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レチナールとは?効果・レチノールとの違い・使い方と注意点を解説

レチナールとは?期待できる効果やレチノールとの違い、正しい使い方を解説

「レチナールとレチノールは何が違うの?」「レチナールのほうが効果が高いって本当?」と疑問に感じている方もいるのではないでしょうか。

レチナールは、ビタミンA誘導体である「レチノイド」の一種です。レチノールよりも、肌の中で作用するレチノイン酸に近い位置にあることから、近年はレチナールを配合した美容液やクリームが増えています。

レチナールは、レチノールよりもレチノイン酸への変換段階が一つ少ないビタミンA誘導体です。

一方で、変換段階が少ないことだけで、化粧品としての効果の強さは判断できません。配合濃度だけでなく、製品の処方や安定性、使用頻度、肌質なども影響するためです。

この記事では、レチナールの基本的な特徴から、レチノール・トレチノインとの違い、研究で報告されている肌への作用、副作用、正しい使い方まで分かりやすく解説します。

レチナールとは

レチナールは「レチナールデヒド」とも呼ばれるビタミンA誘導体です。英語では「retinal」または「retinaldehyde」と表記されます。
レチナールとレチナールデヒドは、基本的に同じ成分を指します。
レチナール、レチノール、トレチノインなどをまとめた総称が「レチノイド」です。

レチノイドには複数の種類があり、それぞれ肌の中で代謝されながら、最終的に生理活性を持つレチノイン酸へと変換されます。

レチナールはレチノイン酸の一段階前にある成分

ビタミンA誘導体が肌の中で変換される経路を簡略化すると、次のように表せます。

レチニルエステル

レチノール

レチナール

レチノイン酸

レチノールは、レチナールを経てからレチノイン酸へ変換されます。一方、レチナールはレチノイン酸の一段階前に位置するため、レチノールより変換段階が一つ少ない成分です。

レチナールは皮膚に塗布された後、一部が生理活性を持つレチノイン酸へ変換されます。一方で、レチノールやレチニルエステルなどの貯蔵型にも変換されます。[1]

肌に塗布したレチナールが、すべてレチノイン酸へ変換されるわけではありません。

 

そのため、「レチナールはトレチノインと同じように作用する」と単純に考えるのは適切ではありません。

レチナールは視覚にも関係する成分

レチナールは、皮膚だけでなく視覚にも関係する成分です。

目の網膜にある視物質の構成成分として、光を受け取って視覚情報へ変換する過程に関わっています。


ただし、スキンケア化粧品として皮膚に使用するレチナールについて、通常の使用によって視覚へ作用することを心配する必要はありません。

レチナールとレチノール・トレチノインの違い

レチナールと混同されやすい成分として、レチノールとトレチノインがあります。 いずれもビタミンAに関連するレチノイドですが、レチノイン酸へ変換されるまでの段階や、化粧品・医薬品としての位置づけが異なります。

成分 レチノイン酸までの変換 主な位置づけ 特徴
レチニルエステル 3段階 化粧品 比較的安定しやすく、穏やかな使用感の製品が多い成分です。
レチノール 2段階 化粧品・医薬部外品 スキンケア化粧品に広く使用されています。
レチナール 1段階 化粧品 レチノイン酸の一段階前に位置する成分です。
トレチノイン 変換不要 医薬品成分 レチノイン酸そのものであり、医師の管理下で使用されます。

※変換段階が少ないほど、化粧品としての効果が必ず高くなるという意味ではありません。

レチナールとレチノールの違い

レチノールは、レチナールを経てからレチノイン酸へ変換されます。

レチナールはレチノイン酸の一段階前に位置するため、理論上はレチノールより少ない変換段階でレチノイン酸へ到達します。
しかし、化粧品の効果は変換段階だけでは決まりません。

レチナールやレチノールは光や熱などによって分解される可能性があり、実際に製品へ配合された状態での安定性は、容器や基剤、製造技術、保管環境などに左右されます。市販化粧品を調べた研究でも、レチノイドの安定性には製品間で大きな差があり、光による分解が確認されています。[2]

そのため、「レチナール配合」という情報だけで、レチノール製品より優れていると判断することはできません。

レチナールとトレチノインの違い

トレチノインはレチノイン酸そのもので、肌の中でほかの成分へ変換されなくても作用する医薬品成分です。

光老化した肌に対するレチノイドの中では、トレチノインに最も多くの臨床的な知見が蓄積されています。一方、赤み、乾燥、皮むけなどの刺激が現れることがあり、化粧品と同じ感覚で自己判断によって使用する成分ではありません。

