みゆきの坂風上がりクリニックは、完全予約制で1日4名様のみの診察で、一人ひとりの肌の状態からバックグラウンドまで細かくお話を聞いて治療にあたっています。今回は、院長の福澤深雪先生に、クリニックの特徴やこだわり、患者様を診察する上で大切にされていることなどについて、お話を伺いました。
父の一言がキッカケで皮膚科医へ
――医師を志したキッカケを教えてください。
福澤 家庭環境によるところが大きいです。祖父が昭和14年に長野県塩尻市に塩尻病院を開設しました。祖父は外科医で、父と兄は整形外科医です。小さい頃から祖父や父の働く姿を見てきましたので、自然と私も医師になるものだと思っていました。
――いろいろな科がある中で、なぜ皮膚科を選ばれたのですか?
福澤 家族は外科系ですので当然私も外科系に進むものと思っていましたが、私が医師になった当時は、女性が外科に進むことはまだめずらしく、また兄から「外科や整形外科は手術の時に足を何時間も保っていなくてはいけない」と言われて、小柄な私にはちょっと無理かなと思いました。そんな時に、父から「皮膚科は外科だよ」と言われました。確かに、大きな手術はありませんが、ほくろを取ったり植皮をしたりするので外科なんです。そんな父の言葉に影響を受けて皮膚科を選択しました。
私自身も学生の頃に、アトピー性皮膚炎や蕁麻疹があり苦労しました。今は自分のアレルギー性疾患も上手にコントロールができていますので、皮膚科医になって本当に良かったなと思っています。
――美容医療を始められたキッカケは?
福澤 塩尻病院で20年間皮膚科医をしていたのですが、患者様から「シミを取りたい、ほくろを取りたい」などの美容の要望が多く、病院としてもやってみようということで美容医療を始めました。2000年にQスイッチルビーレーザー、炭酸ガスレーザー、脱毛レーザーを導入しました。そのキッカケとなったのは、東京で開業された先生のクリニックをお手伝いしたことでした。形成外科の先生から「皮膚科の診療を手伝って欲しい」と言われ、12年間週1回東京に行って皮膚科の診療をしていました。その先生は美容医療も診ていたのですが、非常にレーザーが得意の先生でいらっしゃいました。そこで刺激を受け、美容医療と皮膚科の両方を診るようになりました。
――クリニックを開院したキッカケを教えてください。
福澤 20年勤めていた塩尻病院を離れましたが、変わらず東京のクリニックの診察は続けていました。そうしたら、患者様が長野から東京まで診察を受けに来てくださいました。また、本当におこがましい話なのですが、ある方が「塩尻病院の皮膚科はとても良かった。福澤先生がいなくなってすごく悲しい。先生は塩尻の宝だ」と言ってくださって、とても感激しました。さまざまな患者様の声をお聞きして、「私の診察を待ってくださっている方がいる」「病気で困っている方がいる」と強く感じクリニックを開業し、今に至ります。
診察は完全予約制で基本は一日4名様のみ
――貴院のこだわりや特徴について教えてください。
福澤 多くの患者様を診ていると、どうしても待ち時間が長く診察が短くなってしまいます。私は、一人ひとりのお悩みに寄りそって、じっくりと時間をかけて診るクリニック、患者様が納得するクリニックを作りたかった。実際に診察・診断をして、それを患者様にお話して、お薬を出し、塗り方を説明すると、お一人に1時間30分から2時間ぐらいかかります。また、コロナ前から、診察が終わるたびにタオルなども全て変えていますので、一日に何十人と診察をすることは難しいです。医師がすべてを診るということをコンセプトにしております。
――それが、診察を1日4名にしている理由でもあるのですね。
福澤 そうですね。当院は完全予約制で基本は一日4名様です。患者様が理解できるようにしっかりと時間をかけてお話をすることで、患者様のバックグラウンドなど、いろいろなことを把握でき、またそれが治療にも非常に役に立ちます。余った薬の量も管理しますし、ホームドクターのような感じで、患者様とは何でもご相談して頂ける関係性を築くように心がけています。ただ、皮膚科の専門領域以外のものは、すぐに専門の先生をご紹介しています。
――貴院が得意とする医療サービスについて教えてください。
福澤 皮膚科なので美肌です。レーザーは一般的なものは導入しています。IPL、水光注射、ピーリングなど施術はいろいろとありますが、きめ細かく、白く、艶感のある皮膚を目標とします。そのためには、患者様自身がきちんとスキンケアをして頂くことがとても大切になってきます。その為に細かく、いろいろとご説明をします。例えば、日焼け止めクリームひとつにしても、ゴルフや山登りをする人と家にいる人とではお勧めする製品が違ってきます。肌の状態や生活習慣など、その方に合ったアドバイスをさせて頂いています。一人ひとりをオーダーメイドで時間をかけて診察、施術することを大切に考え、行っております。
――スキンケアで日常生活において気を付けるべきことを教えてください。
福澤 日焼け止めと保湿、そして肌を優しく扱うことです。使う製品に関しては効能がありかつ自分に合ったもの、好きなものを使うことが大切です。どんなに良い製品でも、匂いやテクスチャーなど、人によって好き嫌いがあります。嫌いなものだと使わなくなってしまうので、「自分の好きなものを探しましょう。探すことも楽しみましょうね」とお話しています。そして何よりも、肌に対して機械的な刺激を与えないで、こすらずに優しく扱うことが大切です。
――患者様を診察・施術する上で大切にされていることはありますか?
