リベルサス 飲むだけで痩せるってホント?医療ダイエットの有効性と安全性は?

食事制限が辛すぎて、これまでに何度もダイエットに失敗していませんか。なかなか食欲を抑えられない方や、ジムに行くなどの運動の時間を十分に確保できない方は少なくありません。
そのような方々に近年選ばれている医療ダイエットの方法が、2型糖尿病治療薬として認可されている「リベルサス」の服用です。リベルサスは経口摂取により、食欲の抑制や脂肪燃焼、代謝向上にアプローチできます。
この記事ではリベルサスの効果や副作用、正しい飲み方について詳しく解説します。
- 1. リベルサスとは
- 1-1. リベルサスの人気がある理由
- 1-2. リベルサスの副作用とリスク
- 1-3. リベルサスの平均的な費用
- 1-4. 内服薬と自己注射の違いについて
- 1-5. リベルサスが使えない人
- 2. リベルサスを処方してもらえるクリニックを探す
- 2-1. 様々なダイエットメニューを提案してもらえる
- 2-2. オンライン診療の体制が整っている
- 2-3. カウンセリングなどのサポート体制が充実している
- 3. リベルサスの効果が表れ始める時間とリバウンドについて
- 4. リベルサスの使用方法
- 4-1. シートが破れていたり割れているものを飲んでも大丈夫?
- 4-2. 毎日同じ時間に服用しないと効果はない?
- 4-3. 飲み忘れた分を次の回で2倍飲んでもいい?
- 5. リベルサスとダイエットについてのよくある質問
- 5-1. 3mmじゃ効かないって口コミは本当?
- 5-2. リベルサス服用でどれくらい痩せられる?
- 5-3. 保険は適用にならないの?
- 6. まとめ
リベルサスとは

リベルサスとは、GLP-1受容体作動薬と呼ばれる医薬品の一種です。GLP-1は、もともと人の体に存在するホルモンで、血糖値を下げる働きを担っています。この働きに着目し、2型糖尿病の治療薬として開発された飲み薬がリベルサスです。
近年、リベルサスを始めとしたGLP-1受容体作動薬を服用するダイエット法が流行しています。ただし製薬会社及び糖尿病学会からは、ダイエットを目的とした利用は推奨されていません。
現在のところ、GLP-1受容体作動薬は2型糖尿病に対してのみ、効果効能が承認されています。ダイエット目的の使用では安全性や有効性が確認されていません。そのため、ダイエット目的の使用の際は、注意を払う必要があります。また、ダイエット目的の処方は保険適用外です。
リベルサスの人気がある理由

リベルサスがダイエットに人気の理由は、食欲の抑制や基礎代謝の維持に役立つ上、経口摂取できるからです。
リベルサスに含まれるGLP-1は、体内でインスリンの分泌を促します。インスリンは血糖値を下げるホルモンです。リベルサスを飲んでいる間はインスリンの分泌により、血糖値のコントロールができ、食欲を感じにくくなります。
胃腸の働きを穏やかにする効果もリベルサスの特徴です。消化の速度が遅くなるため、普段よりも少ない食事量でも満腹感を得やすくなります。
リベルサスにより血糖値や胃腸がコントロールされ、内臓の働きが良くなると、身体の基礎代謝がアップする可能性もあります。リベルサスに脂肪燃焼効果があるといわれる理由はこのためです。
リベルサスは経口摂取も可能です。従来、GLP-1受容体作動薬は注射薬しかありませんでした。リベルサスは、世界初、かつ唯一の経口摂取できるGLP-1受容体作動薬です。
リベルサスの副作用とリスク

リベルサスには副作用を始めとしたリスクがあります。自己判断のみで使用せず、医師の診察を受けてから利用することが推奨されます。
▼リベルサスの主な副作用
主な副作用 | 胃腸障害 | 吐き気、下痢 、 嘔吐 、 腹痛 、 食欲減退 、便秘 、 腹部不快感 、 消化不良 |
---|---|---|
神経系障害 | 頭痛、浮動性めまい、味覚異常 | |
重大な副作用 | 低血糖 | 冷汗、震え、動悸、脱力感、倦怠感、高度の空腹感、顔面蒼白等 |
急性膵炎 | 嘔吐を伴う持続的な激しい腹痛等 |
リベルサスの平均的な費用

リベルサスは2型糖尿病の診断により処方されると保険診療内ですが、ダイエットや肥満解消目的だと保険適用外です。1錠3mg、7mg、14mgの3種類があり、価格はそれぞれクリニックによって変わります。平均的な相場は以下の通りです。
▼リベルサスの相場(自費診療)
3mg | 1万円~1万5千円 |
---|---|
7mg | |
2万円~2万5千円 | |
14mg | |
3万円~4万円 |
内服薬と自己注射の違いについて

