美容医療のかかりつけ わたしの名医

年齢を重ねるごとに、気になりはじめる悩みのひとつ「たるみ」。たるみが目立つと実年齢よりも老けて見えたり、疲れ顔に見えるなど見た目の印象に大きな影響を与えます。たるみはマッサージやスキンケアで改善することは難しいため、早期に改善したい場合は、美容医療が効果的です。たるみと一言でいってもさまざまな種類があり、自分の状態を正しく把握し、最適な治療を受ける必要があります。

この記事では医師の寺井 美佐栄 先生にご監修いただき、たるみの原因や治療法を種類別に紹介し、失敗を防ぐポイントも解説します。自分の症状に合わせてたるみを改善し、弾力のあるハリ肌を取り戻したい方はぜひ参考にしてください。

監修者

ミサクリニック六本木本院

医師 寺井 美佐栄 先生

複数の大手美容皮膚科での院長経験を経て、満を辞して2022年9月にミサクリニック六本木本院を開業。
メスを使わずに「ナチュラルなキレイ」を引き出す技術に定評がある寺井先生。「メスを使わない美容施術、必見!!Dr.みさえの素敵になり隊」というYouTubeで美容医療に関する情報を毎週配信しています。

◆当コラムの掲載記事に関するご注意点
※本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。

たるみの主な原因

たるみとは、肌の構造がゆるむことで肌全体が下に垂れ下がった状態のことを言います。まずは、たるみの主な原因を3つご紹介します。

原因1.コラーゲンの減少

コラーゲンは肌にハリや弾力を与えるため、コラーゲンが十分にあれば、肌はキュッと引き締まり弾力が保たれます。ところが、加齢や紫外線などの影響によりコラーゲンの量が減少することで、たるみが目立つようになります。

原因2.表情筋の衰え

顔の表情筋が弱まると、肌は重力に負けて下へ垂れ下がりたるみが生じます。顔と体の筋肉のつき方は異なり、顔は真皮層のすぐ下に表情筋が位置し、皮膚の土台を形成しています。そのため、加齢により表情筋が衰えると、皮膚もたるんでしまうのです。特に影響が出やすい部分は目周り、頬、口元などが挙げられます。

原因3.皮下脂肪の増加

顔の脂肪が増加することで、たるむこともあります。顔の脂肪が増えると、筋肉が脂肪を支えきれず、結果としてたるんでしまいます。脂肪の間にはコラーゲン繊維があり、このコラーゲン繊維が皮膚を支えて持ち上げています。しかし、加齢とともにコラーゲン繊維の強度が衰えることでたるみが生じます。

たるみの種類と治療法

たるみと一口に言っても種類により治療法が異なります。ここでは、たるみの種類別に適切な治療法をご紹介します。

脂肪過多型

脂肪は筋肉の上にあり、加齢に伴い代謝機能が衰えてしまうと脂肪が肥大化し、下へ落ちてしまいます。特に起こりやすい部位は、ほうれい線、フェイスラインなどです。脂肪過多型の治療にはまず余分な脂肪を取り除くことが必要です。

治療法

・ハイフリニア
・脂肪溶解注射
・サーマジェン
・ショッピングリフト


症状にもよりますが、脂肪過多型はハイフリニアと脂肪溶解注射(BNLSアルティメット)をセットで行う方法が効果的です。もしくは、FAT X coreという脂肪溶解注射は、非常に強力な効果があるので、この注射だけで行う方法も効果的です。ただし、FAT X coreは腫れや痛みなどのダウンタイムがあり、痛みが完全に消えるまで2週間程度みておく必要があります。ダウンタイムが取れないという場合は、ハイフリニア+BNLSアルティメット(脂肪溶解注射)を検討しましょう。

頬こけ型

頬こけ型は頬のボリュームが少なく、頬の高さがなくなっている状態です。頬の皮下脂肪は下垂しやすい部位のため、下に下がると頬の丸みが減って凹んでしまいます。頬こけは、年齢より上に見られがちです。ハイフなどのリフトアップ治療をするとさらにこけてしまうため、避けましょう。そのため、ボリュームを出して肌自体をふっくらさせる治療が必要です。

