いちのせ形成外科皮膚科 眼瞼フェイスクリニックは、「まぶたの専門治療」と「顔の美容外科」を専門としています。常に、独自に術式、治療法を考えて、多くの患者さんの治療を行っています。今回は、院長の一瀬晃洋先生に、クリニックのこだわりや美容医療への想いなどについて、お話を伺いました。
独自色が強いクリニックを目指して開院
――いろいろな科がある中で、なぜ形成外科を選ばれたのですか?
一瀬 私が神戸大学医学部を卒業した1987年当時は、日本の医学教育の中に形成外科はほとんど含まれていませんでした。ですから、大学教育の中で形成外科を目指したわけではないんですね。もちろん形成外科という診療科は知っていましたが、当時はインターネットもなかったので、その情報はほとんど入ってきませんでした。
ただ、その頃から美容外科のことがテレビなどで扱われるようになり、子供のころから物作りが好きだったので外科系に行こうとは思っていたのですが、その中でも美容外科医は大きな選択肢だったんです。そんな中、アメリカでは美容外科は形成外科医がやっているという情報が入ってきました。形成外科を極めた後に美容外科に進んでいることを聞いて、これは一体どういう意味があるんだろうと思ったのが形成外科を志望したキッカケです。ですから、結局のところ私は美容外科医になるために形成外科医になったといえます。
――貴院のこだわりや特徴について教えてください。
一瀬 いちのせ形成外科眼瞼フェイスクリニックを開院する時には、独自色が強いクリニックにしたかったんです。と言いますのは、美容外科の診療では、手術書に記載されている様な一般的に普及している治療方法がベストだと思うことが出来ません。美容外科の歴史は他の診療科より浅いために、治療方法が十分に成熟していないことが一つの原因だと思います。ですので、手術書や先輩の先生から教わった方法そのままではなく、診療から学んで自分で独自に改良した最も優れていると考える術式・治療法を実践していくしかないと思っています。結果的に、時には一般的に行われている治療方法とは大きく違って驚かれる方も多いかもしれませんが、自分自身が考えるベストプラクティスを提供していくことが当院の特徴だと思います。
――現在、眼瞼下垂などの「まぶたの専門治療」と「顔の美容外科」を専門とした治療を行っているのも、そのお考えがあるからですか?
一瀬 そうですね。顔の治療、瞼の治療といってもいろいろな治療方法がありますが、現在私が行うほとんどの手術は過去に私が行っていた治療とはその内容や方法が随分異なります。眼瞼下垂の手術にしても、年間1,500件以上行っていますが、術式は改良を繰り返して随分変わってきています。それは、毎日毎日、日々の手術から結果を得て術式の改良に取り組んでいくことを今でも常に意識して実行しているからです。これらを自分自身のベストプラクティスとして提供します。
あとは現在の診療においては、心の部分で昔と大きく違いますね。大学病院に20年ぐらい勤めていましたが、開業が決まった時には新しい環境で自分ができることを精一杯やっていこうと決心しました。開業すると通常は診療の中でできる治療が大幅に増えますが、逆に制限されてしまうこともいくつかあるんですね。開業医として出来る範囲の中でベストプラクティスを探し出して患者様に提供していきたいと考えています。
外面というのは、ただの表面的なものではなくて、心が表れてくるもの
――美容医療のやりがいや難しさについて教えてください。
一瀬 医療で行われる治療は効果を求めるわけですが、薬を飲めば副作用が生じ得ます。薬の添付文書を見ればたくさんの起こり得る副作用が載っています。美容医療も同じで、どんなに注意をして治療を行ったとしても患者様が期待していた様な結果が十分得られないことはあります。それについて手術前に患者様に説明して同意を得ていたとしても、実際に美容医療で副作用的な事象が起こってしまうと、治療の失敗とされてしまうんです。ですから、美容医療はすごく難しいんですよ。
やりがいは、患者様の心の面かなと思います。顔学という人の外面を研究する学問があるのですが、これは心理学の一分野なんです。人の外面にはいろいろな情報が出ているんです。その情報は、人が社会でうまく生きていくためにとても重要な情報ですので、私たちは常に他人の顔から何か情報を読み取ろうとしているんです。人の外面というのは、ただの表面的なものではなくて、心が表れてくるものなんです。自分の外面に何か問題があると感じるというのは、社会で自分らしく生きるための重要な機能が失われているのではないかと自分自身が感じている状態だと思うんです。そこの手助けができるのが美容外科である私たちだと思うので、そこは大きなやりがいといえます。
――瀬先生が考える美・美しさとは?
