美白成分「アルブチン」とは?効果や副作用、取り入れるタイミングを解説
美白(※)効果が期待されており、美容業界からも高い注目を集めている「アルブチン」。アルブチンは医薬部外品の化粧品に使われている美白有効成分として承認されている成分です。
最近は多くの美白(※)化粧品やサプリメントなどにも配合されており、美白(※)成分としてメジャーになりつつあります。
その一方で「本当に効果はあるのかな」「副作用がないのか心配」と不安を抱えている方も少なくありません。
そこで本記事ではアルブチンの効果や副作用、よくある質問などについて徹底解説していきます。あわせてアルブチンを取り入れるタイミングや、併用すると効果的な成分についてもご紹介しますのでぜひ最後までご覧ください。
(※:メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ)
アルブチンとは
「アルブチン」とは、梨やマッシュルーム、サンタベリーなどに含まれている天然の美白(※1)成分です。「肌の漂白剤」との異名をもつ美白(※1)成分・ハイドロキノンに、ブドウ糖を結合して人工的に作られた「ハイドロキノン配糖体(※2)」とも呼ばれるアルブチンもあります。
(※1:メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ)
(※2:配糖体とは糖やさまざまな種類の成分が組み合わさった有機化合体のこと)
アルブチンの働きは、シミの原因となるメラニン色素の合成に関与する酵素「チロシナーゼ」に直接作用して、メラニン生成を妨げることです。
1989年に厚生労働省が、アルブチンにおける美白(※1)の効能・効果を「医薬部外品」の成分として認めたことでさらに注目を集めました。
医薬部外品に配合されているアルブチンのみ美白効果が認められており、一般の化粧品に配合されているアルブチンには美白効果はありません。
そんなアルブチンですが、「β-アルブチン」と「α-アルブチン」といった2つの種類が存在します。両者はハイドロキノンとブドウ糖の結合様式の違いから分けられています。基本的な作用は同じですが、有効性や特徴などが異なるため覚えておくとよいでしょう。
歴史が古く天然成分である「β-アルブチン」
「β-アルブチン」とは古くから化粧品に含有されてきた成分で、北半球に分布するウワウルシ(別名:クマコケモモ)や梨、マッシュルームなどの天然物に含まれています。
β-アルブチンは前述のとおり、メラニン色素の合成に関わっているチロシナーゼに作用してシミの原因となるメラニン生成を抑制してくれますが、その効果は穏やかです。
そのため医薬部外品の化粧品に配合されているのは、次にご紹介する「α-アルブチン」のほうが多い状況です。
高い効果が期待される合成成分の「α-アルブチン」
「α-アルブチン」とはハイドロキノンにブドウ糖を結合させて作った、β-アルブチンよりも新しい成分です。大手食品メーカーの「江崎グリコ」によって開発されました。
人工的に加工して作られたα-アルブチンはゆるやかな肌への安全性が高いうえに、β-アルブチンの10倍以上もの効果が期待できます。また親和性も高いことから、肌に馴染みやすくベタつきにくいため使用感にも優れている点が特徴です。
以上の理由により、美白(※)を目的とした化粧品にはβ-アルブチンよりもα-アルブチンのほうが多く使われています。
(※:メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ)
予防としての美白効果が期待されている
次に、アルブチンの効果について解説します。
アルブチンには「予防としての美白(※)効果」が期待されています。これはアルブチンが、シミの原因となるメラニン生成に関わっている酵素・チロシナーゼに直接作用し、メラニン色素の合成を阻害する働きをもっているためです。
そもそもシミができてしまう原因は、紫外線やホルモンバランス、ストレスなどのさまざまな要因によって、活性酸素が必要以上に発生してしまうことです。
