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【医師監修】ニキビにはビタミンが効果的って本当?理由や副作用について解説!

いつの間にかポツンとできているニキビ。一度できてしまったニキビを治すには手間や時間がかかってしまいます。繰り返しできるニキビには、適切なケアでできるだけ予防していきたいですよね。

様々なニキビ対策の中でも「ニキビにはビタミン剤が効果的」と言われています。しかし、ビタミン剤は本当に効果があるのでしょうか?

この記事では医師の宇井先生に監修いただき、ニキビにはビタミン剤が本当に効果的なのかについて、「治療ガイドライン」を元に紹介します。さらに、ビタミンの副作用や効果についても紹介していきます。

監修者

やさしい美容皮膚科・皮フ科
秋葉原院 院長


医師 宇井 千穂 先生

準ミス日本受賞。全日空客室乗務員を経て、北里大学医学部を卒業し、皮膚科医、美容皮膚科医として勤務。
web雑誌での連載やサプリメント、化粧品の監修など、多方面で活躍中。

※監修者は「選び方」について監修・制作をおこなっています。
※掲載商品は選び方で記載した効果・効能があることを保証したものではありません。ご購入にあたっては、各商品に記載されている内容・商品説明をご確認ください。

ニキビの種類

ニキビには様々な種類があり、それぞれ状態が異なります。種類別に詳しく紹介していきます。

白ニキビ

白ニキビは毛穴に皮脂が詰まった状態です。肌内部ではアクネ菌が増え始め、肌表面から見るとポツンと盛り上がったように見えます。

黒ニキビ

白ニキビが酸化した状態が黒ニキビです。毛穴に古い角質や皮脂が詰まり、空気に触れて酸化することで黒く見えます。

赤ニキビ

白ニキビや黒ニキビがさらに悪化することにより、赤く炎症が起きているのが赤ニキビです。肌内部ではアクネ菌が増殖している状態です。

黄ニキビ

赤ニキビがさらに進み、化膿しているのが黄ニキビです。多くの場合、黄ニキビになると炎症が治まった後も赤みやシミのような跡、クレーターのような凹みが残ってしまう場合があります。

ニキビの原因

ニキビの主な原因は、以下の4つに分けられます。自分のお肌状態と照らし合わせて、一緒に原因を探っていきましょう。

過剰な皮脂分泌

過剰な皮脂が毛穴に詰まってしまうことが原因でニキビが発生してしまいます。

特に額、鼻周りなどのTゾーンにできやすく、10代にできやすい特徴があります。もともと脂っぽい肌質の方や、油分の多い食生活などにより、皮脂分泌が過剰になってしまいます。

また、仕事や人間関係などの過度なストレスによって皮脂腺が刺激されることで、肌が脂っぽくなってしまうケースもあります。
その結果、皮脂を栄養源にしている「アクネ菌」が増殖し、炎症を起こすことでニキビが発生してしまいます。

乾燥

ニキビは乾燥によっても発生します。 頬、顎などのUゾーンに繰り返しできやすく、大人ニキビとも呼ばれています。

乾燥により肌のターンオーバーが乱れることで、古くなった角質が毛穴をふさいでしまうことが原因です。その結果、ふさがれた毛穴に菌が増殖することでニキビになってしまいます。

ニキビには皮脂対策が重要と思われがちですが、大人ニキビはしっかり保湿をして肌を乾燥から防ぐことが必要です。

不規則な生活習慣

ニキビは睡眠不足や過度なストレス、不規則な食生活によっても発生してしまいます。

特に、成長ホルモンが多く分泌される22時~深夜2時の時間帯は肌細胞が活性化されます。この時間帯に良質な睡眠ができない日が続くとますます肌荒れが悪化し、ニキビができやすい環境になってしまいます。

また、できているニキビが悪化する原因にもなるので、注意しましょう。

ホルモンバランスの乱れ

ホルモンバランスの乱れによってもニキビはできやすくなります。特に思春期や女性の生理周期にはホルモンバランスが変わり、皮脂の分泌が高まります。

体内には、性別に関係なく男性ホルモンと女性ホルモンの両方があります。生理前には活発になる男性ホルモンは、皮脂の分泌を促す働きがあります。

さらに、⻩体ホルモンも活発になり、毛穴周辺の皮膚が厚くなります。その結果毛穴が詰まりやすくなり、ニキビができやすくなります。

また、ホルモンバランスが乱れることで肌の状態はどんどん不安定になり、敏感肌の原因にもなります。

ニキビにはビタミン剤が効果的?