レチナールはトレチノインの前駆体ですが、皮膚の中で一部が段階的に変換されます。レチナール化粧品と医療機関で扱われるトレチノインは、効果や刺激、安全管理の面で同一ではありません。

レチナールに期待される肌への作用

レチナールについては、光老化した肌やニキビを対象とした研究が行われています。

ただし、研究で使用された製品の濃度や処方、使用期間はそれぞれ異なります。特定の研究結果が、すべての市販化粧品にそのまま当てはまるわけではない点に注意が必要です。

肌のキメや質感を整える

レチナールを配合したクリームを使用した研究では、肌の質感の改善が報告されています。[3]

40人の女性を対象に、0.05%または0.1%のレチナールクリームを3か月間使用した試験では、両方のグループで肌の質感が改善しました。

ただし、質感の改善度について、0.05%と0.1%の間に統計的な差は確認されていません。[3]

濃度を高くすれば、それに比例して効果が高くなるとは限らないことを示す結果ともいえます。

肌の水分状態を整える

同じ試験では、0.05%と0.1%のレチナールクリームの両方で、肌の水分量の増加と経皮水分蒸散量の低下が報告されました。[3]

経皮水分蒸散量とは、皮膚から失われる水分量の指標です。数値が低下したことは、試験で使用されたクリームを継続することで、肌から水分が逃げにくくなった可能性を示しています。

ただし、この結果にはレチナールだけでなく、クリームの基剤やほかの保湿成分が影響している可能性もあります。

「レチナールそのものに強い保湿効果がある」と断定するのではなく、レチナールを含む試験製剤で肌の水分状態の改善が報告された、と理解するのが適切です。

乾燥による小ジワや光老化の兆候への作用

レチナールは、紫外線などの影響によって生じる光老化の兆候を対象に研究されてきました。

過去の研究では、レチナールを使用した肌で表皮の厚みや細胞活動に関係する変化が確認されています。また、光老化した肌の粗さや質感を評価した臨床研究でも、改善を示す結果が報告されています。

ただし、化粧品の効果を説明する際には、医薬品による治療と同じように「しわやたるみを治す」と捉えないことが重要です。

レチナール化粧品は、日々のスキンケアの中で肌のキメを整え、乾燥による小ジワやハリ不足を目立ちにくくする目的で取り入れるものと考えましょう。

肌の明るさや色むらへの作用

0.05%と0.1%のレチナールクリームを比較した試験では、0.1%を使用したグループでメラニン指数の低下が確認されました。[3]

一方、0.05%のグループでは同様の有意な変化は確認されていません。

この結果から、特定の処方や濃度では肌の色調に変化が生じる可能性が考えられます。

ただし、この研究だけを根拠に、レチナール化粧品がシミを消したり、色素沈着を治療したりすると断定することはできません。

シミには、老人性色素斑、肝斑、炎症後色素沈着など複数の種類があります。気になるシミがある場合は、自己判断で化粧品を重ねるのではなく、皮膚科や美容皮膚科で種類を診断してもらうことが大切です。

ニキビや毛穴詰まりへの作用

レチナールについては、ニキビへの有用性を調べた研究もあります。

軽度から中等度のニキビがある23人を対象に、0.05%のレチナールを特殊なカプセルに内包した製剤を4週間使用した小規模研究では、開放面皰と閉鎖面皰の減少が報告されました。[4]

また、レチナールと抗菌薬であるエリスロマイシンを組み合わせた研究では、エリスロマイシン単独と比べ、面皰や微小面皰に対する改善が確認されています。[5]

一方、これらは参加人数が少ない研究や、特定の製剤・併用療法を調べた研究です。市販されているすべてのレチナール化粧品に、同じニキビ改善効果があることを示すものではありません。

