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【薬剤師監修】ユベラとは?効果や副作用、ユベラNとの違いも解説

「ユベラの美容効果について知りたい」
「ユベラ、ユベラN、ユベラ軟膏はぜんぶ同じ成分が配合されているの?」
そんな疑問を持たれている方も多いかもしれません。

合成ビタミンE(トコフェロール酢酸エステル)が主成分であり美肌効果も期待できるユベラは、美容皮膚科でも処方され、関心度の高い医薬品です。しかし、脂溶性ビタミンであるために、漫然と服用することで副作用の発現につながる可能性も考えられます。

この記事では、ユベラの気になる美容効果や服用の注意点、ユベラNとの違いなどについて詳しく解説します。

教えてくれたのは

薬剤師 藤原 智沙恵 さん

研修認定薬剤師、1児の母。
メーカーで化粧品・医薬部外品の研究開発職に従事し、スキンケア製品や衛生用品の開発に携わる。
薬事申請や2度の特許出願なども経験した後に、調剤薬局の薬剤師へと転職。
薬局で様々な皮膚疾患をもつ患者さんの服薬指導にあたり、さらに多くの人に正しい情報を発信していきたいという思いを持ち、医療・美容分野を中心に執筆活動を始める。
薬剤師やメーカー勤務時代に取得した化粧品成分上級スペシャリストの資格を活かし、化粧品成分の安全性や美容サプリメントの正しい服用方法などを伝える記事の執筆・監修に積極的に取り組んでいる。

ユベラとは

まずはユベラとはどのような成分でどのような効能効果が期待できるのかお伝えしします。

ユベラの成分

ユベラに含まれているトコフェロール酢酸エステルは合成ビタミンEの一種です。トコフェロールの一部(6位の水酸基)をアセチル化して安定化させることで、空気中で酸化されないようにしています。[1]
トコフェロール酢酸エステルは体内に摂取されると、消化管内で加水分解されてトコフェロールとなり、小腸から吸収されます。

ユベラの効能効果

ユベラの添付文書によると効能効果としては以下の3つが記載されています。[2]

・ビタミンE欠乏症の予防及び治療
・末梢循環障害(動脈硬化症、静脈血栓症、凍瘡、四肢冷感症など)
・過酸化脂質の増加防止


ビタミンEが不足すると、神経や筋障害の症状がみられることがあります。すると血行が悪くなり、冷え性や頭痛、肩こりなどが起こりやすくなるのです。
ユベラにはビタミンEを補い、末梢血管を拡張して血行を改善する作用があるため、ビタミンE欠乏症や末梢循環障害による症状に効果が期待できます。[2][3]

また、ユベラは体内で吸収されてトコフェロールとなることで、強力な抗酸化作用を示し、動脈硬化などを引き起こす原因となる過酸化脂質の生成を抑制する効果もあります。[1]

ユベラに期待できる美容効果とは

血行促進作用や強い抗酸化作用があるユベラには、上記のような健康効果はもちろん、美容効果も期待できます。ここではユベラの美容面での効果についてもお伝えします。

シミやそばかす、肝斑を改善・予防する効果

血行が改善されると肌にも栄養分が行き渡りやすくなるため、皮膚の代謝が良くなりターンオーバーが促進されます。すると、皮膚の内側で生成されていたメラニン色素が、古い角質とともに皮膚表面へと押し上げられ排出されます。その結果シミやそばかすだけでなくシミの一種である肝斑への改善効果も期待できます。

さらに、ユベラには紫外線から皮膚を保護する抗酸化作用もあるため、服用することでシミやそばかす、肝斑の予防にもつながります。

アンチエイジング効果

ビタミンEは、細胞の酸化を防ぎ老化防止にも効果があることから「若返りのビタミン」とも呼ばれます。

紫外線やストレス、喫煙、過度の飲酒などにより、体内で過剰な活性酸素が発生すると、正常な細胞まで酸化させることが知られています。

たとえば活性酸素で皮膚の線維芽細胞がダメージを受けると、コラーゲンやエラスチンの生成が阻害され、肌にシワやたるみができます。ユベラがもつ強い抗酸化作用で活性酸素を除去することで、肌の弾力やハリのもとであるコラーゲンやエラスチンを保護し、シワやたるみを改善・予防するアンチエイジング効果が期待できます。

女性ホルモンのバランスを整える効果

ビタミンEには、内分泌系の中枢である脳下垂体に作用して生殖機能を調節し、ホルモンバランスを整える作用があります。そのため、生殖機能の衰えや、生理・更年期障害、着床障害による不妊治療などにも効果が期待できるとされています。

また、肝斑が発症する主な要因の一つにホルモンバランスがあります。女性ホルモンのバランスが乱れると、メラノサイト(メラニン形成細胞)が活性化しメラニン色素の分泌が促進されてしまうのです。

ユベラにはこのように女性ホルモンのバランスを整えて、女性の美容と健康をサポートする効果が期待できます。

ユベラの副作用や服用上の注意点について

ここではユベラの副作用や服用上の注意点についてお伝えします。

ユベラに副作用はあるの?

