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肌荒れに効果的?アラントインの効果や安全性は?

「アラントイン」は、肌に使用する医薬品やスキンケアアイテムに配合されている成分です。話題の韓国コスメであるカタツムリクリームにもアラントインが含まれていて、美肌成分として知られています。

この記事では、アラントインの概要や特徴、副作用や安全性など詳しくご紹介します。

アラントインとは

アラントインとは、炎症を鎮めたり、皮膚を保護する作用のある成分です。もともと自然界に存在していた物質で、植物の「新陳代謝」によって生み出されます。新陳代謝とは、細胞が新しく生まれ変わり、古い細胞を排出することです。

19世紀ころに牛の羊膜(胎児を直接包む膜)から発見された成分で、羊膜を意味する「アラントイス」から名づけられました。

現在は、穀物の胚芽やタバコの種、ヒレハリ草の地下に伸びる茎などから採取されています。アラントインが発見される以前から、ヒレハリ草はヨーロッパの農民の間で民間治療の薬として知られてきました。抽出したエキスを傷口に乗せ、傷を癒したのです。

その効果から、保湿クリームなどのスキンケアアイテムや歯磨き粉、しもやけ・あかぎれ用薬や目薬をはじめとする医薬品などに幅広く使われてきました。

また、アラントインはカタツムリの粘膜のなかにも含まれています。南米で飼育中のカタツムリが傷ついてもすぐ回復することに注目が集まり、研究の結果アラントインが含まれていることが判明しました。さらに、カタツムリの粘膜にはアラントイン以外にも、肌に弾力とハリを与えるコラーゲンなどの美肌成分が含まれています。

カタツムリの粘膜が持つ効果が注目され、韓国でコスメとして有名な「カタツムリクリーム」など、化粧品にも使われるようになりました。

アラントインには合成品もあり、一般的には生き物の代謝に使われる「尿素」という物質から合成されます。
「パンテノール」や「グリチルリチン酸」といった抗菌・抗炎症・かゆみ止め作用がある成分と一緒に配合されることが多いのが特徴です。アラントインという名前は知らなくても、配合された化粧品を使用したことのある人は意外に多いでしょう。

期待できる効果

抗炎症作用

抗炎症作用とは、痛み・かぶれ・かゆみ・腫れ・熱など、肌に起きている炎症を鎮める作用のことです。炎症は細菌やほこりなど外部からの刺激などの要因で起きます。肌荒れやニキビになりやすい場合、抗炎症作用のある成分が配合されたスキンケアを使用することで、肌の調子が整うケースもあります。

炎症が起きている肌は、バリア機能が低下して、紫外線や摩擦のダメージを受けやすいため、ますます荒れやすくなります。同じ場所で炎症が繰り返し起きると、皮膚組織が傷ついてしまい、傷跡や色素沈着のリスクも高まるでしょう。

美しい肌を目指すなら、アラントインをはじめとする抗炎症作用のある成分を含むスキンケアで、炎症を改善・予防することが大切です。

組織修復作用

医薬品としてのアラントインには、白血球の数を一時的に増加させる効果があり、それに肌の角質細胞の増殖を促進。傷ついた組織を修復する作用があると考えられています。

肌荒れ・乾燥・あかぎれ・ひび割れ・皮膚炎・紫外線による炎症といったダメージを受けた肌に使用すると、肌の最も表面にあり外部刺激から体を守る役割を持つ「角質細胞」が増えやすくなります。それにより、体の表面を覆う「上皮組織」を構成する「上皮細胞」が正常化し、トラブルを改善できるでしょう。

また健康な状態の肌に医薬品のアラントインを使用した場合は、なめらかさを与え、刺激から肌を守る効果があると言われています。

どんな製品に使用される?

アラントインは、抗炎症作用や組織修復作用があることから、医薬品や医薬部外品、化粧品に幅広く使われています。

アラントインがどのような製品に使用されているのかや配合濃度について、詳しくご紹介します。

医薬品、医薬部外品

アラントインは、抗炎症作用・組織修復作用があり、傷の治りを早くする効果があり、下記のような医薬品や医薬部外品に使用されています。

医薬品は、病気の予防や治療を目的として製造された薬です。厚生労働省により、薬に配合されている「有効成分」の効果が認められています。医薬品は、大きく医師の診断による処方せんが必要なものと、薬剤師や登録販売者がいる薬局やドラッグストアで販売されるものとにわかれます。

アラントインが配合されている医薬品は、下記の通りです。
・しもやけ・あかぎれ用薬
・痔治療薬(外用薬)
・痛みやかゆみを抑える薬
・収れん薬
・消炎薬
・パップ剤(シップの一種で消炎・冷却効果のあるもの)
・点眼薬 など


医薬部外品は、薬用化粧品など病気の予防や衛生などの目的で製造された製品です。医薬品と同様、労働厚生省により承認を受けた有効成分が一定の割合で配合されており、医薬品と比較して効果はおだやかです。

アラントインは医薬品成分として指定を受けているため、医薬部外品に配合する場合は、配合量の上限が定められています。

医薬部外品の種類 アラントインの配合量
(100gあたり)
薬用石けん・シャンプー・リンスなど、除毛剤 0.50g
育毛剤 0.20g
その他の薬用化粧品、腋臭防止剤 0.20g
忌避剤(害虫などを防ぐ薬剤) 0.20g
薬用口唇類(リップなど主に唇に使う薬用化粧品) 0.20g
薬用歯みがき類 0.20g
薬用口唇類(リップなど主に唇に使う薬用化粧品) 0.20g
浴用剤 0.20g

