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【完全解説】EGFの効果や注意点は?副作用はあるの?アンチエイジング効果を解説!

革新的なエイジングケアと話題の『EGF(上皮成長因子)』は、美容液などで手軽に取り入れられることもあり、美容業界でも大変注目されています。

通常のコスメのように肌に塗布することで美容成分を吸収させるのではなく、人が本来持っている肌の再生能力を引き上げ、肌そのものを活性化させるため、これまでのエイジングケアとは一線を画すものです。

今回は『EGF』がなぜエイジングケアに有効なのか、期待できる効果やデメリット、効果的に取り入れるための摂取方法を全般的に解説します。

今回、EGFについて教えてくれたのは

薬剤師 馬場 布由佳 さん

薬剤師
株式会社HOSMARKETI代表
薬機法専門コピーライター/薬剤師

現役の薬剤師として医療現場に携わる顔を持つ一方、薬機法を専門に扱うコピーライターとして、医療メディアの運用サポートに従事。

法律を遵守しながら売り上げ伸ばすコピーライティング提案を得意とし、健康食品や化粧品の薬機法監修、web販売導線設計も行う。

EGF(上皮成長因子)とは

EGFは成長因子の一種

EGF (Epidermal Growth Factor)は別名ヒトオリゴペプチド-1と呼ばれ、人が本来持っている成長因子(グロースファクター)の一種です。成長因子とは細胞の分裂や増殖を促すタンパク質の総称ですが、成長因子の種類は数百種類に及びます。中でもEGFは上皮成長因子といわれており、肌の表皮細胞に作用するものを指します。

EGFは1962年にアメリカの生物学者であるスタンレー・コーエン博士が発見しました。火傷を負った皮膚の再生を目的として研究が進められ、1986年にはノーベル医学生理学賞を受賞しています。

もともとは医療の現場で用いられており、1gで8,000万円と非常に高額でしたが、近年は大量生産が可能となり、日本では2005年に厚生労働省より化粧品への配合が認可されています。

EGFとFGFの違い

EGFと共に肌老化を改善する成長因子として紹介されているものに、FGF(線維芽細胞増殖因子)があります。FGFはヘパリン結合性タンパク質のことで、線維芽細胞を増殖させ新たなコラーゲン繊維を作ります。

EGFと同じく美肌効果が期待できる成長因子ではありますが、FGFはEGFが作用する上皮よりもさらに深い真皮に作用するため、口元や目の下の深いくぼみ、ニキビの凸凹跡の改善に有効とされています。

また、FGFが化粧品に含まれている場合は「ヒトオリゴペプチド-13」「ヒト遺伝子組換オリゴペプチド-11」と表示されているため、確認することができます。

EGFは加齢と共に減少する

EGFは元来、人の体に備わっているもので、肌や唾液、母乳などに含まれています。肌の表面にはEGFを受け取る受容体(レセプター)があり、それらと結びつくことで新しい肌細胞が生産されターンオーバーが起こります。

受容体が受けとった信号を元に肌の新陳代謝を促進したり、正常に働くよう整えたりすることで細胞が生まれ変わり、美肌効果が期待できます。

体内に蓄積されているEGFの量は、生まれてすぐ豊富にあるにも関わらず、加齢に伴い25歳ごろからEGFが減少していきます。赤ちゃんの肌は多少の傷がついてもすぐに消えますが、加齢と共に肌の再生能力が下がり、傷が治りにくくなる現象がありますが、これは体内のEGFの量の減少が原因となり、肌の老化が進んでいると言える状態です。

そこで減少していたEGFを補うことで受容体の働きを整え、肌の新陳代謝を促すことで皮膚の老化防止に効果があるとされています。

どんな効果があるの?

