αリポ酸とは？健康や美容に期待できることと注意点について解説
エイジングケアやダイエットをしたい方に人気の「α（アルファ）リポ酸」。名前を聞いたことはあるけれど、どのような成分かよく分からない、という方は多いのではないでしょうか。αリポ酸は、エネルギーの代謝に関わる重要な成分です。
今回は、αリポ酸に期待できる効果や、αリポ酸を多く含む食品について解説します。また、摂取する際の注意点についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- 1. αリポ酸とは
- 2. αリポ酸に期待できる効果
- 2-1. エネルギーを生み出す
- 2-2. 疲労回復
- 2-3. 基礎代謝を上げる
- 2-4. インスリンの感受性を高める
- 2-5. 肌を美しくする
- 2-6. 有害重金属や毒素を除去する
- 2-7. 肝機能の向上
- 3. αリポ酸を多く含む食品
- 4. αリポ酸の1日の目安摂取量
- 5. αリポ酸を摂取するタイミング
- 6. αリポ酸の副作用とリスク
- 6-1. 悪寒、手の震え、頭痛、めまい
- 6-2. 悪心、嘔吐、下痢
- 7. 副作用が起こった時
- 8. 医薬品とサプリメントの違いは？
- 9. 服用に注意が必要な人
- 9-1. 以下の病気の治療をしている方
- 9-2. 妊婦や授乳中の人
- 10. まとめ
αリポ酸とは
αリポ酸とは、別名「チオクト酸」とも呼ばれている脂肪酸の一種です。αリポ酸は、細胞の中にあるミトコンドリアに存在する成分で、糖を代謝してエネルギーを生み出す役割を担っています。αリポ酸には、エネルギー産生能力を高める働きがあるため、ダイエット効果を高める作用が期待できます。
また、αリポ酸には抗酸化作用があることも分かっています。抗酸化作用とは、生活習慣病や老化の原因となる「活性酸素」を除去する作用のことです。体内に活性酸素が増えると、細胞や遺伝子が攻撃され、体が強いストレスにさらされてしまいます。そのため、健康的な生活を送るには、活性酸素の発生を抑制することが大切です。
αリポ酸に期待できる効果
αリポ酸は、もともと糖尿病の治療薬として用いられていました。現在では、糖を代謝するということから、健康食品やサプリメントなど、ダイエット効果を目的とした、αリポ酸の製品が販売されています。
しかし、それらの製品に関する口コミを見てみると「痩せない」「効果がない」といった意見も散見されます。ここからは、αリポ酸の持つ作用や、期待できる効果について解説します。
エネルギーを生み出す
αリポ酸は、ミトコンドリアにある補酵素の一つです。人の体には約60兆個もの細胞があり、αリポ酸はそのひとつひとつに存在しています。細胞に存在するミトコンドリアは、糖を酸素によって分解し、エネルギーを作る役割を果たしています。
αリポ酸には、このミトコンドリアを活性化する作用があり、糖を効率よく代謝するサポートをしています。そのため、トレーニングの効果を高めるのに有効です。
疲労回復
αリポ酸には抗酸化作用があります。リンゴが酸化して茶色く変色するように、人の体も酸化します。体が酸化すると、シミやシワなどの肌トラブルが目立ったり、生活習慣病の原因になったりすることがあるため、毎日のケアが必要です。
抗酸化作用を持つ成分には、ビタミンCやビタミンEなどがありますが、αリポ酸にはこれらの約400倍の抗酸化力があるとされています。αリポ酸は、体を酸化から守ることで、毎日イキイキと過ごすサポートをしてくれます。
ただし、疲れたときにはきちんと睡眠を取り、体を休ませるのが一番です。αリポ酸の摂取は、あくまでも疲労回復のサポートと考えるようにしましょう。
基礎代謝を上げる
αリポ酸には、脂肪を燃焼させやすくし、太りにくい体に近づける効果が期待できます。αリポ酸は、エネルギーを効率良く作り出すのをサポートする成分です。αリポ酸を取り入れることで、エネルギーの変換効率が高まり、新陳代謝の改善に効果が期待できます。
αリポ酸は、体内で生成されますが、その量はごくわずかです。αリポ酸の合成量は30～40歳頃から大幅に低下します。その結果、新陳代謝が悪くなり、中年太りの原因となることもあります。
そこで、αリポ酸を補うことで、体脂肪の増加を防ぐ効果が期待できます。冷え症やむくみが気になる方や、体脂肪が気になる方は積極的に摂るといいでしょう。
インスリンの感受性を高める
インスリンとは、すい臓から分泌されるホルモンの一種です。主に、血糖値を一定の範囲内に調節する役割を担っています。インスリンが分泌されると、細胞が糖を取り込みやすくなるため、脂肪が蓄積するリスクを下げることができます。
肌を美しくする
αリポ酸は、健康食品や点滴などで広く使われていますが、外用薬や化粧品もあります。αリポ酸配合の外用薬は、シワや色素沈着のケアに有効です。
αリポ酸には、コラーゲンの分泌を促進する働きがあるため、小ジワを目立たなくする効果が期待できます。また、ターンオーバーのリズムをサポートし色素沈着の排出を促すため、肌の色調の改善にも効果的です。
有害重金属や毒素を除去する