リベルサスのように食欲を抑えるGLP-1受容体作動薬は、これまで注射薬しかありませんでした。リベルサスは世界初の経口可能なGLP-1受容体作動薬です。2019年9月にアメリカのFDA(アメリカ食品医薬品局)で承認されました。
リベルサスは内服できるため、注射とは異なり消毒などの事前の準備が必要ありません。痛みもないため、注射が苦手な方もトライできます。ただし正しい飲み方をする必要があります。
自己注射の場合は1日1回、決められた量を自身で投与します。手順を把握しなければならない他、毎回交換する針は自治体で決められた処分方法によって破棄するなどの注意が必要です。

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リベルサスが使えない人
リベルサスは1型糖尿病の方や糖尿病の合併症がある方、重症の感染症の方は使えません。
2ヵ月以内に妊娠を予定する女性や妊娠・授乳中の方も、胎児及び妊娠の継続、母乳へ影響を及ぼす可能性があるため、使用が禁止されています。
また以下の方は、使用に注意が必要です。
▼リベルサス服用によりリスクが懸念される人
膵炎の既往症がある方 | 急性膵炎の初期症状(嘔吐を伴う持続的な激しい腹痛等)が表れた場合は、使用を中止し、速やかに医師の診断を受けてください。 |
重度の胃腸障害のある方 | 胃腸症状が悪化する可能性があるため注意が必要です。 |
胃摘出をした方 | 胃摘出をした方は薬の飲み合わせに気を付ける必要があります。 |
低血糖のリスクがある方 | 脳下垂体機能不全や副腎機能不全の他、栄養不良状態や激しい筋肉運動、過度のアルコール摂取は低血糖のリスクを高めるため、注意が必要です。 |
リベルサスを処方してもらえるクリニックを探す

リベルサスは医療用医薬品のため、ドラッグストアやスーパー等のお店では購入できません。病院やクリニックの美容皮膚科、内科、ダイエット外来、肥満外来等を通して、医師に処方をしてもらう必要があります。
個人輸入での入手は、やめましょう。必ず
医師から処方してもらうようにしてください。個人輸入とは医師の処方無しに、通販等を通して海外から個人的に商品を購入することです。品質の保証はありません。粗悪品や異なる薬が届くケースもあります。
可能な限り病院で診察を受けてからリベルサスの処方を受けましょう。病院を探す際は、以下の3つのポイントを確認してください。
1.様々なダイエットメニューを提案してもらえる
2.オンライン診療の体制が整っている
3.カウンセリングなどのサポート体制が充実している
ここでそれぞれ詳しく解説します。
様々なダイエットメニューを提案してもらえる

リベルサスだけでなく様々なダイエットメニューを提案できる病院なら、より効果的なダイエットに取り組める可能性があります。
そもそもリベルサスのように薬を使うダイエットは、医療ダイエット(メディカルダイエット)と呼ばれるダイエット方法の一種です。医療ダイエットには他にも、脂肪溶解注射や脂肪吸引、医療EMSなどの種類があります。
これらの中から、自己判断のみで効果的なダイエット方法を見つけるのは困難です。体質や予算、ライフスタイル等に合わせて医療ダイエットに取り組みたいときは、様々なダイエットを選べる病院を探しましょう。
その際は病院のメニューだけでなく、事前カウンセリングの有無や評判もチェックしてください。カウンセリングが丁寧な病院は、メニューだけでなく、副作用やリスクについても丁寧な説明がある所がほとんどです。

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オンライン診療の体制が整っている

オンライン診療の体制が整っている病院だと、通院にかかる負担を軽減できます。オンライン診療はスマホなどを使い、病院へ足を運ばずに診察を受けられる診療の形式です。処方薬は郵送してもらえます。
リベルサスは病院によって、数日から数ヶ月分をまとめて処方してもらうこともできますが、一般的な処方は1ヶ月分です。継続する場合は、薬が無くなるタイミングで診察を受けなければなりません。
しかし仕事等の状況によっては、通院が時間的に困難な方もいるでしょう。そんな時にオンライン診療を受けられれば、通院にかかる時間を短縮できます。通院に必要な交通費もかかりません。
過去にリベルサス内服の経験がある方や、2回目以降の処方ならオンライン診療可能等の決まりを設けている病院もあります。病院を探す際は、オンライン診療がどのような体制になっているのかも併せて確認してください。
カウンセリングなどのサポート体制が充実している

リベルサスの処方が可能な病院を探す際は、前述の事前カウンセリングを含むサポート体制もチェックしましょう。
カウンセリングが充実している病院なら、ダイエットの経過を相談できます。完全に自己流でダイエットをすると、健康を害したり、孤独感に苛まれたりすることもあります。カウンセリングで医師のアドバイスを受けられれば、心身ともに健康的にダイエットに取り組みやすくなります。
リベルサス処方後のアフターフォローの有無も確認してください。治療に対し、返金保証制度を用意している病院もあります。病院によって条件が細かく定められているため、詳細まで目を通しておくと安心です。
リベルサスの効果が表れ始める時間とリバウンドについて

