美容医療のかかりつけ わたしの名医

公益社団法人化粧療法協会 大石華法会長

【公益社団法人化粧療法協会】
視覚障害者の化粧療法「ブラインドメイク」を開発した大石華法がプラセンタ成分CARE&CUREに着目したプロのセラピスト使用の化粧品をプロデュース

――まず初めに、大石会長の経歴として、「公益社団法人化粧療法協会」の立ち上げまでについて教えてください。

視覚障害者が自分で化粧ができる化粧療法「ブラインドメイク」開発がきっかけに

大石 今から3年前の2016年12月5日に一般社団法人日本ケアメイク協会(今の公益社団法人化粧療法協会の前姿法人)を設立しました。設立当初の活動は、目が見えない人が自分でお化粧をする化粧療法の1つとして「ブラインドメイク」を2010年に私が開発しましたので、それを普及する活動を行っていました。
「ブラインドメイク」とは、目が見えない人が自分でお化粧をする化粧技法なんです。化粧道具を使わずに、自分の両手指を化粧道具代わりに使用してお化粧をする化粧療法が視覚障害者に受け入れられて、テレビ、新聞、ラジオなどに取り上げていただいたことから、フランス、中国、韓国など世界に広がっていきました。

目が見えなくなると何もできなくなる?!

大石 「目の見えない人が自分でお化粧ができる。」というと、イメージ出来ない方が多くて、皆さん驚かれるんです。「え?見えない人がどうやって自分でお化粧できるの?」「お化粧って鏡を見ながらするんじゃないの?」と、不思議そうに尋ねられます。これは目の見えない本人だけではなくて家族や周囲の人たちも、目が見えないと何もできない、お化粧やオシャレなんて見えないからできないんじゃないの?料理もできないんじゃないの?一人で外出できないんじゃないの?と思うようです。

見えなくても女性は女性!
この気づきがブラインドメイク開発に! 
そしてプロのセラピストに!

大石 目の見えない方から初めて「自分でお化粧をしたい」と言われた時には、えーどうしよう、目が見えないので無理でしょ。などと今から思い返せば大変失礼なことを思ってしまいました。当時、視覚障害者の理解のない私は困惑してしまい、返す言葉も見つからず、その場で立ちすくんで黙ってしまったことで、もしかして彼女を傷つけてしまったのではないかと思うと、深く落ち込みました。
この時に私は視覚障害者から貴重な「気づき」をいただきました。それは「見えなくても女性は女性!」ということでした。その日から自分の認識の浅はかさを強く反省しつつ、見えない人がどうすれば自分でお化粧ができるのか?を考えるようになりました。それから半年後の2010年10月に、鏡を使わずに自分の手指でお化粧ができる「ブラインドメイク」という視覚障害者の化粧療法プログラムを完成させたのです。
これだ!と思いました。これは目の見えない人でも左右対称的にきれいに自分でお化粧ができる!と確信しました。目の見えない患者様から多くを学ばせていただきました。その感謝の気持ちを常に忘れずに患者様と向かい合い、セラピストとしてのプロである自覚とプライドを持って、患者様から信頼をしていただき、心から幸せな笑顔にすることが「プロのセラピストになる」ということなのだと感じました。

障害者である前に一人の女性である

大石 目の見えない方が、ブラインドメイクできれいにお化粧できるようになることで笑顔になったり、よく外出をするようになったり、下を向いていた人が顔を上げて堂々と歩くんです。目が見えなくても「女性」なんですね。よくよく考えると、女性がきれいになりたいという想いは目が見えていようが見えていまいが関係なくて当たり前の事なんですよね。自分が開発したブラインドメイクですが、そこから「障害者である前に一人の女性である」ということを学びました。そうすると、聴覚障害者も認知症患者も高齢者も一人の女性なのだ、お化粧をしてきれいでありたいという気持ちは同じなのだということに気づかせてもらいました。この時の「気づき」が、今の公益社団法人化粧療法協会(前姿の一般社団法人日本ケアメイク協会)を設立する力となりました。

――そんな化粧品で医療・福祉・美容をサポートする考え方をお持ちの大石会長が、今回化粧品をプロデュースされると伺いました。その化粧品のブランド名とその由来は何ですか?

