紫外線対策はいつから始めるのが良いのでしょうか。
美肌のために紫外線対策は必須と言われるものの、真冬の寒い時期や春先なども対策が必要なのか、気になりますよね。
紫外線対策は、今やるかやらないかで10年後の肌が確実に変わってきます。
そこでこの記事では、医師の宇井先生に監修いただき、紫外線の基礎知識はもちろん、紫外線対策の具体的な方法について解説します。
日焼け後のケア方法についても紹介するので、正しい知識を身につけ、老化の原因となる紫外線のダメージを最小限にとどめましょう。
監修者
やさしい美容皮膚科・皮フ科
秋葉原院 院長
医師 宇井 千穂 先生
準ミス日本受賞。全日空客室乗務員を経て、北里大学医学部を卒業し、皮膚科医、美容皮膚科医として勤務。
web雑誌での連載やサプリメント、化粧品の監修など、多方面で活躍中。
【医人VOICE】やさしい美容皮膚科・皮フ科 秋葉原院
※監修者は「選び方」について監修・制作をおこなっています。
※掲載商品は選び方で記載した効果・効能があることを保証したものではありません。ご購入にあたっては、各商品に記載されている内容・商品説明をご確認ください。
紫外線対策の基礎知識
まずは、紫外線の基礎情報から確認していきましょう。
主な紫外線の種類
紫外線には3種類あり、A波、B波、C波に分かれています。
C波はオゾン層で吸収されるため、地上に降り注ぐ紫外線の多くは、A波とB波になります。
A波は、紫外線の中で最も多く波長が長いため、肌の奥深くまで到達します。肌のハリ・弾力に必要なコラーゲンやエラスチンにダメージを与え、シワやたるみの原因となります。
窓ガラスをすり抜けて部屋の中まで通過するという特徴もあります。室内にいるだけで気付かないうちに紫外線の影響を受けている点に注意が必要です。
B派は波長が短いものの強いため、ヒリヒリするような日焼けを引き起こします。
真夏の炎天下の海や山などでは特に気をつけましょう。
長時間浴びることで赤みだけでなく、軽いやけどのように腫れてしまう場合もあります。
夏場だけでなく冬も降り注いでいるため、注意が必要です。
種類 | A波 | B波 |
---|---|---|
波長の長さ | 長い | 短い |
強さ | 弱め | 強め |
肌トラブル | シミ、シワ、たるみ | ヒリヒリする日焼け、シミ |
紫外線が強い季節
気象庁のデータによると、紫外線は3月から強くなりはじめ、ピークは5〜7月です。
春は気温が高くないものの、紫外線は強くなりはじめます。
油断せず、しっかり対策しましょう。
紫外線が強い時間帯
1日の中では、10時頃〜14時頃までが最も強く降り注ぎます。
特に、正午12:00は非常に強くなるため、春・夏の日中に外出するときはくれぐれも気をつけましょう。
紫外線対策は年間通して行おう
紫外線は春・夏だけでなく、A波・B波ともに年間通して降り注いでいます。
そのため、紫外線対策は季節を問わず、一年通して必要です。
繰り返しますが、紫外線は室内にいてもガラスを通過して肌に影響を及ぼすため、室内の紫外線対策も必須です。
紫外線対策を怠ってしまうと、メラニンが過剰に生成されたり、コラーゲンがダメージを受けたりするなど、将来シミやシワなどの肌トラブルにつながってしまいます。
5年後、10年後も若々しく健康な肌でいるために、日々の紫外線対策を習慣化しましょう。
紫外線対策の方法は?
紫外線対策の具体的な方法について紹介します。 一つでも多くの紫外線対策を習慣にして、未来の肌を守っていきましょう!
