ナイアシンアミドを配合した化粧品のスキンケア効果は?

シワ改善や美白効果が期待できると話題のナイアシンアミド。
ナイアシンアミドは医薬部外品シワ改善有効成分として承認されている成分です。
実際に使ってみたいけれど、安全性や効果に不安がある方も多いのではないでしょうか。
今回は、ナイアシンアミドがどういった成分なのか、働きや効果について解説します。
また気になる安全性についても説明するので、ぜひ参考にしてみてください。
ナイアシンアミドに対する不安や疑問が解決するでしょう。

今回、ナイアシンアミドについて教えてくれたのは
薬剤師 小浦枝里さん
薬剤師。総合病院門前薬局・クリニック門前薬局・新規開局薬局・大手調剤薬局等さまざまな規模の薬局にて認定薬剤師として勤務を経験。のべ8万人の薬物治療をサポートしてきた。分かりやすい服薬指導はもちろん、患者様の心に寄り添って悩みを解決し、「あなたに相談してよかった」と言われる薬剤師であることを一番心がけている。
自身も4人の子供を育てるママであることから、小児科領域の患者様より「かかりつけ薬剤師」に指名いただくことが多い。
現在は病院薬剤師として勤務する傍ら、接遇指導や記事執筆だけでなく一般向けに健康フェアを開催し、生活習慣病をテーマに人々の健康のサポートや、薬剤師の仕事に興味を持ってもらえるよう小中高校生向けにワークショップを行うなど多方面で活躍中。
ナイアシンアミドとは
ナイアシンアミドの基本情報

ナイアシンアミドとは、魚や肉などの食品に含まれているビタミンB3の一種であり「ニコチン酸アミド」とも呼ばれています。
シワ改善や美白効果のある有効成分として、厚生労働省から認可を受けている注目の成分です。
そのため、エイジングケアを目的とした化粧品に配合されていることも多いです。
化粧品に含まれるナイアシンアミドの濃度は、「一般化粧品」と「医薬部外品」の区分によって異なります。
「医薬部外品」は、一定の濃度で有効成分が含まれているため、「一般化粧品」よりも効能効果が期待できるでしょう。
たとえば、ナイアシンアミドを10%も配合している医薬部外品の化粧品は濃度が高くなっています。
ナイアシンアミドが配合されている化粧品のタイプ
できることなら、日々のスキンケアに取り入れやすいアイテムを選びたいですよね。 ここでは、ナイアシンアミドが配合されている主な化粧品のタイプをご紹介します。
・化粧水
・乳液
・オールインワン
・アイクリーム
・美容液

化粧水と乳液はセットで使うことが多いため、同じメーカーで揃えるとより効果的です。
オールインワンタイプの化粧品は、化粧水・乳液・美容液などがひとつにまとまっており、忙しい方に最適です。
アイクリームや美容液は、普段使っている化粧水や乳液などと相性の良いものがおすすめ。
ナイアシンアミドと併用可能な成分かどうか、確認することが大切です。
実際に商品を選ぶ際には、テクスチャーや値段、保湿力などをチェックして選ぶと良いでしょう。
ナイアシンアミドの効果・働き
ナイアシンアミドの美容効果は、主にシワ改善と美白効果の2つです。 ここでは、それぞれの効果と働きについて解説します。
シワ改善

ナイアシンアミドは真皮に存在するコラーゲンの生成を促進することで、肌に潤いを与えハリ感をアップさせます。
そのため、乾燥によるシワ改善や予防が可能です。
肌トラブルの原因になる乾燥を防ぐので、肌荒れ予防も期待できるでしょう。
美白効果

