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コラーゲンの効果とは?美容・健康の両面から徹底解説

コラーゲンは美容・健康に関連する成分の中でも非常に認知度の高い成分のひとつです。
なんとなく良い成分なのだろうと思ってらっしゃるとは思いますが、だからこそどのような効果を持っているのか、いつ・どのように摂取するとよいのか、副作用や摂取時の注意点を正しく把握したうえで摂取することがとても大切です。

この記事では、コラーゲンの現在確認されているさまざま効果、効率的に摂取する方法、副作用についても徹底解説します。

コラーゲンとは

コラーゲンとはたんぱく質のひとつで、主に脊椎動物の皮膚や骨などに含まれています。
もちろんヒトにもコラーゲンが存在しており、肌や骨や血管など、体重のおよそ6%はコラーゲンにより構成されています。

コラーゲンは非常に多くの種類があり、これまでに確認されているのは29種類です。その中でヒトに主に含まれるコラーゲンは、Ⅰ型・Ⅱ型・Ⅲ型・Ⅳ型の4種類あります。それぞれの型で存在している場所や機能は若干異なりますが、どれも細胞と細胞を、組織と組織をつなぎあわせ強度をもたせる役目を担っています。

コラーゲンで期待できる効果

身体のほとんどの部位に存在するコラーゲンですが、摂取することでどのような効果が期待できるのでしょうか。コラーゲンの効果が確認されている臓器・部位に分けてご説明します。

肌への働き

コラーゲンは肌の弾力やハリを保つために不可欠な成分です。加齢とともに減少することが知られており、20歳ごろをピークにその後は減少し続け、60歳台では半分ほどになるといわれています。また、紫外線などの外部刺激によって減少することが知られています。そこで、コラーゲンを補うことで、肌の若返り効果が期待されます。

2014年に行われた研究では、加水分解コラーゲンを1日当たり5,000mg、8週間摂取することで、乾燥肌・しわ・しみなどの改善が見られたと報告されています*¹。
また、経口摂取による効果だけでなく、加水分解コラーゲンを配合した化粧品でも肌への効果は確認されており、化粧品を使用した2時間後に各層水分量が優位に増加したという保湿効果が確認されています*²。

髪への働き

コラーゲンは髪の構成成分であるケラチンの主要な材料であり、髪の保湿や柔軟性を改善するとされています。また、髪のボリュームや輝きをアップさせる効果も期待できます。

コラーゲンサプリメントを1日2回180日間摂取することで、髪の本数、髪全体のボリューム、髪の太さが改善するだけでなく、髪の輝きや頭皮の保湿性・滑らかさが改善されたという研究例があります*³。髪の毛と頭皮両面にコラーゲンが効果を発揮することで、脱毛予防効果も期待できます。

関節への働き

コラーゲンは、関節や骨の主要な構成成分であり、関節の動きや弾力性を保つために不可欠です。関節でのコラーゲンが減少すると関節痛や関節軟骨の劣化につながってしまうことがあります。

研究によると、コラーゲンを摂取することで関節の動きや柔軟性が改善することが示されています。たとえば、2017年に行われた研究では、5~10gのコラーゲンペプチドを1日に2回飲んだグループとプラセボを飲んだグループを比較したところ、コラーゲンペプチドを摂取したグループの関節痛や関節の運動範囲が改善したことが報告されています*⁴。また、コラーゲンは骨の代謝にも寄与し、健康維持に役立つことが示唆されています*⁵。

目への働き

コラーゲンの肌や関節への効果はよく知られていますが、コラーゲンは目にも存在しています。そのため、コラーゲンの摂取は目への効果も期待できます。

例えば、コラーゲンペプチドを含む生理食塩水を点眼することで涙の量が効果的に上昇し、角膜の細胞の炎症が収まることでドライアイに効果が見られた研究報告があります。また、コラーゲンペプチドを含有したサプリメントを摂取することで眼球内圧の上昇を抑制し緑内障を予防できる可能性も報告されています*⁶。

脳への働き

コラーゲンを摂取することで脳にも効果があることが期待されており、認知機能が改善されたという研究例があります。たとえば2019年に日本で発表された報告では、49~63歳の健常者30名に5gのコラーゲンペプチドを1日1回4週間投与することで言語認知機能が改善することが報告されており、メンタルヘルスの改善も期待されています*⁷。

コラーゲンの効果的な取り入れ方

コラーゲンは体の多くの組織の維持に必須の成分ですが、上述の通り、加齢とともに量が減っていくことが知られています。
60代の頃には20代の約半量しか存在していないだけでなく、存在しているコラーゲンにも劣化が進んでいるために柔軟性が失われてしまっていることが報告されてます*⁸。

量も質も低下したコラーゲンしかないと、肌のハリが失われたり関節の機能が失われたりします。そのため、健康な身体を維持するには常に新しいコラーゲンを作り続けることが必要であり、コラーゲンを継続して取り入れることが重要となります。

