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リピジュアは傷んだ肌・髪に効果的?安全性やセラミドとの違いとは

リピジュアというう成分をご存じですか?
あまり聞きなじみがない方もいるかもしれませんが、保湿効果が高く、外部の刺激から肌を守ってくれる作用もあるリピジュアは、幅広い化粧品に配合されています。

この記事では、リピジュアの効果や安全性、他の保湿成分との違いについて徹底解説します。

リピジュアとは

リピジュアは日本メーカーの日油株式会社が開発した保湿成分です。
もともとは人工臓器に使用することを目的として、ヒトの細胞膜を構成する「リン脂質」をモデルに作られました。そのためリピジュアは生体組織との親和性が高く、アレルギー反応が起こりにくい性質をもっています

リピジュアの別名は?

リピジュアは製品名であり、別名(化粧品表示名称)は、ポリクオタニウム-51、-61、-64、-65と実は複数の種類があります。

・ポリクオタニウム-51
保湿効果や刺激緩和作用があるため、主に化粧水や美容液などのスキンケア製品に用いられています。

・ポリクオタニウム-64、-65
毛髪表面で含水ゲルを形成してヘアケア効果があるため、主にシャンプー・トリートメントに配合されています。

・ポリクオタニウム-61
疎水性(油になじみやすい性質)をもつため、メイク用品に配合されています。また溶液中でナノ粒子として分散し、固体上では疎水基と親水基で水分をサンドイッチのように抱え込むラメラ層を形成して皮膚保護作用をもつため、スキンケア用品・ヘアケア用品にも、幅広く用いられています。

ヒアルロン酸より保湿効果が高い?

日油株式会社の報告によると、リピジュアはヒアルロン酸の2倍の保湿効果が確認されています。

構造式の中に複数の親水基をもつヒアルロン酸は、1gで6Lの水を抱え込むほどの高い保水力をもつ成分です。皮膚の表面にとどまってうるおいベールを作り、皮膚をしっとりとなめらかに保つ作用があるため、多くの化粧品に配合されています。

そのヒアルロン酸と比較した結果、リピジュアは塗布後の水分保持能がおよそ2倍、さらに水洗い後も洗い流されずに肌の上に残るため2倍以上の水分保持能があることが確認されています。

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ヒアルロン酸の効果や取り入れ方は?

期待できる効果

ここでは、リピジュアで具体的にどのような効果が期待できるのかを詳しくご紹介します。

肌への効果

バリア機能改善し、乾燥を防ぐ

リピジュアは分子量が10~100万の高分子化合物です。そのため、角質層の奥へは吸収されずに皮膚表面で膜をはり、水分の蒸発を防ぐ作用があります。
皮膚の表面からは汗以外にもからだの水分がわずかに蒸発しており、肌のバリア機能が低下している状態だと蒸発する水分量(水分蒸散量:TEWL)が増加します。また、空気が乾燥していると、皮膚から水分がさらに蒸発しやすくなります。

日油株式会社の報告によると、リピジュアを荒れた肌に塗布することで塗布1時間後・2時間後の水分蒸散量(TEWL)が減少し、バリア機能の大幅な改善が確認されています。

また、リピジュアは外気の湿度によって、肌の上で分子配向が変わり、より水分を逃がしにくくするような特性をもちます。湿度の低い乾燥しやすい状態のときは、水となじみやすい親水基を膜の内側・なじみにくい疎水基を膜の外側に向けることで皮膚内の水分の蒸発を防ぎます。

肌を外部の刺激から守る

日油株式会社が行った実験では、リピジュアをケミカルピーリング剤であるアルファヒドロキシ酸(AHA)と共にヒト皮膚に塗布したところ、4時間後の皮膚の紅斑が緩和されることが確認されています。

また別の細胞実験では、一般に刺激があるとされる界面活性剤(ドデシル硫酸Na)を用いて、グリセリン・ヒアルロン酸と共にリピジュアの細胞毒性緩和効果を確認したところ、リピジュアは他の保湿剤よりも高い細胞生存率が認められました。またリピジュアの濃度に比例して細胞の生存率が向上することも確認されています。

さらに、リピジュアによって形成された被膜により、PM2.5などの大気中のチリやほこりなどが肌へ付着するのを防ぐこともできます。

このような結果からも、リピジュアには薬剤や汚染大気からの刺激を緩和する効果が期待できると考えられ、刺激リスクのあるピーリング剤や洗浄・消毒液などを含む多くの化粧品に配合されています。

