エレクトロポーション 細胞内まで美容成分を浸透!ニキビ跡など幅広い悩みに

エレクトロポレーションは、肌に弱い電圧を与え、皮膚に小さな穴を空けて、美容成分を導入する美肌施術です。
痛みやダウンタイムがほとんどなく、ニキビ跡や毛穴、しみなど幅広い肌悩みに対応できるため、人気を集めるようになりました。
エレクトロポレーションとは

エレクトロポレーションは、別名「電気穿孔(せんこう)法」とも呼ばれ、皮膚に弱い電圧をかけて一時的に小さな穴を開け、美容成分を肌の奥に浸透させる施術です。空いた穴は施術後にすぐふさがります。もともとは生物学の分野で使われていた手法を、美容医療に応用したものです。
使用する美容成分によって、ニキビ跡や毛穴、しみ、肝斑など、さまざまな悩みに対応します。痛みを伴わず美容成分を導入でき、使用できる美容成分の種類も多いなどといった理由で、近年注目されている美肌施術です。
こんな悩みを持っている方に

・ニキビ跡や毛穴、しみ、肝斑など肌の悩みを抱えている
・年齢のせいか肌のハリや弾力などが衰えてきた気がする
・なんとなく肌の調子が気になる
・一度に複数の肌悩みをケアしたい
・美肌施術を受けたいけど注射やレーザーは怖い
・施術直後からメイクなど普段通りの生活をしたい
・家庭用美顔器やエステの効果が物足りない
エレクトロポレーションの仕組み

エレクトロポレーションは、特殊な電流を流すことで、美容成分を肌の深くまで浸透させる美肌施術です。
肌は外側から「表皮」「真皮」「皮下組織」にわかれます。表皮はさらに「角質層(かくしつそう)」「顆粒層(かりゅうそう)」「有棘層(ゆうきょくそう)」「基底層(きていそう)」にわかれています。

表皮の主な役割は、外部からの保護です。肌内部からの水分の蒸発を防ぎ、紫外線や細菌などから身体を守ります。
化粧品をつけたときに成分が浸透するのは、一般的には一番外側の角質層です。角質層は肌の生まれ変わりである「ターンオーバー」により、はがれ落ちてしまいます。
通常の肌は、バリア機能が働いているため、サイズの大きい高分子有効成分やコラーゲン、ヒアルロン酸などのイオン化されていない成分は、肌の奥へ浸透できないのです。
そのため、美容成分を肌に塗っても、奥まで浸透せず、外側の保護しかできません。
エレクトロポレーションであれば、特殊な電流を流すことで、皮膚の細胞膜に隙間をつくり、従来のイオン導入や超音波導入では、導入できなかったサイズの大きい美容成分を大量に浸透できます。
皮膚に注射などをする必要がなく、電流によりできた隙間もすぐにふさがるので、身体へのダメージはほとんどありません。
導入する美容成分によって、ニキビ跡の改善、毛穴の引き締め、しみの改善、肝斑の改善、肌にうるおいを与えるなど、さまざまな効果が期待できます。
導入できる美容成分

エレクトロポレーションの効果は、導入する美容成分によって異なります。エレクトロポレーションは、従来の美容施術と比べて、幅広い美容成分が導入できるという特徴があります。代表的な成分は、下記の通りです。
(1)ヒアルロン酸
非常に保湿力が高く、肌にうるおいや弾力を与える作用があります。乾燥解消し、乾燥による小じわをケアできます。

「ヒアルロン酸」とは?
得られる効果や上手な取り入れ方、副作用を解説
(2)ビタミンC
肌のエイジングの原因といわれる活性酸素の発生を抑制し、肌の抗酸化作用を高めます。また、メラニン色素の発生を抑え、肌のターンオーバーを促す効果もあるため、しみやくすみ、ニキビ・ニキビ跡、毛穴の開きなど、さまざまな肌悩みにアプローチできます。

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(3)トラネキサム酸
しみをつくり出す「メラノサイト」と呼ばれる細胞の働きを抑制し、シミの予防効果が見込めます。さらに、傷やニキビによる色素沈着や肝斑の改善にも効果的です。

トラネキサム酸とは?
成分の特徴や効果的な取り入れ方、副作用も解説
(4)プロテオグリカン
糖たんぱくの一種で、細胞の成長や増殖を促進し、肌のターンオーバーを整える作用があります。さらに、ヒアルロン酸やコラーゲンの生成を促し、保水力も高いため、エイジングケア成分として人気です。

