目頭から頬に向かって斜めの線ができる「ゴルゴライン」。鏡を見るたびに気になるという方も多いのではないでしょうか?
加齢とともに気になり始めるケースだけでなく、幼少期から気になっている方もいらっしゃいます。
この記事では、医師の相馬先生にご監修いただき、ゴルゴラインができる原因や改善方法について詳しく解説していきます。
「ゴルゴラインをどのようにケアすれば良いか分からない」「ゴルゴラインを解消するにはどうしたらいい?」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
監修者
肌クリニック大宮 院長
医師 相馬 孝光 先生
さいたま市大宮区で皮膚科・美容皮膚科・アレルギー科のクリニックを運営。
一般皮膚科診療から皮膚外科手術・美容皮膚科・アンチエイジングの相談まで幅広く診療しており、特にニキビ診療に注力している。患者さんのお悩みにオールマイティーに応えていけることを理念としながら、患者さんが笑顔になる瞬間にやりがいを感じて日々の業務に従事している。
【資格】
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
日本アレルギー学会認定アレルギー専門医
日本医師会認定産業医
◆当コラムの掲載記事に関するご注意点
※本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。
ゴルゴラインとは?
「ゴルゴライン」とは目頭の周辺から頬にかけて斜め下方向に入る線のことで、たるみジワの一つです。別名ゴルゴ線とも呼ばれています。
ゴルゴラインは目の下にシワができることで影ができますが、クマと重なることでより一層目元が暗く見えることもあります。
すべての人に起こる肌トラブルではなく、人によってはゴルゴラインがまったくできないこともあります。
ゴルゴラインができる原因は?
そもそもゴルゴラインは何が原因で起こるのでしょうか?主な原因は以下の3つが挙げられます。
加齢によるハリや弾力の低下
繰り返しますが、ゴルゴラインはたるみジワの一つです。
たるみジワの原因は加齢や紫外線などにより、肌のハリ・弾力性を司るコラーゲンやヒアルロン酸が失われることです。それにより、ゴルゴラインができやすく目立つようになります。
喫煙や睡眠不足など肌にストレスがある生活を送ってしまうことも、ゴルゴラインができやすくなる原因の一つといえるでしょう。
表情筋の衰え
表情筋の衰えもゴルゴラインができやすくなります。
表情筋とは、顔の目や口、鼻などを動かす筋肉のことで、顔だけでも30種類以上あります。
中でも、目元にある眼輪筋や頬を支える大頬骨筋・小頬骨筋などの筋肉が衰えると、ゴルゴラインができやすくなります。
表情筋は普段から動かさないと衰えて収縮してしまいます。人と話す機会の少ない方は、くれぐれも気をつけましょう。
日頃から話したり笑ったりするなどを意識し、表情筋を鍛えることが大切です。
顔の骨格や皮下脂肪のつき方
ゴルゴラインは生まれ持った顔の骨格や皮下脂肪のつき方も大きく関係しています。
10代・20代など若いころからゴルゴラインが気になる場合は、骨格や皮下脂肪のつき方によるものも考えられます。
頬ぼねが平たいとゴルゴラインができやすいとされています。逆に、頬ぼねが高いとできにくくなります。
日本人はどちらかというと頬ぼねが張って高い人が多いですが、欧米人のように頬ぼねが平たい場合は骨格によりゴルゴラインができている場合もあります。
さらに、皮下脂肪が少ない方もゴルゴラインができやすくなります。
ゴルゴラインはセルフケアで解消できる?
