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まつ毛美容液は本当にまつ毛が伸びる?噂の検証と効果的な使い方は?

「1か月使うだけでこんなにバサバサ」「一塗りするだけでぐんぐん伸びる」。このようなまつ毛美容液の広告を見たことはありませんか?しかし、ネット上の口コミを見てみると「伸びない」「意味ない」という意見も多く見受けられます。そもそもまつ毛美容液に、まつ毛を伸ばす効果は本当にあるのでしょうか?

この記事では、まつ毛美容液に配合されている成分や、期待できる効果について解説します。ぜひこの記事を参考に、毎日のまつ毛ケアを見直してみてください。

まつ毛美容液は本当にまつ毛が伸びるの?

結論からいうと、市販のまつ毛美容液に、まつ毛を伸ばす効果は期待できません。市販のまつ毛美容液は、あくまで化粧品として販売されています。国の承認を受けた医薬部外品や医薬品ではないため、まつ毛を伸ばすような強い効果は期待できません。

また、化粧品において宣伝できる効果は、法律によって厳しく制限されています。まつ毛美容液については「はり、こし、つやを与える」効果は認められていますが、育毛の効果を標榜することは認められていません。

なお、一部では本当にまつ毛が伸びるまつ毛美容液も存在しますが、目の周りが腫れるなどの副作用のリスクがあるため非常に危険です。実際に、市販のまつ毛美容液による健康被害も報告されています。特に2018年度には、国民生活センターに281件の相談が寄せられており、中には眼科医で角膜潰瘍の診断を受けたという事例もあります。

「まつ毛が伸びる美容液」に含まれる成分

市販のまつ毛美容液には、まつ毛を伸ばす効果は期待できません。しかし、実際にまつ毛を伸ばす作用が認められている医薬品は存在します。

市販品と医薬品で期待できる効果は異なるため、購入を検討する際は、どちらに分類されるのか、必ずチェックしましょう。ここからは、まつ毛を伸ばす作用が確認されている成分や、その成分が入っている商品について紹介します。

有効な成分「ビマトプロスト」

「ビマトプロスト」は、アメリカのFDAという日本の厚生労働省にあたる機関に認可され、効果が認められています。ビマトプロストは「ルミガン」「グラッシュビスタ®」「ラティース」という医薬品に配合されています。これらは、ビマトプロストを0.03%配合している同種の医薬品です。

ルミガンは、もともと緑内障という目の疾患に使われていた点眼薬でしたが、投与するとまつげが長く太くなってしまう、という副作用が発見されました。この作用を応用して「グラッシュビスタ®」「ラティース」が開発されたという経緯があります。

「ルミガン」「グラッシュビスタ®」「ラティース」は、医療用に開発された医薬品のため、薬局やバラエティショップで購入することはできません。クリニックを受診し、医師に処方してもらう必要があります。また、副作用のリスクもあるため、注意点を理解したうえで、正しく使用することが大切です。

注意すべき成分「イソプロピルクロプロステネート」「エチルタフルプロスタミド」

「イソプロピルクロプロステネート」と「エチルタフルプロスタミド」は、先ほど紹介した「ビマトプロスト」と類似の効能を持っていると考えられている成分です。両方とも、化粧品の成分にも登録されている成分で、市販のまつ毛美容液に配合されていることがあります。

これらのまつ毛美容液は、ビマトプロストと近い成分が入っているため、使用すればまつ毛を伸ばす作用も期待できると考えられます。医薬品ではなく化粧品として流通しているため、誰でも購入できますが、副作用を及ぼす可能性があるため、危険性は高いといえるでしょう。

化粧品本来の効果を逸脱していることに加え、色素沈着や眼瞼下垂などの副作用も懸念されます。もし「イソプロピルクロプロステネート」や「エチルタフルプロスタミド」が配合されたまつ毛美容液を使いたい場合は、リスクがあることをしっかり把握しておく必要があります。

まつ毛が伸びる美容液は医療機関で

市販のまつ毛美容液は、基本的にまつ毛を伸ばす効果は期待できません。まつ毛を伸ばすのであれば、医療機関で診察を受け、医薬品として処方されたまつ毛美容液を使いましょう。医療用のまつ毛美容液には、いくつか種類がありますが、国内では「グラッシュビスタ®」が処方されることが多い傾向です。ここからは、グラッシュビスタ®の副作用について紹介します。

グラッシュビスタ®とは

「グラッシュビスタ®」は国内で初めて厚生労働省が認可した、睫毛貧毛症の外用薬です。まつ毛を長く、太く、濃くする効果が認められています。グラッシュビスタ®は、市販のまつ毛美容液とは違い、治療目的で使われる医薬品なので、医師の処方箋がないと購入できません。

また、美容目的の治療になるため、グラッシュビスタ®の購入には、健康保険が適用されないことに注意しましょう。

グラッシュビスタ®の副作用とリスク

グラッシュビスタ®には以下の副作用が起こることがあります。
・色素沈着
・目の周りの多毛
・かゆみ
・充血
・目の乾き など


また、以下に当てはまる方は、グラッシュビスタ®の使用を避けてください。
・妊娠している可能性のある方・妊娠している方
・授乳中の方
・15歳未満の方
・過去にグラッシュビスタ®に含まれる成分で過敏な反応を経験した方

市販のまつ毛美容液に期待できること

ここまで市販のまつ毛美容液には、まつ毛を伸ばす効果がないことを説明しました。では、まつ毛美容液は塗っても意味が無いのでしょうか?いいえ。まつ毛にハリ・コシを与えたり、ツヤを出したりする効果が期待できます。