リベルサスの効果が表れ始める時期は、早くても服用から3ヶ月程度です。早いと1ヶ月で体感する方もいますが個人差があります。
リベルサスの服用を中止すると、食欲や血糖コントロールの効果は少しずつ無くなり、リバウンドする恐れがあります。そのため、まずは3ヶ月を目安に服用を継続するようにしましょう。
自己判断による服薬の中断もリバウンドを招く恐れがあります。効果が実感できない・副作用が心配といった際は、自己判断で中止せず、医師に相談してください。定期的な健診が必要となるケースもあります。
リベルサスのダイエットでリバウンドを防ぐには、食事に気を付ける他、運動習慣を身に付けることも効果的です。身体に筋肉が付くと基礎代謝が上がり、カロリーを消費しやすく太りにくい状態を維持できます。
リベルサスの使用方法

リベルサスは正しい服用方法でないと、薬の吸収が阻害され、効果を実感しにくくなります。以下の方法で正しく使用してください。
1.1日の最初の飲食前の空腹時(起床時)に、コップ約半分(約120ml以下)の水で服用
2.その後、最低30分以上(可能であれば2時間)は飲食禁止
お茶やコーヒー、服薬ゼリーでのリベルサスの服用は推奨されていません。湿気に弱い薬でもあるため、服用の直前に取り出し、必ず120ml以下の水で服用してください。
リベルサスは有効成分が含まれている量によって、3mg、7mg、14mgと種類があり、どの量を服用するかは医師が判断します。14mgの代わりに7mgを2錠飲んではいけません。その場合も効果を発揮できない可能性があります。
シートが破れていたり割れているものを飲んでも大丈夫?
リベルサスは湿気や光によって品質が損なわれてしまう薬です。シートが破れ、密閉されていない状態で保管されていた錠剤は、本来の効果を発揮できない可能性があります。そのような錠剤は服用を避け、きちんと密閉されている錠剤を服用してください。
保管の際は湿気の多い場所や直射日光が当たる場所を避け、シートが破れないようにしましょう。
毎日同じ時間に服用しないと効果はない?
リベルサスは毎日きっちりと同じ時間に服用する必要はありません。重要なのは、胃の中が空の状態で服用することです。食べ物だけでなく水もない状態で服用しなければなりません。
胃の中が空である状態の目安は6時間以上の絶飲食です。6時間以上飲食していないタイミングで服用してください。
飲み忘れた分を次の回で2倍飲んでもいい?
リベルサスを飲み忘れた場合、次のタイミングに2回分を服用してはいけません。飲み忘れに気付いたら、その日は服用しないようにし、翌日に正しい用法で1回分を飲むようにしてください。
リベルサスとダイエットについてのよくある質問

リベルサスは1日1回、朝服用することで、食欲を低減し血糖値をコントロールする薬です。無理なく食欲を抑えられるため、これまでどうしても食事や間食を我慢できずに、ダイエットに失敗してきた方にも選ばれてきました。
実際にリベルサスでダイエットしたいと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで最後に、リベルサスとダイエットについて抱きやすい質問と回答をまとめました。
3mmじゃ効かないって口コミは本当?
SNS等で「リベルサス3mgはダイエットに効かない」という口コミを目にしたことがある方もいるかもしれません。しかし実際の効果には個人差があり、3mgでも実感のある方もいます。
そもそもリベルサスは、初診から7mgや14mgを処方することができないと定められています。最初は必ず3mgを4週間継続しなければなりません。その後、効果が表れれば3mgを継続し、効果があまりない場合は7mgの増量が検討されます。
リベルサス服用でどれくらい痩せられる?
肥満糖尿病患者711名を対象におこなった実験によると、1日につきリベルサス1.5㎎を服用したグループは、平均4.4kg体重が減少したそうです。リベルサスをスタートして半月ほどで2㎏以上体重が減ったという方もいます。
ただし、1ヶ月で10㎏や20㎏体重が減るといった急激な効果を望める方法ではありません。また、リベルサスのダイエット効果には個人差がある点にもご留意ください。
保険は適用にならないの?
リベルサスは2型糖尿病を患っている方への処方であれば保険適用となります。ダイエットや肥満の治療の場合、保険は適用されません。
ダイエット目的でのリベルサスの処方を保険適用としてしまうと、診療報酬の不正請求となり、医療機関に重大な罰則が与えられる可能性があります。
まとめ

リベルサスは、痩せるホルモンとも呼ばれるGLP-1を補える薬の一種で、日本では2型糖尿病治療薬として認可されています。辛い空腹を無理して我慢せずに自然に食欲を抑えられ、血糖コントロールにも役立つ効果が期待されています。
近年、ダイエット目的で服用されるケースが見受けられますが、安全性や有効性が確認されているわけではありません。ダイエット目的の場合は、必ず病院を通して処方してもらい、ご自身でも注意を払って使用しましょう。