Jóia Clinic Kyoto (ジョイアクリニック京都)は、2020年4月にクリニック名を「烏丸姉小路クリニック」から変更し、新たなスタートを切りました。医師以外にブラジル音楽の歌手としても活動されている院長の林寛子先生に、クリニックのこだわりや再生医療などについて、お話を伺いました。
歌手名でもある「Jóia(ジョイア)」をクリニック名に
――なぜご自身のクリニックを開院しようと思われたのですか?
林 自分の理想とする治療をしたいという想いが一番のキッカケです。私が開業前に師事していた先生が、まだ世の中に形成外科というジャンルがなかった時代に形成外科を作られたパイオニアのような先生だったんです。その先生に9年ぐらい師事して形成外科としての基礎を積み上げてきました。
例えば、料理人の場合、和食なら和食の老舗に修行に行って、そこの基礎をしっかり叩き込まれますよね。そこから自分のオリジナリティーを出していく段階でのれん分けをされていくと思うんです。
私の場合も、師事した先生の下で、形成外科としての基礎を叩き込まれたのですが、フィソロフィーとしては今でもよすがにはなっていますが、今年で90歳になられる先生なので、美容に関してはあまり新しいことまではされていなかったんですね。私としては、基礎を学んだ上で自分の色を出したい、自分の思う美しさの精度を上げたいということで、より高いレベルの美容医療を目指したくて開業しました。女性の立場としてもそうですし、もっと美容的にもレベルの高い手術をしたいと思ったんです。
――2020年4月より、クリニック名を「烏丸姉小路クリニック」から「Jóia Clinic Kyoto」に変更された理由について教えてください。
林 改名した理由はいくつかあるのですが、実は私、医者の他にブラジル音楽の歌手としての活動もしていて、歌手名が「Jóia(ジョイア)」なんですよ。「Jóia」はポルトガル語で「宝石」「輝き」「喜び」という意味です。すごくポジティブで、とてもいい名前だと自負していて、それがベースの一つとしてあります。
あとは、医療を突き詰めていくと芸術でもあるし、逆に芸術を突き詰めていくと医療でもあると思っています。今までは病気を診るのが医療だと思われていたわけです。つまりMedicine for Disease(疾病のための医療)ということですが、これからはアンチエイジングのことを考えると、Medicine for Humanity(全人的医療)の時代にシフトしていく時代に来ていると思っています。医療が、病院、医者、看護師など、医療人の中だけで留めておくものから、社会的に意味を持つようになってきているわけです。暮らし方、食べ物、生き方、精神的なものの見方、そういう中にいかに人間らしく生きていくかということが本来の医療なのではないかと考えています。医療も、いかに健康に年を取るか、自信を持って年を重ねるということを社会として考えていくMedicine for Humanity(全人的医療)の時代にシフトしていくべきだと思います。人間らしく生きていく中には、どうしても芸術的なものが必要になってきます。芸術と医療とか、食と医療とか、異分野の方とコラボして多方面から健康をクリエイトすることが、今後の医療の役割の一つになっていくと信じています。そういう意味で、自分の歌手名とクリニック名を一緒にしようという構想は以前から持っていました。
もう一つは、海外の学会に呼ばれた時に、「烏丸姉小路クリニック」という京都らしい名前だと言われないことが多くて、今後、国際的に論文を発表したりするときにマイナス要因かなと思ったことが、最後の背中を押したという感じですね。
――再生医療に取り組まれるキッカケを教えてください。
林 PRPFという血小板に成長因子を入れて、皮下の主に脂肪層の再生をはかる治療を10年ぐらい前からやり始めました。一時、PRP(多血小板血漿)の治療は流行ったのですが、一方でb-FGFという成長因子を使った治療も同時に広まっていきました。ただ、使い方を誤るといろいろなトラブルが起こるんですね。10年前は、まだサイトカイン(細胞間伝達物質/成長因子など)が研究段階でしたが、私は非常に面白い治療だなと思ってやり始めました。
当時は、美容医療でトラブルが多かったのですが、文献を調べたり、成長因子がどのようなものか調べてやっていく中で、私はあまりトラブルを経験しなかったんです。慎重に始めて、京都大学の再生医療研究所でマウス実験をしたりする中で、血小板の成長因子を適正な濃度で入れるなど、トラブル回避の方法をいろいろと仮説を立ててやっていきました。そして5年後ぐらいから、いろいろな学会で発表するようになりました。結果も非常に良くて、これは脂肪注入に優る治療だと思いました。脂肪吸引をせずに、30ゲージという非常に細い針で入れるだけで、目的の場所に脂肪を再生させることができる治療として確立しました。これを正しく広めていくために、5年ぐらい前からワークショップも始めて、信頼できる先生にはお教えしています。年々、新しいことが分かってきていますので、とても面白い分野だと思っています。
――貴院が得意とする医療サービスはありますか?