「ニキビにはビタミン剤が効果的」と言われてますが、実際のところ本当なのでしょうか?
医療現場において適切な診断・治療をするために、最新情報を専門家が分かりやすくまとめた「治療ガイドライン」の情報を元に紹介します。

日本皮膚科学会のニキビ治療ガイドライン2017によると、「ニキビに対するビタミン剤の内服を推奨はしない」と明記されています。
ビタミン不足がニキビの直接的な原因ではないことからも、ニキビにはビタミン剤が効果的と言えないことが分かります。

しかし、「ビタミン剤を服用したらニキビが治った経験がある」という方も中にはいらっしゃるかもしれません。そこで、次の章でニキビに効果的と噂されている理由を深掘りしてご紹介します。

ビタミン剤がニキビ・ニキビ跡に効果的といわれる理由

ビタミン剤の内服は推奨しないと考えられているものの、なぜニキビ・ニキビ跡にビタミン剤が効果的と言われることがあるのでしょうか?

ほとんどのニキビはビタミン剤を服用してもしなくても時間が経てば自然と治っていくものです。
ビタミン剤に美肌効果があっても、ニキビ・ニキビ跡に直接働きかける訳ではありません。

例えば、ビタミンCは過剰な皮脂を抑制するなどの働きがあるため、間接的にケアすることはできます。ただし、ビタミンCがニキビに直接働きかける訳ではないので、注意しましょう。

ビタミンに期待できる効果

「ビタミン剤がニキビに効果的」とは言えないものの、ビタミン自体には様々な効果が期待できます。ニキビを治すことを目的として服用するのではなく、以下のような効果を期待して使用することはおすすめできます。

ここでは、ビタミンにはどのような効果が期待できるのか、具体的な効果を以下の3つにまとめて詳しく紹介します

美肌効果

ビタミンにはターンオーバーを活性化する働きがあります。

ターンオーバーは古い皮膚が垢となって剥がれ落ち、新しい皮膚へと入れ替わるため、美しい肌に近づくことができます。新しい皮膚に入れ替わると角質層のキメが整い、肌に自然なツヤが出てきます。

ビタミンは美肌づくりを助けてくれる成分なので、肌を綺麗に保ちたい方の⼼強い味⽅です。

しみ、くすみ予防

しみ、くすみを予防するためには、メラニンの過剰な生成を抑えることがとても重要です。ビタミンの中でもビタミンCはメラニンの生成を抑える働きがあり、しみやくすみを予防し透明感のある肌に導きます。

また、ターンオーバーを正常化する働きもあるため、古い皮膚が排出されることによりシミやそばかすの抑制につながります。

肌のバリア機能を高める

美肌を保つためには、バリア機能を健やかに保つことが重要です。

ビタミンは皮膚や粘膜のバリア機能を高め、健やかに保つことができます。 皮膚は身体の外側にあり、紫外線などさまざまな刺激から守っています。空気の乾燥や大気汚染などの刺激は肌荒れの原因になります。

肌の潤いは、肌のバリア機能によって保たれています。肌がカサカサして乾燥するのは肌内部の水分が失われることで、バリア機能が低下している状態です。

肌のバリア機能が保たれることにより乾燥肌を防ぐことにもつながります。

ビタミン剤の安全性や副作用は?

ビタミンの安全性は高く、副作用に対して過剰に心配する必要はないと考えられています。

ただし、場合によっては副作用が起こる可能性もあります。
過剰に摂取しすぎた場合は、腹痛や吐き気、下痢など消化器官の不調があるケースが報告されています。

また、腎臓の働きが慢性的に低下していく慢性腎臓病患者の方は、腎蓚酸結石のリスクが高まることが指摘されているため注意が必要です。

摂取するのに不安がある方は、医師に相談してから使用するようにしましょう。

ビタミンを味方につけて健やかな肌を目指そう

不安定な肌にアプローチし、肌を健やかな状態へと導いてくれるビタミン。
ニキビに対してビタミンの使用は推奨されていないものの、美肌効果は期待できます。ビタミンを服用するときには、用法容量を守り、過剰摂取はしないように気をつけましょう。

また、ニキビでお困りの方は信頼できる皮膚医がいるクリニックでお気軽にご相談ください。美肌を叶えるために、悩みに合わせて上手にビタミンを取り入れていきましょう。

【参考文献】
・日本皮膚科学会 ニキビ治療ガイドライン2017
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/acne_guideline2017.pdf

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