コラーゲンを取り入れる方法は食品・サプリメント・化粧品があり、効率的な取り入れ方をご紹介いたします。

食品からの摂取

コラーゲンは主に動物性食品から摂取できます。肉類であれば牛すじ、豚レバーやスペアリブ、鶏レバーやモモ肉に多く含まれ、魚介類であればウナギの蒲焼き、はも、鮭などに多く含まれます。特に牛すじやウナギの蒲焼きはコラーゲン量が多く、どちらも100g当たり5g程度のコラーゲンが含まれます*⁹。

サプリメントやドリンクからの摂取

コラーゲンを含むサプリメントやドリンクは多数販売されており、手軽に摂取することができます。そのためどの商品を選ぶべきか悩みますが、コラーゲン量およびコラーゲンの種類の2点を考えながらお好みのものを購入されるのがよいでしょう。

コラーゲンの量
サプリメントタイプではコラーゲン量は少ないもので300mgから多いもので5,000mg、ドリンクタイプでは20,000mgのものまであります。骨や関節には1日10,000mg、肌には1日5,000mg程度の摂取で効果が期待できるため、摂取される目的に応じてコラーゲン量を選択されるのがよいでしょう。

コラーゲンの種類
前述の通りコラーゲンは動物・魚類に含まれますが、動物由来のコラーゲンと魚由来のコラーゲンでは構造が異なり、一般的に魚由来のコラーゲンのほうが体内への吸収効率が良いといわれています。
また、摂取するコラーゲンの形も重要で、そのままのコラーゲンは分子量が大きく分解されにくいため吸収されにくいという欠点があります。一方で、酵素を用いてあらかじめ分解されている「コラーゲンペプチド」は分子量が小さく吸収されやすいです。

これらを総合的に考えると、魚由来の「コラーゲンペプチド」を選択することがよいでしょう。

化粧品からの摂取

化粧品にコラーゲンが含まれるかどうかは裏面の全成分表示から確認できますが、「コラーゲン」の文言が含まれる化粧品表示名称は60種類以上と非常に多くの種類が登録されています。

化粧品でもそのままの「コラーゲン」は吸収されにくく、また多量には配合できないので、「加水分解コラーゲン」や「水溶性コラーゲン」という表示名称のものを選択するのがよいでしょう。
ただし肌に塗ったコラーゲンは角層までは浸透しますが、血流に乗り全身にめぐることはないので、あくまで肌への効果のみを期待してするようにしてください。

コラーゲンを摂取しても効果なしはウソ?

コラーゲンの摂取に関しては、経口摂取したコラーゲンは分解されてから吸収されるためにその効果は期待できない、という考えが昔から存在しています。

しかしながら、2017年にファンケルが発表した研究ではその考えを覆す結果が報告されています。もともとコラーゲンはアミノ酸が約1000個連なった超巨大な物質ですが、アミノ酸2個または3個のぺプチドに分解された状態で血中に吸収され皮膚中に取り込まれていることが明らかになりました*¹⁰。

さらにこのペプチドを軟骨の細胞に投与したところ、軟骨形成成分であるグルコサミンの量が増加したという研究例もあり、コラーゲンが不足している細胞ではコラーゲンを合成する”シグナル“になると考えられます*¹¹。

低分子コラーゲンを経口摂取することで角質水分量が上昇する研究例もあり*¹²、きちんとコラーゲンペプチドを摂取することで体内のコラーゲン合成が促進され、効果を発揮することが期待されます。

コラーゲンの効果的な摂取方法

摂取量の目安と摂取期間

これまでの研究例から、肌への効果が期待できる摂取量の目安は1日5,000mg(5g)、骨や関節への効果が期待できる摂取量の目安は1日10,000mg(10g)程度と考えられています。
また、4~12週間程度継続して摂取することで効果が出てくると考えられます。

いつ摂取するのが効果的?

摂取したコラーゲンは3〜5時間後が吸収のピークとなります。
またコラーゲンは組織の修復に用いられる成分であり、組織の修復は主に夜寝ている間に行われるため、就寝数時間前に摂取することが効率的と考えられます。

しかし注意すべきポイントが2つあります。
1つめは摂取したコラーゲンは24時間後には完全に尿から排泄されてしまうことです。そのため毎日継続して摂取する必要があります。
2つめはコラーゲンを食事から摂取する場合、過剰量のコラーゲンの消化および分解は腎臓や肝臓へ負担がかかる場合があります。
コラーゲンを多く含む食事は昼食か早めの夕食に、サプリメントやドリンクからの摂取を就寝数時間前に、と分割して摂取するのが良いでしょう*¹³。

効果が上がる摂取方法

コラーゲンには、分解されて組織に届いた後、再度コラーゲンに合成されることで発揮される効果も多いです。
そのため、ただコラーゲンを摂取するだけでなく、再合成されやすい体内環境を整えてあげることも重要です。コラーゲンの再合成にはビタミンCや亜鉛、鉄、銅などが必要とされており、普段の食事やサプリメントでこれらの栄養素も補ってあげるとコラーゲンの効果が上がることが期待できます。

コラーゲンに副作用や摂取時の注意点はあるの?