ナイアシンアミドには、メラニンの生成を抑え、シミ・ソバカスを防ぐ効果があります。
シミやソバカスは、肌の内部で作られたメラニンが肌の表面に移動して目立つことが原因です。
まず紫外線や外部からのダメージを受けることで、メラノサイトという細胞がメラニン色素を生成します。
次に、メラノサイトが表皮へメラニン色素を運び、肌表面にシミとなって出現するのです。
そこでナイアシンアミドは、メラノサイトがメラニン色素を肌の表面に運ぶのを抑制し、シミ・ソバカスが出現しにくい肌へ導きます。
ナイアシンアミドと併用可・不可の成分
ナイアシンアミドには、相性が良い成分と悪い成分があります。
効果的に使うためにも、併用の可否はしっかり理解することが大切です。
ここでは、ナイアシンアミドと相性が良い成分・悪い成分について解説します。
併用可|レチノール・トラネキサム酸
ナイアシンアミドとの併用におすすめの成分は、レチノールとトラネキサム酸です。
レチノールは、シワ改善の有効成分として承認されているため、ナイアシンアミドと併用することでより効果が期待できます。
ナイアシンアミドとレチノール、どっちから塗れば良いのか迷う場合、塗る順番は、ナイアシンアミドを塗布した後にレチノールがおすすめです。
水溶性のナイアシンアミドの上から油性成分のレチノールで蓋をすることで、より効果を得やすいでしょう。
また、より美白にフォーカスするため、美白成分であるトラネキサム酸との併用する場合もあります。

肌のエイジングサインに対応 ビタミンA「レチノール」

トラネキサム酸とは?
成分の特徴や効果的な取り入れ方、副作用も解説
併用不可|ビタミンCとの併用は要注意
ナイアシンアミドとビタミンCの併用は、注意が必要です。
たとえば、「ナイアシンアミドがビタミンCの完全性に影響を及ぼす可能性がある」という理由から、併用しないようにと注意喚起しているメーカーもあります。
しかし、ナイアシンアミドを配合しているすべての商品が、ビタミンC系化粧品と併用できないわけではありません。
化粧品ごとに注意事項は異なるため、実際に使う商品の注意事項をしっかり守りましょう。
ナイアシンアミドの効果的な使い方

ナイアシンアミドを含む化粧品の使い方は、それぞれのメーカーが説明している順番・方法で使用するのが基本です。
朝使用する場合、日焼け止めや化粧下地の前に塗ることが多いです。
また、なるべく効果を高めたい場合、同じメーカーでライン使いすることがおすすめです。
同じメーカーであれば、商品同士の相性が良く、効果が得られやすいでしょう。
使用する期間は、肌の異常が見られないのであれば、1~3ヶ月継続する場合が多いです。
ナイアシンアミドは穏やかに効果が出るため、しばらく様子を見ることがポイントです。
ナイアシンアミドの副作用は?安全?

ナイアシンアミドは薬ではないため、基本的に副作用はありません。
また肌への刺激もあまりなく、普通肌から敏感肌までさまざまな肌質の方が使用できます。
しかし、人によっては肌に合わず、かゆみや赤みが出る可能性があるでしょう。
万が一肌に合わずトラブルが起きた場合は、使用をやめるか医師に相談することが大切です。
肌に不安がある方は、使用前のパッチテストがおすすめです。
腕の内側に化粧品を少量塗り、30分後に異常がないか確認します。
かゆみや赤みなど異常がなければ、そのまま1~2日間様子を見ましょう。
ラボガールの内緒話
多くのドクターズコスメを処方・製造してきたラボで働く女性、通称「ラボガール」にフラーレンの内緒話を教えてもらいました!

教えてくれたラボガールは
永田さん
愛犬のトイプードルをこよなく愛する永田さん。
お休みの日は美味しいごはん屋さんを巡ったり、読書を楽しんだりするほんわかラボガール。
ナイアシンアミドは水に混ぜるとサラサラ~とすぐ溶けます。入れた瞬間、綺麗に溶けていくので、初めてナイアシンアミドを扱ったときにとても感動したのを覚えています。
他の成分は加熱しないと溶けないものや水に入れてもモロモロしてなかなか溶けないものが多くあります。また、湿気たりもしないので、ビーカーの底にへばりついたりもしません。おかげで器具もキレイに使えます。
こんな扱いやすいナイアシンアミドですが、結晶化しやすいという難点も。
翌日、実験台にナイアシンアミドの結晶ができているなんてこともよくあります。
普段お使いの化粧品でナイアシンアミド10%などの配合率が多いものは、結晶ふたに結晶がつくことはあると思います。結晶が出ても品質には問題はありません。結晶ができるほどたくさんナイアシンアミドが入っているということです!気になる方は、マメに蓋を拭くといいと思います。