一瀬 普遍的な美の基準は存在するかもしれませんが、美容外科の診療において目指すべき美とは、患者様自身が得たい外面です。患者様はずっと自分の顔を見て生きてきたのですから、自分の顔に対しての一番の専門家は患者様自身なんです。ですから私たちは、まずは患者様自身の希望をよく調査して、そこに目標に設定します。そしてそれが技術的に可能であるかどうかなどを良く検討し、最終的に治療を選択することを原則としています。
自分の産まれ持った身体の性と心の性が一致しない状態のことを指す、性同一性障害というものがありますが、これは人の顔にもあると思うんですね。自分の外面と心が一致しないということが。それを患者様が望むようになるべく一致させることが美容外科の役割かなと思います。
美容外科には必要なことは、治療する部位の形状・形態と患者様の心をよく見ること
――患者様を診察・施術する上で大切にされていることはありますか?
一瀬 患者様をよく見ることですね。美容外科の診療では、これは少し治療が難しいな、どこをどう治していいかはっきりとわからない、ちょっとお手上げかも、と思う様なケースでも、何度か診察でお会いしているうちに、これだという治療法が思い浮かぶこともあるんですよ。一般の診療科では、治療方法を決定するためには検査が不可欠だと思いますが、美容外科は容姿が治療の対象ですので、有効な検査はほとんどありません。すなわち、美容外科で治療方法を決めるためには、検査に変わるものとして治療する部位の形状・形態に加えて患者様の心をよく観察することが重要だと思います。
――今後の展開について教えてください。
一瀬 先ほど、独自色が強いクリニックと言いましたが、美容医療はものすごく裾野が広くて大きな分野なので、その中から患者様のニーズを汲み取りながら治療方法の選択をして、目の前の一人ひとりの患者様にとって本当に役に立つ医療を提供していきたいと考えています。そして、地元の患者様だけでなく、全国の患者様も治療していけるシステムを構築することが今後の課題です。
いちのせ形成外科皮膚科
眼瞼フェイスクリニック
院長 一瀬 晃洋
(いちのせ あきひろ)
経 歴
1993年 神戸大学医学部卒業
2003年 神戸大学附属病院形成外科助手
2007年 Toolak cosmetic medical centre (オーストラリア・メルボルン)留学
2007年 神戸大学附属病院形成外科 講師
2008年~神戸大学附属病院美容外科開設 診療科長・准教授
2013年 ハワイ大学解剖学講座 客員教授
2018年 神戸大学附属病院美容外科 退職
2018年 いちのせ形成外科皮膚科 眼瞼フェイスクリニック 院長
資格・所属学会
所属学会
日本美容外科学会(JSAPS)専門医
日本形成外科学会専門医
日本レーザー医学会専門医
国際美容外科学会(ISAPS)正会員
日本眼科学会正会員
役員・委員会
日本美容外科学会(JSAPS) 理事
日本形成外科学会ガイドライン委員(眼瞼下垂症)
第141回日本美容外科学会(JSAPS) 学術集会 会長
いちのせ形成外科皮膚科
眼瞼フェイスクリニック
〒661-0976 兵庫県尼崎市潮江1丁目3番43号 緑遊メディカルタウン2F
TEL: 06-4950-0423
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
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10:00~13:00 | 〇 | 〇 | ー | 〇 | 〇 | 〇 | ー |
16:00~19:00 | 〇 | 〇 | ー | 〇 | 〇 | 〇 | ー |
休診日:水・日・祝