美容医療のかかりつけ わたしの名医

目の下にでき、顔全体を暗い印象にしてしまうクマ。化粧でもなかなかカバーしきれない頑固なクマの原因は、目元の皮膚の色素沈着や脂肪によるたるみ・窪み、睡眠不足、ストレスによる血行不良など様々です。

この記事では、医師の川村先生にご監修いただき、クマの種類の見分け方から対策方法と自宅でできるセルフケア、できてしまったクマを改善に導く方法までを解説していきます。クマの予防方法を知って、クマのない明るい目元を目指しましょう。

監修者

とみ皮膚科クリニック

医師  川村 都美 先生

長男のアトピー性皮膚炎をきっかけに、子育てをしながら医師になられた川村先生。多くの患者様を診察しているうちに、皮膚を良い状態に保つには、保険診療だけでは足りない!と思うようになり、美容皮膚科も取り入れるようになったそうです。保険皮膚科も美容皮膚科のどちらも、患者様によりそった診察を大切にしています。

◆当コラムの掲載記事に関するご注意点
※本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。

クマには種類があった!特徴と見分け方

私たちの目元にできるクマは、青クマ・茶グマ・黒クマの3種類に分けられ、それぞれ原因や改善方法が異なります。まずは、自分の悩んでいるクマがどの種類のものなのかを確認しましょう。

青クマ

日本人の女性によく見られるのが、青クマです。目の下の皮膚が青みがかって見え、皮膚を下に軽く引っ張ると色が薄くなったように感じられます。青クマは、目元の血行不良によって毛細血管が透けて見えている状態です。

原因は日々の寝不足・疲れやストレス、ホルモンバランスの乱れなどで、もともと皮膚が薄い人もクマができやすいと言われています。最近では、パソコンやスマホの画面を長時間見ることで目元の血流が滞り、青クマができるという人も多いでしょう。

茶グマ

目元の皮膚が茶色くくすんで見えるものは、茶グマに分類されます。茶グマは皮膚そのものに色素沈着が起きている状態で、皮膚を引っ張ってみても薄くなりません。

色素沈着の原因は、アトピー性皮膚炎やアレルギー性結膜炎の痒みによる目元の擦りすぎや、クレンジングでの目元の擦りすぎ、落としきれなかったアイメイクなどが挙げられます。

また、シミやターンオーバーしきれずに皮膚に残ったメラミン色素も、茶グマの原因となります。

黒クマ

黒クマは目の下のふくらみや窪みによって影ができ、その部分が黒っぽく見えるものを指します。別名影クマとも呼ばれ、上を向くとクマが消えたように見えるのが特徴です。

主な原因は、加齢による目元の筋力低下やハリが失われることで起こる、眼下脂肪の突出です。肌に凹凸ができると黒クマが目立ちやすくなってしまいます。

また、年齢に関わらず、もともと目元に脂肪が多く集まっている人も、黒クマができやすい傾向です。

クマの種類ごとの改善方法

クマは種類によってできる原因が異なるため、対策方法やケアの方法もそれぞれです。クマができてから改善しようとするより、日々の習慣によるクマの予防の方が簡単です。正しいケアの方法を知り、クマのできにくい明るい目元をめざしましょう。

青クマのケアと改善方法

青クマの原因は目元の血流不足です。目元の血行を改善するためには、目が疲れすぎないようにすることと、睡眠不足の解消がとても大切です。

私たちは日々の生活でパソコンやスマホを長時間使用することによって、知らず知らずのうちに目に負担をかけてしまっています。目が疲れると目元の血行が悪くなり、青クマの原因になってしまいます。

対策としてパソコンやスマホの画面を見る時間を減らすか、それが難しい場合は1時間に1回休憩を取るなどして、目を休めるように意識しましょう。

また、慢性的な睡眠不足も目元の血流不足に繋がります。規則正しい生活リズムを心掛け、十分な睡眠時間を取ることも大切です。

血流を促すこと

青クマの原因となる目元の血流不足を解消するために、意識的に血流を促すことも重要です。

お風呂に入る際に、湯船に浸かることもセルフケアの一つです。湯船に浸かると全身の血行が良くなるだけではなく、疲労回復やリラックス効果、良質な睡眠などさまざまなメリットがあります。普段シャワーだけで済ませてしまう人も、時間があるときは湯船に浸かってみるのはいかがでしょうか。

寝る前にホットアイマスクやホットタオルなどで目元を温めるのも同様に効果的です。

体を温めること

血行不良は青クマの原因となりますが、青クマに悩んでいる方の中には、冷えのお悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。なぜなら、体の冷えは全身の血行不良に繋がるからです。

血行改善のために入浴や適度な運動をするのも効果的ですが、第一に体を冷やさないように心がけることも大切です。体を温めやすいと言われている食材を積極的に取り入れ、内側から冷えの改善をめざしましょう。

おすすめの食材は納豆や味噌などの発酵食品や玉ねぎ・かぶ・かぼちゃなどの野菜です。肉や魚介類全般も体を冷やしにくいと言われています。焼き魚や、玉ねぎ・かぶを入れた味噌汁などを食べて、普段の食事から冷え対策をしていきましょう。

青クマを改善する美容医療

もしセルフケアで効果が出なかった場合や、忙しくてケアの時間が取りにくいという方は、美容皮膚科へ相談するのも一つの手です。

代表的な治療方法は、スネコス注射とテノールです。

スネコス注射はアミノ酸や非架橋ヒアルロン酸を配合した薬剤を目元の皮膚の真皮に注入して肌内部のコラーゲンやエラスチンの合成を促し、肌にハリを与えることで青クマを目立ちにくくするものです。

