シアバターの効果とは？特徴や使い方について詳しく解説
シアバターは保湿効果が非常に高く、少量で肌を潤すことができるため多くの化粧品に配合されています。髪や肌など全身に使えるので、さまざまな使い方ができるため幅広い年代に愛されています。
この記事では、シアバターの効果や特徴、使い方について解説します。髪や肌の乾燥が気になる方や、自然由来の保湿ケア用品を使いたい方は、シアバターを試してみてはいかがでしょうか。
- 1. シアバターとは
- 2. シアバターに期待できる効果
- 2-1. 優れた保湿力
- 2-2. 抗酸化作用
- 2-3. 美肌効果
- 3. シアバターの特徴
- 3-1. 体温で溶けて肌なじみが良い
- 3-2. 酸化しにくい
- 3-3. 赤ちゃんから使える
- 3-4. 精製シアバターと未精製シアバターの違い
- 4. シアバターの注意点やデメリット
- 4-1. 肌荒れの原因になる
- 4-2. 匂いが気になる
- 5. シアバターの使い方
- 5-1. ハンドケア
- 5-2. フェイスケア
- 5-3. リップケア
- 5-4. ヘアケア
- 5-5. ボディケア
- 5-6. メイク直し
- 6. シアバターでよくある質問
- 6-1. シアバターの保存方法は？
- 6-2. 使用期限はどのくらい？
- 6-3. 口に入れても大丈夫？
- 6-4. シアバターが固くて使いにくい
- 6-5. 日焼け止め効果はある？
- 7. 保湿の万能選手シアバターで全身に潤いを
シアバターとは
シアバターとは、シアの木から採れる種子から作られる植物性油脂です。主にアフリカ諸国で生産され、古くから食用オイルや薬用、燃料などとして使われてきました。
美容としては優れた保湿力があり、「保湿の王様」と呼ばれています。シアバターの主成分はステアリン酸やオレイン酸で、そのほかリノール酸、パルチミン酸などの脂肪酸で構成されています。ステアリン酸は皮脂によく似た成分のため、肌になじみやすいのが特徴です。
シアバターに期待できる効果
シアバターは保湿力が高く抗酸化作用があるなど、さまざまな美肌効果が期待できます。
優れた保湿力
シアバターにはステアリン酸やオレイン酸などの脂肪酸が含まれており、人間の肌とよく似た成分でできています。そのため、肌にしっとりとなじみ、うるおいを保つ効果が期待できるのが特徴です。
また、シアバターは蒸発しにくい不乾性油のため、髪や肌の乾燥を防ぐ効果も見込めます。うるおいを保ちつつ乾燥を防ぐことで、なめらかな肌を維持するのに役立ちます。シアバターは顔だけでなく全身に使えるため、唇や手、かかとのケアに使える点もメリットです。
抗酸化作用
シアバターに含まれるステアリン酸には抗酸化作用があり、酸化が原因でできる肌のシミや小ジワなどを予防する効果が見込めます。
抗酸化作用とは、活性酸素から肌を守る作用のことです。紫外線やストレスなどで過剰に発生した活性酸素は、コラーゲンやエラスチンの生成を阻害すると言われています。そのため、抗酸化作用のある成分を取り入れることで、肌トラブルを防ぐ効果が期待できます。健康な肌を維持するのにも効果的です。
美肌効果
シアバターに含まれるリノール酸は、肌を外部刺激から守るセラミドの構成成分で、肌の乾燥を防ぐ働きがあります。また、シアバターには抗炎症作用があるため、肌荒れにも効果的です。そのほか微量ではあるものの、ビタミンAやビタミンD、ビタミンEなどの美容成分が含まれています。
シアバターは顔だけでなく全身に使えるので、日常のさまざまな場面で活躍するでしょう。
シアバターの特徴
シアバターは肌なじみが良く、酸化しにくいのが特徴です。また、刺激が少なく赤ちゃんにも使えます。それぞれ詳しく解説します。
体温で溶けて肌なじみが良い
未精製の天然シアバターの場合、溶けだす温度は人間の体温とほぼ同じ36度です。そのため、肌にシアバターをのせると、ゆっくりと溶けて肌になじみます。シアバターの成分であるステアリン酸やオレイン酸の働きもあり、肌にしっとりとうるおいを与えてくれます。
なお、シアバターは常温下では固形の状態です。そのままでは塗りにくいので、手のひらで温めてクリーム状にしてから伸ばします。特に冬場はシアバターが固いため、スパチュラで適量を手に取った後、ドライヤーやストーブの熱を使って柔らかくしてから塗ると良いでしょう。
酸化しにくい
シアバターにはステアリン酸やオレイン酸が多く含まれており、ほかの植物性油脂よりも酸化しにくいのが特徴です。しかし、下記のように保存状態が悪いと、酸化が進みやすいため注意しましょう。
