【医師が教える選び方】乾燥肌さんが取り入れたい美容成分とは?
冬だけでなく、1年中肌のうるおいが不足していると感じる方はもしかしたら、「乾燥肌」かもしれません。
乾燥肌とは肌のうるおいが不足して、常に乾燥している状態のこと。肌の乾燥を放っておくとさまざまな肌トラブルが起こるきっかけになってしまうこともあります!
今回は、医師の宇井先生に監修いただき、乾燥肌さんが毎日のスキンケアに取り入れたい美容成分や、日常生活やスキンケアで気をつけたいポイントをご紹介します!乾燥肌向けの美容成分やクリニックで購入できるスキンケアもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
監修者
やさしい美容皮膚科・皮フ科
秋葉原院 院長
医師 宇井 千穂 先生
準ミス日本受賞。全日空客室乗務員を経て、北里大学医学部を卒業し、皮膚科医、美容皮膚科医として勤務。
web雑誌での連載やサプリメント、化粧品の監修など、多方面で活躍中。
【医人VOICE】やさしい美容皮膚科・皮フ科 秋葉原院
※監修者は「選び方」について監修・制作をおこなっています。
※掲載商品は選び方で記載した効果・効能があることを保証したものではありません。ご購入にあたっては、各商品に記載されている内容・商品説明をご確認ください。
乾燥肌とはどんな肌?
肌質は水分量と皮脂量を指標として、「乾燥肌」「脂性肌」「混合肌」「普通肌」の4つに分けられます。
乾燥肌はドライスキンとも呼ばれ、皮脂量も水分量も少ない状態のことを言います。
乾燥肌と一口にいっても、実は様々なタイプがあります。
一見乾燥しているように見えないが、肌の内側が乾燥している「インナードライ肌」、アレルギー体質や季節の変わり目に乾燥しやすい「乾燥性敏感肌」、加齢とともに肌のうるおいが低下する「老人性乾燥肌(乾皮症)」などがあります。
乾燥肌の方の多くは、肌を触ったときにカサカサしていてうるおいを感じられなかったり、白く粉を吹いていたり、洗顔や入浴後に肌のつっぱりを感じるなどの症状がみられます。
乾燥肌の原因とは?
乾燥肌の原因には様々な要因がありますが、多くは「肌のバリア機能の低下」と言われています。
バリア機能とは、乾燥や摩擦、紫外線などのあらゆる外部刺激から肌を守る機能のことをいい、肌表面にある0.02mmの表皮に備わっています。表皮は、角質層、顆粒層、有棘層、基底層の4層で構成されており、この中の角質層がバリア機能を担っています。
この角質層には、肌にもともと備わっている保湿成分が3つあります。
・皮脂膜
皮脂腺から分泌された皮脂と、汗腺から分泌された汗が混ざり合ったもの。肌の水分蒸発や乾燥を防ぐ
・細胞間脂質
角層内の角層細胞同士の間を埋めている脂質のことを言い、約半分を占める成分が「セラミド類」です。外部からの刺激や侵入、角質層内部の水分蒸散を防ぎ、肌の潤いを保ちます。
・天然保湿因子(NMF)
角質細胞内にある保湿成分のこと。水分を取り込んで保持する働きがあります。
バリア機能が低下する原因
肌のバリア機能が低下する原因にはさまざまな要因がありますが、下記のような原因があげられます。
紫外線
皮膚表面を覆っている皮脂膜は、外的刺激の侵入を防ぎ、水分を保つ役割を担っています。紫外線は皮脂膜の皮脂を酸化させ、肌のバリア機能の働きを弱めてしまいます。
また、紫外線はターンオーバーのサイクルを乱してしまうことがあります。正しいターンオーバーが行えなくなると、天然保湿因子(NMF)がきちんと生成されなくなってしまい、肌にうるおいを感じにくくなります。
気温低下による空気の乾燥
冬は気温も湿度も下がることから、空気が乾燥します。また、室内も暖房によって乾燥しがち。空気が乾燥していると、肌から水分が失われやすいため、カサカサした肌になってしまいます。特に、皮脂分泌が少ない目周りや頬、首などが乾燥しやすい部位です。
間違ったスキンケア
乾燥肌の原因は毎日のスキンケアにも潜んでいます。肌をこすりすぎたり、洗浄力の高い洗顔やクレンジングを使用してしまうと、角質層が傷つきバリア機能が低下してしまうと言われています。
また、寒い季節になると熱いお湯を使う方も多いと思いますが、40℃以上のお湯で洗顔をしたり、入浴してしまうと皮脂を奪ってしまい、乾燥肌になる原因となります。
その他にも、最近ではマスクの着用による蒸れや摩擦などの影響で、口の周りが乾燥するという方も増えています。肌のバリア機能を正常に保つためにも、毎日のスキンケアで正しいやり方で、自分の肌にあった成分を取り入れることが大切です。
乾燥肌さんが取り入れたい成分の選び方
スキンケアは自分の肌悩みにあった成分を取り入れることが大切ですが、何を使ったらいいかわからないという方も多いのではないでしょうか。
ここでは、乾燥肌の方がスキンケアに取り入れたい成分2つをご紹介いたします。
セラミド
セラミドは、角質層に存在する保湿因子のひとつです。
うるおいのある肌に欠かせないセラミドですが、加齢やストレス、紫外線などにより徐々に減少してしまいます。その結果、キメの乱れやハリ不足などに繋がります。
日々のスキンケアでセラミド配合コスメを使って、しっかり補給してあげることが大切です。
セラミドの効果や働きは?