プロテオグリカンとは?
成分の特徴や効果的な取り入れ方を解説!
この他にもしわ改善効果の見込める「ボトックス」や、エイジングケア成分として知られる「プラセンタ」「幹細胞成長因子」など、悩みや理想の肌に合わせてさまざまな美容成分が用いられます。

ボトックス注射
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エレクトロポレーションのメリットは?
エレクトロポレーションの主なメリットは下記の通りです。

(1)幅広い肌悩みに対応できる
これまでの施術では、ヒアルロン酸やコラーゲンといった分子サイズが大きく、イオン化ができない美容成分は、浸透させられませんでした。エレクトロポレーションは、そういった成分も肌に浸透させることができます。
そのため、自分の肌悩みやなりたい肌に合った美容成分を選べ、望む効果を得やすいでしょう。
(2)浸透力が高い
美容成分は通常であれば肌のバリア機能により、角質までしか浸透しないケースが多いです。しかし、エレクトロポレーションは、肌の細胞膜に隙間をつくることで、奥深くまで浸透させます。
浸透力は、美容成分を肌に浸透させる施術として人気のイオン導入の約20倍といわれています。美容成分がしっかり浸透する分、変化を実感しやすい施術です。
(3)痛みやダウンタイムがほとんどない
美容成分の注射やレーザー治療などと比べ、エレクトロポレーションは、身体へのダメージが少ない施術です。施術中にまれにピリピリ感が生じますが、強い痛みはほぼありません。
ダウンタイムもほとんどなく、すぐにメイクや入浴・シャワー・洗顔などができ、いつも通りの生活が可能です。
(4)空いた時間に施術できる
エレクトロポレーションの施術時間はトータル15~30分と短く、痛みもダウンタイムもほぼないので、仕事帰りや買い物のついでなど空いた時間に手軽に施術ができます。忙しくて、時間をとれない人からも人気の高い施術です。
エレクトロポレーションのデメリットや副作用はある?

浸透効果が高く、さまざまな美肌効果が期待できるエレクトロポレーションですが、デメリットや副作用もあります。
デメリット
(1)効果が出るまでに時間がかかる
1回目である程度の効果を実感できる場合もありますが、肌悩みや使用する美容成分によっては、効果を実感するまで時間がかかります。4回ほど継続して施術を受けると、効果を実感しやすいといわれています。エレクトロポレーションを受ける場合は、時間がかかる点を理解しておくとよいでしょう。
(2)短期集中での施術ができない
エレクトロポレーションは、早めに効果を実感するために、短期間に何度も施術を受けることができません。クリニックの指示に従い、適切な頻度で通う必要があります。診察・カウンセリング時に医師としっかり話し合い、施術頻度を決めておきましょう。
(3)継続的にメンテナンスの必要がある
エレクトロポレーションによる美肌効果は、時間の経過とともに薄れていく傾向にあります。定期的に施術を受けないと、美しい肌を保つのは難しいでしょう。
(4)トータルの費用が高くなりがち
エレクトロポレーションの費用は、導入する美容成分にもよりますが、1回あたり1万円前後が相場です。効果を実感するまでに4回ほど継続的な施術が必要ですし、効果をキープするにはメンテナンス的に施術しなければいけません。トータルの費用は比較的、高額になる可能性があります。
副作用
基本的にはエレクトロポレーションそのものの副作用はないと考えられています。しかし、導入した美容成分が身体に合わないと、赤みやかゆみなどが生じる可能性があります。しかし、ほとんどの場合、数時間から数日ほどで状態が落ち着くはずです。
もし症状が長引く場合は、早めに医師に相談しましょう。
イオン導入とエステ、家庭用美顔器との違い
クリニックでのエレクトロポレーションとよく比較されるのが、イオン導入・エステで行うエレクトロポレーション、エレクトロポレーション機能のある家庭用美顔器です。それぞれ、エレクトロポレーションとの違いを解説します。
イオン導入

エレクトロポレーションとイオン導入は、電気の力を利用して美容成分を浸透させる点では、よく似た施術です。
しかし、エレクトロポレーションは肌の細胞膜に小さな隙間をつくって肌に浸透させるのに対し、イオン導入では、専用の機器により弱い電流を流し、美容成分をイオン化して、浸透させます。
肌の一番上にある角質層は、弱酸性で陽イオンが多く、その下の顆粒層はアルカリ性で陰イオンが多いため、反発し合い、バリアのような状態になっています。そのため、美容成分を肌に塗っても、阻まれてしまい、肌の奥まで美容成分を届けることができません。
イオン導入用のマシンでマイナスの電流を流すと、バリアが弱まり、肌の奥までイオン化した美容成分が浸透します。
イオン導入の場合は、使用できる美容成分は、イオン化できるものに限られています。分子のサイズが大きい成分は、浸透しないため、イオン導入では使えません。肌のハリに必要なヒアルロン酸やコラーゲンなどもイオン化が難しい成分ですが、エレクトロポレーションであれば使用でき、肌の奥まで浸透します。
また、エレクトロポレーションの方が、肌の奥まで美容成分を届ける力が強く、エレクトロポレーションの浸透率は、イオン導入の約20倍といわれています。
さらに、イオン導入では肌のイオン濃度が変化しますが、エレクトロポレーションでは変化が生じません。そのため、より肌への刺激を軽減できるでしょう。

