「ピコトーニングをやりはじめたら、ずっと継続しなければいけない?」
「やめるとシミが戻るって本当?」
このような悩みを抱えていませんか。ピコトーニングの施術をずっと続けなければならないとなると、その分、時間もコストも必要です。実際、ピコトーニングをやめたらシミや肝斑が元に戻ってしまうのでしょうか。
この記事では、医師の宇井先生に監修いただき「ピコトーニングをやめたら症状が戻ってしまった」と感じる原因や対策を解説します。ピコトーニングの効果を維持する方法も解説するので、ぜひ参考にしてください。
目次
監修者
やさしい美容皮膚科・皮フ科
秋葉原院 院長
医師 宇井 千穂 先生
準ミス日本受賞。全日空客室乗務員を経て、北里大学医学部を卒業し、皮膚科医、美容皮膚科医として勤務。
web雑誌での連載やサプリメント、化粧品の監修など、多方面で活躍中。
【医人VOICE】やさしい美容皮膚科・皮フ科 秋葉原院
◆当コラムの掲載記事に関するご注意点
※監修者は「選び方」について監修・制作をおこなっています。掲載商品の監修には関わっておりません。
※掲載商品は選び方で記載した効果・効能があることを保証したものではありません。
ピコトーニングの治療をやめたらどうなる?
ピコトーニングの治療をやめたら、気になっていた症状が元に戻るという話を耳にし、不安になっている方もいるかもしれません。ピコトーニングについてはさまざまなウワサがあります。真偽はどうなのでしょうか。ここで3つのウワサを検証します。
ウワサ【1】 シミや肝斑が戻る?
ピコトーニングの治療をやめると、せっかく良くなったシミや肝斑が元に戻るというウワサがありますが、これは嘘です。一度除去したシミが、元に戻ることはありません。
それでは、なぜ「シミや肝斑が戻る」というウワサが生まれたのでしょうか。これは肌質や習慣の影響で、シミができやすい体質の方がいるためです。ピコトーニングでシミを除去したものの、すぐに新しいシミができてしまったせいで「シミが元に戻った」と感じられるケースがあります。
ウワサ【2】シミや肝斑が濃くなる?
ピコトーニングをやめたからといって、シミや肝斑が急に濃くなることはありません。刺激の強いレーザー治療は、シミ、特に肝斑を悪化させることがありますが、ピコトーニングは、低出力なのが特徴のレーザー治療です。刺激が少ないため、シミや肝斑を悪化させる要因はほとんどありません。
ただし肌質によっては、シミのもととなるメラニン色素が十分に排出できず、濃くなったように見える場合があります。また、短期間で新しいメラニン色素が生まれてしまい、シミや肝斑が濃くなったと感じられるケースもゼロではありません。
ウワサ【3】肌の状態が元に戻ってしまう?
