わたしの名医

CBDは優れた効果を発揮する稀有な食品。長期にわたり、ベネフィットを享受できるよう正しい情報を発信していきたい

薬物動態学を専門とし、大麻草カンナビノイドの一種「CBD」に早くから着目、CBD研究の第一人者である昭和大学薬学部教授 佐藤均先生にお話を伺いました。

CBDの生体内での吸収、作用、副作用について科学的に解析していった

――CBDの研究をはじめたきっかけを教えてください。

佐藤 6年程前、知り合いから海外(アメリカ、ヨーロッパ)でCBDのサプリメントが話題となり、急激にマーケットが拡大しているということを聞き、興味を持ったのがきっかけです。
CBDとは、どういう物質なのか、面白いものだったら研究しようということで調べ始めました。
私は薬物動態の研究が専門なので、CBDが生体内でどのように吸収されて、どのように作用し、副作用についてはどうかといったことを解析していきました。
CBDは使われてはじめてから日が浅いため、まだ解明されていないことが多く、研究対象として非常に面白い物質です。研究内容を論文として発表し、2名に薬学博士号を与えました。

――発表された論文のテーマはどのようなものがありますか?

佐藤 CBDの研究を進めていく中で世界で初めてCBDの水溶性化に成功しました。その内容をまとめたものと、CBDの薬物代謝酵素阻害に関する論文を発表しました。

エンドカンナビノイドシステムを整えることで様々な症状を緩和させるCBD

――CBDとはどのようなものでしょうか。

佐藤 大麻に含まれる生理活性物質カンナビノイドの一種です。
大麻草には100種類以上のカンナビノイドが含まれており、中でも有名なものにTHCとCBDがあります。THCは陶酔感やハイになるなどの精神活性作用があり、日本では禁止薬物として法律で規制されている成分です。CBDはTHCと違って精神活性作用がなく、現在、抗炎症や、自律神経の調整、抗不安、抗てんかん、制吐その他数多くの文献があげられています。

日本で流通しているCBDオイルは大きく2種類に分けられます。産業用大麻の成熟した茎、種からCBDを含む全草成分を抽出し、大麻取締法の禁止薬物であるTHCを除去したブロードスぺクトラムタイプと、CBDのみを単離、精製しオイルに溶かし込んだCBDアイソレートタイプがあります。アイソレートタイプはCBDのみの効果が得られ、ブロードスペクトラムは麻に含まれるモノテルペン類やポリフェノール類が入っているのでCBD単体で摂取したときより、アントラージュ効果によって様々な作用が増幅されていきます。

CBDの作用メカニズムについては複数種類あり、その一つに内因性カンナビノイドシステム(エンドカンナビノイドシステム)があります。エンドカンナビノイドシステムは人だけでなく、脊索動物のホヤ類、脊椎動物の魚類、両生類、爬虫類、鳥類のすべてに存在していて、生きていくのに必要不可欠なシステムとして形成されたと考えられています。
CB1,CB2というカンナビノイド受容体が体中のあらゆる場所に存在していて、細胞間コミュニケーションの正常化に関わっています。
人は強いストレスを受けたり、老化が進むと神経と免疫システムの不調、いわゆるカンナビノイド欠乏症となり、様々な不調が表れるといわれます。CBDオイルは不足したカンナビノイドを補い、エンドカンナビノイドシステムを整えることにより、症状の軽減に役立ちます。

また、CBDはエンドカンナビノイドシステムを整えるだけでなく、セロトニン受容体や、PPARγ受容体に作用するといわれ、製薬業界もその働きに注目している成分です。

自律神経を整えることで不眠や慢性疼痛を緩和

――CBDにはどのような働きがありますか。
また、副作用はありますか。

佐藤 免疫や神経伝達、自律神経などの恒常性を維持する作用が高いといえます。
高すぎるものは下げる。低すぎるものは上げる。というように、体内のバランスを調整する働きがあります。 神経伝達が高すぎるために、てんかんをお持ちの人は神経伝達を調整することによりてんかん発作が抑えられます。また、免疫が高すぎる人はアレルギー症状が表れますが、抑えることにより炎症が治まります。
CBDの抗炎症作用は、非常に強いですね。アレルギー体質の人などは効果が分かりやすいでしょう。