大石 「Therapistpro®(セラピストプロ)」というブランド名を考えました。患者様から多くの気づきや学びをいただいた感謝の気持ちをもって、真に患者様の気持ちに寄り添える本物のセラピストになっていただきたい、またそうしたプロ意識と誇りを持ったセラピストを応援したい、という想いを込めて今回の化粧品のブランド名を考えました。

公益社団法人化粧療法協会 大石華法会長
「Therapistpro®(セラピストプロ)」の想いを語る大石華法会長

――製品についてお伺いします。今回発売予定の化粧品(リップ)はどのようなものですか? また、その化粧品(リップ)の魅力は何ですか?

就寝前の唇ケア「Therapistpro® Lip(セラピストプロ リップ)」

大石 「Therapistpro®(セラピストプロ)」シリーズ第一弾として、就寝前の唇ケア専用の美容液を開発しました。製品名は、「Therapistpro® Lip(セラピストプロ リップ)」です。就寝中の唇は、とても乾燥することに着目し、リップにしました。特に高齢者で口を開けて就寝される方は、喉だけではなくて唇も乾燥する方が多いんです。今のご時世では、新型コロナウイルスの影響でマスクをしている時間が多いと思いますが、マスクの中は意外と乾燥しやすいですし、特に冬なんかは、唇の乾燥からカサカサのかさぶたができたり、白い粉が吹く人もいて、その状態に上からリップを塗っても効果が出ないようなんです。塗ったその瞬間は潤うので改善したと思っても、少し時間が経てば、またカサカサ、パサパサし始めてしまいます。こうした症状が出る人は抜本的には改善はされていないんですね。カサカサ、パサパサしている場所にグロスなどを重ねて塗っても、一時しのぎのケアとなり、逆に乾燥する場合もありますので、唇に優しく潤いが長時間続くケアが必要です。

「Therapistpro® Lip(セラピストプロ リップ)」の魅力について
プラセンタのケア(CARE)とキュア(CURE)の力

大石 今回発売するリップは、これまでの唇の上からラップをかけるようなものではなく、しっかりと唇と唇周辺までケアできることを前提に、朝まで潤いが保てること、マスクをしている間も潤い成分が浸透するように設計しました。プラセンタのケア(CARE)とキュア(CURE)する力で潤いを与え続けながら、ふっくらモチモチ感のある唇になってもらいたいと思いました。一度塗ると長時間潤いを保つことができるので、夜寝る前に塗ると翌朝起きても唇に潤いが保てていることが分かります。眠っている間に唇のカサカサ、パサパサ、つっぱり感が改善されて、翌朝には潤いのあるしっとりとした唇になっているんです。

輝く笑顔の唇美人「セラピスト」に!

大石 人は対面で会話をする時に、唇ってよく動くので目が行ってしまいます。特によくお話しをされる方は、言葉を発するごとに唇がよく伸び縮みして活発に動くので、ついつい唇に目を取られてしまいます。そんな時に唇がカサカサ、パサパサ状態で、唇に縦ジワが多かったり、縦ジワの中に口紅がしみ込んでいて、口の周りの小さな皺にまで滲み込んでいたりすると、見ている側としては決して気持ちの良いものではありません。でもデリケートな唇のことをざわざわ取り上げて指摘することは、本当に難しいです。プロのセラピストは、自分の事を見ている患者様の気持ちを考えることも重要です。「Therapistpro® Lip(セラピストプロ リップ)」で輝く笑顔の唇美人になってもらいたいたいですね。セラピストの笑顔は、患者様の笑顔に繋がります。「Therapistpro®(セラピストプロ)」化粧品で、世界中のセラピストを応援していきたいです。

――日本生物製剤さんと共同開発された理由は何ですか?

