CBD 心身のリラックスと質の良い睡眠のために

近年リラックスや不眠改善などの効果が注目されているCBD(カンジナビオール)は、大麻草の茎や種から抽出される合法的な成分です。大麻草由来の成分と聞くと大麻をイメージする人も多いと思いますが、CBDは大麻の原料となる成分とはまったく別のもので、日本国内に流通している製品は安全が保証されています。CBDはオイルや食品、化粧品などさまざまな製品に配合されており、自分に合った方法で取り入れることができます。
- 1. CBDとは
- 2. CBDは正規に販売されているものなら合法
- 3. CBDとTHCの違いとは
- 3-1. CBD(カンナビジオ―ル)|合法
- 3-2. THC(テトラヒドロカンナビノール)|違法
- 4. CBDに期待できる効果
- 4-1. ストレスの緩和
- 4-2. 寝つきをよくする
- 4-3. 皮膚炎の緩和
- 5. CBDの副作用とリスク
- 6. CBDの製法の違いによる注意点
- 6-1. フルスペクトラム
- 6-2. ブロードスペクトラム
- 6-3. アイソレート
- 7. CBDを含む製品
- 7-1. オイル
- 7-2. 食品
- 7-3. 入浴剤
- 7-4. 化粧品やヘアケア製品
- 7-5. ベイプ
- 8. よくある質問
- 8-1. 薬と併用しても大丈夫?
- 8-2. 年齢による使用制限はある?
- 8-3. 妊娠・授乳中は使用しても大丈夫?
- 9. まとめ
CBDとは

CBDとはカンナビジオール(Cannabidiol)の略で、大麻草から抽出されるカンナビノイドといわれる成分の一種です。人間の体内ではエンドカンナビノイドシステム (ECS)という、免疫・消化・気分などのバランスを調節する機能がはたらいています。
ECSは内因性カンナビノイドという神経伝達物質によって機能しますが、CBDはこれによく似た原子配列を持ちます。CBDには沈静・リラックス・不眠解消などの効果があり、中毒性もないため、昨今さまざまな方法で取り入れられています。
CBDは正規に販売されているものなら合法

日本では大麻草の花・葉から抽出された成分は、大麻取締法で使用・所持が禁じられています。ですが、成熟した大麻草の茎や種子から抽出されたCBDは、大麻に該当しません。
日本では大麻草の栽培が禁じられており、国内で流通するCBD製品の原料はすべて海外から輸入しています。その際厚生労働省や税関の検査を経るため、国内で正規に販売されているものは合法な製品です。
とはいえ、なかには輸入品に禁止成分が混入していて摘発された例もあるため、購入の際には注意が必要です。
CBDとTHCの違いとは

大麻草から抽出されるカンナビノイドは全部で104種類あります。そのなかの主要成分が、合法成分のCBD(カンナビジオール)と大麻の原料となる麻薬成分のTHC(テトラヒドロカンナビノール)です。
CBDとTHCは構造がよく似ており、原子配列も同じですが、両者は体内にまったく異なる作用をもたらします。CBDを取り入れる際は、安全性のためにCBDとTHCの違いをよく理解しておくことが大切です。
CBD(カンナビジオ―ル)|合法

CBD(カンナビジオ―ル)は大麻草の茎や成熟した種から抽出される合法成分で、精神作用はもちません。沈静・リラックス作用があり、心を落ち着かせたり、うつ・不安・パニック障害・不眠症などの症状をやわらげたりすることが期待できます。
セロトニン・ドーパミンをはじめとした神経伝達物質を活性化させるため、自律神経のバランスが整えられ、慢性的なストレスの緩和にも繋がります。また、ニキビや皮膚炎などの肌トラブルを改善するはたらきもあり、最近は美容面でも効果が期待されています。
大麻のような依存性はなく、使用による中毒症状も起こりません。安心して体内に取り入れることができる成分です。
THC(テトラヒドロカンナビノール)|違法

THC(テトラヒドロカンナビノール)は、大麻草の花・穂・根から抽出される麻薬成分で、体に取り入れると精神作用を引き起こします。大麻(マリファナ)の原料となるため、日本では所持・使用が禁止されている違法な成分です。
精神活性作用によって気分が高揚・覚醒し、いわゆる「ハイ」の状態になります。体へのダメージは大きく、視覚や聴覚などの五感が過度に冴えたり、思考力や運動機能が低下したりします。中毒性・依存性が高く、一度使用すると断ち切れなくなってしまうという怖さがあります。
一方で鎮痛作用や食欲増進作用もあり、海外では医療用大麻として一部使用が認められている国もあります。
CBDに期待できる効果

CBDはTHCとは異なり、依存性や体への悪影響がない合法的な成分ということがわかりました。それでは、CBDにはどのような効果があるのでしょうか。現在CBDにはさまざまな体への良い効果が認められています。
ストレスの緩和
CBDの効果として代表的なのが、ストレスの緩和です。CBDは脳の神経伝達物質を刺激し、自律神経のバランスを整えてリラックス作用をもたらします。慢性的にストレスが蓄積している人や、気持ちを落ち着けたい人に効果的です。
寝つきをよくする
CBDは自律神経のバランスを整えるはたらきがあり、そのリラックス作用により寝つきの改善にも期待できます。毎日なかなか寝付けずにいる人や、睡眠の質を高めたい人は、寝る前にCBDを取り入れてみましょう。
皮膚炎の緩和
エンドカンナビノイドシステム (ECS)では、体内の内因性カンナビノイドが欠乏すると体の調節機能がはたらきにくくなり、皮膚疾患やアレルギーの発症に繋がります。CBDは内因性カンナビノイドを補填し、皮膚疾患の緩和に作用します。
CBDの副作用とリスク