こんなお悩みの方に

EGFは下記のお悩みを抱えている方が対象です。

・肌のターンオーバーが乱れている
・肌表面が凸凹している
・肌のハリや弾力が失われていると感じる
・肌のくすみが気になる
・肌にざらつきを感じて、化粧のりが悪い

主な効果

・肌のターンオーバーの周期の正常化
・加齢による肌のたるみの解消
・色素沈着の改善
・肌の弾力が増す
・肌表面の水分を保ち、みずみずしい肌になれる

ターンオーバーの乱れは乾燥の原因にも

肌のターンオーバーとは、肌の表面組織が生まれ変わるサイクルのことを指します。表皮の一番下にある基底層から順に、細胞分裂を繰り返して肌の表面に向かって押し上げられていき、古い細胞が剥がれ落ちていくことで肌表面の細胞が生まれ変わります。

肌が再生するために、20代であれば通常28日かかるとされています。ところが加齢や紫外線による刺激などによって、サイクルが早まったり遅くなったりすると肌トラブルの原因となります。

ターンオーバーが遅くなると、古い細胞が剥がれ落ちそのまま蓄積されてしまい、色素沈着が起こりシミやニキビの原因にもなります。

逆に過度な洗顔やクレンジングでターンオーバーが早まりすぎると、未成熟な細胞が表面に出てしまうため、乾燥しやすくなり肌荒れを起こすこともあります。

加齢に伴い肌のターンオーバーは衰えていくため、30〜40代の肌の再生スピードは約45日ほどになります。肌の生まれ変わりサイクルが遅くなることで古い細胞が溜まり、くすみやザラつきの素となり、ファンデーションなどを塗った際には、化粧ノリが悪いと感じる原因にもなります。

またターンオーバーが乱れると肌のバリア機能が失われ、乾燥しやすくなります。肌が水分を十分保っていれば、目立たないシワも、肌の乾燥によって深い溝になってしまいます。

このようにターンオーバーの乱れは、あらゆる肌悩みに影響してくるので、きちんとケアする必要があります。

傷や日焼けのダメージ抑止にも効果的

EGFはタンパク質のため、クリームや美容液であれば全身にお使いいただけます。肌細胞の再生を促すことができるため、顔以外の皮膚にも効果を発揮します。

そのため美肌効果だけでなく、傷や火傷・日焼け・床ずれのダメージを抑止し、治りを早くする効果も報告されており、EGFを配合した日焼け止めクリームも発売されています。

アンチエイジング効果の特徴

これまでのアンチエイジングコスメに取り入れられてきたヒアルロン酸やコラーゲンは分解・吸収されるため効果持続期間が短かったですが、EGFは肌の細胞そのものに作用するため、効果が持続しやすいことも特徴です。

また、肌細胞を活性化させ新しい細胞を作るため、一つの効果だけでなく複数の肌悩みに対応できることも魅力といえます。あらゆる肌悩みにアプローチでき、豊富な美肌効果が期待できます。

効率的に取り入れるには

食事やサプリメントで取り入れる

EGFは人の体内で生成されるタンパク質のため、食品やサプリメントから直接的に摂取することはできません。高級食材であるツバメの巣やプラセンタなどにも、ごく少量のEGFが含まれていますが、美肌効果が得られるほどの作用はないと考えられます。

ただし、食事やサプリメントによって体内のEGFの働きを活性化させることは可能です。ビタミンD3に活性化作用があるとされており、いわしやサバ・鮭といった油分の多い魚介類、卵黄や牛乳に多く含まれます。魚介類が苦手な人はサプリメントでビタミンD3を摂取することも有効です。

適度な日光浴も効果的

また食事だけでなく、日光にあたってビタミンD3を増やすこともできます。皮膚に存在する7-デヒドロが太陽光に当たると、プレビタミンD3を経てビタミンD3となります。紫外線対策をした上で、1日10分程度の適度な日光浴をすることも、ビタミンD3を活性化することに効果的です。

EGFを化粧品で取り入れる時のポイント

EGFという名称は、化粧品の成分としては記載されていません。EGFが化粧品に配合される場合は「ヒトオリゴペプチド-1」「ヒト遺伝子組換オリゴペプチド-1」と表示されています。

具体的な製品としては、美容液やクリーム、フェイスパックが取り入れやすく、最近は比較的安価な製品も見受けられます。医療機関では専売品のEGF配合化粧品もあり、原材料にこだわった低刺激・安全性の高い製品もあるため、肌が弱い方にも安心してお使いいただけます。

