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ヒト幹細胞培養液とは?期待できる美容効果やリスク・デメリットについて

「納得できるエイジングケアを見つけたい」
「いろいろなケアをしてきたが、もっと効果的なものはないだろうか」

このような悩みを感じていませんか。

近年、年齢の影響が気になっている世代に注目の施術がヒト幹細胞培養上清液療法です。ヒト幹細胞培養液から作られる上澄み液、ヒト幹細胞培養上清液を用います。

ヒト幹細胞培養上清液は様々な論文が発表されており、現在も研究が進められている成分です。この記事では、ヒト幹細胞培養上清液についての基本的な情報や美容効果について解説します。

ヒト幹細胞培養上清液とは

ヒト幹細胞培養上清液とは、ヒト由来の幹細胞を培養した際に生じる上澄み液のことです。この中には、タンパク質や500種類以上の成長因子(サイトカイン)など、美容に期待される成分がたくさん含まれています。

そもそも幹細胞とは、まだ役割が決まっていない細胞のことです。幹細胞を培養すると、分裂して増えたり他の種類の細胞に変化したりします。この工程で分泌される液が「ヒト幹細胞培液」で、幹細胞を分離して滅菌などを行った上澄み液が「ヒト幹細胞培養上清液」です。

再生医療と幹細胞上清液

再生医療とは、損傷した組織や臓器を修復したり再生したりする医療のことで、幹細胞そのものが重要な役割を果たしています。再生医療の治療には、幹細胞と幹細胞上清液、どちらも用いられています。上手に活用することで、損傷した組織や臓器の再生や修復に役立てられます。

一方で美容目的では、幹細胞そのものが使われることはありません。美容分野で使われるのは、幹細胞の培養液から得られる上澄み液、幹細胞上清液です。豊富な美容成分が含まれているため、健やかな肌の維持に役立ちます。

幹細胞培養上清液の種類

ヒト幹細胞培養上清液には現在4つの種類があります。これは上清液の元となる幹細胞の採取部位によって、含まれる成分が異なるためです。

肌の悩みに応じた幹細胞培養上清液を選んで使用するクリニックもあります。どのような部位の幹細胞培養上清液があるのか、事前に頭に入れておきましょう。

▼ヒト幹細胞培養上清液の種類
・脂肪由来
・歯髄由来
・臍帯由来
・胎盤由来


それぞれどのような特徴があるのでしょうか。ここで詳しく解説します。

脂肪由来のもの

脂肪由来のヒト幹細胞培養上清液は、脂肪組織にある幹細胞を用いて作られます。脂肪吸引で抽出された脂肪が使われることが多く、比較的入手しやすいのが特徴です。ヒト幹細胞培養上清液の中でも、もっともポピュラーで安価な傾向にあります。

歯髄由来のもの

歯髄とは、歯の内側の象牙質よりも奥にある、柔らかい部位のことです。ここからも幹細胞を採取でき、歯髄の幹細胞を元にしたヒト幹細胞培養上清液も美容に取り入れられています。

歯髄は、硬いエナメル質とクッションのような象牙質によって守られており、外部の影響を受けにくい部位です。そのため歯髄には、質が高い幹細胞が含まれています。また、若い幹細胞のほうが多くの成長因子などを含んでいるため、ヒト幹細胞培養上清液には乳歯がよく使われます。

臍帯由来のもの

臍帯とは母体と赤ちゃんを繋ぐへその緒のことです。赤ちゃんの命綱である臍帯には血液が流れており、この中に様々な細胞へと変化する幹細胞が含まれています。臍帯血は出産のタイミングでしか取ることができない、貴重な血液です。

貴重な臍帯由来の幹細胞は、様々な病気の治療に活躍しています。ここから生まれたヒト幹細胞培養上清液は、美容分野での効果が期待されており、ベビースキンという名前でも有名です。

胎盤由来のもの

胎盤はお腹の中で赤ちゃんと母体を繋いでいる臓器で、プラセンタという名前でも知られています。胎盤から作られるプラセンタエキスも、成長因子などの成分が豊富に含まれる成分です。コスメやサプリメントを利用している方も大勢います。プラセンタは紫河車という漢方薬でもあり、古くから利用されてきました。

プラセンタ由来のヒト幹細胞培養上清液も、プラセンタエキスと同じく、豊富な成長因子などの成分を含んでいます。プラセンタエキスとは異なり加熱処理をしない分、肌への効果が期待されています。ただし数に限りがあるため、費用は4種類の中でも高価です。

ヒト幹細胞上清液療法とPRP療法との違い

PRP療法とは、自分の血液から作ったPRP(多血小板血漿)という液体を注入する治療法です。PRPには組織の再生を促す成分が多く含まれており、ヒト幹細胞培養上清液と同じく、様々な美容効果が期待されています。