通常、活性酸素はウイルスから体を守るために欠かせません。しかし体内で増えすぎると正常な細胞まで攻撃してしまいます。
これはシミやそばかすにも影響があり、増えすぎた活性酸素によって、シミの原因であるメラニン色素の合成に関わっているメラノサイトやチロシナーゼが活発化します。その結果、メラニン色素を多く作り出してしまうのです。
メラニン色素を合成する前の段階でチロシナーゼに作用してくれるアルブチンは、予防としての美白(※)効果があるといわれています。
(※:メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ)
効果的な取り入れ方
アルブチンを効果的に取り入れる方法は、下記のとおりです。
・化粧品
・サプリメント
「自然なものから取り入れていきたい」と考える人は、食べ物から摂取することを検討するかもしれません。しかしアルブチンを含む食べ物は少ないため、食べ物から摂取しようとするのはあまり推奨できません。
アルブチンが含まれる食べ物をいくつか挙げてみましょう。
・サンタベリー
・マッシュルーム
・梨
上記のような食べ物を毎日積極的に摂るのは難しいのではないでしょうか。このため美白(※)のために毎日アルブチンを取り入れたい場合には「化粧品」や「サプリメント」を活用していくとよいでしょう。
(※:メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ)
化粧品で取り入れる
アルブチンを効果的に取り入れる1つ目の方法は、「化粧品」を使って日々のスキンケアに組み込むことです。アルブチンが含まれる化粧品には、化粧水や美容液、クリーム、フェイスパックなどがあります。
製品の裏などに記載されている成分表を確認して、「アルブチン」や「α-アルブチン」が最初のほうに書かれた化粧品を選ぶと、濃度が高く効果を実感しやすいでしょう。
アルブチンを含有した化粧品は、ハイドロキノンよりも穏やかなため、比較的肌の弱い人でも使いやすく人気があります。しかし、すべての人が問題なく使える化粧品はありません。使用する前には必ずパッチテストなどをして、少量を試してから顔全体に広げましょう。
サプリメントで取り入れる
アルブチンを摂取する2つ目の方法は、気軽に続けられる「サプリメント」です。毎日のスキンケアに時間をかけられない忙しい人は、サッと飲むだけのサプリメントでアルブチンを取り入れていきましょう。
サプリメントも化粧品と同様に、成分表を確認してアルブチンの名前が最初のほうに書かれている商品を選ぶと高濃度のアルブチンを摂取できます。
取り入れるタイミング
メラニンの生成を抑え、シミを予防してくれるアルブチンですが、どのようなタイミングで取り入れていけばよいのでしょうか。一般的に、効果的といわれている2つのタイミングをご説明します。
タイミング①:外出前に取り入れる
「外出前」にアルブチンを取り入れるとシミ予防に効果的といわれています。紫外線を浴びる前にアルブチンを摂取しておけば、メラニン生成に関与しているチロシナーゼに働きかけてシミを予防してくれるからです。
具体的には朝のスキンケアにアルブチンを含んだ化粧品を使ったり、出かける前にサプリメントを飲んだりして紫外線を浴びる前に摂取してみましょう。
紫外線が強い日は、約5秒でメラノサイトが活性化し始めて、約3秒で肌が焼け始めるといわれています。家の外に出たらすぐにシミの原因となるメラニン生成が始まると考えておきましょう。
タイミング②:日焼けしてから72時間以内に集中ケアする
アルブチンを摂取する2つ目のタイミングは「日焼けしてから72時間以内」です。メラニンの生成は紫外線を浴びてから24〜72時間ほどかかるといわれているためです。
外出前に日焼け止めをしっかり塗っていても、日中の汗や擦れなどによって日焼け止めが落ちてしまうケースも少なくありません。気付かぬうちに大量の紫外線を浴びてしまう場合も考えられます。
もしも日に焼けてしまったと感じた場合には72時間以内にアルブチンを積極的に取り入れて、シミの原因となるメラニン生成を抑制し集中ケアをしていきましょう。
一緒に取り入れたい成分とは?