大石 「Therapistpro®(セラピストプロ)」のメインの成分として日本生物製剤さんのプラセンタに着目しました。実は私自身も以前からプラセンタ注射剤のラエンネックを健康維持のために投与してもらっていました。私は、大きな効果を実感でき、また副作用がないプラセンタ注射に大きな魅力と関心をもっていました。今回、そのメーカーである日本生物製剤さんと、再生医療の分野で偶然お仕事をご一緒することがあり、プラセンタの原料や成分、そしてモノづくりの考え方に共感を持ちました。私自身、もっとプラセンタにこだわりを持ちたくて、日本生物製剤さんにご協力いただくことになり、今回のお話はとてもありがたく思っています。今回、プラセンタなしでは、「Therapistpro®(セラピストプロ)」という名前も付けていなかったと思います。やっぱり自分で確信を持って良いものだと実感すると成分に対しての信頼性もあがり、良いと思うからこそ人にもおすすめできるものになります。 また、医療用医薬品を作っているということで安心感もあって、この度の「Therapistpro®(セラピストプロ)」を共同開発することに至りました。

公益社団法人化粧療法協会 大石華法会長
大石華法会長(真ん中)と株式会社日本生物製剤の林社長(右)・郭取締役(左)

――今回の製品を開発するにあたり、製品のコンセプトや、特にこだわった部分などはありますか?それは何ですか?

大石 まず一つ目に、プラセンタをメインのエッセンスにしたことです。そして今回香りにもとてもこだわりました。
色んな意味があって、癒される香りを入れました。熟睡できるような効果のある香り。これは鳥取大学の浦上克哉教授が推奨している科学的データにもとづいた香りです。癒されながら睡眠効果もあるパフュームという形でいれました。決して嫌がらせ的な香りではなく、自然に眠りにつくような、緊張感を解くような優しい香りになっています。翌日、新しい自分に出逢うという想いもあります。
あともう一つはパッケージをシンプルにしたことです。化粧品の多くは容器や箱などパッケージに非常に費用が掛かっています。今回はパッケージではなく、中身の成分に力を入れました。
やっぱりセラピストに使ってもらうとなると、プロとして質の良いもの使って欲しい。そうするとパッケージ代を革命的にバッサリ切って、中身で勝負をして、容器は業務用のサンプリングのものにしようと、そういうコンセプトで作りました。セラピストが一人でも多くの患者様に、自分で使って良いものを提供できるようコストの削減は重要視しました。私のこだわりを中身に凝縮させました。流行に左右されないような、残り続ける製品を作りたかったんです。

――このブランドの今後の展望を教えてください。

大石 この「Therapistpro®(セラピストプロ)」はリップから始まりますが、これからはスキンケアのシリーズを作っていきたいですね。その中で、譲れないのはプラセンタをメインのエッセンスとして使っていくこと。それとやっぱり「Therapistpro®(セラピストプロ)」として、セラピストの方が使い続けやすい、長く愛されるシリーズを開発していきたいです。

――最後に、公益社団法人化粧療法協会の今後の展望を教えてください。

大石 今後の展望としてはセラピストを、化粧療法士として日本では国家資格に、世界では国際資格にすることを目指しています。
病院の中で展開していくため、この資格は美容の資格ではなく医療の資格です。病院の中にセラピストルームを設けて患者様に元気になってもらう。化粧療法士は患者様と接する時間が多くなる職種なので、患者様の変化や状態を診るのには最適です。そのため医療に関する事もしっかり勉強するということになります。化粧療法士は患者様のQOLを上げるためのお手伝いをする。その資格を医療資格としての国家資格にする。それがまず第一歩です。
病院は本来患者様に元気になってもらわないといけない場所なのに、病院の中にいると病人になると言われてしまう、それを変えていきたいです。病院は地域の人たちから愛されるところになってほしいです。

公益社団法人化粧療法協会

会長 大石 華法
(おおいし かほう)

経 歴

公益社団法人化粧療法協会 会長。公益財団法人国際労務管理財団 理事。大阪府生まれ。日本福祉大学大学院福祉社会開発研究員。視覚障害者・認知症患者・がん患者を対象とした化粧療法の研究を行っている。世界中に化粧療法士(医療資格)を養成し、患者のQOL向上のための化粧療法を世界に広げていくための活動をしている。

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