治療法

・ヒアルロン酸注入
・スネコス
・ベビーコラーゲン
・サーマジェン
・プロファイロ

コラーゲン減少型

コラーゲンは肌のハリや弾力を保つために必要ですが、コラーゲンのピークは20代とされています。年齢とともに徐々にハリがなくなり下がってしまうため、たるみが目立つようになります。コラーゲン減少型のたるみでお悩みの場合は、真皮層のコラーゲン量を増やすことが重要です。

治療法

・スネコス
・サーマジェン
・ショッピングリフト
・ハイフドット
・ヒアルロン酸注入

皮膚非薄化型

肌が薄くなることを、菲薄化(ひはくか)と呼びます。皮膚非薄化型は、脂肪を含めかなり皮膚が薄くなり、皮膚の層が薄くなっている状態です。菲薄化は加齢とともに起こりやすく、女性ホルモンのエストロゲンの減少によりコラーゲンやエラスチンの量や質が低下することが原因です。

皮膚が薄くなることで生じるたるみには、注入剤での治療が適しています。熱を入れるタイプの治療など機械類の効果はあまり期待できません。

治療法

・スネコス
・ベビーコラーゲン
・ヒアルロン酸注入
・ボトックスリフト
・プロファイロ

たるみ治療の失敗を防ぐポイント

たるみ治療は、自分に合った治療法の提案を受けることが最も重要です。治療には頬、口元、フェイスラインなど個々の状態に応じて最適な治療を検討し、失敗を防ぐための細やかな判断が必要です。満足度の高いたるみ治療には費用が安いか高いかではなく、悩みや理想を理解してもらえて、安心して任せられる医師にお願いしましょう。

たるみの原因を正確に見極め、適切なアプローチで治療しないと、望ましくない結果につながることもあります。

また、料金についても透明性があり、明確に説明してもらえるクリニックを選ぶことも大切です。安心感があり、信頼できる医師との連携が、たるみ治療の成功につながります。

たるみ治療に関するよくある質問

ここでは、たるみ治療についてのよくある質問に詳しくお答えします。

美顔ローラーはたるみに効果的?

美顔ローラーはたるみの根本的な改善は難しいですが、むくみの軽減や血行促進への効果は期待できます。ただし、力を入れすぎず、過度な摩擦に気をつけながら使用することが大切です。強く当てすぎると肌を傷つけ、たるみの原因になる可能性があるため、注意が必要です。

また、顔のたるみには表情筋を鍛えるマッサージをする方法もあります。表情筋は意識的に動かさなければ衰えてしまうため、日常的に表情筋を動かしたり、表情筋のトレーニングなどで鍛えたりすることが重要です。ただしシワが出来る表情を繰り返すことで、シワがどんどん深く刻まれてしまうため、シワの出来る部位にはお勧めできません。また、食事の際に片方だけ噛むと表情筋に左右差ができてしまうため、バランスよく噛むことも意識すると良いでしょう。

自分でできるたるみケアはどんなことがある?

スキンケアでたるみを改善することはできませんが、毎日続けることでたるみを予防していくことはできます。スキンケアの成分としては、ビタミンC誘導体やレチノール、セラミドが効果的です。それぞれの成分には以下のような特徴があります。

・ビタミンC誘導体:肌を引き締める効果があり、ハリをもたらします。
・レチノール:ビタミンAの一種。肌の生まれ変わりをサポートし、ハリや弾力を高めます。
・セラミド:肌のうるおいを保ち、ハリの低下を予防してくれます。

スキンケアだけではたるみの根本改善は難しいものの、たるみの進行を遅らせることは期待できます。上記の成分を参考にして、日々のお手入れにぜひ取り入れてみてください。

また、しっかりと紫外線対策をすることも大切です。紫外線対策は春・夏だけでなく、秋・冬も含めて1年通して行う必要があります。新雪やコンクリートは多くの紫外線を反射し散乱させるため、上からの紫外線だけでなく、左右下からの散乱光にも注意して対策しましょう。

たるみ治療は専門家のいるクリニックで相談しよう

たるみは複数の原因が重なって起こる肌トラブルで、セルフケアだけでは根本的な解決は難しいものです。たるみ改善には、まずは専門的な治療を受けられる美容クリニックで診断を受けましょう。自分が納得できるまで話を聞き、状態に合わせて最適な方法を提案してくれる美容クリニックを選ぶことが重要です。自宅ケアや市販の化粧品では限界があるため、本格的な改善には、医師に相談するようにしましょう。

これまでさまざまな方法を試して効果を感じられなかった方は、ぜひ一度治療を受けてみてください。

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