赤く腫れたニキビが多い場合や、痛み、膿、ニキビ跡がある場合は、化粧品だけで対応せず、皮膚科を受診しましょう。

レチナールの効果に関する研究結果

レチナールは、レチノールと比べると研究数が限られていますが、肌への生物学的な作用や光老化、ニキビへの作用を調べた研究が報告されています。

研究内容 対象・期間 使用した製剤 主な結果 研究上の注意点
0.05%と0.1%のレチナールを比較した研究 女性40人
3か月間
0.05%または0.1%のレチナールクリーム 両群で肌の質感、水分量、経皮水分蒸散量の変化が報告されました。 多くの評価項目で、0.05%と0.1%の間に有意差は確認されていません。
参考文献
皮膚への生物学的作用と忍容性を調べた研究 ヒト皮膚および使用者を対象 複数濃度のレチナール製剤 レチナールの皮膚に対する生物学的活性と、比較的良好な忍容性が報告されました。 トレチノインと同一の作用や効果を示すものではありません。
参考文献
軽度から中等度のニキビを対象とした研究 23人
4週間
0.05%レチナールを特殊なカプセルに内包した製剤 開放面皰と閉鎖面皰の減少が報告されました。 参加者数が少なく、特殊な製剤を使用した小規模研究です。
参考文献
レチナールとエリスロマイシンの併用研究 ニキビ患者74人
8週間
レチナール0.1%とエリスロマイシン4%の併用製剤 エリスロマイシン単独と比べ、面皰や微小面皰の改善が報告されました。 レチナール単独の研究ではなく、丘疹や膿疱では群間差が確認されていません。
参考文献
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※研究結果は、特定の濃度や製剤、使用条件で得られたものです。市販されているすべてのレチナール化粧品に同じ結果が当てはまるわけではありません。

研究結果を見る際には、次の点に注意しましょう。

・参加人数が少ない研究が含まれている
・特定の濃度や処方の製品を使用している
・製品に含まれるレチナール以外の成分も結果に影響し得る
・数週間から数か月の試験が中心である
・市販されているすべての製品の効果を保証するものではない

レチナールは研究で一定の可能性が示されている成分ですが、「レチノールより必ず優れている」「トレチノインと同じ効果が得られる」とまではいえません。

レチナールが向いている人

レチナール化粧品は、次のような方が選択肢として検討できます。

レチノイドをスキンケアに取り入れたい人

レチナールは、レチノールと同じく化粧品に使用されるレチノイドの一種です。

肌のキメや乾燥による小ジワ、ハリ不足などが気になり、ビタミンA誘導体をスキンケアに取り入れたい方にとって選択肢になります。

レチノールを使用した経験がある人

レチノール化粧品を使用した経験があり、肌に大きな刺激が出なかった方が、次の選択肢としてレチナールを検討するケースもあります。

ただし、レチノールで問題がなかったからといって、レチナールでも刺激が出ないとは限りません。初めて使用する製品は、少量・少ない頻度から試しましょう。

濃度だけでなく製品全体の処方を比較できる人

レチナールは安定性に課題がある成分です。

単純に配合濃度が高い製品を選ぶのではなく、容器、保湿成分、使用方法、メーカーが提示している保存方法なども確認できる方に向いています。

レチナールの使用に注意が必要な人

レチナールは、すべての人に適した成分ではありません。

次に該当する場合は、使用を控えるか、使用前に医師へ相談しましょう。

肌に赤みや炎症がある人

すでに赤み、かゆみ、痛み、皮むけなどがある状態でレチナールを使用すると、刺激が強くなる可能性があります。 まずは肌の状態が落ち着くのを待ち、原因が分からない症状が続いている場合は、皮膚科を受診してください。

アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患がある人

アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、酒さなどがある方は、肌のバリア機能が低下していることがあります。 自己判断で使用すると症状が悪化する可能性があるため、使用前にかかりつけの医師へ相談しましょう。

美容施術の前後にあたる人

ピーリング、レーザー治療、光治療、脱毛などの美容施術を受ける前後は、肌が一時的に刺激を受けやすくなることがあります。

施術前後にレチナール化粧品を使用できるかは、施術の種類や肌の状態によって異なります。施術を受ける医療機関の指示に従ってください。

妊娠中・妊娠を予定している人

レチナール化粧品について、妊娠中の安全性を直接確認した十分なデータはありません。

欧州医薬品庁は、医薬品として使用される外用レチノイドについて、皮膚からの全身吸収は少なく、胎児への影響は起こりにくいとしながらも、予防的な観点から、妊娠中および妊娠を計画している方は使用しないよう示しています。[6]

この見解は、レチナール化粧品を直接評価したものではありません。

ただし、安全性に関するデータが限られていることを踏まえ、妊娠中・妊娠を予定している方は、自己判断で使用せず医師へ相談してください。

授乳中の使用についても、製品の注意書きを確認したうえで、産婦人科医または皮膚科医へ相談しましょう。

レチナールの副作用・刺激症状

レチナールは、トレチノインと比較して良好な忍容性を示した研究がありますが、刺激がまったく起こらないわけではありません。 使用後に、次のような症状が現れることがあります。