ヒト幹細胞上清液療法とPRP療法の違いは、誰の細胞や血液を使うのかということです。ヒト幹細胞培養上清液は他人の幹細胞を使いますが、PRP療法は自分の血液を使います。自らの血小板を使うので、PRP療法にはアレルギーのリスクが低いというメリットがあります。

ヒト幹細胞培養上清液に含まれる主な成分

美容成分が豊富なヒト幹細胞培養上清液ですが、具体的にどのような成分が含まれているのでしょうか。ここからは、ヒト幹細胞培養上清液に含まれる主な成分を詳しく解説します。

サイトカイン

サイトカインとは、細胞から分泌される低分子のタンパク質で、体が発する特定のメッセージを細胞へ伝えるメッセンジャーです。サイトカインが特定の細胞にアプローチすることで、細胞が働き出し、生理活性が促されます。免疫細胞の増殖や活性化を促進するサイトカインも多いです。

エクソソーム

サイトカインの一種であるエクソソームは、顆粒状の物質で、他のサイトカインと同じく細胞同士のメッセージの伝達を助けています。エクソソームの特徴は、体の免疫に限らず、体内の様々な現象に関与していることです。医療分野はもちろん、美容や健康の分野でも効果を発揮する可能性があります。

EGF(上皮細胞成長因子)

EGF(上皮細胞成長因子)とは、皮膚の表面にある細胞の成長と調節に重要な役割をするタンパク質の一種です。ケガをしても、いつの間にか皮膚が再生されて、傷がふさがっていることがあります。この修復は、EGFの働きによるものです。EGFは唾液の中に多く含まれており、動物が傷を舐めて直すところから発見されました。

KGF(ケラチノサイト増殖因子)

KGF(ケラチノサイト増殖因子)は、もともと人間の体内にあるタンパク質の一種です。線維芽細胞から分泌され、皮膚の表面にある細胞の成長や調整、健やかな髪の成長にも関わっています。

IGF(インシュリン様増殖因子)

IGF(インシュリン様増殖因子)とは、人間の体内にあるタンパク質の一種で、細胞の成長や代謝に重要な役割をする物質です。皮膚はもちろん、筋肉や骨、肝臓、腎臓、神経などの細胞に働きかけて、健康維持や成長、代謝、老化の抑制などを担っています。

ヒト幹細胞培養上清液に期待できる美容効果

ヒト幹細胞培養上清液には、サイトカインや成長因子など、肌への影響が期待できる成分が豊富であることが分かりました。これらの成分は、具体的にどのような美容効果をもたらしてくれるのでしょうか。ここで見ていきましょう。

その1:ニキビ跡を滑らかに

ヒト幹細胞培養上清液は、肌の再生能力を高める効果が期待されています。ヒト幹細胞培養上清液に含まれる成長因子は、肌の中でコラーゲンやエラスチンなどの生成を促す成分です。

新たな皮膚細胞の産生をサポートすることで、へこんでしまったニキビ跡が押し上げられ、凹凸した肌が目立たなくなると期待されています。肌の代謝が促され、メラニン色素が排出されれば、色素沈着にもアプローチが可能です。

その2:ハリのある若々しい肌へ

ヒト幹細胞上清液は、弱ってしまった肌細胞を健やかにし、肌のハリと若々しさを高めると言われています。これはコラーゲンを生み出す線維芽細胞の成長を促進し、コラーゲンの活発な生成を助ける作用が研究されているためです。

ヒト幹細胞培養上清液は、細胞の再生・修復の促進だけでなく、抗酸化や保湿にも効果を発揮する可能性があります。そのため、ハリや弾力のある若々しい肌を求める方の施術として注目されています。

その3:FAGAの改善

ヒト幹細胞培養上清液はFAGA(女性男性型脱毛症)の改善にも利用できるのではないかと考えられています。これは、ヒト幹細胞培養上清液が弱った毛母細胞の回復を助け、再び毛髪を生み出せるよう作用するという一定の評価があるためです。

乱れてしまった毛髪の成長サイクルが正常に戻れば、FAGAは少しずつ改善していきます。ヒト幹細胞培養上清液は肌にもアプローチするため、頭皮を健やかに保ち、今すでに生えている髪を守る点でも力を発揮します。

その4:抗炎症作用

ヒト幹細胞培養上清液の美容効果の一つとして抗炎症作用が注目されています。これは、細胞の成長と修復の促進に伴って、皮膚の炎症を和らげる効果が期待できるためです。例えば、糖尿病で血管がもろくなる状態に対し、血管の壁を強化し修復を助け、炎症を抑えます。

このように血管の壁を強化し、修復を助けられれば、皮膚の炎症を和らげたり、損傷した組織の修復を助けたりすることにも繋がります。

その5:動脈硬化の予防

再生医療において、ヒト幹細胞培養上清液には、動脈硬化を予防する効果についても研究されています。血管の産生を促進し、ふさがった血管の代わりに新しい血管を形成することで、血流を再開させることが期待されているのです。

