医療機関が患者様のために最良の治療を行うことができるように、グローバルな医療機関提携ネットワークを駆使し、世界から厳選された医薬品、医療器具を提供するPRSS.Japan株式会社。
ダーマペン、ルミキシル、ヘリオケア、ラシャスリップス、マッサージピールなど名だたる製品を日本に広め、並外れた千里眼で美容医療業界をけん引するPRSS.Japan株式会社 取締役 世良綾嗣社長にお話を伺いました。
――貴社の成り立ちについてお聞かせいただけますか。
世良 当社は今年で18年目なります。成幸社という健康食品を取り扱う会社の傘下で、当初は医療分野の製品を専門に取り扱っていました。特に注力していたのはドクターを通して行っていた抗ガン剤の輸入代行です。日本は医薬品の認可が下りるまで時間がかかるため、当時、抗ガン剤は他国に比べて大きく認可が遅れており、新たな抗がん剤をお求めの患者様から強い要望があったのです。抗がん剤の取り扱いからスタートしましたが、海外とのパイプを活かした輸入代行業を続けるうちに豊胸用インプラントといった美容医療関係の製品も取り扱うようになり、徐々に美容クリニック様とのお取引が増え、自然と美容医療の比重が高まっていきました。そのようにして現在の事業基盤が出来上がっていきました。
――貴社の事業の概要をお聞かせいただけますか。
世良 美容医療に特化した海外の医薬品、化粧品、医療機器の輸入販売、輸入代行です。日本ではまだ知られていない製品であっても海外では既に広く使用されていて、優れた効果をもたらす製品を厳選して取り扱いしています。
化粧品は比較的短期間で国内の届出が完了するため、化粧品としての流通が早期に可能ですが、医薬品、医療機器については日本では承認が下りるまで時間がかかります。ときには未承認医薬品、医療機器として医師個人輸入の代行を行う場合もあります。もちろん、取り扱い製品の中には、ケロイド、肥厚性瘢痕の予防のための「ケロコート」や外科手術や裂傷修復時の創傷閉鎖に使用する局所皮膚接着剤の「サージシール」など、認可を取って流通させている製品もあります。いずれにしても医療機関が患者様のために最良の治療を行うために有用である製品を世界から厳選し、供給しています。
美容医療のトレンドの発信源を掴み、優れた製品をセレクトする
――優れた医薬品、医療機器の取り扱いをされていますが、どのようにして、製品を決定されているのでしょうか。
世良 常に最新医療の動向を把握しておくため、海外の医療系の学会や展示会へこまめに足を運び、生きた情報を集めるようにしています。医療機器や医薬品の場合、トレンドの発信はその多くがヨーロッパからのものです。続いてアメリカへ渡り、FDAの承認で時間を要します。その後日本へ情報が届くといった流れです。韓国も美容先進国ですので、重要なマーケットです。最終的に日本へ伝わるのはずいぶん後ですね。
特に医療トレンド発信源であるヨーロッパでの市場動向には常にアンテナを張っています。そのようにして集めた生の情報からまだ日本に紹介されておらず、目をひくものをセレクトし、効果性や安全性、エビデンスを確認して、すべての条件を満たしていれば契約し、日本のクリニック様へ紹介します。
――ルミキシル、ヘリオケア、ラシャスリップスと大ヒット商品ばかりですが、特別なマーケ ティング上の戦略があるのでしょうか。
世良 当社は、ほとんど広告も打ちませんし、お恥ずかしい話ですがマーケティングの戦略をたてて動くということは特にしていません。医療機関が患者様への最良の治療のために真に有用な製品を厳選するということが重要だと捉えています。当社の発信力で広めていくというより、どちらかというと広めていただいているという認識で、ドクターや医療従事者の方々、患者様の純粋なクチコミによるところが大きいのです。
気を付けていることと言えば、製品を医療機関へ紹介する際は、ドクターお一人ひとりに美容先進国の現状や世界の動向、製品に関わる学術資料、エビデンスデータを提示し、詳細をお伝えするようにしており、ご納得の上お取り扱いいただくように努めています。
肌の再生力を引き出す治療ダーマペン。 導入薬剤との組み合わせで幅広いニーズに対応
――直近でニーズが高まっている商品はどちらでしょうか。 また、どのような特徴の商品でしょうか。
世良 ダーマペンですね。先端にマイクロニードルと呼ばれる極細の針がついているペン型の美容医療機器です。ダーマペンを用いて肌に小さな孔をあけて真皮に刺激を与え、肌本来が持つ創傷治癒力をひきだす治療です。現在のダーマペンはバージョン4で、実は取り扱いを開始してから8年程たっており、一昨年、ダーマペン4にリニューアルしたことで大きくスペックがバージョンアップし、ようやく日の目を見たというところでしょうか。
――ニードルを使用した治療は今までもありましたが、 ダーマペン4がここまでブームとなっているのは、なぜでしょうか。
世良 ダーマペンの治療自体は、肌に微小な孔をあけるというシンプルなもので、単体でも肌の再生力を高めることができますが、皮膚にあけた微小な孔から薬液を浸透させることができ、患者様の主訴に合わせた薬剤を選ぶことで目的の効果を得やすいため、患者様の満足度が高くなります。施術メニューの幅も広がりますし、アプローチする皮膚の深さに合わせて針の長さを調節することができるので患者様のライフスタイルに合わせてダウンタイムもコントロールしやすいといったことが医療を提供する側とされる側、双方のメリットにつながっているのではないでしょうか。
――ダーマペンを用いた施術でお勧めのメニューはありますか?