・乾燥
・赤み
・皮むけ
・かゆみ
・ヒリヒリ感
・腫れ

レチノイドの使い始めに生じる乾燥や皮むけは、一般に「A反応」や「レチノイド反応」と呼ばれることがあります。 しかし、「A反応だから効果が出ている」「使い続ければ必ず治まる」と考えるのは危険です。刺激性接触皮膚炎やアレルギー性接触皮膚炎など、使用を中止すべき状態の可能性もあります。

刺激が出た場合の対処法

軽い乾燥やつっぱり感がある場合は、使用頻度を減らし、保湿を十分に行います。 強い赤み、痛み、腫れ、水ぶくれ、強いかゆみなどがある場合は、すぐに使用を中止し、製品を優しく洗い流してください。 症状が続く場合や悪化する場合は、皮膚科を受診しましょう。

刺激が出ているにもかかわらず、「肌が慣れるまで」と考えて同じ頻度で使い続けることはおすすめできません。

初めて使う製品は事前に試す

初めて使用する化粧品は、顔全体へ塗る前に、腕の内側などの狭い範囲で試す方法があります。

米国皮膚科学会は、通常使用する量と方法で狭い範囲に使用し、7~10日程度、赤みやかゆみ、腫れが出ないか確認する方法を案内しています。

ただし、腕で問題がなくても、顔では刺激が出る可能性があります。事前の確認は、顔に使用した際の安全性を完全に保証するものではありません。

レチナール化粧品の正しい使い方

レチナール化粧品は、製品ごとに濃度や処方が異なります。
最も重要なのは、製品に記載された使用量、使用頻度、使用部位を守ることです。

少ない頻度から始める

初めてレチノイドを使う場合は、毎日使用するのではなく、使用間隔をあけて始めることで刺激を抑えやすくなります。
米国皮膚科学会も、刺激を抑えるために、作用の穏やかな製品から始め、まずは隔日の夜に使用して徐々に頻度を増やす方法を紹介しています。
ただし、製品によっては毎日使用することを前提としていたり、特定の使用頻度が指定されていたりします。必ず製品表示を優先してください。

基本的には夜のスキンケアに使用する

レチナールを含むレチノイドは、夜のスキンケアに取り入れるのが一般的です。
洗顔後、製品の説明に従い、化粧水や美容液、クリームなどと組み合わせます。
刺激が気になる場合は、保湿剤を先に塗ってからレチナール化粧品を使用する方法もあります。米国皮膚科学会も、レチノイドによる刺激を抑える方法として、使用頻度を減らすことや保湿剤を先に使用することを紹介しています。

使用量を自己判断で増やさない

早く変化を感じたいからといって、使用量や使用回数を増やしても、効果が比例して高まるとは限りません。むしろ、乾燥や赤み、皮むけなどの刺激が強くなる可能性があります。
製品に記載された量を守り、目元や口元など皮膚の薄い部分に使用する場合は、使用可能な製品か確認しましょう。

十分に保湿する

レチナールを使用すると、乾燥やつっぱり感が生じることがあります。
保湿剤を組み合わせ、肌の水分を保つことが大切です。
セラミド、ヒアルロン酸、グリセリンなどの保湿成分を含む化粧品は、レチナールと組み合わせる保湿ケアの選択肢になります。
ただし、保湿剤を使用しても赤みや痛みが続く場合は、レチナールの使用を中止してください。

日中は紫外線対策を行う

レチナールを使用している期間は、紫外線対策もあわせて行いましょう。
紫外線は、乾燥、小ジワ、色むらなどの光老化を進行させる要因です。レチノイドによるスキンケアだけでなく、日陰を利用する、帽子を着用する、日焼け止めを使用するなどの対策が重要です。
米国皮膚科学会は、レチノイドを夜に使用し、日中は紫外線防御を行うことを推奨しています。

レチナールとほかの美容成分は併用できる?