そもそも血液は栄養素の運搬や酸素供給、毒素の排出など様々な役割を担う重要な体液です。この血流を運搬する血管の状態は、体の健康だけでなく、美しい肌の維持にも影響します。ヒト幹細胞培養上清液は、肌にとっても重要な血管の維持にも寄与するかもしれません。

ヒト幹細胞上清液の投与方法

ヒト幹細胞培養上清液は体や肌に対し、様々な効果を発揮するポテンシャルを秘めています。実際に使ってみたいと感じた方もいるのではないでしょうか。ここでヒト幹細胞培養上清液の投与方法を紹介します。

点滴

全身への効果に期待する場合に用いられる方法が、ヒト幹細胞培養上清液の点滴投与です。点滴投与の際は生理食塩水にヒト幹細胞培養上清液を混ぜ、静脈にゆっくりと投与します。施術時間の目安は約10分です。ヒト幹細胞培養上清液が体を巡るため、全身の老化対策や健やかな肌へのアプローチ、抗炎症に力を発揮する可能性があります。

注射

特定の部位に効果を期待する場合は、メソセラピー(水光注射)やダーマペンなどの施術にヒト幹細胞培養上清液を用います。顔への注射は、シミ・シワ・たるみの改善や美肌効果の促進を期待して行われることが多いです。

薄毛治療や発毛、育毛の促進には、頭皮への注射投与も行われています。いずれも施術時間の目安は約5分です。

ヒト幹細胞上清液を利用するリスクとデメリット

美容医療分野でのヒト幹細胞培養上清液の使用は、期待されている効果や安全性から注目を集めています。ただし、リスクやデメリットはゼロではありません。ここでヒト幹細胞培養上清液を利用するリスクやデメリットを確認しましょう。

痛みや腫れ

ヒト幹細胞培養上清液の点滴や注射は、ダウンタイムがほとんどありません。ただし、針を使って注入する施術となるため、刺した部分に痛みや腫れが発生する可能性があります。大抵の場合は一時的なものであり、数日で自然に治まることが多いです。

もともと痛みを感じる方が少ない施術のため、麻酔の必要はありません。しかし痛みの感じ方には個人差があります。クリニックによっては麻酔クリームを塗布した上で施術を行えるため、痛みが心配な方は相談しましょう。

低血糖やめまい

ヒト幹細胞培養上清液には、インスリンというホルモンも含まれています。インスリンの働きは血糖値を下げることです。ヒト幹細胞培養上清液の投与を受けると、インスリンが働いて血糖値が下がり、低血糖の症状を引き起こす可能性があります。

低血糖になると、めまいや冷や汗などの症状が現れることがあるため注意が必要です。ヒト幹細胞培養上清液の投与前は、しっかりと食事を摂るようにしましょう。食事から糖分を摂っておけば、低血糖による症状の発生を最小限に抑えられます。

高価である

ヒト幹細胞培養上清液の大きなデメリットは価格の高さです。ヒト幹細胞培養上清液の生産は、高度な技術と時間を必要とするため、生産コストはどうしても高くなってしまいます。その結果、製品価格もまた高くなるのです。

特に、アレルギーのリスクが低いとされる臍帯由来や胎盤由来のヒト幹細胞培養上清液は、出産時にしか採取できない貴重な素材です。数量に限りがあるので、その価格は非常に高価になります。

献血ができなくなる場合がある

ヒト幹細胞培養上清液を体内に注射や点滴で入れると、献血ができなくなる場合があります。上清液中には様々な成分が含まれていますが、中には現時点で検出できない未知のウィルスが存在する可能性があるためです。その結果、血液を通じて他の人に影響を及ぼすリスクがあると考えられており、献血が制限されることがあります。

ただし献血ができない可能性があるのは、ヒト幹細胞培養上清液を点滴や注射などで体内に直接導入する場合のみです。化粧品として使用する場合は該当しません。

施術を受けられない人

ヒト幹細胞培養上清液はどんな方でもできる施術ではないため注意しましょう。まず、現在がんの治療を受けている方や、がん治療を終えて間もない方、妊娠中の方や妊娠の可能性がある方は、施術が適応できません。

持病や既往歴、アレルギー、現在服用中の内服薬・外用薬などによっても、ヒト幹細胞培養上清液の施術が適応できない場合があります。条件は個々の体調や病歴に大きく左右されるため、カウンセリング時に自分の状況を伝え、医師の判断を仰ぎましょう。

まとめ

ヒト幹細胞培養上清液は豊富な成長因子を持っており、医療だけでなく美容分野でも注目の成分です。この美容法は、特に年齢の影響が気になる世代からの評価が高く、健やかな美を保てると人気を集めています。

ヒト幹細胞培養上清液は点滴や注射だけでなく、化粧品成分にも取り入れられるようになってきました。人間がもともと持つ力を取り戻し、美しさを引き出したいと考えている方は、この機会に試してみてはいかがでしょうか。

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