αリポ酸には、体に入った毒素を分解する解毒作用や、有害重金属を排出させるキレート効果があります。代表的な有害重金属は、水銀やヒ素などです。これらは飲食や呼吸を通じて、体内に蓄積されます。有害重金属が体内に溜まると、代謝が低下したり、体の不調を引き起こしたりする原因になります。
肝機能の向上
αリポ酸には、胆汁の分泌を促進する作用があります。胆汁とは、十二指腸で分泌される、脂肪の消化に必要な液体のことです。年齢を重ねると胆汁の分泌量が低下し、脂肪は分解されにくくなります。そこでαリポ酸を摂取すると、胆汁の分泌が促進されるため、肝機能の向上が期待できます。
αリポ酸を多く含む食品
αリポ酸を多く含む食品には、レバーやトマト、ほうれん草、にんじんなどがあります。しかし、食品に含まれるαリポ酸は多くなく、動物由来食品で1kgあたり1mg程度です。食事から摂れる量はとても少ないため、サプリメントを使って摂取するといいでしょう。
αリポ酸の1日の目安摂取量
パッケージに記載されている目安量に従って摂取しましょう。αリポ酸の摂取目安について、明確な基準はないものの、1日100～200mgとしているメーカーが多い傾向です。αリポ酸は過剰に摂取すると、思わぬリスクを引き起こす可能性があるため、推奨される摂取量を守るようにしましょう。
αリポ酸を摂取するタイミング
αリポ酸は、空腹時や食事の約30分前に摂ると、効率良く吸収されます。しかし、αリポ酸は「酸」のため、空腹時に摂ると胸焼けを起こす可能性があります。空腹時の摂取を避けたい場合は、食後や1日2～3回に分けて摂るといいでしょう。
αリポ酸の副作用とリスク
αリポ酸は体内で作られる物質のため、適正量を守れば、副作用の危険性はそこまで高くありません。しかし、まれに遺伝的にαリポ酸が合わない方もいるため、自分の体調を観察しながら摂取するようにしましょう。ここからは、αリポ酸の副作用とリスクについて紹介します。
悪寒、手の震え、頭痛、めまい
まれに、αリポ酸が合わない体質の方がいます。特定の遺伝的素因を持った方が、αリポ酸を摂取した場合「インスリン自己免疫症候群」を引き起こす可能性があります。
インスリン自己免疫症候群とは、自身のインスリンに対する抗体を作ってしまう病気です。血中のインスリンの濃度が高まることで、低血糖状態になることがあります。具体的な症状は、悪寒や手の震え、頭痛、めまいなどです。このような症状が表れたときは、すぐに服用を中止し、医療機関を受診しましょう。
悪心、嘔吐、下痢
1日に1200mg以上など、大量にαリポ酸を摂取すると、悪心や嘔吐、下痢などの症状を引き起こす可能性があります。また、アレルギー反応として発疹やかゆみが発生したり、尿の臭いが強くなったりする場合もあります。
副作用が起こった時
一般的に販売されているサプリメントの中には推奨されている量より多く含有するものがあり、過剰摂取しやすいため注意が必要です。もし、αリポ酸を服用して異常が生じたときには、服用を中止し医療機関を受診してください。その際には、自分が飲んだαリポ酸のサプリメントを持参するようにしましょう。
医薬品とサプリメントの違いは？
αリポ酸には市販で買えるサプリメントもありますが、医療機関で使われる医薬品も存在します。ただし、αリポ酸を配合する医薬品とサプリメントについて、働きに大きな違いはありません。
αリポ酸が配合された医薬品には、内服薬や点滴があります。どちらも、激しい肉体疲労時の治療や糖尿病予防、抗がん作用を期待して使われることが多い傾向です。
また、サプリメントはあくまで「食品」です。毎日の食事で不足しがちな栄養を補う製品なので、薬のように治療の目的で使うものではないことに注意しましょう。
服用に注意が必要な人
以下に該当する方は、αリポ酸の服用に注意しましょう。
以下の病気の治療をしている方
・インスリン治療を受けている方
・糖尿病の方
・甲状腺疾患を持つ方
インスリン治療を受けている方や、糖尿病治療薬を服薬している方が、αリポ酸のサプリメントを摂取するのは非常に危険です。必要以上に血糖値が下がりすぎ、低血糖のリスクを高める恐れがあります。また、甲状腺機能に異常がある方も、治療に影響を及ぼす可能性があるため、事前に医師に相談するようにしましょう。
なお、上記に当てはまらなくても、普段から服薬している薬がある方は、医師や薬剤師に確認の上、αリポ酸のサプリメントを飲むようにしましょう。常用している薬と飲み合わせが悪く、薬の効果を強めてしまったり、逆に弱めてしまったりする恐れがあります。
妊婦や授乳中の人
αリポ酸は比較的安全な物質ですが、妊娠中・授乳中の方への影響はまだ分からないことが多いため、避けるようにしましょう。
まとめ
αリポ酸は、人の体で作られる脂肪酸の一種です。糖を代謝することで、エネルギーを生み出す役割を担っています。エイジングケアやダイエットをするなら積極的に摂取したい成分です。
もし、食事でαリポ酸を摂ることが難しい場合は、サプリメントを使うといいでしょう。サプリメントなら手間をかけずに、栄養を補給できます。ぜひこの記事を参考に、αリポ酸を毎日の生活に取り入れてみてください。
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