林 瞼の手術が得意です。当院の代表的手術である眼瞼皮膚弛緩症の治療「眉毛下皮膚切除術」は、私が初めて論文を発表しました。
患者様が思うゴールと手術のゴールを限りなく一致させることが大事
――美容医療のやりがいや難しさについて教えてください。
林 手術をしてコンプレックスがなくなると、皆さん自信を持って前向きな気持ちになりますし、笑顔になります。そのお手伝いができることがやりがいです。 逆に難しいところは、一人ひとり生活や人間性が違うので、その方なりの幸せのゴールがありますよね。例えば、20代の若い子で変身願望があって、コンプレックスが強く、あれもこれも治したいという方もいます。しかし、すべて希望通りにして、最終的にお父さんやお母さんと全く似ていない顔になった時に、本当にその子は幸せなのかと思うとすごく悩みます。ですから、どうすればその方がハッピーになれるのかをきちんと聞き出した上で、患者様の幸せのゴールを一緒に見出していって、患者様が思うゴールと手術のゴールを限りなく一致させることが大事なんです。患者様が満足されてハッピーな状態まで持って行ってあげないといけないので、そこは難しいところだと思います。
――林先生が考える美・美しさとは?
林 それは精神的にも身体的にも健康美ではないでしょうか。身体も精神も健康であると、最終的にステキな笑顔になるんですね。私の施術がそのキッカケになってくれたら嬉しいですね。シワを取ったり、たるんでしまったフェイスラインを治したり、コンプレックスを治してあげることで、その人らしさを取り戻すことができて、最終的に本当の意味での美しさはご本人が作るものだと思います。
――今後の展開について教えてください。
林 Medicine for Humanity(全人的医療)にシフトしてくために、いろいろな業種の方とコラボレーションして、医療の枠組みを社会的に広めていきたいです。いかに健やかに年を重ねていくかが最大のテーマなので、予防医療ではなく、どうやって人生をクリエイトしていくかだと思っています。そのための活動をしていきたいです。また、歌手としても音楽活動を続けていきたいと思います。
Jóia Clinic Kyoto
院長 林 寛子(はやし ともこ)
経 歴
国立滋賀医科大学医学部卒業
滋賀医科大学附属病院放射線科、大阪市立大学医学部附属病院形成外科を経て、1997年より約9年間、冨士森形成外科医院に常勤医として勤務。
2003年「眉下皺取り術の効果」が日本美容外科学会誌に掲載され、これが眉毛下皮膚切除術の世界初の論文となる。
2005年3月 烏丸姉小路 クリニックを開業
2020年4月 Jóia Clinic Kyotoに名称変更。
国内外で講演・論文発表多数。
資格・所属学会
日本形成外科学会認定専門医
日本美容外科学会(JSAPS)評議員
国際美容外科学会会員(ISAPS)active member
International Master Course on Aging Science(IMCAS) faculty member
Jóia Clinic Kyoto
〒604-8172 京都府京都市中京区烏丸通三条上ル
場之町599 CUBEOIKE3F
TEL: 075-229-6388
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