・容器のフタを閉めるのが不十分で、長時間空気に触れさせてしまう
・直射日光に当ててしまう
シアバターを使った後はしっかりとフタを閉め、日の当たらない場所に保管してください。シアバターは酸化すると、油っぽい匂いになります。匂いが変だと感じた時は、肌に刺激となるおそれがあるため使用は控えましょう。
赤ちゃんから使える
シアバターは肌の成分と似ているため刺激が少なく、赤ちゃんから大人まで使えます。家族全員で使うことも可能です。
また、シアバターは全身に使えます。顔だけでなく唇や手足、かかとや肘など、全身の保湿ケアに活用できるのも魅力です。シアバターが一つあれば、赤ちゃんの保湿クリームから大人のスキンケア、髭剃りケアまで、家族で多岐にわたって使用できます。
精製シアバターと未精製シアバターの違い
シアバターには、精製のものと未精製のものがあります。
精製シアバターは不純物が取り除かれているため、真っ白な色をしています。精製時に美容成分が除去されてしまうのがデメリットですが、肌への刺激が強い成分も取り除かれるため、敏感肌でも使いやすいのが特徴です。
一方、未精製シアバターはクリーム色や薄い茶色をしています。不純物を取り除かずに作られているため、刺激が強い成分も入っていますが、美容成分はそのままです。そのため、高い保湿性や美容効果などが期待できます。
精製と未精製のどちらが良いかは、肌の状態や好みによります。実際に使って比較してみると良いでしょう。
シアバターの注意点やデメリット
シアバターを使うときの注意点や、デメリットについて解説します。
肌荒れの原因になる
シアバターは脂肪酸が多く含まれているため、塗りすぎるとべたつきの原因となります。ターンオーバーが十分に行われなくなるおそれもあるため、適量を塗ることが大切です。肌が乾燥していないときはシアバターを過度に塗らず、べたついたときはティッシュオフをして余分な油分を取り除きましょう。
シアバターが固いままだと肌に塗ったときにムラになりやすいので、手で温めて柔らかくしてから塗るのもポイントです。
匂いが気になる
未精製のシアバターは独特の匂いがするため、苦手な方もいます。乾燥する時期や保湿したい箇所には毎日のように使うため、匂いに抵抗のないものが望ましいでしょう。
精製されたシアバターは、未精製のシアバターよりも匂いが軽減されています。なかには無香料のものや、エッセンシャルオイルで香りづけした商品もあるため、使用場面や好みに応じて使い分けることも可能です。
シアバターの使い方
シアバターは、全身にさまざまな使い方ができるアイテムです。シアバターの使い方や、使う時のコツについて解説します。
ハンドケア
シアバターは、手の保湿ケアやネイルケアに使えます。乾燥しやすい冬場などは、手のひらや指先に塗ることで、しっとりした肌を保つことができます。ネイルケアとして使用するときは、ネイルオイルのように爪の周りになじませましょう。乾燥だけでなく、ささくれを防ぐ効果も期待できます。
また、水仕事の後にその都度シアバターを塗るようにすれば、手が荒れにくくなります。適量のシアバターを塗ればべたつかないので、家事の合間にも気にせず使える点も魅力です。
フェイスケア
洗顔後のスキンケアや、乾燥が気になるときにシアバターを塗りましょう。洗顔してスキンケアをしたあとにシアバターを塗ると、水分の蒸発を防げます。シアバターを塗るときは手に取って温め、クリーム状にしてから肌になじませます。肌をこすらないように、やさしく伸ばして塗るのがポイントです。
皮脂の多い部分はシアバターを少なめにするか、べたつきを防ぐためにティッシュを当てて油分を取り除きます。乾燥が特に気になる部分には、重ね塗りしましょう。肌の状態に合わせて、シアバターの量を調節することが大切です。
リップケア
シアバターは、唇を保湿する役割としても使えます。
唇が乾燥して皮がめくれると、口紅やグロスがきれいに塗れません。こまめにシアバターを塗ることで、唇の保湿ケアに役立ちます。乾燥がひどい場合は、シアバターを塗った上からラップでパックするのも良い方法です。高い保湿効果が期待できます。
また、日中は口紅の下地やリップクリームとして使うと、乾燥を防ぎつつ印象的な口元に仕上げることが可能です。
ヘアケア
シアバターはダメージが出やすい毛先のケアや、髪の艶出し、ワックスなどとしても使えます。ワックスとして使う場合は、シアバターの量に注意しましょう。使用量が多すぎると髪がべたつく原因となります。
髪のケアを目的とした場合は、シャンプー前に使う方法と、シャンプー後に使う方法があります。
