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プラセンタ注射 豊富な栄養素の効果で肌の不調や疲れなど女性の悩みを改善

プラセンタ注射は、人間の胎盤から抽出した、栄養や成長因子などを含んだ薬剤を注射する施術です。肌トラブル、更年期障害や生理不順といった女性特有の不調、疲労など、さまざまな悩みを解消する施術として、注目されています。

この記事では、エイジング対策としても人気のプラセンタ注射について詳しく解説します。

プラセンタ注射とは

プラセンタとは英語で「胎盤」を意味する単語です。胎盤は、お母さんの血液から赤ちゃんが生きるために必要な酸素と栄養を吸収する大切な役割を担っています。そのため「生命の源」と呼ばれるほど豊富な栄養を含んでおり、多くの哺乳類が出産後に胎盤を食べると言われています。

胎盤の有効性は昔から知られており、古くは古代ギリシャ時代から医療や美容に用いられてきました。日本では1950年代に肝硬変や更年期障害などの治療薬として普及し、現在ではプラセンタ注射やサプリ、化粧品など美容目的で広く使われるようになりました。

プラセンタ注射は、人の胎盤から抽出した有効成分を、注射により直接身体に取り込むことで、美容や健康をサポートする施術です。有効成分が直接アプローチするため、効率良く、プラセンタの効果が得られるでしょう。

年齢を重ねることにより不足する栄養を補給し、細胞の生まれ変わりである「新陳代謝」を促すことで、美肌や健康状態の改善など、さまざまな効果が期待できます。肌のハリや弾力に大切なコラーゲンやエラスチンの生成を促進するため、エイジングケアとしても人気です。

プラセンタに含まれている主な成分

プラセンタに含まれている主な成分は、下記の通りです。

(1)五大栄養素
プラセンタは、健康を保つのに欠かせない五大栄養素である、タンパク質・ミネラル・脂質・糖質・ビタミンを全て含んでいます。五大栄養素を効率よく補給することで、細胞の生成やエネルギー代謝がスムーズに行われるようになります。

(2)成長因子と核酸
プラセンタには、新陳代謝をサポートする成長因子と、新陳代謝に必要な核酸の両方が含まれています。プラセンタ注射の効果の多くは、成長因子と核酸の働きによると考えられています。

(3)酵素
プラセンタには約100種類もの酵素が含まれていて、体内の酵素の働きを促進する効果が見込めます。酵素は、体内で代謝・消化吸収・排泄など、さまざまな働きをする物質で、健康や美容のカギを握ります。

(4)ムコ多糖
ムコ多糖は、化粧品などに使用されているヒアルロン酸など、肌の保湿に関係するムコ多糖類の総称です。プラセンタに含まれるムコ多糖の作用により、保湿効果が見込めます。

プラセンタ注射の安全性

プラセンタ注射に使われるプラセンタは、全てヒト由来の胎盤から抽出されています。日本国内で正常分娩し、エイズやC型肝炎などの感染症の検査結果が陰性の胎盤だけを使用。さらに、さまざまなウイルスを不活性化する高圧蒸気滅菌処理を行い、無菌試験と動物試験をクリアしたものだけが、注射の薬剤として使用されるため、安全性は高いと言えるでしょう。

こんなお悩みを持っている方に

プラセンタ注射は、下記のようなお悩みをお持ちの方に向いている施術です。美容面はもちろん、健康面での効果も期待できます。

・年齢を重ねるにつれ肌のハリが衰えてきた
・肌が乾燥しがち
・ニキビが治らない
・肌のしみやくすみが気になる
・白髪が増えたような気がする
・更年期障害が原因の肩こりや自律神経失調症に悩んでいる
・生理のリズムが乱れている
・なんとなく疲れが取れない
・気持ちが落ち込むことがある
・冷え性を改善したい
・肝機能障害を改善したい
・免疫力をアップしたい

プラセンタ注射の種類

プラセンタ注射の薬は「メルスモン」と「ラエンネック」の2種類があり、どちらも厚生労働省の認可を受けた医薬品です。

(1)メルスモン
1965年に厚生省の認可を受けた薬剤で、更年期障害や乳汁分泌不全の治療を目的として使用されてきました。

ヒトの胎盤から抽出されるエキスのみを使ってつくられる薬剤です。肌の代謝を促進したい、シミをケアしたい、ホルモンバランスの乱れに悩んでいる、疲れやすいといった方に、適していると言われています。

(2)ラエンネック
ラエンネックは1974年に厚生労働省の認可を受けた薬剤で、主に慢性の肝臓疾患による肝機能の低下を改善するために使用される薬剤です。

人の胎盤から抽出されるエキスだけでなく、さい帯や羊膜も使用してつくられます。肝細胞増殖因子の働きを活発化し、肝機能を回復させる効果があり、飲酒量が多い方や肝臓の不調が気になる方に適しています。

一般的には、メルスモンの方が美容目的に向いていると言われますが、どちらがよいかは医師と相談して決めましょう。

プラセンタ注射のメリットや効果は?