※数値はアラントイン誘導体を全てアラントインに換算し、アラントインとして合計し算出しました。

化粧品

アラントインは、抗炎症作用・組織修復作用により肌を健やかに整え、美肌に導く働きがあるため、多くの化粧品に配合されています。

化粧品は日常生活で使われる言葉ですが、厳密には医薬品や医薬部外品以外のもので「人体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変えるために、または、皮膚や毛髪を健やかに保つために使用される」ものを指します。

医薬品や医薬部外品と比べて、人体への作用がおだやかで、ドラッグストアや雑貨屋など一般的な小売店で購入できます。

アラントインは、主に下記のような化粧品に配合されています。
・保湿化粧水
・洗顔料やクレンジングジェル
・保湿美容液
・乳液
・フェイスクリーム
・フェイスマスク
・オールインワンゲル
・リップグロスなどの唇に使う化粧品
・ボディクリームなどボディケア用品
・ハンドクリーム
・シャンプーやリンス
・ヘアムースなど整髪料や頭皮ケア用品 など


このようにアラントインは、スキンケアアイテムを中心に、幅広い種類の化粧品に配合されています。また、韓国発祥のカタツムリクリームなど、カタツムリの粘膜を配合したコスメも、アラントインが使用されています。

医薬品成分として指定を受けているアラントインは、医薬部外品と同じように化粧品に使用する場合も配合量の上限が定められています。

化粧品100gあたりにアラントインを配合できる上限は、使用部位や使用方法によって下記のように定められています。

・粘膜に使用されることがなく洗い流す化粧品(クレンジングなど):0.50g
・粘膜に使用されることがなく洗い流さない化粧品(化粧水など):0.30g
・粘膜に使用されることのある化粧品(リップなど):0.20g

※数値はアラントイン誘導体を全てアラントインに換算し、アラントインとして合計し算出しました

副作用や安全性は?

アラントインは、10年以上にわたる使用実績があり、2021年時点で副作用の報告はありません。比較的安全性の高い成分といえます。

医薬品や化粧品などの安全性・有効性を科学的に確かめる「ヒト」試験も、過去に繰り返し実施されてきました。その結果、アレルギーなどの皮膚刺激性や眼刺激性は、ほとんど認められないと報告されています。

そのため、敏感肌の方向けのスキンケアや、ベビーパウダー・ヘアケア・入浴剤などの赤ちゃん用品にも配合されています。

幅広いタイプの肌質の方に適した成分ですが、肌質によってはまれに化粧品かぶれを起こし、赤みやかゆみが出ることもあります。もし、赤みやかゆみ、刺激などを感じた場合は、使用を中止して、医師に相談しましょう。

日本のドラッグストアなどで市販されている化粧品や医薬部外品は、厳しく配合量の上限が定められているので、副作用のリスクは低いでしょう。

海外の化粧品のなかには、アラントインが配合量の上限を超えて含まれている場合もあります。化粧品としては効果が劇的すぎる可能性があるので、購入の際は配合量をチェックして、基準値以下のものを購入するとトラブルの可能性が低くなります。

よくある質問

美白効果はあるの?

シミやそばかす、くすみの原因のひとつが肌を黒く見せる「メラニン色素」の沈着です。メラニン色素は、日焼けや摩擦といった外部刺激から肌を守るために生まれる色素です。肌に炎症などが起きると、メラニン色素がその場所に残り、色素沈着を起こします。

アラントインには、炎症をおさえる効果があるため、炎症によるメラニン色素の生成を防ぎます。さらに、肌の新陳代謝を促進する作用も期待されます。新陳代謝をスムーズに行うことで、メラニン色素を含む古い角質層が排出され、くすみのない透明感のある肌になります。

アラントインは「ビタミンC誘導体」「プラセンタエキス」とは違い、メラニン色素を直接おさえる働きはありません。しかし、肌の炎症を改善し、新陳代謝を促すことで、間接的にメラニン色素の影響を軽減し、美白をサポートしてくれるのです。

ちなみに、アラントインは厚生労働省から美白有効成分としては認められていません。そのため、アラントインによる美白効果をうたったスキンケアアイテムはないので、注意しましょう。

育毛効果はあるの?

アラントインは、育毛剤やシャンプーなどヘアケア用品に含まれる場合があるため「育毛効果がある」と思われることがあります。

しかし、アラントインそのものには育毛効果がありません。頭皮が健康であればコシのある髪が生えやすくなるため、育毛には頭皮環境が非常に重要です。また、育毛剤を使用しても、乾燥肌など頭皮のコンディションが不調だと、育毛成分が頭皮に浸透しにくく効果を感じにくい場合もあります。

アラントインは、炎症をおさえ、新陳代謝を促進する効果があるため、育毛剤に配合することで、頭皮を健康的な状態に整える効果が期待できます。

アラントインで健やかな肌に

アラントインは抗炎症作用や組織修復作用、抗刺激作用があり、炎症や外部の刺激によるダメージから肌を守り、傷ついた肌を修復してくれます。

副作用はほぼなく安全性が高いことから、多くの医薬品や医薬部外品、化粧品など幅広く使用されています。その安全性の高さから、ベビーパウダーなどの赤ちゃん用アイテムにも使用されるほどです。

特に、スキンケアアイテムに配合する美肌成分として人気が高く、韓国発祥のカタツムリクリームも、アラントインを含むカタツムリの粘膜でつくられています。

敏感肌など幅広い肌質に適しているので、肌荒れが気になる方は、アラントイン配合のアイテムを検討するのも方法のひとつです。

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