ピコトーニングはシミや肝斑のケアだけでなく、毛穴の開き対策や肌のハリ感の向上にも用いられる施術です。「せっかく肌質に変化が見られてきたのに、ピコトーニングの治療をやめたら肌の状態まで元に戻ってしまった」と感じる方もいます。
実際は、ピコトーニングをやめてすぐに元の肌の状態に戻るわけではありません。ただし、ピコトーニング治療をやめると、コラーゲン生成の促進が中断する点に注意が必要です。少しずつ時間をかけてハリ感が失われたり、毛穴の開きが目立つようになったりします。
シミや肝斑が戻る・悪化する3つの原因
「ピコトーニングをやめると肌が元に戻る」というウワサは真実ではありません。ピコトーニングをやめた後にシミや肝斑が悪化する、と感じてしまうのには、別の原因があります。ここで、ピコトーニング後にシミや肝斑が戻ってしまう3つの原因を見ていきましょう。
照射回数の不足
ピコトーニングは低出力の照射によって、シミや肝斑の元となるメラニン色素を優しく分解していく治療です。照射を数回にわたって行うことで、メラニン色素を細かく分解し、排出します。
肌の状態によって適切な回数の照射を行わないと、メラニン色素が上手く排出されません。その結果、メラニン色素が肌に留まり、シミや肝斑が濃く見えるようになってしまいます。このせいで「悪化した」と感じることがあります。
紫外線による刺激
ピコトーニングの施術後に紫外線対策を怠ってしまったせいで、新しいシミが作られてしまうこともあります。これも「シミや肝斑が濃くなった」と思わせる要因のひとつです。
曇りや雨の日、冬の時期は油断しがちですが、紫外線は1年を通して降り注いでいます。雲やガラスを通り抜ける紫外線もあるため、ピコトーニングの施術後は特に紫外線対策を徹底しましょう。季節や天気に関係なく、室内でもUV予防できるメイク下地や日焼け止めを塗るようにしましょう。外に出る際は、日傘やツバの広い帽子を使うのも効果的です。
乾燥による肌バリアの低下
ピコトーニングの施術後は、いつもより肌が乾燥し、敏感になっています。その分、肌表面を守るバリアも低下しており、紫外線やホコリ、摩擦などの刺激を受けやすい状態です。そのうえ一時的ではありますが、肌のターンオーバーも乱れてしまいます。
紫外線などの刺激は、新たなシミができてしまう要因です。またターンオーバーが乱れた状態だと、生まれてしまったシミを上手に排出できません。このようにして新しいシミができてしまうと「肝斑やシミが戻った」と感じてしまいます。
ピコトーニングの回数・期間・費用目安
ピコトーニングをやめても気になるシミや肝斑が悪化しないようにするには、十分な回数の照射が必要です。ここで、ピコトーニングの施術回数や期間費用の目安を解説します。やめるかどうか迷っている方や不安になっている方は、ここでチェックしましょう。
照射頻度
ピコトーニングの照射回数は、最低でも5回が推奨されています。ただし、肌の状態によっては10回程度必要になることも珍しくありません。1回だけの施術ではシミや肝斑の改善は難しいため、複数回施術を受けることを想定しておきましょう。
実際の施術回数は、求める肌の状態を医師に相談した上で決めていくことも大切です。専門家に見てもらえば、自分にとって適切な施術回数が分かります。
施術間隔
ピコトーニングの施術を複数回に渡って行う際は、2~4週間おきに実施するのが一般的です。肝斑は短期間で照射を繰り返すと、刺激により悪化するケースがあるため、1ヶ月に1回の照射を目安とします。
治療完了までの期間の目安は、半年~1年程度です。ただし、実際の施術スパンや完了までの期間はクリニックによって異なるため、カウンセリング時に確認しましょう。
費用相場
ピコトーニングの費用の相場は、一般的に1回11,000円から40,000円程度です。具体的な費用はクリニックによって異なります。他のレーザー治療と比較すると、決して安いとはいえません。ただし、肌への負担やダウンタイムが少ないというメリット、シミ・肝斑への効果などから、費用対効果は高いといえます。
ピコトーニングは複数回の治療が大切なため、5回や10回のセットでお得に受けられるクリニックも少なくありません。価格が気になっている方は、複数のクリニックを比較検討しましょう。
効果持続期間
ピコトーニングの治療後に肌が良い状態になれば、最長で6ヶ月程度効果が続きます。ただし、効果はには個人差があり、普段のお手入れの程度によっても左右される点に注意しましょう。
1~2ヶ月に1度のペースで、メンテナンスとしてピコトーニングの照射を受けると効果が持続します。また、日常的なスキンケアを丁寧に行い、紫外線対策を徹底することも重要です。
ピコトーニングいつごろやめる?