ゴルゴラインをなんとかセルフケアで解消したいものですよね。
結論としては、ゴルゴラインは根本的な解決はセルフケアでは難しいとされています。
しかし、日々意識的にケアすることで予防にはつながります。
ここでは、ゴルゴラインに必要なセルフケアを紹介するので、ゴルゴラインが今より深くならないようにしていきましょう。
スキンケアは保湿とUVケアの意識を
繰り返しますが、肌の乾燥はゴルゴラインができやすくなる原因になります。
そこで必要なのは、保湿とUVケアです。
加齢とともに肌の水分量が減少するため、丁寧に保湿をしないと乾燥しやすくなります。
たとえば、セラミドなど保湿力の高い化粧水や美容液でうるおいを補ったり、洗浄力の強いクレンジングを避けるなどが挙げられます。
他にも、季節問わず日焼け止めクリームを塗り、肌を守ることも重要です。日々のスキンケアで心がけていきましょう。
表情筋マッサージはやさしく
ゴルゴラインの原因の一つに表情筋の衰えがありますが、表情筋マッサージはやりすぎに注意しましょう。
表情筋マッサージは、過度にやり過ぎるとくり返し皮膚を伸縮させることで新たなシワをつくる原因になります。強すぎるマッサージは避け、やさしく丁寧に行っていきましょう。
表情筋の衰えを緩やかにするためには、日頃から表情筋を動かすことが大切です。
人と話すことが少ないと表情筋を動かす機会が少なくなるため、マッサージやトレーニングをして積極的に動かしていきましょう。
乱れがちな生活習慣を整える
間接的な改善方法になりますが、タバコや睡眠など生活習慣の見直しも大切です。
タバコは、シワやたるみなどの原因になります。
睡眠不足は肌の生まれ変わりのサイクルが乱れ、乾燥などの肌トラブルが起こりやすくなります。乾燥が進行するとゴルゴラインができやすくなるため、寝不足になりがちな方は気をつけましょう。
食事はバランスよく摂るなど、ゴルゴライン対策として食生活も見直していきましょう。
美容医療でできるゴルゴライン治療
ゴルゴラインを改善させたいなら美容医療の治療を検討してみてはいかがでしょうか? ここでは、ゴルゴライン治療の代表的な施術をご紹介します。
ヒアルロン酸注入
ヒアルロン酸注入は、ゴルゴラインに対する治療法の中でも一般的な治療法です。
ヒアルロン酸を注入し、加齢によってボリュームが減ってしまい、凹んだ部分をふっくらさせます。即効性があり、施術時間が短時間というのがメリットです。
また、ヒアルロン酸には高い保湿力があるため、注入することで肌にハリ・ツヤを与える効果もあります。
ヒアルロン酸注射のみではなく、肌の状態や目指す効果によって、他の施術を組み合わせるケースもあります。
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脂肪注入
脂肪注入は、体の一部から採取した脂肪を注入する施術です。
先ほども紹介しましたが、ゴルゴラインの原因の一つに皮下脂肪が少ないことがあります。
顔の脂肪は加齢とともに減少するため、脂肪注入により減少した脂肪を補う治療法です。
自分の体の脂肪細胞を使うので感触も自然に仕上がり、注入した脂肪が定着すると半永久的に持続するというメリットがあります。
ヒアルロン酸注入と比べると、脂肪注入の方が効果がより長期間続くとされています。理由は、ヒアルロン酸は一定期間で体内に吸収されてしまうものの、脂肪注入の場合は肌に定着するためです。効果が長く続くため、何度も施術を受けなくても良いというのは大きな利点と言えます。
しかし、自身の身体の一部から採取した脂肪であっても、皮下脂肪は新しい場所に定着することは難しい組織のため、うまく生着しないと脂肪が壊死して肉下種を形成してしまうというリスクもあります。
再生医療(PRP療法)
再生医療もゴルゴラインを解消する治療法の一つです。
もともと自分の体にある細胞と血液を使い、肌の機能そのものを回復して若返り効果が実感できます。
肌の再生医療は、コラーゲン・ヒアルロン酸・エラスチンをつくる「維芽細胞」を増やす施術です。
体内にある細胞を増やすため、副作用や失敗のリスクが極めて少なくないのも特徴です。
コラーゲン・ヒアルロン酸・エラスチンを増やすことで、お肌全体を若返らせてくれるため、ゴルゴラインにも適している治療です。肌の再生医療は効果を感じるまで約3ヶ月~半年ほどかかると言われているものの、効果は長期的に続いていくとされています。
副作用や失敗のリスクが少ない治療法ですが、投与時のウイルスや細菌混入による感染、しこりができてしまうリスクもあります。
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ゴルゴラインを解消したいなら美容医療に頼ろう
ゴルゴラインは加齢とともに気になり始めるケースが多いものの、骨格や皮下脂肪のつき方など遺伝が原因の場合は若いころから気になることもあります。ゴルゴラインによって顔が疲れたように見えることもあるので、目立たないように改善したいものですよね。
根本的に改善したいなら、美容医療を視野に入れてみてはいかがでしょうか?
まずは、自分の肌と予算に合う治療法を知ることが大切です。美容クリニックに相談することで最適な解決法を見つけ、ゴルゴラインが気にならない理想的な肌を叶えましょう!