世良 ダーマペン4であけた微小な孔からは、普段の健常な皮膚からは浸透できない高分子の成長因子や機能性ペプチド、PRPなどを皮膚の奥深くまで届けることができるため、薬剤それぞれの特徴を活かした人気メニューが数多くあります。中でも注目していただきたいのは施術後の肌状態から「ヴェルヴェットスキン」と呼ばれる施術です。
ダーマペンとマッサージピール(コラーゲンピール)を組み合わせた治療法ですが、短期間で結果がはっきりと表れることから非常に人気が高いです。
マッサージピールとは、ピーリングの一つでTCA(トリクロロ酢酸)を主成分とした薬剤が真皮乳頭層に働きかけることで、線維芽細胞を刺激し、コラーゲンの増生を促すというもので、単体でも肌の奥からハリ感を復活させることができます。また、強力な美白効果をもたらすコウジ酸も配合されているため、色素沈着にも効果があります。
ダーマペンと組み合わせることでさらにハリ感、透明感といった実感が高まり、患者様の満足度も非常に高い施術となっています。気になるダウンタイムについても、一時的に赤みは出ますが、長引くことは殆どないため、患者様への負担が少ないのも人気の理由かと思います。
世界三大メーカー「テオキサン社製ヒアルロン酸注入剤」の国内承認へ向けて
――これから注目して欲しい商品はどちらでしょうか。
世良 引き続き、ダーマペンにもご注目頂きたいのですが、ヒアルロン酸の注入剤で国内承認申請予定の製品があります。アラガン社、ガルデルマ社と並び、ヒアルロン酸世界三大メーカーの一つに数えられるテオキサン社(スイス)製の「テオシアル」という製品で、国内承認を目指しています。
認可されれば、既に国内認可が下りているジュビダーム(アラガン社) レスチレン(ガルデルマ社)に続き、国内で正式に承認されたヒアルロン酸製剤として流通が可能になります。医療機関にも患者様にも、認可ヒアルロン酸製剤の選択肢が増えるという意味で、注目いただきたいですね。
――美容に関わる海外最新医療の動向をお聞かせください。
世良 海外最新医療動向については新型コロナウィルスの流行以降、海外の医療学会や展示会が次々に中止となり、生きた情報が手に入りにくい状況ではあるのですが、2年程前から海外ではGLP-1の自己注射によるダイエット治療について盛り上がりをみせていました。最近は日本でも自由診療で導入されているところも増えてきましたのでご存知の方も多いかもしれませんね。
GLP-1ダイエットは自己注射のみですが、糖尿病治療薬としては経口剤も出てきましたので、ひきつづき、今後の展開には注目しています。
――今後の展望をお聞かせください。
世良 展望と言えるか分かりませんが、世界にはまだまだ、日本に知られていない優れた製品がたくさんあります。これから出会う製品が医薬品か、医療機器か、化粧品かは分かりませんが、健康になりたい患者様、美しくなりたい患者様、また美容医療に従事されている方々にとって有用な製品をいち早くご紹介していき、美容医療業界発展の一助となれればと考えております。
PRSS.Japan 株式会社
(ピーアールエスエス.ジャパン)
取締役社長 世良 綾嗣
社 歴
2004年 会社設立
Mentor社(アメリカ)の豊胸、乳房再建用インプラントなどの取扱いを行う
2009年 Teoxane社(スイス)ヒアルロン酸「テオシアル」取扱開始
2010年 Envy社(アメリカ)「ルミキシル」クリーム販売開始
2011年 Adhezion社(アメリカ)局所皮膚接着剤「サージシール」 一般医療機器登録(届出番号13B2X10039PR0001)販売開始
2012年 Cantabria Labs社(スペイン)「ヘリオケア」日焼け止めの取扱開始
2014年 AlliancePharma社(アメリカ)「ケロコート」液状包帯 一般医療機器登録(届出番号13B3X10074402001)販売開始
2016年 SkinFitness社「ラシャスリップス」 化粧品販売開始
PRSS.Japan 株式会社
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