テノールは高周波治療の一種で、血行促進によって青クマの改善にアプローチします。

茶クマのケアと改善方法

茶クマの原因の一つは、目元の皮膚への刺激による色素沈着です。これは、目の周りを掻かない、目を擦らないように気をつけることで簡単に防ぐことができます。

目元は顔の皮膚の中でも特に皮膚が薄いため、少しの刺激や摩擦で肌が傷つきやすくなっています。できるだけ目の周りを擦らないよう、意識するのも大切です。

目の周りが乾燥しているとかゆみを感じることがあります。目元の乾燥を防ぐためにアイクリームや美容液、美白化粧品を使用する習慣をつけましょう。

目元周りへの刺激を避ける

目元の痒みは掻いたり擦ったりすることで色素沈着の原因となります。痒みの原因は、アトピー性皮膚炎やアレルギー性結膜炎などの皮膚疾患かもしれません。

目元に慢性的な痒みがある場合は、速やかに医療機関を受診するようにしましょう。春先には花粉症によって目が痒くなり、ついつい目を擦ってしまう人もいるのではないでしょうか。

病院を受診して適切な治療を行うことで目元の痒みが改善し、茶グマの原因となる色素沈着が自然に薄まっていく可能性もあります。

また、痒みだけでなく、アイメイクやアイメイクをオフする際に目元を擦りすぎてしまったり、アイメイクを落としきれずに色素沈着してしまうことも茶グマに繋がります。皮膚の薄い目元を十分に労わってあげるようにしましょう。

紫外線対策とスキンケアを万全に

茶グマを予防するためには、紫外線対策をすることも有効です。紫外線は肌を乾燥させ、色素沈着の原因となるアトピーやドライアイを加速させます。

季節や天気を問わずに紫外線は日々降り注いでいるため、夏だけでなく冬でも毎日日焼け止めを塗ったり、日差しがきついときは日傘やサングラスで直射日光を防いだりしましょう。

日々のスキンケアを入念に行うことも大切です。顔は常に外気にさらされ、過酷な環境にあります。茶グマができにくい肌にするために、保湿と美白に重きを置いたスキンケアを徹底しましょう。

また、茶クマはメラニン色素の沈着によるものですので、メラニンの生成を抑えるトラネキサム酸を服用したり、トラネキサム酸が含まれている化粧水を使うことも効果的です。さらに、肌が剥けない程度のレチノール入りの化粧品を使うことも効果が期待できます。

茶クマを改善する美容医療

茶グマは皮膚の色素沈着が原因のため、一度できてしまったクマの改善をセルフケアで行うのは難しいのが現状です。茶グマを根本から解決するためには美容皮膚科に相談し、医療の力を借りましょう。

代表的な治療方法として、レーザートーニングとエレクトロポーションの二つをご紹介します。

レーザートーニングは肝斑などの色素沈着の治療に用いられる方法で、レーザーをクマに当てることで茶グマを目立たなくしていきます。

エレクトロポレーションは医療用のスキントリートメントで、特殊な電気パルスを使用して針を使わずに肌の内部に美容成分を注入する治療法です。ダウンタイムが発生しないため、手軽に施術を受けられるのが魅力です。

黒クマのケアと改善方法

黒クマは肌の表面にできた凹凸によって、目の下が影になって見えることが原因です。肌の凹凸は、加齢に伴って顔の筋肉や脂肪が落ちていき、目元にふくらみやくぼみができることで目立ちやすくなります。

黒クマができにくい肌状態にするためには、日々のスキンケアでしっかり保湿して乾燥を防ぎ、みずみずしくふっくらとした肌をキープすることがとても重要です。

黒クマを改善する美容医療

加齢によってできやすい黒クマ・影クマには、美容医療が効果的です。黒クマはBuggy eyelids(バギーアイリッド)といい、マッサージやレーザーでは治らず外科的な介入や注入が必要になります。

様々な方法がありますが、
⑴脂肪を直接とる脱脂術、
⑵脂肪を移動させる、経皮的眼窩脂肪移動術(表ハムラ)、経結膜的眼窩脂肪移動術(裏ハムラ)
⑶頬部を盛り上げることによって影を改善する、脂肪注入、ヒアルロン酸注入術、成長因子注入術

などが代表的な治療法になり、これらの治療法が組み合わせて行われる場合もあります。

脱脂術は直接、眼窩脂肪を取り出すので確実に膨らみを除去することができますが脂肪の取りすぎに注意する必要があります。 表ハムラはまつ毛の下を切り眼窩脂肪を頬に移動させることで黒クマを改善します。皮膚がたるんでいる場合は同時に皮膚をとり、シワを改善することもできます。
裏ハムラは皮膚をとることはできませんが、まぶたの裏側を切るため傷跡が外から見えません。

反対にヒアルロン酸、脂肪移植などの注入術は、目元の窪みにヒアルロン酸を注入することでふっくらとした健康的な目元を引き出し、黒クマを目立ちにくくします。注入術にはその他、PRP療法、FGF療法などもあります。

それぞれ、ダウンタイム、リスクも異なるので医師と相談の上ベストな治療プランを決める必要があります。

まとめ

クマは青クマ・茶グマ・黒クマに分けられ、それぞれ血行不良・色素沈着・目元のたるみや窪みが原因となっています。クマは日常の細かな生活習慣で予防することができますが、できてしまったクマを治すのはなかなか難しいものです。

まずはセルフケアでクマを改善させることが第一ですが、大きな効果が得にくく、時間もかかってしまいます。もしクマでお悩みの場合は、美容外科や美容皮膚科を受診し、原因に合った「クマ取り」の施術を検討してみてはいかがでしょうか。

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