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FAGA(女性の薄毛)の原因は?治療やケアの方法について解説!

女性の薄毛であるFAGAは、ホルモンバランスや自律神経の乱れ、栄養不足などが原因となり、男性ホルモンの変異が起こることで発症します。男性の薄毛であるAGAが生え際や頭頂部を中心に進行するのに対して、FAGAは頭部全体で抜け毛が見られるのが特徴です。そのため、初期症状に気付きにくい傾向にあります。

今回は初期症状や他の脱毛症との見分け方、クリニックで行える相談・治療方法について詳しく解説していきます。

FAGAとは

FAGAとは女性の薄毛「Femail AGA(女性男性型脱毛症)」のことで、進行性の疾患です。人間の毛根には毛母細胞という髪の毛を作る細胞があり、毛乳頭という部分からの指令を受けて髪を生成しています。

FAGAの原因には男性ホルモンが関係しています。男性ホルモンのテストステロンが変性してジヒドロテストステロン(DHT)になると、髪の生成を中止するよう毛母細胞に指令を出すのです。男性ホルモンは女性の体にも存在しており、これがFAGAの原因の一つです。男性では額や後頭部に多くありますが、女性は頭皮全体にあるのが特徴です。

FAGAの初期症状と特徴

まずは、FAGAの初期症状や特徴について見ていきましょう。FAGAは男性のAGAと異なり発症がわかりにくいため、初期症状をしっかりと見極めて早期発見することが大切です。

髪が細くなる

初期症状の一つとして、髪が以前よりも細くなることが挙げられます。発症した時期は、目に見えて髪が薄くなるというよりは、髪が以前よりも細くなったと感じることが多いようです。もともと髪が太く、多い方は気付きやすいでしょう。

髪のコシがなくなる

髪にボリュームやコシがなくなるのも、FAGAの初期症状の一つです。髪が細くなったり量が減ったりすることで、髪のボリューム感やふんわり感がなくなり、ぺちゃんとしぼんで見えてしまいます。生えている髪も以前より軟弱になり、ハリ・コシが少なくなっていきます。

抜け毛が増える

抜け毛が増えることも、FAGAに気付きやすいポイントといえます。人間の髪は毎日約50〜100本程度抜けるため、シャンプーや髪を梳かす際に髪が抜けること自体は問題ありませんが、抜け毛の量が目に見えて増えたり、ブラシに髪の毛がびっしりと絡みつくようになったりした場合は要注意です。

こめかみの生え際が薄くなる

FAGAが進行してくると、こめかみの生え際が薄くなっていきます。通常は産毛が生えている部分ですが、FAGAの進行によって産毛がなくなっていき、生え際部分がかつらを被っているように不自然な印象になってしまいます。

分け目が目立つ

髪の分け目が目立ちやすくなるのも、FAGAのサインです。髪が細くなったり抜け毛が増えたりすることで頭皮の見える面積が広くなり、分け目が以前よりもくっきりと見えるでしょう。髪自体も立ちにくくなるため、分け目付近のボリュームも減ってしまいます。

AGAとの違い

男性の薄毛(AGA)の場合は、進行すると生え際が後退してきておでこが広くなっていったり、後頭部が禿げてきたりするのが一般的です。後頭部から襟足の毛は、抜けずに残りやすい傾向にあります。

対して女性の薄毛(FAGA)の場合は、部分的に禿げることはあまりなく、頭部の毛が全体的に薄くなっていくのが特徴です。最初は生え際や分け目の薄毛が目立ちますが、進行すると最終的に髪全体に影響が及びます。

FAGA以外の脱毛症と原因

脱毛症にはFAGA以外にもさまざまな種類があり、それぞれ症状を引き起こす原因があります。FAGA以外の脱毛症では、ストレスが原因とされる円形脱毛症や特定のヘアスタイルを長期間続けることで起こる牽引性脱毛症、怪我や「やけど」の傷跡によって髪が生えてこなくなる瘢痕性脱毛症、頭皮の過剰な皮脂分泌による脂漏性脱毛症などがあります。