傷んだまつ毛のケア

ビューラーやマスカラ、マツエクやまつ毛パーマなど、アイメイクをする方のまつ毛には、思っている以上に負担がかかっています。髪を洗った後はトリートメントをするように、まつ毛にも美容液を塗ってあげることで、イキイキとしたまつ毛が育ちやすくなります。

まつ毛のハリ・コシ不足を補う

まつ毛美容液には、ハリ・コシを与える効果も期待できます。メイクやパーマで傷んだまつ毛をしっかり整え、健やかな状態にキープします。

まつ毛美容液の効果的な使い方

グラッシュビスタ®は、1日1回まつ毛の生え際に塗るだけで、まつ毛の「長さ」「太さ」「濃さ」を増す効果が期待できます。ここからは、グラッシュビスタ®の使い方を解説します。

まつ毛美容液を塗る前にしっかり汚れをオフ

グラッシュビスタ®は、メイク落としと洗顔を済ませてから使用しましょう。グラッシュビスタ®を使ってから、コンタクトをつける場合は、塗布してから15分以上時間をおいてからにしてください。

まつ毛美容液を生え際に塗る

グラッシュビスタ®には専用のブラシが70日分ついています。ブラシを取り出し、先端にグラッシュビスタ®を1滴つけましょう。ブラシを使って上まつ毛の生え際部分を、アイラインを描くように、目頭から目尻の方向へ塗ります。塗るときは、液が目の中に入らないように注意しましょう。

また、下まつ毛に直接塗布するのは控えましょう。下まぶたの皮膚は薄いため、色素沈着を引き起こすリスクがあります。上まつ毛にグラッシュビスタを塗った後、自然なまばたきによって、下まつ毛に少量付く程度がよいとされています。

なお、大量にグラッシュビスタ®を塗ることで、効果が高まるものではありません。1日1回の使用量を必ず守りましょう。

生え際以外についた美容液を拭き取る

上まつ毛の生え際以外に、美容液がついてしまった場合は、すぐに拭き取りましょう。目の周りの多毛を引き起こす可能性があります。

また、使用後のブラシは、その都度捨てるようにしましょう。片方が終わったら、新しいブラシを使用して、もう片方の上まつ毛にグラッシュビスタ®を塗布してください。

まつ毛美容液の効果が出るのはいつごろ?

個人差はあるものの、使用してから約1ヶ月で効果を実感し始め、約2ヶ月で満足のいく効果が出るとされています。臨床試験においてグラッシュビスタ®を4ヶ月使用後、 78%の方にまつ毛の太さ・長さの十分な効果が確認されています。

市販のまつ毛美容液の選び方のポイント

市販のまつ毛美容液には、ハリ・コシを与えたり、ツヤを出したりする効果が期待できます。ここからは市販のまつ毛美容液の選び方を紹介します。

含まれている成分をチェック

まつ毛にハリやコシ、ツヤを与えるなら、以下の成分をチェックしましょう。まつげを滑らかに整え、健やかな状態をキープしてくれます。

ハリ・コシを与えてくれる成分 ・加水分解シルク
・加水分解エラスチン
・パンテノール など
ツヤを与えてくれる成分 ・セラミド
・コラーゲン
・ヒアルロン酸 など
その他、コンディションを整える成分 ・キャピキシル
・ワイドラッシュ
・フラーレン など

「イソプロピルクロプロステネート」や「エチルタフルプロスタミド」が配合されているまつ毛美容液には注意が必要です。色素沈着や眼瞼下垂などの副作用が懸念されます。

塗りやすい形状

まつげ美容液を選ぶ際は、形状にも注目しましょう。形状にもこだわることで、毎日ストレスなくまつ毛美容液を使うことができます。

・ブラシタイプ(まつ毛美容液)

マスカラと同じ感覚で、まつ毛に美容液を塗布できます。一本一本均一に塗れるため、初めてまつ毛美容液を塗る方でも使いやすいタイプです。

・チップタイプ(まつ毛美容液)

まつ毛美容液の中でもメジャーなのがこのタイプです。先端がシリコンやスポンジでできており、まつ毛全体に塗りやすいのが特徴です。また、細かいところに引っかかりにくいので、マツエクをしている方にも向いています。

・筆タイプ(まつ毛美容液)

アイライナーのように、まつ毛の根元に塗るタイプです。先端が細い筆のようになっているので、細かい部分にもピンポイントで塗ることができます。

・チューブタイプ(目元美容液)

ジェルやクリームのようなテクスチャーの美容液で、指に取ってまつ毛に塗るタイプです。使用する分をその都度出すため、衛生面が気になる人に向いています。

また、アイクリームのようにまぶた全体に塗るタイプもあります。まつ毛ケアと同時に、目元の乾燥ケアも可能です。

まとめ

この記事では、まつ毛美容液の効果について紹介しました。市販のまつ毛美容液に、まつ毛が伸びる効果は期待できません。まつ毛を太く、長く伸ばすなら、医薬品のまつ毛美容液を使いましょう。使用してから1ヶ月ほどで効果を感じられるとされています。

また、まつ毛を伸ばす効果は期待できないものの、市販のまつ毛美容液にも、ハリ・コシを与えたり、ツヤを出したりする効果は期待できます。毎日のメイクやクレンジングでまつ毛は傷みがちなので、まつ毛美容液でケアすることで、イキイキとした状態をキープできます。

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