レチナールとほかの美容成分を併用できるかどうかは、それぞれの製品の処方と肌の状態によって異なります。
成分同士が化学的に併用できる場合でも、複数の刺激性成分を同時に使用すると、乾燥や赤みが強くなることがあります。

ビタミンC

レチナールとビタミンCを一律に「併用してはいけない」とする必要はありません。
ただし、高濃度のビタミンC化粧品や酸性の強い製品は、肌質によって刺激を感じることがあります。
同じタイミングで使用して刺激を感じる場合は、ビタミンCを朝、レチナールを夜に分けるなど、使用時間をずらしましょう。

AHA・BHAなどの角質ケア成分

グリコール酸などのAHAや、サリチル酸などのBHAは、角質ケアを目的に使用される成分です。
レチナールと同じタイミングで使用すると、乾燥や刺激が重なる可能性があります。米国皮膚科学会も、レチノールと酸を含む製品など、似た刺激を持つ成分を重ねることで乾燥や刺激が生じる可能性を指摘しています。
初めから併用せず、使用する日を分けるか、どちらか一方を休止する方法を検討しましょう。

ほかのレチノイド

レチノール、レチナール、レチニルエステルなど、複数のレチノイド製品を重ねて使うと、刺激が強くなる可能性があります。
また、医療機関からトレチノインやアダパレンなどを処方されている場合は、自己判断でレチナール化粧品を追加しないでください。
処方薬と併用したい場合は、医師に相談しましょう。

ナイアシンアミドや保湿成分

ナイアシンアミド、セラミド、ヒアルロン酸などは、レチナール使用中の保湿ケアに取り入れられる成分です。
ただし、同じ製品に複数の美容成分が高濃度で配合されている場合は、どの成分が刺激の原因になったか分かりにくくなることがあります。
初めてレチナールを使用する期間は、スキンケア全体をできるだけシンプルにすると、肌の変化を確認しやすくなります。

レチナール化粧品の選び方

レチナール化粧品を選ぶ際は、配合濃度の高さだけで判断しないことが大切です。

初めて使用する場合は刺激への配慮を確認する

レチナールを初めて使用する方や、乾燥しやすい方は、保湿成分を含む製品や、使用頻度を調整しやすい製品を選びましょう。
濃度が記載されていても、異なるメーカーの製品を濃度だけで比較することはできません。レチナールの安定化方法や基剤、ほかの配合成分によって、使用感や刺激は異なるためです。

容器を確認する

レチノイドは光や温度の影響によって分解する可能性があります。市販化粧品を分析した研究でも、製品によって安定性に大きな違いがあり、特に光による分解が問題になることが報告されています。
光を通しにくい容器や、空気に触れにくいポンプ式の容器などは、製品選びの一つの判断材料になります。
ただし、容器だけを見て成分の安定性を完全に判断することはできません。

保湿成分を確認する

乾燥や刺激が気になる方は、セラミド、グリセリン、ヒアルロン酸、スクワランなどの保湿成分が配合されているか確認しましょう。
一方で、敏感肌の方は、香料や複数の角質ケア成分など、自分が刺激を感じやすい成分が含まれていないかも確認してください。

使用方法と使用部位を確認する

レチナール化粧品には、顔全体に使用する美容液やクリームのほか、目元など特定の部位に使用する製品もあります。
顔用の製品だからといって、必ず目元やまぶたにも使えるわけではありません。
パッケージや公式情報を確認し、指定された部位に使用しましょう。

レチナール化粧品の保管方法

レチナール化粧品は、製品ごとに指定された方法で保管することが基本です。
一般的には、次の点に注意しましょう。

直射日光や高温を避ける

窓際、車内、暖房器具の近くなど、高温になったり強い光が当たったりする場所は避けます。
洗面所も、浴室の蒸気や温度変化の影響を受ける場合があるため、保管場所として適しているか確認しましょう。

使用後はすぐに蓋を閉める

レチノイドは空気や光の影響を受ける可能性があります。
使用後は容器の口を清潔に保ち、蓋やキャップをすぐに閉めましょう。

自己判断で冷蔵庫に入れない

レチナールは不安定な成分だからといって、すべての製品を冷蔵庫で保管すべきとは限りません。
冷蔵保存を指定していない製品を冷蔵庫に入れると、温度差による結露や、製剤の分離につながる可能性があります。パッケージに記載された保管方法を優先してください。

色やにおいが変化した場合は使用しない

開封後に色やにおい、質感が大きく変化した場合は、使用を中止しましょう。
使用期限内であっても、保管状況によって品質が変化する可能性があります。判断に迷う場合は、メーカーへ問い合わせてください。

レチナールに関するよくある質問

レチナールとレチノールはどちらがよいですか?