有効成分を安定的に肌へ届ける

リピジュアは、ビタミンAやビタミンEなど安定性の低い油系の有効成分を内包化することで、化粧品中の有効成分の安定性を高めることが確認されています。

化粧品の有効成分を肌へきちんと届けることができるだけでなく、有効成分によるピリピリ感・かゆみなどの一過性の炎症反応を抑えることも期待できます。

髪への効果

ダメージを修復し、まとまりの良い艶髪へと導く

髪の一番外側にあるキューティクルはケラチンタンパクが角質化したもので髪の内部を保護する役割を果たしています。
ところが、アイロンやドライヤーなどの熱ダメージでキューティクルが傷つきタンパク質が変性してしまうと、髪の内側からタンパク質が流れ出て髪にダメージホールという空洞ができます。
傷んでいる髪の特徴として“髪が親水性である”ことがあげられますが、それは髪が水に濡れた時に、空洞に水分が入り込んで吸着することが原因の一つです。

リピジュアは毛髪内部へ浸透し、内側のダメージを補修するだけでなく、髪表面を健康な毛と同程度まで再疎水化することが分かっています。
疎水化することで余分な水分が髪内部へ侵入することを防げるため、湿気によるうねりや広がりを改善する効果が期待できます。さらに、髪に適度な水分と油分が保たれるため、ハリとツヤのあるまとまりの良い髪になります。

なめらかなくし通りの良い髪になる

水道水やシャンプーを使用したあとの髪は、マイナスに帯電しています。リピジュアを髪表面に塗布することで、リピジュアのプラスの荷電がマイナスに帯電した髪に吸着し、摩擦が低減されることでくし通りの良いなめらかな髪になります。

カラー剤が落ちにくくなる

リピジュアが髪表面をコーティングすることで、ヘアカラー成分の流出を抑えて、カラーのもちを良くする効果が確認されています。

セラミドとの違いは?

化学合成されたリピジュアとは違い、セラミドは肌表面の角質層にある、私たちの肌にもともと存在する成分です。

角質細胞と細胞の間をすき間なく埋める細胞間脂質の主成分で、肌バリア機能の要とも言える存在です。例えばアトピー性皮膚炎の方の皮膚は、健常者の皮膚に比べてセラミドの量が少ないため肌が乾燥しやすいと言われています。

セラミドは、リピジュアと同様に、構造式の中に水になじみやすい親水基と油になじみやすい疎水基の両方をもっています。
そのため、肌の内側にある水分を強固に抱え込み、肌表面で水層とセラミド層が交互に整列した“ラメラ構造”を形成することで、水分の蒸発を防ぎ、紫外線や薬剤などの外部の刺激から皮膚を守るバリア機能の役割を果たしています。

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セラミドの効果や働きは?

副作用や安全性は?

現在のところリピジュアによる大きな副作用の報告はありません

リピジュアは、ヒトの細胞膜をモデルに作られているためヒトへの親和性が高い成分です。その高い安全性から、人工臓器やアイケア素材などのライフサイエンス分野でも広く用いられています。

しかし、他の化粧品成分と同様に、肌状態や人によっては合わない場合もあります。
心配な方は、使用する前にパッチテストなどで肌に合うか確認してから使うようにしましょう。

リピジュアは乾燥肌の強い味方

保湿効果の高いリピジュアは多くの化粧品に配合されている成分です。水洗い後も肌表面にとどまって持続的に肌にうるおいを与えてくれるため、長引くコロナ禍で洗浄剤や消毒液によって荒れて乾燥してしまった肌の強い味方になってくれるでしょう。

また、水にも油にもなじみやすい性質をもつリピジュアは、肌や髪の表面でラメラ層を形成し、外部の刺激から保護してダメージを緩和してくれる効果が期待できます。
乾燥やダメージを受けた肌・髪に悩んでいる方は一度リピジュアを試してみてもいいかもしれません。

【参考資料】
日油株式会社ホームページ
・Lipidure®-HM、PMB(スキンケア) https://www.nof.co.jp/contents/cosmeticlounge/material/pdf/lipidure.pdf
・Lipidure®-S、NR(スキンケア)
https://www.nof.co.jp/contents/cosmeticlounge/material/pdf/lipidure03.pdf
・Lipidure®-A、C(ヘアケア)
https://www.nof.co.jp/contents/cosmeticlounge/material/pdf/lipidure02.pdf
・Lipidure®-S、NA(ヘアケア)
https://www.nof.co.jp/contents/cosmeticlounge/material/pdf/lipidure04.pdf

日油株式会社化粧品原料集
https://www.nof.co.jp/contents/cosmeticlounge/pdf/cosmeticlounge2.pdf

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