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ドクダミ 伝統の和製ハーブに期待できる美容効果や利用方法について解説!

ドクダミは、葉や花から発する独特な臭いと高い繁殖力を持った多年草の植物です。古くから薬草として用いられてきた歴史があり、現在も「十薬」という漢方薬の原料として広く用いられています。

ドクダミにはミネラル・ビタミン・フラボノイドが豊富に含まれており、貧血予防や整腸作用、デトックス作用など、さまざまな効能を持ちます。漢方薬のほかにもドクダミ茶や化粧水、入浴剤など、多様な活用方法から自分に合ったものを選ぶことができます。

和製ハーブ、ドクダミの名前の由来

ドクダミはその特有のつんとした臭いを毒にたとえ、毒を溜める「毒溜み」という意から名付けられた薬草です。葉や茎を乾燥させたものは、昔から「十薬」と呼ばれてメディカルハーブとして利用されてきました。

江戸時代に書かれた本草書『大和本草』には、馬に食べさせると十個の効果をもたらすことから十薬と名付けられたことが記載されています。現在は厚生労働省によって生薬として認められており、漢方薬として広く用いられています。

十薬は殺菌・抗菌作用が高く、皮膚炎や水虫をはじめとした皮膚疾患の治療薬に使用されてきました。解毒や利尿、便秘解消にも効果的と言われており、むくみの解消やデトックスの作用もあることから、ダイエットに用いられることもあります。

こんなお悩みに

ドクダミは、多様な悩みを持つ人にアプローチできる薬草です。もっとも効果的なのがデトックス作用。体内の余分な水分や便をスムーズに排出できるため、便秘やむくみに悩んでいる人や、お腹がなかなかスッキリしないという人に好適です。

また、殺菌・抗菌作用も高く、ニキビ・肌荒れなどの皮膚疾患の改善や虫よけにも活用することができます。自然志向でできるだけナチュラルな成分を使った化粧品を使いたい人や、化学薬品を配合した虫よけの使用に抵抗がある人は、ドクダミエキス化粧水やドクダミを用いた虫よけスプレーが適しています。

ドクダミの特徴

ドクダミの一番の特徴として挙げられるのが、独特の強い臭いです。鼻につんとくる刺激的な臭いは、薬や魚の臭いに近いかもしれません。中国では魚の腐った臭いに例えて「魚腥草」、英語では「fish mint」と呼ばれており、その臭いを「臭い」とく感じるのは万国共通ということがよくわかります。

ドクダミの臭いは葉・茎・花のいずれかを傷つけた際に発生しますが、乾燥や加熱によって和らぐことがわかっています。

臭いのきついドクダミですが、葉っぱはハート形をしていてとてもかわいらしいのが特徴です。ドクダミは葉と花のどちらにも薬効性がありますが、主に薬草として利用されるのは葉の部分で、現在も漢方薬の原料として栽培されています。

多年草で繁殖力がとても高く、春から夏にかけてものすごいスピードで地面を埋め尽くします。家の庭にドクダミが生えてきた場合は、増殖してしまう前に抜くことが重要です。反対に、その繁殖力を生かしてグラウンドカバーとして植える人もいます。

ドクダミは5月〜6月にかけてかわいらしい花を咲かせます。白い十字型の花が特徴的ですが、厳密には白い部分は花弁ではなく、葉が変化した総苞片(そうほうへん)と呼ばれるもので、中央の黄色い部分のみが花にあたります。

ドクダミは多年草で、初夏に花を咲かせたあと、秋から冬にかけて花・葉ともに枯れて散ってしまいます。冬には地下茎のみが残り、春を迎えるとまた葉を出し、繁殖して花を咲かせます。

ドクダミに含まれる主な成分

ドクダミにはミネラル・ビタミン・フラボノイドの中にさまざまな成分が含有されています。ミネラルには貧血に効果的な鉄分や整腸作用のあるマグネシウムや利尿作用のあるカリウムなどが、ビタミンには皮膚や粘膜を健やかに保つビタミンB2・ナイアシン・パンテトン酸などが含まれています。

ポリフェノール化合物の一種であるフラボノイドには、ドクダミの効能に関わるはたらきをするクエルシトリン・クエルセチン・ルチンなどの成分が含まれています。このようにドクダミには、豊富な栄養素・美容成分が含まれていることがわかります。

ドクダミに期待できる効果

ここからは、ドクダミに期待できる効果について解説していきます。ドクダミには鉄分による貧血の予防やカリウム・フラボノイドによる高血圧の緩和・血流改善などの効果があります。

また、クエルシトリン・クエルセチンによる利尿作用によって体内の余分な水分を排出してむくみを改善したり、排便をうながすことで便秘解消をしたりとデトックスにも効果的です。殺菌・抗菌作用が高いのも特徴で、皮膚疾患の改善や虫よけに用いられることもあります。

貧血の予防

ドクダミに期待できる効果の一つとして挙げられるのが、貧血の予防です。ドクダミには血液の生成を助ける鉄分が豊富に含まれているため、貧血の予防・改善に効果が期待できます。

貧血の予防目的でドクダミを取り入れる場合は、ドクダミ茶や漢方薬として飲む方法が適しています。貧血に悩んでいる人や、貧血を予防したい人はぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。

高すぎる血圧をさげる

ドクダミには、血圧を下げる作用のあるカリウムが含まれています。カリウムは、高血圧の原因となるナトリウムを体外に排出するのをうながします。体内の余分な塩分を排出して血圧を下げることで、高血圧の予防・改善に効果を発揮します。

また、クエルシトリン・クエルセチン・ルチンなどのフラボノイド類と呼ばれるポリフェノール化合物も豊富です。これらには血管を強化したり、血液の流れを促進させるはたらきがあります。

