
ヒト幹細胞培養上清液とは
ヒト幹細胞培養上清液とは、ヒト幹細胞を培養・増殖する過程で発生する「上澄み液」のことをいいます。この「上澄み液」には、幹細胞から分泌された数百種類のサイトカインが豊富に含まれています。
※ヒト幹細胞は含まれません。
サイトカインとは
サイトカインとは、タンパク質の一種であり幹細胞から豊富に放出されています。細胞間において、エクソソームを含む情報伝達の役割をもち、弱った細胞を元気にするために必要な要素を探して結びつける働きがあります。この働きから、損傷個所の治療や美容治療の効果が期待されています。
サイトカインは、遺伝子情報を含まず個人差がないため、投与による拒絶反応や異物反応が生じにくいといわれており、他人由来のサイトカインでも安全に臨床応用が可能といわれています。
エクソソームとは
エクソソームとは、ヒト幹細胞培養上清液中の含まれるサイトカインの情報伝達物質の一つであり、最も注目されている働きのことを言います。
サイトカインの働きの中で必要な物質と細胞を結びつける過程において、情報伝達物質を包み込み、安全に送り届けるカプセルのような働きがあるといわれています。
エクソソームのカプセルが目的の組織細胞に入り確実に情報を伝達することで、弱った細胞を元気にする働きが期待されています。

ヒト幹細胞の種類
体性幹細胞にはいくつか種類があり、血液をつくる「造血幹細胞」、骨・筋肉・脂肪など様々な組織や臓器をつくる細胞へ分化する能力をもつ「間葉系幹細胞」などがあります。
ほかにも「全能性幹細胞」というすべての細胞に分化が可能な細胞あり、これは受精卵のことをいいます。
中でも「間葉系幹細胞」は、「歯髄」「臍帯」「骨髄」「脂肪」などに含まれる細胞のことで、「造血幹細胞」に比べてサイトカインが多く含まれることから医療業界で用いられることが多くあります。人間が本来もつ「間葉系幹細胞」の数は、生まれてから年齢を重ねるにつれてその数は減少していくといわれています。
・「歯髄」由来
こどもの乳歯にある髄液から幹細胞を取り出したもの。
・「臍帯」由来
臍帯(へその緒)から幹細胞を取り出したもの
・「骨髄」由来(日本にはない)
骨髄から幹細胞を取り出したもの
・「脂肪」由来
お腹や背中の脂肪から幹細胞を取り出したもの
ヒト幹細胞培養上清液『サイトカイン』
【上皮細胞成長因子】EGFおよびファミリー
EGF(Epidermal Growth Factor)とは、人間の皮膚のほかにも、唾液や母乳にも含まれており、アミノ酸から形成されるタンパク質の一種です。 EGFは肌において、角質層に働きかける役割を持ち、肌をなめらかに整えくすみ・たるみ・乾燥を補う役割が期待されています。
【ケラチノサイト増殖因子】KGF
KGF(Keratinocyte Growth Factor)とは、EGF同様アミノ酸から形成されるタンパク質の一種です。 KGFは肌をなめらかに整える役割のほか、ヘアケアに優れ、健康な毛髪を育む役割が期待されています。
【インシュリン様増殖因子】IGF
IGFは、人間の細胞に働きかける役割をもっており、皮膚の健康維持を助けるといわれています。
【育毛促進・肝機能改善因子】HGF
HGFは、血管新生や抗炎症に作用する働きがあるとされています。
【血流改善因子】VEGF
VEGFは、毛細血管の働きを活発化し、必要な栄養分を皮膚毛細血管全体に与える役割があります。
【抗炎症因子】TGF-β1
TGF-β1は、細胞の分化・遊走・癒着などを抑制する働きがあり、創傷治癒・炎症・免疫・病気の転移などの幅広い領域で働く役割があります。
【血小板由来増殖因子】PDGF
PDGFは、単独では細胞遊走に働きますが相性のいいEGF・IGFと共存すると細胞増殖として働きます。
その他 CNTF、GDNF、NGF、BDNFなど
CNTF・・・毛様体神経栄養素因子
GDNF・・・グリア細胞株由来神経栄養因子
NGF・・・神経成長因子
BDNF・・・脳由来神経栄養因子
※サイトカインは、幹細胞の種類・培養方法などによって含有量・含有内容が異なります。

ヒト幹細胞培養上清液の治療・施術事例
・ほうれい線へ注射
・AGAの方へ注射、点滴
・皮膚炎の方へ、塗布・点滴など
※ヒト幹細胞培養上清液の治療・施術をお求めの方は、ヒト幹細胞培養上清液取り扱いクリニックへご相談ください。