紫外線対策グッズを使う
強烈な紫外線から守るために、紫外線対策グッズを活用しましょう。具体的には以下のものが挙げられます。
・日傘
・帽子
・サンバイザー
・長袖
・アームカバー
・ストール
・フェイスカバー(フェイスマスク)
・サングラス
UVケアは、できるだけ素肌を露出させないことが重要です。日差しの強いときに外出する際は、日傘やサングラスなどで対策することで熱中症の予防にもなります。
最近では、男性も使いやすいデザインの日傘も増えています。
使いやすいアイテムやデザインのものを選び、気軽に使用できるものを選びましょう。
日焼け止めはムラなくたっぷり塗る
日焼け止めは年間通して量をケチらず多め塗りましょう。
日焼け止めを塗る量が少ないと、残念ながら十分な日焼け止め効果を得ることはできません。
少し多いと感じるぐらい量はたっぷり使い、頬や鼻など紫外線が当たりやすい部位は重ねづけすると良いでしょう。
2〜3時間ごとにこまめに塗り直すことも大切です。
日焼け止めのSPFとPAは、シーンによって選びましょう。
日常生活で使う場合...SPF10~20、PA++
プールや海など炎天下のレジャーで使う場合...SPF50以上、PA++++
使うシーンに合わせて最適なものを選ぶのがおすすめです。
また、2022年12月1日から、日焼け止めに「UV耐水性」という新しい表示が追加されることになりました。
「耐水性」のあるタイプは、汗をかきやすい時期におすすめです。
「UV耐水性」は、水浴後にどれくらい「SPF」を保持できるかを表す表示です。
UV-B波を防ぐ効果の耐水性を表しており、メイクアップの耐水性(メイクが水に落ちにくい)という意味ではありません。
UV耐水性は、保持能力によって「★(☆)」「★★(☆☆)」の2段階で表されます。水に浸かることがある場合は、UV耐水性★または★★の日焼け止めを選ぶと安心です。
日焼け止めの新基準「耐水性」って何?
紫外線の強い時間帯は外出を避ける
紫外線が強い時間帯は10時頃〜14時頃とされています。
外出は朝や夕方の時間を使い、紫外線の強い時間帯はできるだけ外出を控えるようにしましょう。
外出するときは日陰をうまく活用したり、紫外線対策グッズで直射日光をできるだけ素肌に浴びないようにすることが大切です。
日焼けしてしまった時の対処法は?
「紫外線対策をしていたものの、うっかり日に焼けてしまった」という時には、どうしたら良いのでしょうか。 日焼け後は、できるだけ早くアフターケアをすることが重要です。間違ったケアをしないよう、対処法についてまとめて紹介します。
肌をしっかり冷やす
まずは、日焼けした部分をしっかり冷やして熱を抑えましょう。ほてりや赤みなどの熱をおさえることが重要です。
具体的には、水で濡らしたタオルを当てたり、タオルに氷や保冷剤を包んで冷やしたりする方法があります。
冷却シートを使うのは避けましょう。日焼け後の肌はデリケートな状態なので、シートを貼り付けることで刺激になってしまう可能性があります。
やさしく保湿する
肌のほてりや赤みが落ち着いてきたら、しっかりと潤いを与えて保湿しましょう。
日焼け後の肌はバリア機能が低下し、非常にデリケートな状態です。
保湿するときは肌に刺激にならないようにしましょう。パッティングは避け、手のひらで優しく包み込むように塗り伸ばしましょう。
肌が敏感な状態になると、日頃使っている化粧水が合わなくなる可能性もあります。
低刺激のものや炎症を抑えるものなどを選んで保湿しましょう。
ビタミンCとEを積極的に摂取する
日焼け後は、肌の修復のために栄養素が多く消費されます。中でもビタミンCとEを積極的に摂取することをおすすめします。
ビタミンCはシミの原因となるメラニン色素の定着を抑え、コラーゲンの合成を助けます。
ビタミンEは血行を促進し、肌の生まれ変わりのサイクルを整えます。
具体的には、以下のような食品を意識的に摂取しましょう。
ビタミンCを多く含む食品...ブロッコリー、イチゴ、キウイフルーツ、赤ピーマンなど
ビタミンEを多く含む食品...アーモンド、ピーナッツ、アボカド、モロヘイヤなど
食品から摂取するのが難しい場合はサプリメントで補いましょう。
身体の中から栄養を補給することで、体外・体内から相乗効果でアプローチしていくことが可能です。
ビタミンC誘導体「APPS」とは?
脂溶性のビタミンE 「トコフェロール」とは?
症状がひどい場合は病院へ
日焼けした部分はヒリヒリとした痛みだけでなく、ひどい場合は水ぶくれになってしまうことがあります。
水ぶくれなど症状が悪化している場合は、皮膚科を受診しましょう。
日焼けは医学的には「日光皮膚炎」と呼ばれます。
倦怠感や発熱を伴う場合もあるので、早めにクリニックで診察を受けましょう。
通年紫外線対策をして美肌をキープしよう!
未来の肌のために、UVケアは欠かせません。紫外線は、季節に関係なく年間通して肌に影響を及ぼしています。
夏場だけ紫外線対策をしていても、残念ながらシミやシワ、たるみといった肌老化を防ぐことはできません。
「真冬は日焼け止めを塗っていなかった!」「いつまでも美肌でいたい」という方は、UVケアを見直し、正しい方法を身につけましょう!
毎日の日焼け止めや紫外線対策グッズを使い、理想的な肌を保っていってくださいね。