体の余分な水分の排出

ドクダミには利尿作用を持ったカリウム・クエルシトリン・クエルセチンなどの成分が含まれています。、体内の余分な水分を排出するのを助けることで、デトックス効果や体の重みの解消などが期待できます。

水分によるむくみに悩む人にも、ドクダミの利尿作用は効果的です。とくに女性は生理前の時期に体内に水分を溜め込みやすい傾向があるため、ドクダミを取り入れて老廃物を溜め込まない体を目指しましょう。

おなかのスッキリ効果

ドクダミに含まれるクエルシトリンは利、尿作用に加えて、胃腸の炎症や便秘を改善する作用も持っています。クエルシトリンが慢性的なストレスや食生活の乱れによってダメージを受けた胃壁を修復し、腸内に溜まった便の排出をうながします。

また、マグネシウムが腸内の便を柔らかくしたり、腸内に水を集めて便を排出しやすくしたりするはたらきを担います。ドクダミを取り入れることで、スッキリ感のあるおなか環境を作ることができます。

消毒・殺菌

ドクダミの臭いの原因となっているデカノイルアセルアルデヒドは、強い消毒・殺菌作用を持っているのが特徴です。スキンケア化粧品などに用いることで、肌荒れの原因となる皮膚表面の細菌のはたらきを抑制し、炎症を和らげる効果が期待できます。人の肌にだけではなく、殺虫剤や虫よけに利用されることもあります。

ただし、この消毒・殺菌作用は生の状態のドクダミにのみ見られる効果で、乾燥すると効果が失われてしまうので注意が必要です。

ドクダミの活用方法

ドクダミは独特の臭いを発するために嫌われることが多い草花ですが、健康・美容効果が高いため、昔からさまざまな方法で利用されてきました。ドクダミは乾燥させると臭いが薄れるため、加工した製品には臭いがなく、扱いやすくなっています。

ドクダミ茶として

ドクダミを体に取り入れるもっともポピュラーな方法が、葉を乾燥して作るドクダミ茶です。ドクダミ茶には貧血改善や整腸作用・デトックス作用・殺菌作用など、幅広い効果があります。

ドクダミ茶はさまざまな商品が販売されていますが、より高い効果を得たい場合はドクダミの配合量が高いものを選びましょう。ただし、独特の味や臭いがあるため、気軽に飲み続けたい人や初めて飲む人は他の茶葉とブレンドされたものからはじめてみましょう。

虫よけとして

ドクダミには高い殺菌・抗菌作用があるため、虫よけスプレーに活用することができます。 ドクダミエキスを配合した市販の虫よけスプレーも販売されていますが、ドクダミを入手して、自分で虫よけスプレーを作ることも可能です。

採取したドクダミの葉を洗ってから濃度の高いアルコールに漬け、約1週間置くと、自家製の虫よけスプレーが完成します。自然由来の虫よけスプレーを使いたい人はぜひ試してみてください。

入浴剤として

ドクダミを入浴剤として活用すると、簡単に薬湯を楽しむことができます。ドクダミの入浴剤は、湿疹・あせも・水虫などの皮膚トラブルの改善・予防や、血流改善などの効果が期待できます。

ドクダミを入浴剤にする際は、採取したドクダミの葉や茎を洗って布袋などに入れて使いましょう。臭いに抵抗がない人は生のまま使用すると、より高い殺菌・抗菌作用が得られます。臭いが気になる人は乾燥したものを使いましょう。

ドクダミエキス化粧水として

ドクダミエキスを配合した化粧水は、肌の赤みや炎症を抑える効果があるほか、ニキビのもととなる細菌を殺菌することでニキビのできにくい肌を育てることができます。ドクダミエキス化粧水を購入する際は、できるだけドクダミの濃度が高いものを選ぶと効果が感じられやすいでしょう。

自家製のドクダミエキス化粧水を作る人もいますが、雑菌が入りやすいため注意が必要です。市販品も多く販売されているので、迷ったら市販品を選ぶのがベターです。保湿成分はあまり含まれていないため、使用する際は保湿クリームと併用すると良いでしょう。

ドクダミを利用するときの注意点

ドクダミは体にとって良い効果がたくさんありますが、摂りすぎるのはあまり良くありません。ドクダミ茶は飲みすぎると副作用でお腹を壊すことがあります。体を冷やす作用もあるため、冬場や女性の生理・妊娠中に飲む際は飲み過ぎに十分気をつけましょう。

自家製のドクダミ化粧水やドクダミ美容液などは、雑菌が繁殖しやすい可能性があり、かえって肌荒れやトラブルの原因となることがあります。アレルギー反応が起こる恐れもあるため、自分の肌に合うかどうか心配な人は、顔に使用する前にパッチテストをおこなうと良いでしょう。

パッチテストとは、赤みやかぶれなどのアレルギー反応が起こらないかどうかを、アレルゲンとなり得るものを自分の腕などに塗って反応を確認するテストです。皮膚科で簡単に行うことができます。

まとめ

ドクダミは独特の匂いによって悪いイメージを持たれることの多い薬草ですが、豊富な栄養成分を含んでおり、メディカルハーブとして用いるとさまざまな効果を得られます。古くから伝わる漢方薬をはじめ、ドクダミ茶やドクダミエキス化粧水などその活用方法は幅広く、自分に合った形で取り入れることができるのも魅力です。

胃腸環境を改善したい人や貧血・高血圧などの血流・血管トラブルに悩んでいる人、肌荒れやニキビ肌を緩和したい人は、ぜひ一度ドクダミの効果を実感してみましょう。

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