次に、アルブチンと一緒に取り入れると効果的な成分を2つご紹介します。
肌への浸透力が高い「ビタミンC誘導体」
まずアルブチンを使用するときに一緒に取り入れたい成分といえば「ビタミンC誘導体」です。還元作用の強いビタミンC誘導体を一緒に取り入れれば、プラスのメラニンの生成を防ぎ、シミを防ぐ効果が期待できます。
そもそもビタミンC誘導体とは、ビタミンCを物質として安定させることで角質層への浸透を高めた成分のことです。
通常、強い還元作用をもったビタミンCは空気に触れると酸化してしまい、分子構造が壊れやすい難点があります。ビタミンCの状態のまま化粧品などに配合してしまうと、角質層に届く前に壊れて効果が得られない可能性が高いのです。こうしたことから、美容業界ではビタミンC誘導体が注目されています。
そんな美肌に役立つビタミンC誘導体をアルブチンと一緒に取り入れることで、より効果的な肌ケアができるでしょう。
肌荒れを防ぐ作用がある「トラネキサム酸」
アルブチンと一緒に取り入れるべき成分の2つ目は「トラネキサム酸」です。トラネキサム酸は肌荒れを予防し、すこやかな肌へ導く効果があるといわれていて、ビタミンC誘導体と同じく美容業界では人気の成分です。
また医療用医薬品としてのトラネキサム酸は、体の中にあるたんぱく質「プラスミン」の生産や増加を抑える働きがあります。プラスミンには血液を溶かしたり、アレルギーや炎症を引き起こしたりする作用があるため、必要以上に増えすぎると肌荒れを引き起こしてしまうのです。一般の化粧品に含まれるトラネキサム酸にはこのような効果はありません。
トラネキサム酸は、アルブチンと一緒に取り入れることで、より美肌への効果が期待できます。
トラネキサム酸とは?
成分の特徴や効果的な取り入れ方、副作用も解説
よくあるQ&A
最後にアルブチンに関するよくある質問と回答をご紹介します。
アルブチンに副作用や注意点はあるの?
アルブチンは基本的に、副作用のリスクが低い成分です。医薬部外品の有効成分として認定されてから30年以上が経過しており、使用実績も積み上がっています。また前述のとおり、同じ美白(※)効果が期待できるハイドロキノンよりも低刺激といわれています。
ただし極端に肌が敏感な方の場合、使用時になんらかの副作用が現れる可能性もあるでしょう。アルブチンが肌に合わないのか、化粧品に含まれているほかの成分で炎症が起きてしまったのかは判断の難しいところですが、その化粧品の使用はただちに止めてください。
敏感肌の方がアルブチンを配合した化粧品を使用するときは、まずは少量を使ってみて肌に合うかどうかを確かめるように心がけましょう。
(※:メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ)
同じ美白成分であるハイドロキノンとの違いは?
明るい肌へ導いてくれるアルブチンとハイドロキノンはどちらも美白(※)成分として人気です。
これまでにもご紹介したようにアルブチンは、シミの原因となるメラニンが生成されるときに活動しているチロシナーゼを抑制し、メラニン色素の合成を阻害することでシミをできにくくします。
ハイドロキノンも、メラニンを生成を防ぎ、シミを防ぐ効果があります。
さらにアルブチンと同じように、チロシナーゼを抑制する作用もあり、その効果はアルブチンの約100倍ともいわれています。
圧倒的に強い作用をもつハイドロキノンですが、配合されている濃度によっては刺激が起こる場合あるのが難点です。その点も考慮したうえで、どちらを使っていくべきかを検討していくとよいでしょう。
シミに効く?
医薬品ハイドロキノンの効能効果副作用、使い方を徹底解説
発がん性があるって本当?
冒頭でも述べたとおり、アルブチンにはハイドロキノンが配合されているため「発がん性のリスクはないの?」と気になる人もいるでしょう。
現在のところ、アルブチンによってがんになってしまったケースはないようです。
一方で濃度5%以上のハイドロキノンにおいては、動物実験で発がん性リスクがあるとわかっています。しかしこれは、あくまでも動物実験による結果です。人に対する発がん性は、ハイドロキノンも現在のところは確認されていません。
アルブチン配合の化粧品やサプリメントを利用するときには、用法用量を守って使用していれば問題ないといえるでしょう。
美白成分・アルブチンで美しい肌を目指そう
シミの原因となるメラニンを生成するときに活動するチロシナーゼを抑制することで、シミをできにくくしてくれる「アルブチン」。透明感のある明るい肌を目指す方に適した成分といえます。
アルブチンを摂取するタイミングとしては「紫外線を浴びる前(外出前)」や「日焼けしてしまったあとの72時間以内」がよいでしょう。シミを気にせずいつまでも若々しくいるために、ぜひアルブチンを日常生活に取り入れてみてください。