CBDを摂取したときの副作用として、報告されているものは今のところまだありません。しかし、製品によっては100%安全であるかどうかまではわからないこと、過去に個人輸入したCBD製品にTHCが混入していて摘発されたケースがあったことなどから、必ず正規のルートで購入しましょう。
また、CBDは医薬品ではないため、体調が悪いときの薬代わりには摂取せず、然るべき医療機関を受診することも大切です。
CBDの製法の違いによる注意点

日本では大麻草の栽培そのものが禁止されているため、日本で流通しているCBDの製造はすべて海外で行われています。大麻草からCBDの成分を抽出する製法は3種類あります。
それぞれ抽出後の原子構造や含まれるCBDの割合が異なり、形状や効果にも差があります。製法によっては完成したCBDの成分や含有量が日本では違法となる場合があるため、購入の際にはその違いについてもよく知っておくことが必要です。
フルスペクトラム
フルスペクトラムはもっとも大麻草そのものの成分構造に近く、CBD以外のカンナビノイドも多量に含まれているのが特徴です。大麻の原料となる麻薬成分のTHCも含まれており、その配合量は微量ですが、日本では規制対象となっています。
フルスペクトラムのCBDはTHCを含有していることから、この製法によって製造されたCBDは日本国内での一切の流通・所持・使用が禁止されています。
ブロードスペクトラム
ブロードスペクトラムは、フルスペクトラムからTHCの成分を除いたものです。CBDに加えてTHC以外のカンナビノイドも多く含まれており、さまざまな効果が期待できます。オイル状で少し苦味が感じられるのが特徴です。
基本的には合法的な製法ですが、製品によってはブロードスペクトラムと表示していてもTHCが混入している場合があります。この製法のCBDは日本ではあまり流通していませんが、購入する場合は注意が必要です。
アイソレート
アイソレートはもっとも高純度のCBDで他のカンナビノイド成分をほとんど含まず、CBDが99%以上のものを指します。パウダー状で無味無臭のため、さまざまな種類の商品に添加しやすいという特徴があります。日本で流通しているCBD製品のほとんどが、この製法によって作られたものです。
はじめてCBDを使う人やCBDへの抵抗がある人、薬物検査のあるアスリートでも、利用しやすいものといえます。
CBDを含む製品

近年CBDの持つ効果が注目を集めるようになり、多様なCBDを含んだ製品が販売されるようになりました。取り入れ方は経口摂取や経皮摂取などさまざまです。目的によって製品を使い分けるのも良いでしょう。
オイル
CBD製品のなかで1番使い勝手が良いのがオイルタイプです。口から取り入れる場合はドリンクに数滴混ぜたり、直接舌下に垂らしたりして摂取します。マッサージオイルとして肌から吸収させることも可能です。やや苦味があるため、苦手な人はカプセルタイプが向いています。
食品
ガムやグミ、キャンディーなどの食品に含まれているものもあります。CBDを甘いお菓子に練り込むことで、特有の苦味が感じられにくくなります。口の中で十分に舐めながら食べると、CBDの成分をしっかりと吸収することができます。
入浴剤
CBDを含んだ入浴剤を使用することで、入浴時のリラックス効果を高めることができます。肌からの経皮摂取に加えて湯気からの吸引摂取もできるため、効果をすぐに感じられやすく、入浴後の寝付きの改善も期待できます。
化粧品やヘアケア製品
ボディークリームやハンドクリームなどの化粧品にCBDが含まれているものも販売されています。肌荒れや乾燥などの肌悩みの改善や、沈静・リラックス効果が期待できます。お風呂上がりや寝る前の使用が適しています。
ベイプ
ベイプは、電子タバコと同じように熱を加えて気化したCBDを吸入し、肺から吸収する方法です。吸収までのスピードがもっとも早く、すぐに効果を実感できるという特徴があります。普段から喫煙をする人には、このタイプが人気です。
よくある質問

ここからは、CBDに関するよくある質問をQ&A形式で解説していきます。CBDの使用を開始する前に、気になる点はしっかり解消しておくことが重要です。場合によっては医療機関で医師に相談するようにしましょう。
薬と併用しても大丈夫?
CBDの薬との併用は、自分で判断せず必ず医師の判断を仰ぎましょう。飲み合わせの相性によっては薬が効きにくくなる可能性があるため、今現在服用している薬がある場合は、かかりつけ医に相談する必要があります。
年齢による使用制限はある?
CBDの年齢による規制はありません。ただし、ベイプタイプでの摂取はタバコと同じような仕組みのため、未成年の使用を制限するメーカーがほとんどです。未成年のCBDの脳への作用はまだ検証が進んでおらず、不安がある場合は使用を避けるのが無難です。
妊娠・授乳中は使用しても大丈夫?
妊娠・授乳中のCBDの使用は避けるようにしましょう。妊娠・授乳中のCBDの使用による作用の検証はまだ十分でないため、必ずしも体への影響がないとは言い切れないからです。 もし、どうしても使用したい場合は、主治医に相談するようにしてください。
まとめ

CBDはストレスや不眠の緩和、皮膚疾患の改善など、さまざまな効果が期待できることがわかりました。摂取方法も飲食物や化粧品、ベイプなど多様なのが魅力です。
日本で販売されているCBD製品は麻薬成分を含まない合法のものですが、まれに大麻の原料となる麻薬成分THCが混入しているケースがあります。これからCBDを使ってみようと考えている人は、製造方法や製造元の安全性をしっかりと確認したうえで、正規で流通している製品を選ぶようにしましょう。

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