角質ケアで人気の美容成分マンデル酸(杏仁酸)とは?
マンデル酸は杏仁酸とも呼ばれており、角質ケアに効果的な成分として知られています。 ピーリングに使うために、マンデル酸を導入しているクリニックも多いようです。 日本ではまだ知名度が低く、初めて聞いたという方も多いでしょう。 今回は、マンデル酸について基本情報や効果などについて解説します。
今回、マンデル酸(杏仁酸)について教えてくれたのは
薬剤師 月岡忍さん
現役薬剤師、2児の母。総合病院、薬局、治験業務(CRA)を経験。服薬指導や患者向け勉強会を行う中で、食事や生活習慣の見直しをすることなく薬さえ飲めばどうにかなると考える人が多いことに疑問を感じる。その一方、我が子がアレルギー体質のため、食の見直しや民間療法も学ぶ。そこで様々な考えの人に出会い、薬を否定し民間療法に偏りすぎることにも懸念を抱く。インターネットの普及以外に、医師と患者双方のコミュニケーション不足が薬否定に走る要因と考え、薬剤師として何が出来るのかを模索する。薬の知識もあり、勉強会を行っているからこそ相談したいという問い合わせが増えている。現在、薬剤師をする傍ら、講師業や健康的な身体作りのサポートを行っている。
マンデル酸とは
マンデル酸は、ビターアーモンドから抽出される植物由来の成分であり、ピーリングにも使われるα‐ヒドロキシ酸(AHA)の一種。 杏仁酸(アーモンド酸)とも呼ばれ、低刺激ながらも肌のサイクルをサポートし、古い角質を溶かして黒ずみや毛穴詰まりに効果的です。
マンデル酸の種類
化粧品に使用されるα‐ヒドロキシ酸(AHA)には以下に5種類あります。
それぞれの成分名と配合目的は以下の通りです。
・グリコール酸・・・コルネオデスモソーム分解促進による角質剥離作用
・乳酸・・・収れん、酸性によるpH調整・pH緩衝
・リンゴ酸・・・酸性によるpH調整
・酒石酸・・・酸性によるpH調整・収れん
・クエン酸・・・酸性によるpH調整・pH緩衝・収れん
分子量が小さいグリコール酸は、低濃度でも角層へ素早く浸透するため、角質剥離を目的をする製品では頻繁に使われています。
一方マンデル酸は、分子量が大きいものの、脂溶性のため浸透しやすいのが特徴です。
じっくり時間をかけて角層へ浸透します。
マンデル酸の効果
α‐ヒドロキシ酸(AHA)の一種であるマンデル酸には、以下のような肌を整える効果があります。
・肌をなめらかにする
・ツヤを与える
・皮膚に潤いを与える
・肌を引き締める
α‐ヒドロキシ酸(AHA)が配合されている洗顔を使うと、顔全体の古い角質がはがれ落ち、健康的な肌を維持できるでしょう。
同時に毛穴の汚れも落とせるため、キメの整った柔らかな肌を目指すのに効果的です。
このように角質ケアに優れた効果が期待できるα‐ヒドロキシ酸(AHA)は、拭き取り用のローションやパック、ピーリング効果のある美容液などに含まれています。
また、ダーマペン専用のピーリング剤であるウーバーピールにも、マンデル酸は含まれています。
肌サイクルを整えて、ニキビや汚れによるくすみに効果が期待できるでしょう。
ウーバーピール ニキビ、色素沈着の救世主!低刺激性ピーリングで肌質改善
使用する際の注意点
マンデル酸は、基本的に肌全体で使用できる成分です。 しかし、皮膚の状態や使うタイミングによっては、肌トラブルが起こる可能性もあります。 ここでは、マンデル酸を使用する際に注意すべき点について解説しましょう。
他ピーリング製品と併用しない
マンデル酸と他のピーリング製品の併用は、肌への負担が大きいため併用しないように注意喚起しているメーカーもあります。 肌への刺激に配慮した製品であっても、酸による肌への負担は注意すべき点です。
使用後は紫外線対策をおこなう
マンデル酸を使った後は、紫外線対策を欠かさずにおこないましょう。 マンデル酸によって角質が剥がれた肌は、非常に敏感な状態のため、太陽光によるダメージを受けやすくなっています。 メーカーによっては、夜のみの使用に限定しているケースもあるほど。 朝もマンデル酸を含む製品を使う場合は、必ず日焼け止めクリームを塗りましょう。 紫外線は、季節問わず一年中降り注いでいるため、注意が必要です。</b.
皮膚が薄い部分への使用は避ける
マンデル酸を使用する際は、目元や口元など皮膚が薄く敏感な部分は避けましょう。 皮膚の薄い部分には、マンデル酸の刺激は強すぎるため、肌トラブルへ繋がる可能性があります。 また敏感肌の方は、化粧水でしっかり肌を潤してから使うと、肌への刺激を緩和できるでしょう。
肌の様子を見ながら少しずつ使う
マンデル酸を使用する際は、肌の様子を注意深く観察することが大切です。
特に初めて使う場合は、パッチテストをしたり少量だけ使ったりして、肌に異常が起こらないか注意しましょう。
マンデル酸の濃度が高い製品は、刺激も強くなるため、腫れや痛みなどの症状が出る可能性もあります。
肌に異常を感じたらすぐに使用を止め、それでも症状が改善されないようなら病院やクリニックを受診しましょう。
よく併用される3つの成分
ここでは、マンデル酸とよく併用される成分3つについて解説します。
セラミド
セラミドには、高い保湿力とバリア機能をサポートする効果があります。角質を除去した後の敏感な肌をしっとり潤し、バリア機能を高めてくれるでしょう。
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βグルカン
βグルカンは、高い保湿力とコラーゲンの生成を促進する作用があります。コラーゲンの生成を促すことで、肌の抵抗力を高め皮膚のコンディションを整えられるでしょう。
パンテノール
パンテノールは、水溶性ビタミンの一種であり、プロビタミンB5とも呼ばれています。抗炎症効果により、肌荒れ予防や改善に効果が期待できるでしょう。