ピコトーニング治療をやめても、肌の状態がすぐに元に戻るというわけではありません。だからこそ、やめ時が分からないと悩んでいる方もいるでしょう。ピコトーニングはいつごろやめると良いのでしょうか。ここで、ピコトーニングをやめる目安を解説します。
ゴールを決める
「シミや肝斑、くすみの無い赤ちゃん肌になりたい!」と思い、ピコトーニングを行っている方もいるのではないでしょうか。しかし、どこから見てもパーフェクトな肌を手に入れる、というのは現実的ではありません。「シミが薄くなればOK」、「メイクで隠れる程度に肝斑を無くしたい」、など、現実的なゴールを決めておくと、ピコトーニングのやめ時を決めやすくなります。
施術間隔で決める
ピコトーニングの施術の間隔は、1週間~2週間おきからスタートします。効果が出るようになると、徐々に間隔を空けることが可能です。そのため、施術の間隔が空いてきたら治療をやめるという考え方もあります。例えば「照射が1ヶ月に1度程度になったらやめる」と決めるのも選択肢のひとつです。
クリアな肌を長持ちさせる4つの方法
ピコトーニングでクリアな肌を手に入れられたのなら、できるだけ長持ちさせたいと思うのではないでしょうか。ここで、ピコトーニング治療後にきれいな肌を長持ちさせる4つのコツを解説します。
必要回数の施術をうける
ピコトーニングの効果を長持ちさせるには、治療の段階で必要な回数の施術を受けることが大切です。医師に相談しつつ、シミや肝斑が気にならなくなるまで必要な回数の施術を受けましょう。中途半端に終わらせないことが大切です。回数の目安は5~10回ですが、個人差があるため、医師の指示に従うようにしましょう。
治療が完了してからは、2〜3か月に1回メンテナンスとして照射を受けるようにすると、効果が長持ちします。
紫外線や摩擦などの刺激を減らす
ピコトーニングの施術中、および施術後に、紫外線や摩擦などの刺激を避けるのも重要なポイントです。施術中は、肌のバリア機能が弱くなっているため、紫外線や摩擦などの影響を受けやすくなっています。せっかくシミの元を分解しても、このまま肌を刺激にさらしていると新たなシミが生まれることになります。UV対策や優しい洗顔などを行い、刺激を減らしましょう。
効果を長持ちさせるには、治療が完了しても新たなシミを作らないことが大切です。毎日の紫外線対策を丁寧にしましょう。
保湿で肌バリアを守る
ピコトーニング治療後は、肌が乾燥しやすくなります。肌が乾燥すると、肌のバリア機能が低下し、紫外線や摩擦などの刺激を受けやすい状態になります。このままだと、刺激によって新たなシミができたり、元々あったシミが濃くなったりする可能性があります。
そこでピコトーニングの効果を長持ちさせるためには、保湿で肌のバリア機能を守りましょう。洗顔後はすぐに化粧水や美容液などで肌に水分を与えたり、保湿成分が配合されたクリームや乳液などで肌に油分を与えたりしましょう。
内服薬でフォローする
ピコトーニングと並行して、内服薬でフォローするとより効果的に美肌を目指せます。美容内服薬はクリニックの処方が必要です。近年はオンラインで診察を受けて、自宅に配送してくれるサービスもあるため、忙しい方は利用を検討してみましょう。
代表的な美容内服薬
・トラネキサム酸⋯メラニン生成抑制作用のある美白有効成分。シミや肝斑の原因となるメラニンの合成を阻害する。
・シナール⋯主成分はビタミンC。メラニン色素の合成を抑え、コラーゲン生成を促進する。
・ユベラ⋯主成分はビタミンE。肌のターンオーバーを正常化する。
ピコトーニングは必要な回数の施術とアフターケアが大切
ピコトーニングをやめるとシミが元に戻るというウワサがあります。しかしポイントを押さえて施術を受ければ、気になる悩みが元に戻ることはありません。
大切なのは、肌の状態や目的に合わせ、適切な回数で施術を受けることです。紫外線対策や保湿などのアフターケアの徹底も欠かせません。医師に適宜相談しつつ治療を進め、適切なやめ時を考えておき、ピコトーニングで理想の肌を目指しましょう!