ヒアルロン酸
ヒアルロン酸も、もともと人間が持っている成分です。肌の表皮層と真皮層の両方に存在し、肌の弾力や潤いを保持するのに役立っています。
たった1gでも6ℓもの水分を抱え込むことができることから、湿度の低い季節でもしっかりうるおいを保持することができます。
ヒアルロン酸の効果は?
医療機関で買える保湿ケアアイテム
セラミドやヒアルロン酸が配合されたスキンケアは、ドラッグストアやバラエティショップでも購入することができますが、医療機関でしか購入できないスキンケアもあります。
医療機関専売スキンケアは、皮膚科医や専門家の知識や経験、医学的なエビデンスなどによって開発されたものが多くあります。
ここでは、医療機関で買えるセラミドやヒアルロン酸が配合されたスキンケアをご紹介します。
ガウディスキン
インナーモイストTAローション (医薬部外品)
天然保湿因子「人型セラミド」の複数の型を配合した化粧水。
さっぱりとしたテクスチャーなのに、しっとりと肌に馴染むため、たくさん塗布しても保湿化粧水独特の被膜感がなく、しっかりと保湿を実感できます。
また、保湿だけでなく、美白有効成分であるトラネキサム酸も配合しているので、シミの原因となるメラニン色素の生成を抑えます。
イニクス
センシティブ ディープモイストローション (医薬部外品)
高保湿成分であるグリセリルグルコシドとヒアルロン酸を配合した化粧水。
ナノサイズの油分を配合しており、水分だけでは足りない保湿力を後押しし、べたつかずしっとりと肌になじみます。
ロゼットAK
薬用AK マイルドミルクローション (医薬部外品)
長年の基礎研究と専門医監修のもとに開発されたスキンケアライン。
天然セラミドを中心とし、皮フ保護成分のホホバ油やヒアルロン酸(保湿成分)を配合。伸びも肌なじみも良く、肌荒れを防ぐ乳液。伸びが良く、やさしく肌になじんで乾燥や肌荒れを防いでくれます。
顔はもちろんのこと、全身のケアにも使えます。
セルニュープラス
モイスチュアクリーム
長年の基礎研究と専門医監修のもとに開発されたスキンケアライン。
天然セラミドを中心とし、皮フ保護成分のホホバ油やヒアルロン酸(保湿成分)を配合。伸びも肌なじみも良く、肌荒れを防ぐ乳液。伸びが良く、やさしく肌になじんで乾燥や肌荒れを防いでくれます。
顔はもちろんのこと、全身のケアにも使えます。
ドクタービタミン
リペアBクリーム
ヒト型セラミド(セラミド2、セラミド3、セラミド6)と保水機能に優れたヒアルロン酸Na、浸透力にすぐれた低分子ヒアルロン酸を配合。
バリア機能をサポートし、うるおいをしっかりかかえこむクリーム。
プロビタミンB5(パンテノール)、アラントイン、グリチルリチン酸2Kなどの成分が肌荒れを予防するので、マスクによる蒸れや摩擦によるゆらぎがちな肌を整え、すこやかな肌へと導きます。
毎日のスキンケアで乾燥肌対策を
肌が乾燥する原因は、空気が乾燥する時期だけではなく年中潜んでいます。乾燥が気になる方は、毎日のスキンケアで保湿に特化した成分を取り入れてみてはいかがでしょうか?
スキンケアだけでは物足りないという方は、美容医療でエレクトロポレーションなどで保湿成分を導入するのも1つの手です。
もし、重度の乾燥で赤みやかゆみが辛い場合は、皮膚科で診察してもらうようにしましょう。