人気の韓国コスメでも、アンチエイジング製品の中にはEGFを含んだクリームや美容液も登場するようになりました。韓国では日本より大気の湿度が低く、肌も乾燥しているためシワができやすいため、アンチエイジングに対する関心も高くなっています。

EGF認証マークで品質をチェック

国内で効果の高い製品を見抜くには、日本EGF協会が定めるガイドラインをクリアした認証マークがあるものを目安にすると、信頼できる製品を選ぶことができます。

日本EGF協会ではEGFの配合基準値を「1ml内に0.1μmg以上配合」としているため、一定の効果を得ることが期待できます。また有効成分の配合だけでなく、価格や製品表示が適切にされているかなどを検証・審査しているため、より安全な製品選びに役立ちます。

ヒト幹細胞コスメにEGFは含まれているのか?

アンチエイジング美容として、同じく人気なのがヒト幹細胞コスメです。ヒト幹細胞コスメは幹細胞を増殖させた時に生じる培養液をコスメの成分として使用しています。またヒト幹細胞コスメの効果にはターンオーバーを正常に整えることや、シミやシワの生成を薄くするなど、EGFにも含まれる効果があるため、混同されることがあります。

ヒト幹細胞コスメには、活性物質やEGF・FGFといった成長因子が含まれていますが、日本EGF協会によると認定基準に満たない少量の含有である場合が多いとされています。

副作用やデメリット

EGFのデメリットは?

成長因子は新陳代謝を高め活発にする働きをするため、種類によっては太るというような噂を耳にする方もいます。ただし成長因子はそれぞれ作用する場所が決まっており、EGFの場合はあくまで肌の表皮に作用する成分のため、そのようなデメリットはありません

またEGFに副作用は特になく、安全な成分と言えます。その理由は2つあります。1つは元々人の体内に備わっている成分であること。次に過剰摂取して飽和状態になったらそれ以上受け付けなくなるため、ターンオーバーを必要以上に早めたり不必要に肌の再生を引き起こさないことです。

EGFの使用に注意が必要な人

乾癬(かんせん)の症状がある方は注意が必要です。乾癬とは慢性の炎症性皮膚疾患の一つで、紅斑(こうはん)という皮膚の赤みと鱗屑(りんせつ)というかさぶたのようなものができ、鱗屑はポロポロと剥がれ落ちてきます。

鱗屑の皮膚ではターンオーバーの周期が4〜7日と非常に短くなっています。サイクルが極端に早まってしまうことで角質が異常に作られてしまい、鱗屑として剥がれ落ちていくのです。

EGFの受容体は肌のターンオーバーに作用するため、乾癬で皮膚が厚くなる原因の一つとして報告されており、そのような症状がある方は使用を控えてください。

美容クリニックでの施術は副反応があることも

美容クリニックでの施術においては、効果を高めるため肌の深いところに浸透させたり、微弱な刺激を与えることで一時的に赤みが出る場合もあります。

例えば肌に微細な穴を開けることで、肌の再生を促すダーマペンとEGFを組みあわせた施術の場合、肌に赤みやヒリヒリした痛みがあることがあります。

これはEGFそのものに対する副作用ではなく施術方法に対する反応であるため、事前にカウンセリングの際に医師に確認する必要があります。

ターンオーバーを整えて若さ溢れる美しい肌へ

EGFは肌のターンオーバーを整え、肌本来の再生能力を高める画期的なエイジングケアです。人の体内に元からあるものなので副作用やデメリットもなく、安全性が高いことからこれからますます広がってくると考えられます。

加齢によるEGFの減少はくすみやシワ、乾燥など肌老化のお悩み全般の引き金となります。EGFを取り入れることは悩みを包括的に効果を発揮するため、コストパフォーマンスが高いことも魅力です。

肌の老化と共に増えていく美容の悩みを解消するためにEGFを補給することで、若さ溢れる美しい肌を手に入れることができます。

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