イオン導入 肌のツヤを整えるために
エステでのエレクトロポレーション

クリニックだけではなく、エステでもエレクトロポレーションの施術は行われています。基本的なメカニズムは同じですが、クリニックでの施術にはないデメリットがあります。
クリニックでは、医師や医師の指示を受けた看護師といった医療従事者が施術を行うため、万が一トラブルがあった場合にも、すみやかに対応してもらえます。しかし、エステで施術を行うのはエステティシャンなので、クリニックのような医療行為はできません。
また、使用するマシンや薬剤もクリニックで使用できるものと、エステで使用できるものとでは効果などの面で違いがあります。クリニックでは使用が認められている有効性の強い成分が、エステでは使えないケースが少なくありません。
価格の安さや気軽さなどエステでの施術にもメリットがありますが、身体に関することなので、慎重に検討しましょう。
エレクトロポレーション機能のある家庭用美顔器

エレクトロポレーションの人気に伴い、エレクトロポレーション機能のついた家庭用美顔器も販売されています。家庭用美顔器には、いつでもどこでも手軽にケアができ、価格も安いといったメリットがあります。
しかし、誰でも安全に使えるように出力が弱く、導入できる美容成分もドラッグストアで購入できるような市販の化粧水や美容液のみです。効果を考えると、クリニックの方が効率的です。
施術の流れ

(1)洗顔
顔に施術する場合は、診察・カウンセリング・施術のために、洗顔してメイクや汚れを落とします。
(2)診察・カウンセリング
要望や悩みをヒアリングし、医師が皮膚や身体の状態を診察したうえで、治療のプランニングを実施。カウンセリング内容に基づき、悩みや理想の肌に合った導入剤を選びます。施術内容や効果、リスク、施術回数などの説明を受けます。
(3)導入剤の塗布
施術部位に、診察・カウンセリング時に選んだ導入剤を塗ります。
(4)施術
専用のマシンを使用し、肌の表面に電圧をかけて、細胞膜に小さな穴をあけ、美容成分を導入していきます。
(5)施術終了
トラブルがなければ、そのまま帰宅できます。すぐにスキンケアやメイクをすることも可能です。
施術時間
薬剤の塗布に約5分、施術に約5~10分かかります。準備などを含めると、トータルの施術時間は、15~30分が目安です。短時間の施術なので、仕事や用事の合間に受けられます。
ダウンタイムや注意事項について

エレクトロポレーションのダウンタイムや注意事項についてご紹介します。
痛み
痛みの感じ方には個人差がありますが、痛みはほとんどなく、ピリピリとした刺激を感じる程度です。電圧を調整することで、気持ちよい程度の刺激に調整できる場合があるので、医師に相談しましょう。
ダウンタイム
身体への負担が少ない施術のため、ダウンタイムはほぼありません。すぐに普段通りの生活を送れます。
まれに、赤みや熱感、かゆみ、痛み、ヒリヒリ感、腫れ、発疹などが起きることがあります。ほとんどの場合、数時間から数日で落ち着きます。
施術頻度
1週間程度の間隔が目安です。1回の施術でも効果を実感できる場合もありますが、4回程度施術を受けると、より実感しやすいでしょう。
施術前後の注意事項
エレクトロポレーションはダウンタイムがほぼなく、メイクや洗顔、シャワー、入浴、運動、飲酒など普段通りの生活が可能です。
しかし、肌がデリケートな状態になっているため、保湿ケアと紫外線対策はしっかり行いましょう。
こんな方は受けられません
以下の項目に当てはまる方は、エレクトロポレーションを受けることができません。
・妊娠中の方
・体内にペースメーカーなどの金属を入れている方
・皮膚に疾患のある方
・施術部位に傷や化膿がある方
・心臓疾患のある方
・糖尿病の方
・発熱している方
・悪性腫瘍(がん)の方またはその疑いのある方
・出血性疾患のある方
・ケロイドができやすい体質の方
体調に不安のある方や服薬治療している方、アレルギーのある方は、施術を受ける前に必ず医師に相談してください。

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