コラーゲンは生体内に豊富に存在する成分であり、明確な副作用はこれまでに報告されていません。毎日10,000mgのコラーゲンを24週間摂取しても副作用が見られなかったという報告もあります*¹⁴。しかしながら摂取する際の注意点はあります。

・食事から摂取する際の注意点
 コラーゲンを豊富に含む食事は脂質が多いことが多いです。コラーゲンの摂取を優先するあまり栄養バランスが偏らないように注意してください。

・サプリメントから摂取する際の注意点
 体質等により、サプリメントの服用そのものにより消化器症状(便秘、頻尿、おなかの張り、おなかのゆるみ)の軽微な副作用が発生することがあります。

・化粧品から取り込む際の注意点
 化粧品にはコラーゲン以外の成分も多く含まれるため、それらの成分や体質・季節等の要因で肌トラブル(湿疹、赤み)などが発生する可能性があります。

サプリメント服用時やコラーゲン配合化粧品を使用した際に気になる症状があらわれた場合には使用を中断し、医師の診察を受けるようにしてください。

コラーゲンの摂取で、美容と健康の両面で若々しい身体に!

コラーゲンは身体の約6%を構成する成分であり、ほぼすべての組織・臓器の機能を維持するために必須の成分です。しかしながら加齢とともに体内のコラーゲン量は減っていくこともわかっており、しわや関節痛などの原因となります。
そのため、コラーゲンは毎日継続して摂取することが非常に重要です。コラーゲンを含むサプリメントや化粧品は多数販売されているので、食事以外からも効率よく補っていけると美容・健康を維持できます。

さらに、コラーゲンによる副作用も現時点では報告されていないことからも、安心して摂取することができる成分の一つと言えるでしょう。内外美容のキー成分として積極的に取り入れることで、美容と健康の両面で若々しい身体を手にすることができますよ!

【参考文献】
(1)Proksch E, et al. Oral supplementation of specific collagen peptides has beneficial effects on human skin physiology: a double-blind, placebo-controlled study. Skin Pharmacoenn Vis Sci. 2014 Aug; 27(8): 211-7.
(2)熊谷 素子, 他(2001)「国産豚皮由来コラーゲン・トリペプチドの機能性・安全性と化粧品への応用」Fragrance Journal(29)(11),65-71.
(3)Ablon Glynis, MD, FAADcorresponding author. A Double-blind, Placebo-controlled Study Evaluating the Efficacy of an Oral Supplement in Women with Self-perceived Thinning Hair. J Clin Aesthet Dermatol. 2012 Nov; 5(11): 28–34.
(4)Oryan A, Kamali A, Moshiri A. Potential Mechanisms and Applications of Induced Pluripotent Stem Cells in Skin Regeneration. Skin Pharmacol Physiol. 2018;31(5):231-242.
(5)Jian Wu, et al. Assessment of effectiveness of oral administration of collagen peptide on bone metabolism in growing and mature rats. J Bone Miner Metab. 2004;22(6):547-53.
(6)Ishii N et al. Effects of collagen peptide ingestion and its related factors on the ocular hypertension-induced pressure rise in rabbits. Glycative Stress Research, 2018.
(7) Seiko Koizumi, et al. Effects of Collagen Hydrolysates on Human Brain Structure and Cognitive Function: A Pilot Clinical Study. Nutrients. 2020 Jan; 12(1): 50.
(8) Fujimoto, D. Human tendon collagen: Aging and crosslinking. Biomedical Res, 5, 279-282(1984)
(9) 野口ら:栄養学雑誌, 70, 120(2012).
(10) Misato Yazaki, et al. Oral Ingestion of Collagen Hydrolysate Leads to the Transportation of Highly Concentrated Gly-Pro-Hyp and Its Hydrolyzed Form of Pro-Hyp into the Bloodstream and Skin. J. Agric. Food Chem. 2017, 65, 11, 2315–2322
(11) S Nakatani, et al. Chondroprotective effect of the bioactive peptide prolyl-hydroxyproline in mouse articular cartilage in vitro and in vivo. Osteoarthritis Cartilage. 2009 Dec;17(12):1620-7.
(12) 新日本製薬㈱HP:https://corporate.shinnihonseiyaku.co.jp/rd/case/archives/2
(13) H. Ohara et al.: J. Agric. Food Chem., 55 :1532 (2007)
(14)Choi FD, Sung CT, Juhasz ML, Mesinkovsk NA. Oral Collagen Supplementation: A Systematic Review of Dermatological Applications. J Drugs Dermatol. 2020;19(6):614-620.

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