福澤 患者様が何を求めているのかをきちんと把握して、最適な施術をお勧めすることです。患者様は自分が知っている治療法の中でベストだと思うものを言われますが、医師の立場からすると別の治療をした方が良い場合がありますので、ご要望をお聞きした上でベストな治療法をご提案しています。例えば、患者様に「私はこうなりたいからAという治療をしてほしい」と言われても、Aの治療では患者様の希望通りにはならない場合は、「BかCの治療にしましょう」とはっきりお伝えします。
あと私が大切にしていることは、患者様を玄関までお迎えに行って、帰りもお見送りをすることです。これは父から「玄関を入った時から患者様を診なさい」と言われてきたからです。歩き方や表情を見るといつもの様子とは違和感があることがあります。そのちょっとした変化を見逃さないことをとても大切にしています。
――美容医療のやりがいや難しさについて教えてください。
福澤 おでこが真っ黒な太田母斑の患者様がいらっしゃいました。初診の時は、前髪でおでこを隠して下を向いて来られたのですが、治療してキレイになった時は、髪をアップにして上を向いて帰られました。そういう姿を見ると、医者冥利に尽きると言いますか、皮膚科医として心からとても嬉しく、もっと頑張ろうと思います。皮膚を治療することにより、心・内面の治療、QOLの向上を目指しています。
もっと多くの患者様を診られる仕組みを作っていく
――これから美容医療を受けたいと思っている方へのメッセージをお願いします。
福澤 以前ほど美容医療に対する敷居は高くないと思いますが、今でも勇気を出して来られる方が多いです。私の患者様にも10年近く悩んで来られた方がいらっしゃいました。初めてクリニックに行かれたら、悩んでいること、治療のこと、治療費のことなど、気になっていることや分からないことは何でも聞かれた方がいいと思います。また先生やクリニックとの相性もあると思います。もし合わなければ他のクリニックに行けばいいです。私も、患者様には気になることがあったら何でも聞いてくださいと言っています。
――今後の展開について教えてください。
福澤 1日4名様ということもありますが、なかなか新患の方を診ることができませんし、既存の患者様の施術もご希望のところに入れることができないのが現状です。そういったことを解消していくためにも、スタッフの増員、オンライン診療の導入など、もっと患者様を診られる仕組みを作っていきたいと思っています。
また、美容医療は皮膚表面のケアから、形状変化を目的としたたるみ等のケアもあります。RFやハイフなどの新しい機器や治療法の導入も考えておりますので、そこの治療も伸ばしていきたいです。
みゆきの坂風上がりクリニック
院長 福澤 深雪
(ふくざわ みゆき)
略 歴
聖マリアンナ医科大学卒業
信州大学医学部付属病院 皮膚科勤務
医療法人雄久会 塩尻病院副院長
2000年よりレーザー治療導入。
都内、美容皮膚科・形成外科クリニックで12年勤務
みゆきの坂風上がりクリニック 開業(2011年)
所属学会
日本皮膚科学会員
日本美容皮膚科学会員
日本美容外科学会員
日本抗加齢医学会会員
みゆきの坂風上がりクリニック
〒399-0026 長野県松本市寿中1-9-23
TEL: 0263-86-5502
HP: https://kazeagari.com/
Mail: info@kazeagari.com
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休診日:水・木
▲…第3金曜日及び土曜日のみ17:00~19:00を経過観察者(30分毎)を対象に診療いたします。