一概にどちらがよいとはいえません。
レチナールはレチノイン酸までの変換が一段階、レチノールは二段階という違いがあります。しかし、化粧品としての効果や刺激は、濃度、処方、安定性、使用頻度、肌質などによって変わります。
初めてレチノイドを使用する場合は、変換段階や濃度だけでなく、自分の肌質と製品の使用方法を確認して選びましょう。

レチナールは毎日使えますか?

毎日使用できるかどうかは、製品によって異なります。
毎日使用することを想定した製品もあれば、使用頻度を調整するよう案内している製品もあります。
初めて使用する場合は、製品表示を確認したうえで少ない頻度から始め、乾燥や赤みが出ないか確認しましょう。

レチナールは朝も使えますか?

朝に使用できるかどうかは、製品の説明に従ってください。
一般的にレチノイドは夜に使用することが多く、米国皮膚科学会も夜の使用と日中の紫外線対策を案内しています。
朝に使用可能と記載された製品であっても、日中は日焼け止めなどの紫外線対策を行いましょう。

レチナールはどのくらいで効果を感じますか?

効果を感じるまでの期間には個人差があります。
レチナールの研究では、ニキビを対象とした4週間の試験や、光老化した肌を対象とした3か月間の試験などが行われています。
ただし、これらは特定の試験製剤を使用した結果です。市販化粧品を使用した場合に、同じ期間で変化を感じられるとは限りません。
数日で効果を判断したり、早く変化を出そうとして使用量を増やしたりしないようにしましょう。

レチナールとビタミンCは併用できますか?

レチナールとビタミンCを必ず分けなければならないわけではありません。
ただし、製品の濃度や処方によっては、同時に使用すると刺激を感じることがあります。
刺激が気になる場合は、ビタミンCを朝、レチナールを夜に使用するなど、使用するタイミングを分けましょう。

レチナールとレチナールデヒドは同じですか?

基本的に同じ成分を指します。
「レチナール」は「レチナールデヒド」を省略した呼び方で、英語では「retinal」または「retinaldehyde」と表記されます。

レチナールはニキビにも使えますか?

レチナールを用いた研究では、面皰などへの有用性を示す結果が報告されています。
ただし、研究数は限られており、特定の製剤や抗菌薬との併用を調べた研究も含まれています。
レチナール化粧品だけで、すべてのニキビを改善できるわけではありません。炎症が強いニキビや繰り返すニキビ、ニキビ跡がある場合は、皮膚科で適切な治療を受けましょう。

レチナールは効果と刺激の両方を理解して取り入れよう

レチナールは、レチノールとレチノイン酸の間に位置するビタミンA誘導体です。
レチノイン酸への変換段階がレチノールより一つ少なく、研究では肌の質感や水分状態、光老化の兆候などへの作用が報告されています。
一方で、配合濃度が高ければ必ず効果が高いわけではなく、製品の処方や安定性、使用方法によって結果は異なります。また、乾燥、赤み、皮むけなどの刺激が生じる可能性もあります。
初めて使用する場合は、製品に記載された使用方法を守り、少ない頻度から始めましょう。強い刺激が出た場合は使用を中止し、症状が続く場合は皮膚科を受診してください。
妊娠中や妊娠を予定している方、皮膚疾患がある方、美容施術を受ける予定がある方は、使用前に医師へ相談しましょう。

参考文献

[1] Sorg O, Didierjean L, Saurat JH. Metabolism of topical retinaldehyde. Dermatology. 1999;199 Suppl 1:13-17. PMID: 10473954.

[2] Temova Rakuša Ž, et al. Retinoid stability and degradation kinetics in commercial cosmetic products. Journal of Cosmetic Dermatology. 2021. PMID: 33206444.

[3] Kwon HS, Lee JH, Kim GM, Bae JM. Efficacy and safety of retinaldehyde 0.1% and 0.05% creams used to treat photoaged skin: A randomized double-blind controlled trial. Journal of Cosmetic Dermatology. 2018;17(3):471-476. PMID: 29663701.

[4] Kim J, et al. A pilot study evaluating the efficacy and safety of retinaldehyde-loaded niosomes against mild-to-moderate acne. Journal of Cosmetic Dermatology. 2021. PMID: 34587353.

[5] Morel P, et al. Clinical efficacy and safety of a topical combination of retinaldehyde 0.1% with erythromycin 4% in acne vulgaris. Clinical and Experimental Dermatology. 1999;24(5):354-357. PMID: 10564319.

[6] European Medicines Agency. Updated measures for pregnancy prevention during retinoid use. 2018.

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