ転向した理由
――なぜ眼科医から美容外科の道を選ばれたのでしょうか?
井原院長(以下、敬称略) 学生時代から、医療の役割は単に寿命を延ばすことだけではなく、日々の生活を豊かにしたり、QOL(生活の質)を向上させたりすることにもあると考えていました。当時の自分にとって、QOLの改善に直結し、かつ「ちまちまとした細かい作業」が得意だった私に合っていたのが眼科だったのです。
美容外科は当時、今ほどメジャーな選択肢ではありませんでしたが、実際に眼科医として働く中で、より直接的に「美しさ」を通じて人生の満足度を上げる美容外科の道に挑戦したいと考えるようになり、この世界へ飛び込みました。
――眼科医としての経験は、美容外科の診療にどう活かされていますか?
井原 技術的なことはもちろんですが、最も大きな違いは「目に関する持病や既往歴への正確な判断力」だと考えています。
例えば、過去に目の手術を受けたことがある方や、現在進行形で目の治療を続けている方は、一般的な美容外科では「持病があるから」という理由だけで断られてしまうケースがあります。しかし、私は眼科医としての視点から現状の病状や使用している目薬の種類を確認し、「この状態なら施術可能である」「術後の薬はどう調整すべきか」といった、医学的根拠に基づいた踏み込んだ判断を行うことができます。
美容整形を進めても問題ないか、あるいは目の治療を優先すべきか。この境界線を見極められることが、眼科医出身としての私の大きな強みです。
クマ取り(下眼瞼脱脂)の専門性と「理想の仕上がり」
――「とにかく平らにすればいい」という誤解への警鐘
井原 現在、クマ取りは非常にニーズの高い施術ですが、一部で行われている「とにかく目の下を平らに、段差をなくす」という手法には疑問を感じています。
目の下には本来「涙袋」の膨らみがあり、その下にわずかな凹みがあるのが自然な解剖学的構造です。クマを消したい一心で、この段差をすべてなくして平らにしてしまうと、結果として涙袋が消失したり、表情が不自然にのっぺりして見えたりすることがあります。
――涙袋を活かすことが「目ヂカラ」に繋がる
井原 二重まぶたをイメージすると分かりやすいのですが、ラインがあることで目が大きく見えるのと同様に、目の下も涙袋の膨らみと、その下の凹みの「コントラスト」があることで、目が大きく、はっきりとした印象になります。
インターネット上では、芸能人の写真から涙袋を消した比較画像が話題になることがありますが、涙袋がなくなるだけで顔の印象は驚くほど変わり、魅力が薄れてしまうのが分かります。クマ取りは単に「脂肪を取る」作業ではなく、全体のバランスを見て、涙袋の魅力を最大限に活かす視点が不可欠です。
施術のリスクと患者様の不安への向き合い方
――噂される「失明リスク」について
井原 クマ取りを検討する際、稀に「失明のリスクがある」という情報を目にすることがあるかもしれません。
理論上、目の奥(眼窩深部)で大量の出血が起こり、その血の塊が視神経を圧迫して損傷させる、という可能性はゼロとは言い切れません。しかし、それは極めて稀なケースです。私自身、これまで直接そのようなトラブルに遭った方を見たことはありませんし、適切な止血と丁寧な手技を尽くせば、基本的には重篤な事故は起こりにくい施術であると考えられます。
――カウンセリングは「不安を言語化する場」
井原 初めて施術を受ける方は、目というデリケートな部位を扱うことに大きな不安を感じて当然です。カウンセリングでは、単に説明を尽くすだけでなく、患者様が「何に対して不安を感じているのか」を言語化していただくよう意識しています。
不安の原因が知識不足であれば、医学的な説明で解決できます。しかし、もし「漠然とした不安」が強く、ご自身の中でまだ踏ん切りがついていないようであれば、無理に進めることはしません。
一度カウンセリングを中断し、一人でじっくり考える時間を持っていただくことも大切だと考えています。医師側が一方的に喋るのではなく、患者様が納得してご自身の意思で結論を出せる環境を作ることが、私たちの役割です。
AILE Clinicが大切にしている運営ポリシー
――チーム医療による徹底した「情報の共有」
井原 当院の運営で最も重視しているのは、スタッフ間の連携です。クリニックは医師一人で完結するものではなく、受付・カウンセラー・看護師全員が関わる「チーム医療」です。
患者様の悩みや持病、細かなご要望が、工程ごとに「伝言ゲーム」のミスで漏れてしまうことはあってはなりません。情報の共有が不十分だと、満足度の低下だけでなく、医療事故にも繋がりかねません。そのため、スタッフ間の情報共有については、日頃から「口酸っぱく」徹底を指示しています。
――安心のためのアフターフォロー体制
井原 帰宅後のサポートも、施術と同じくらい重要視しています。術後は腫れや内出血が出ることがありますが、それが「正常な経過なのか、受診すべき異常なのか」を患者様自身で判断するのは不安なものです。
AILE Clinicでは、術後の患者様がいつでも相談できるよう、アフターフォロー専用の連絡体制を整えています。メッセージを通じて迅速にやり取りを行い、必要があればすぐに診察に来ていただける体制を敷くことで、患者様の「術後の不安」に寄り添い続けます。
まとめ:納得のいくクマ取りを受けるために
――最後に、井原院長から院選びのアドバイスをいただきました。
井原 「まず症例写真を見るのは基本ですが、アップの写真や『クマが消えた』という結果だけに捉われないでください。目の下をただ平らにするだけでは、表情の魅力が損なわれ、逆に目が小さく見えてしまう可能性があるからです。
大切なのは、日常生活で笑ったときや、動きがある中でどう見えるかといった、全体のバランスまで考慮した提案をしてくれる医師を選ぶこと。実際に足を運んで話をしてみて、リスクも含めて誠実に、自分の目の構造に合った相談に乗ってくれるクリニックを選んでいただければと思います。」
AILE Clinic
院長 井原 力哉
(いはら りきや)
経 歴
学生時代より、単に寿命を延ばすだけでなく「生活の質(QOL)を改善する」医療に関心を持ち、眼科医の道へ。細かな手技へのこだわりと、患者の生活に寄り添う診療を重視し、数年間の眼科診療を経て美容外科へ転身。眼球や眼周りの構造を熟知した眼科医としての専門性を武器に、クマ取り(下眼瞼脱脂)をはじめとする目元の施術に注力している。AILE Clinicでは「患者様に寄り添ったチーム医療」を掲げ、徹底したアフターフォロー体制を構築している。
AILE Clinic
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