シアバターをシャンプーする前の乾いた髪に塗り込むと、髪の保湿だけでなく、シャンプー時の髪の摩擦を減らすのに効果的です。シャンプー後にシアバターをなじませてからドライヤーで髪を乾かすと、髪の水分が逃げにくく、毛先まで保湿できます。
ボディケア
シアバターは全身に使えるため、体の保湿対策に使うことも可能です。お風呂上りにボディクリームとして使うことで、水分が逃げにくくなり乾燥を防げます。足が乾燥しているとストッキングが伝線しやすくなるので、かかとや脛（すね）などのかさつきやすい部分には、より丁寧に塗りましょう。乾燥がひどい場合は、夜だけでなく朝も塗ると効果的です。
また、シアバターは妊婦の方も使うことができるため、日々ケアすることで妊娠線の予防にも役立ちます。
メイク直し
シアバターは、メイクを部分的に落としたいときにも使えます。
綿棒に少量のシアバターを取り、メイクオフしたい箇所を優しくこすると、きれいにメイクが取れます。綿棒を使うことで、油分で摩擦を防ぎながらピンポイントでメイク直しができるので、肌に負担がかかりません。
特に、アイラインやリップラインを引き直す時などに向いています。シアバターの量が多いとメイクがよれやすくなるので、つけすぎないように注意しましょう。
外出時にシアバターと綿棒を持っておくと、マルチに使えて便利です。
シアバターでよくある質問
シアバターでよくある質問をまとめています。シアバターで気になることがある方は、ぜひ参考にしてください。
シアバターの保存方法は？
シアバターは空気に触れないようにフタをしっかり閉めて、冷暗所に保管してください。空気に触れると酸化が進み、劣化が早くなるためです。また、直射日光が当たる場所での保管も避けてください。品質が低下するおそれがあります。夏場で室温が30度以上になるときはシアバターが溶けてしまうため、冷蔵庫で保管するのが良いでしょう。
使用期限はどのくらい？
シアバターの使用期限は商品にもよりますが、シアバターは酸化しにくいため、適切に保管していれば開封後約1年と言われています。とはいえ、使用環境や保管状況によっても使用期限は異なるため、開封後は半年〜1年を目安に使い切りましょう。使用期限を過ぎたものを使うと、肌荒れの原因となる可能性があるため使用しないでください。
また、1年以内であっても、脂っぽい匂いがする場合はシアバターの品質が劣化しているおそれがあります。使い始めた時と比べてシアバターの色や香りが変わったと感じたときは、使用を控えましょう。
口に入れても大丈夫？
シアバターは、生産国では古くから食用としても用いられています。未精製のシアバターを万が一口に入れてしまっても、害になる恐れはありません。リップクリーム代わりに塗ったシアバターをうっかりなめてしまった時も、大丈夫です。しかし、酸化が進んで品質が低下したシアバターを口に入れるのは止めましょう。
子どもがシアバターをなめてしまった、多めに口に入ってしまったなど心配なことがある場合は、購入先に問い合わせてください。
シアバターが固くて使いにくい
シアバターが固い場合、スパナチュラや清潔なスプーンなどで取ってから使用するのが良いでしょう。手に取ったシアバターはそのままでは塗りにくいので、手で温めてクリーム状にしてから肌に伸ばします。シアバターを柔らかくしてから肌に塗ることで、摩擦が軽減されるだけでなく、均一に塗ることもできます。
また、シアバターは冬場は寒さでより固くなりやすいため、あらかじめ暖かい部屋に置いておくのも良い方法です。シアバターが柔らかくなり、手に取りやすくなります。
日焼け止め効果はある？
シアバターには日焼けを防止する成分が入っていますが、日焼けを完全に防ぐことは期待できません。帽子や日傘、サングラスなどを併用して紫外線対策を行いましょう。
なお、日焼けした後の肌にはシアバターは向いています。日焼け後は肌の水分が失われ、炎症が起きている状態です。シアバターの持つ保湿効果や抗炎症作用、抗酸化作用により、日焼け後の肌を整える効果が期待できます。
保湿の万能選手シアバターで全身に潤いを
シアバターは保湿性に優れており、全身に使える植物性油脂です。顔や唇、体や髪のケア、メイク直しなど、さまざまな用途に使えます。また、赤ちゃんから大人まで使うことができるため、ご家庭に一つあれば重宝するアイテムです。敏感肌の方や独特の匂いが苦手な方は、精製シアバターや無香料のものを試すなど、自分に合ったものを選ぶと良いでしょう。シアバターをまだ使ったことのない方は、この機会に試してみてはいかがでしょうか。
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