CBDには注意するべき点もあります。他の薬物との併用の際、CBDには薬物代謝酵素を阻害する働きがある為、薬物の血中濃度が上がり、効果が強く作用することあります。
薬物を常用している方は、医師に相談してください。また、CBDは薬物摂取の2時間後に飲むなど摂取時間をずらすと良いでしょう。その場合、薬剤が先で、CBDは後に飲んでください。
CBD単独で飲んでも 飲みすぎると肝障害が起きることがあります。飲めば飲むほど効果が高いというわけではありません。低い方が逆に効果が高まることもあります。多く飲むことで逆に効果が弱まることもあります。
1日の標準摂取量は、20〜200mgと、範囲が広いです。1日摂取量の上限は、体重1㎏あたり5mg程度で、例えば体重50kgでしたら250mgまでにとどめて下さい。それ以上の摂取量は、欧米で医薬品として認可されている量に近づくので、サプリとしての使用においては適切と言えません。グミやチョコレートなどのお菓子や飲食物にCBD が入っている場合は、総摂取量として上記の上限を越えるまで食べ過ぎないことが重要です。
また、水溶化ナノエマルジョンなどの加工がされているCBDは4倍ほど吸収速度が上がります。
吸収率の高いタイプを摂取するときは更に注意が必要です。
また高すぎる濃度のものも知らぬ間に摂取量が多くなりやすく、肝臓に負担をかけることがあります。10%を超える高濃度タイプは医師の指導の下で摂取するのが望ましいですね。

昭和大学薬学部教授 佐藤均先生

――CBDはどのような方におすすめですか。

佐藤 交感神経と副交感神経のバランスを整えるので睡眠障害の方にはおすすめですね。神経の高ぶりを鎮めることによって自然な眠りへ導きます。
また、頻尿を抑える働きもあるので、夜中にトイレで目が覚めることで睡眠が妨げられてしまうような方にもおすすめですね。

慢性疼痛にも優れた効果を発揮します。痛みのある方は少量を少しずつ飲むことをおすすめします。
CBDの効果は血中濃度の上昇によって感じるので効果が感じられなくなったら一度摂取をやめてから再び飲み始めると効果を感じることができます。

――効果的な摂取方法はありますか。

佐藤 舌禍から吸収させるのが最も効果的です。
口の中に2分間以上かけて吸収させると良いでしょう。
また、油と同時に摂取すると吸収率が上がります。

――CDBは大麻から成分を抽出していますが安全ですか。

佐藤 CBDは適切に摂取すればWHOでも認められている安全な成分です。
日本では禁止されているTHCは精神作用があり、幻覚を見るなど危険性も伴う成分ですが、CBDはTHCの働きを阻害すると言われています。

良い面だけを見るのではなく、リスクを知った上で適切な摂取を

――日本で最近なぜCBDが話題なのでしょうか。

佐藤 社会的な背景にマッチしているのか、市場が広がってきていますね。 食品としても様々な優れた効果が得られますし、塗布することでも効果が得られます。 最近、大手エステ企業もCBDのトリートメントコースを作り大変な話題のようです。
抗炎症効果が非常に強く、分子量も小さく経皮吸収もしやすいため、リラクゼーション効果が得られるのではないでしょうか。

――今後、日本でCBDがどのように用いられるのを望みますか。

佐藤 CBDの良い面だけを見るのではなく、リスクを知った上で正しく使用することを望みます。まずは少ない量からはじめて、効果をみながら摂取量を調整しましょう。正しい摂取方法を心がければ、健やかな生活に役立つ食品です。
しかし、不適切な摂取方法で健康被害が起こると、またそこで捻じれた情報が広まります。
情報は極端に走りやすく、結果的にCBD全体が悪いという風潮が広まることで、規制対象になる可能性もありますから。
薬ではなく、食品でここまでメリットが得られるものにはなかなか出会えないのではないでしょうか。長期にわたり、健康食品としてベネフィットを享受できるよう、正しい発信をしていきたいですね。

昭和大学薬学部教授 佐藤均先生

昭和大学薬学部教授
佐藤 均(さとう ひとし)

経 歴

東京大学薬学系研究科(製剤学教室)修士課程修了後、金沢大学薬学部助手、富山医科薬科大学付属病院薬剤部助手、アメリカ国立衛生研究所(NIH)・癌研究所(NCI)奨励研究員、スイス・バーゼル研究所(Sandoz Pharma)客員研究員を経て、東京大学医学部助教授となる。
2000年~昭和大学薬学部教授(臨床分子薬品学教室)
現在は同大学の薬物療法学講座薬物動態学部門を担う

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