それぞれ有効な治療法が異なるため、脱毛の症状が見られる場合は速やかに医師の診断を受けるようにしましょう。

円形脱毛症

円形脱毛症は、いわゆる10円ハゲとも呼ばれる、円形に髪が抜け落ちることが多い脱毛症です。日常生活における過度なストレスによって引き起こされ、免疫反応の異常で急激に髪が抜けてしまうのが特徴です。

円形の禿げが一箇所起こるのが一般的ですが、人によっては複数箇所や前頭に症状が及ぶことがあります。なかなか完治することは難しいものの、内服薬や外用薬、紫外線治療など、さまざまな治療法があります。

牽引性脱毛症

牽引性脱毛症は、特定の髪型を長く続けることや、エクステ・ヘアアイロンで髪が引っ張られることで起こる脱毛症です。原因となりやすいのはポニーテール・お団子・三つ編み・編み込みなどの髪型で、髪を強く結ぶことで頭皮の血行が悪化し、抜け毛に繋がります。

特に前髪を後ろに引っ張って結ぶ場合は、長期間続けると生え際の髪が薄くなることがあるため注意が必要です。発症の初期段階であれば、原因となった髪型をやめてしっかりとしたヘアケアを行うだけでも改善することができます。

瘢痕性脱毛症

瘢痕性脱毛症はケガ・やけど・手術などによって頭皮に傷跡ができることで、部分的に髪が生えてこなくなる病気です。頭皮の下にある、髪を生成する毛包や毛母細胞自体が傷つけられて繊維化し、髪を生成する機能が失われてしまい脱毛が起こります。一度髪が抜けるとその先生えてくることはなくなるため、通常の脱毛症の治療では改善できず、脱毛範囲が広い場合は植毛を行うこともあります。

脂漏性脱毛症

脂漏性脱毛症は、皮脂の過剰な分泌によって引き起こされる脂漏性皮膚炎の影響で起こる脱毛症です。原因はホルモンバランスの乱れや常在菌の一種であるマラセチア菌の異常繁殖といわれています。皮脂の分泌量が増えることで頭皮がベタついたりフケ・ニキビ・吹き出物ができたりし、これによって頭皮環境が悪化して抜け毛の症状が現れます。特に高温多湿で頭皮環境が悪化しやすい夏は注意が必要です。外用薬やシャンプーで治療していきます。

FAGAの原因

FAGA発症の原因は、いくつか挙げられます。最も大きな原因になるのは、加齢や出産に伴う女性ホルモンの減少です。偏った食生活による栄養不足や過度なストレス、生活習慣の乱れも発症の原因となります。

加齢や出産などによる女性ホルモンの減少

FAGAの原因として1番大きいといわれているのが、女性ホルモンの減少です。出産後のホルモンバランスの乱れが起きている時期の女性や、閉経後の女性は、FAGAの症状が出やすいと指摘されています。

FAGAは男性ホルモンの変性によって起こりますが、女性ホルモンが正常に分泌されているときは変性が起こりにくい状態にあります。ところが、加齢や出産などによって女性ホルモンが減少すると、男性ホルモンの変性が起こりやすくなり、FAGAを発症しやすくなるのです。

間違ったダイエットによる栄養不足

健康な髪の生成には、タンパク質・ミネラル・ビタミンなどの栄養分が必要不可欠です。過度なダイエットや偏った食生活などで必要な栄養分が足りなくなると、髪の生成のための栄養が行き渡らなくなり、FAGA発症の原因となりえます。

自律神経の乱れ

ストレスフルな生活は、自律神経の乱れによるホルモンバランスの乱れや、頭皮の血流の悪化を招きます。日常的な睡眠不足やストレスの蓄積、過度な飲酒・喫煙などの生活習慣がある方は、FAGAの発症を引き起こすおそれがあるため注意が必要です。