プラセンタ注射には、さまざまなメリットや効果があります。

(1)美肌効果
肌が荒れる大きな原因は、新陳代謝の乱れです。新陳代謝が乱れると古い角質がたまり、紫外線や花粉といった外からの刺激に対するバリア機能が弱まります。刺激を受けやすくなることで、肌荒れやシミ、シワといった肌トラブルが起きやすくなります。

プラセンタに含まれる成長因子などの作用により、新陳代謝がスムーズになると、肌のバリア機能や修復力が高まり、ニキビや赤み、かゆみといった肌トラブルを防止できます。

また、肌のハリや弾力のもととなるコラーゲンの生成を促す効果や保湿効果も期待でき、美しい肌へと導きます。

(2)免疫力の向上
プラセンタには、免疫力を高める働きを持つ成長因子や核酸、肝臓の働きをサポートするアミノ酸などの栄養素が豊富に含まれています。肝臓は有害物質を解毒する役割のある臓器なので、プラセンタを摂取することで、ウイルスなどによる感染の予防につながります。

(3)更年期障害や生理不順の改善
プラセンタは、女性ホルモンのバランスを整える作用や自己治癒力を高める作用があり、更年期障害や生理不順といった女性特有の悩みの改善に役立ちます。

(4)疲労回復
プラセンタは、身体に必要な栄養素を豊富に含んでおり、新陳代謝を促進する作用があるため、疲労回復効果が期待できます。

(5)さまざまな悩みを一緒に対策できる
プラセンタ注射は、美肌効果や疲労回復、更年期障害、生理不順など、さまざまな健康や美容の悩みに対応できる施術です。複数の悩みを一度にケアしたい方にとっては、利便性が高いでしょう。

(6)施術時間が短くダウンタイムがほぼない
プラセンタ注射は施術時間が数分程度と短く、ダウンタイムもほぼありません。忙しくて、美容や健康のために時間が取れない場合も、空いた時間にすぐに対策可能です。

プラセンタ注射のデメリットや副作用はある?

プラセンタ注射による、重大な副作用はほとんどありません。しかし、デメリットや副作用もあるので、事前にしっかり把握しておくのをおすすめします。

(1)軽い副作用が出る可能性がある
プラセンタ注射は、深刻な副作用のリスクが少ない施術ですが、注射した場所の発疹や赤みが出る場合があります。人によっては、吐き気や寒気、発熱などが出る可能性があります。

また、プラセンタに含まれるタンパク質によるアレルギー反応、閉経後の方がプラセンタ注射をすることによる月経の再開などが起きることもあります。プラセンタの投与を中止すると、ほとんどの場合、症状がおさまるので、異常があればすぐに医師に相談しましょう。

(2)他の薬剤と組み合わせることで副作用のリスクがある
プラセンタ注射による副作用のリスクは低いですが、さまざまな薬剤を混ぜ合わせた、クリニック独自の注射を受ける際は要注意です。

複数の薬剤を混ぜ合わせることにより、薬剤同士が作用し合い、血圧低下やホルモン異常、けいれんなど重い副作用があらわれるリスクがあります。

思いもよらない副作用があらわれる場合もあるので、複数の薬剤を混ぜたプラセンタ注射を受ける際は、副作用やリスクなどを診察時にしっかり確認しましょう。

(3)感染リスクがゼロではない
他の人の臓器である胎盤からエキスを抽出し、体内に入れるため、感染症のリスクはゼロではありません。ですが、製造工程でウイルス感染対策や検査を徹底しており、さらにこれまでプランセンタ注射による感染の報告はないため、リスクは低いと言えるでしょう。

ただし、未知のウイルスや細菌に感染するなどのリスクが考えられ、絶対安全とは言い切れません。そのため施術前に、承諾書にサインが必要です。リスクをしっかり把握し、自己責任で施術を受けましょう。

(4)献血をすることができなくなる
献血を実施している日本赤十字社では、プラセンタ注射をはじめとする胎盤エキスを注射したことがある人は献血できないというルールを設けています。

プラセンタ注射を受けることで、血液に悪影響が及ぶという報告はありません。しかし、安全性をできるだけ高めるため、献血で採取した血液から輸血製剤や血液製剤をつくる工程は、厳重に管理されています。その一環として、プラセンタ注射を受けた人の献血は禁止されているのです。