インタビューフォームによると、ユベラを服用した3,586例のうち副作用が確認されたのは32例(0.89%)でした。主な副作用は以下の通りです。[4]

・便秘(7件:0.20%)
・胃部不快感(6件:0.17%)
・嘔吐(3件:0.08%)
・発疹(2件:0.06%)
・胃腸障害(2件:0.06%)

頻度は非常に少ないですが、このような症状が見られた場合は、医師または薬剤師に相談しましょう。

また、ユベラは脂溶性ビタミンであるものの、ビタミンEは摂取量の3分の2が便として排出されるため、脂溶性ビタミンの中では比較的体内に蓄積されにくいとされています。[3]

ユベラを服用する際は併用薬やサプリメントなどに注意

服用しているサプリメント・健康食品がある場合は、ビタミンEの過剰摂取につながる可能性があるため注意しましょう。
厚生労働省の報告によると、食物としてビタミンEを摂取することは問題ありませんが、サプリメント等の形でビタミンEを高用量摂取すると、血液凝固能が低下して出血リスクや、脳内の重篤な出血リスク(出血性脳卒中)を増大させる可能性があるとされています。[5]

さらにビタミンEは、ワルファリンなどの抗凝血剤や抗血小板剤を服用している人の出血リスクを高めることがあります。また、がんの化学療法や放射線療法を受けながら抗酸化作用をもつユベラを服用することで、これらの治療法の有効性に変化をもたらしてしまう可能性があります。[5]
そのため併用薬や治療中の疾患がある場合は、ユベラの服用を開始する前に医師または薬剤師に相談することが大切です。

ユベラ錠・ユベラN・ユベラ軟膏の違いとは

ユベラにはユベラ錠のほかにユベラNやユベラ軟膏の3つのタイプがあります。それぞれの成分や効能効果、副作用などの違いは以下のようになります。[2][6][7]

ユベラ錠 ユベラN ユベラ軟膏
剤形 糖衣錠 カプセル
ソフトカプセル
軟膏
成分名 トコフェロール酢酸エステル製剤 トコフェロールニコチン酸エステル トコフェロール
ビタミンA油
効能効果 ビタミンE欠乏症の治療予防、末梢循環障害、過酸化脂質の増加防止 高血圧症に伴う症状、高脂質血症 、閉塞性動脈硬化症に伴う末梢循環障害 凍瘡、進行性指掌角皮症、尋常性魚鱗癬、毛孔性苔癬、単純性粃糠疹、掌蹠角化症
用法用量 1回1〜2錠(50〜100mg)を、1日2〜3回経口投与 カプセル:1日300〜600mgを3回に分けて経口投与
ソフトカプセル:1日300〜600mgを3回に分けて経口投与
1日1〜数回適量を患部に塗布

以前はユベラ顆粒20%(トコフェロール酢酸エステル)、ユベラN細粒40%(トコフェロールニコチン酸エステル)の販売もありましたが、2020年4月に販売中止されています。[8]

ユベラNは、トコフェロールにビタミンB群の一種であるニコチン酸を結合させたカプセル・ソフトカプセル剤です。血行を促進したり、コレステロールや中性脂肪を下げたりする作用があります。

ユベラ軟膏は、ビタミンEのほかに、皮膚の新陳代謝を高め角化をおさえる効果をもつビタミンAが配合されています。皮膚の乾燥を防いで潤いを与え、皮膚のかさつき、しもやけ、角皮症などの治療に使用されます。

ユベラについてよくある質問

最後にユベラの服用についてよくある質問をまとめています。

ユベラに市販薬はある?

ユベラと同じ、トコフェロール酢酸エステルを含有成分として配合した市販薬はいくつか販売されています。しかし、トコフェロール酢酸エステルのみを配合している市販薬はなく、他の薬効成分と合わせて効果を発揮する商品になっています。

ビタミンEのみを配合した市販薬を希望する場合は、天然ビタミンEであるトコフェロールを配合しているものが販売されているのでそちらを選択すると良いでしょう。

ユベラを購入したい場合は?

ユベラは医療用医薬品であるため、購入するためには医療機関で医師の診察を受けて、処方せんを発行してもらうことが必要です。ただし美容目的で服用する場合は原則、健康保険の適応にはならず自費になります。

ユベラを飲むと痩せることはある?

ユベラを服用して痩せるという報告はありません。 ダイエット目的での服用は効果が期待できないでしょう。

ユベラを飲んで眠くなることはある?

ユベラには眠気を催す成分は含まれていません。ユベラでの副作用の症状は主に便秘や胃部の不快感、下痢、発疹などが報告されています。

ユベラについて正しく理解しよう

ユベラは合成ビタミンEの一種で、体内に吸収されて強い抗酸化作用と血行促進作用をもつことから、女性に嬉しい美容効果があります。

また副作用の頻度が少なく、摂取量のほとんどは便として排せつされるために脂溶性ビタミンの中では過剰症の心配も比較的少ないと考えられます。

一方で、併用薬やサプリメント、治療中の疾患によっては影響がある可能性があるため、ユベラを服用する前は医師・薬剤師に相談すると安心です。

【参考文献】
[1]厚生労働省 d-α-トコフェロール酢酸エステル及びトコフェロール酢酸エステル の食品添加物の指定に関する添加物部会報告書
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/09/dl/s0928-5d.pdf
[2]ユベラ錠添付文書
https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/3150002F1239_2_01/
[3]公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/vitamin-e.html
[4]ユベラ錠医薬品インタビューフォーム
https://medical.eisai.jp/products/e/e_t50
[5]厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』
https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/overseas/c03/11.html
[6]ユベラN添付文書
https://drugshortage.jp/searchm.php?marketer=%E3%82%A8%E3%83%BC%E3%82%B6%E3%82%A4
[7]ユベラ軟膏添付文書
https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00012215
[8]エーザイ株式会社 医療用医薬品供給状況データベース
https://drugshortage.jp/searchm.php?marketer=%E3%82%A8%E3%83%BC%E3%82%B6%E3%82%A4

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