遺伝

FAGAの発症は、女性ホルモンの減少だけでは完全に説明できないため、遺伝的な要因も少なからず関係していると考えられています。母親をはじめとした血縁者に薄毛の人がいた場合、自分に遺伝する可能性は少なくありません。

何らかの内分泌異常

FAGAを発症した女性のうち、男性ホルモンの数値が異常に高い人が全体の1/3であったという研究データがあります。そのため、ホルモンバランスなどの内分泌機能の何らかの異常が関係しているのではないかという見方もあります。

カラーリングなどの化学薬品によるダメージ

洗浄力の強すぎるシャンプーやヘアブリーチ、カラーリングなどのダメージも、将来的なFAGAの発症に関係するといわれています。継続的なダメージによって髪や頭皮が傷んでしまわないよう、普段からヘアケアやブリーチ・カラーの頻度などに気を使うようにしましょう。

FAGAって治るの?

FAGAは、適切な時期に適切な治療を受けることができれば治すことが可能です。ただし、女性ホルモンが関わる進行性の病気のため、放置するとどんどん薄毛が進行してしまいます。できるだけ早く発症に気付いて治療を始めることが重要です。

どこに相談するの?

FAGAを発症したかもしれないと思った場合、まずは皮膚科を受診すれば問題ありません。皮膚科には「脱毛外来」という専門の外来があり、保険適用内で治療が可能です。AGAやFAGAなどの薄毛疾患を専門とする病院もあるため、近くの病院を調べてみましょう。

どのタイミングで受診を考えるべき?

FAGAの治療は、発症の早い段階で始めることが改善のためにとても重要です。分け目の地肌が目立ちやすくなってきたり、髪のボリュームが以前よりも少なくなってきたりといった初期症状に気付いたタイミングで病院を受診するようにしましょう。

FAGAの治療

FAGAの治療方法は、外用薬や内服薬の処方、外科治療、植毛などさまざまです。どの治療方法が適しているかは進行状況や体質などによって人それぞれのため、まずは皮膚科専門医の診療を受けましょう。

外用薬

外用薬として用いられるのが、ミノキシジル・ステロイド・抗ヒスタミン剤などです。特にミノキシジルは日本皮膚科学会が推奨している外用薬で男性のAGA治療にも広く使われており、FAGAの改善効果も認められています。

内服薬

FAGAは女性ホルモンの減少やホルモンバランスの乱れが大きく関係しているため、女性ホルモンを補う内服薬や抗ヒスタミン剤などの投薬が行われます。また、閉経後の女性であれば、男性のAGA治療に用いられるフィナリステドという薬も使用できます。

メソセラピー

メソセラピーは頭皮に直接有効成分を注射する治療方法で、ステロイドを細い注射針で注入したり、場合によっては再生医療であるPRP療法を行ったりすることがあります。頭皮に直接注入するため効果を実感しやすい反面、痛みも伴いやすい治療法です。

植毛

投薬治療で目立った改善ができない場合、植毛という選択肢もあります。主に自分の髪を薄毛の目立つ箇所に植毛する自毛植毛が用いられますが、男性のAGAと異なり女性のFAGAは頭部が全体的に薄くなっていくため、治療は慎重に行う必要があります。

生活習慣の改善

病院で治療を行いながら、普段の生活習慣を改善することも大切です。十分な睡眠時間を確保し、タンパク質・ミネラル・ビタミンを含んだバランスの良い食生活を心掛けましょう。過度なストレスのかからない生活が、FAGAの改善にも関わっていきます。

まとめ

FAGAはさまざまな原因によって起こる進行性の病気です。薄毛の進行は深刻な悩みとなり、QOLを大きく損なってしまいます。分け目や生え際が気になり始めたり、抜け毛が増えてきたりといった初期症状を感じたら、早い段階で皮膚科を受診することが重要です。近年は女性のFAGAに対して使えるようになったAGAの薬もあるため、悩んだらすぐに相談して適切な治療を受けましょう。

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