(5)お腹が減りやすくなることがある
「プラセンタ注射をしたら太る」という話を聞いたことのある方もいるかもしれません。プラセンタ注射が直接作用して、体重や脂肪が増加することはまずないでしょう。

ですが、プラセンタ注射には新陳代謝を促進する成長因子が含まれています。新陳代謝が活発になると、空腹感を感じやすくなり、食べすぎてしまい、結果として太ってしまう可能性があります。

食事に気を配れば太る可能性は低く、逆に新陳代謝の活性化によりエネルギーが消費され、ダイエット効果も期待できます。

(6)効果が実感できるまで時間がかかる
初めてプラセンタ注射を受けて、すぐに効果を実感できる場合もありますが、2~3回治療を繰り返してから変化がわかるケースも少なくありません。

1回の施術で見切りをつけるのではなく、医師と相談しながら投与量や頻度を調整して投与を続けるのもよいでしょう。

点滴・サプリとの違い

豊富な栄養を含み、美容や健康をサポートするプラセンタですが、注射以外にも点滴やサプリでも摂取できます。それぞれの方法について解説します。

プラセンタ点滴

プラセンタ点滴もプラセンタ注射と同じ薬剤を使用します。プラセンタ注射は皮膚の下や筋肉に針を注射して薬剤を注入しますが、点滴は静脈に直に針を刺して薬剤を入れていきます

注射の場合、少量の薬剤を入れるため、有効成分の血中濃度が点滴ほど上がらず、ゆっくり効果が出る傾向にあります。

点滴は、薬剤の量が多い分、血中濃度が上がりやすく、早く効果が表れる傾向があります。また、注射と比べて施術時間は長めです。

点滴と注射、両方取り扱っているクリニックもあるので、どちらがよいかはカウンセリング時に相談してみるとよいでしょう。

プラセンタサプリとの違い

プラセンタサプリは、注射や点滴よりも費用や通院する手間がかかりません。また、注射とは違い、使用してもこれまで通り献血をすることができます。

プラセンタ注射に使用される薬剤は、ヒト由来のものに限定されます。しかしサプリの場合は、ブタやウマなどの動物由来プラセンタや、植物性・海洋性のプラセンタを使用しているケースもあります。植物性・海洋性のプラセンタは、成長因子を含んでいないため、栄養補給のためのサプリと考えた方がいいでしょう。

サプリメントのデメリットとして、誰でも気軽に使用できるよう有効成分の量が少なく、医薬品を使用した注射・点滴と比べて効果がゆるやかで、即効性が低い点があげられます。

また、クリニックでの注射・点滴とは異なり、医師の診察を受ける必要がない分、万が一トラブルが発生した場合、対応が遅くなるなど、ややリスクが高まります。

施術の流れ

(1)カウンセリング・診察
悩みを丁寧にヒアリングしたうえで、注入するプラセンタの量や施術頻度など治療プランを立てます。また、感染症などのリスクの説明を受け、問題がなければ、承諾書にサインします。

(2)注射
プラセンタ薬剤を注射します。注射後に異変がなければ、すぐに帰宅可能です。

施術時間

注射だけであれば、数分程度で施術が終了します。カウンセリングを入れても、20~30分程度で終わるでしょう。

ダウンタイムや注意事項

プラセンタ注射のダウンタイムや注意事項についてご紹介します。

痛み

注射針で刺す痛みはありますが、強い痛みではありません。

ダウンタイム

ダウンタイムはほとんどありません。まれに注射跡に痛みや腫れ、内出血があらわれることがあります。多くの場合、痛みや腫れは3日ほど、内出血は2週間ほどでおさまります。もし、時間が経っても治らない場合は医師に相談しましょう。

施術頻度

年齢が若い方や健康な方は、週1回くらいのペースか、肌荒れや疲れがあるときなど調子の悪いときのスペシャルケアとして施術を受けるのがよいでしょう。

悩みや身体の状態によって、望ましい施術頻度は異なるので、医師と相談のうえ、適切なペースで施術を受けてください。

施術後の注意事項

プラセンタ注射は、重大な副作用はほとんど報告されておらず、安全性が高いと言われています。そのため、施術後も基本的には普段通りに生活できます。

ただし、安全上の理由で献血ができない、まれに副作用が出るのであらかじめリスクを知っておきましょう。

こんな方は受けられません

以下の項目に当てはまる方は、プラセンタ注射を受ける際に必ず医師に相談しましょう。
・妊娠中・授乳中の方
・ホルモン感受性のがん治療をしている方
・アレルギーのある方

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