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ハトムギエキス いぼや乾燥肌に効果的?副作用や取り入れ方も解説

「ハトムギ茶」として広く知られるハトムギ。
高タンパクで食物繊維やミネラル、アミノ酸などを豊富に含むため、美容と健康に良い穀物として昔から親しまれてきました。
さらに近年では、多くの美容効果が期待できるハトムギエキスを配合した化粧品・サプリメントも注目を集めています。

この記事では、ハトムギの効果や安全性について、詳しく解説します。

ハトムギとは

まずは、ハトムギについてご説明します。

ハトムギとは

ハトムギは、名前に“ムギ”とつくことから麦の仲間だと思われがちですが、実は南アジアを原産とするイネ科ジュズダマ属の植物です。

以下の文部科学省食品データベースからも分かるように、ハトムギは米と類似した栄養組成をしており、タンパク質だけは米のほぼ 2倍量含有しています*¹。

・精白米(100g)
エネルギー356 Kcal、水分 15.5g、タンパク質 6.1g、脂質 0.9g、炭水化物 77.1g、灰分 0.4g、

・ハトムギ精白粒(100g)
エネルギー360 Kcal、水分 13.0g、タンパク質 13.3g、脂質 1.3g、炭水化物 72.2g、灰分 0.2g

さらに、ビタミンB1・B2やアミノ酸、そのほか、からだの免疫力を高める亜鉛、血圧を下げる作用のあるカリウム、血液の構成成分であるといったミネラルも豊富に含みます。

ハトムギは、一番外側が固い殻で覆われており、次に薄皮、渋皮、子実の順で構成されています。通常、ハトムギを食品として摂取する場合は、渋皮までを脱穀して子実を精製した“精白粒”が利用されます。
しかしハトムギの殻にも豊富な栄養分が含まれていることから、一般にハトムギ茶は殻付きのまま全粒を焙煎して作られていることが多いです。

ハトムギとヨクイニンとの違いについて

ヨクイニンは、ハトムギの子実を乾燥させたもので、「日本薬局方」でも認められている医薬品です。中国最古の薬物書『神農本草経』にも収載されており、古くからイボや肌荒れにすぐれた効能のある生薬・漢方薬として用いられてきた歴史があります。

ハトムギエキスについて

一般にハトムギエキスと呼ばれるものは、ハトムギ種子エキスをさします。 ハトムギの種皮を取り除いた種子(子実)から水・エタノールで抽出して得られるエキスです。

さらに近年では、各企業が工夫を凝らし、ハトムギに含まれる有用成分をより多く抽出したエキスも開発されています。

例えば、外殻も含めた全粒のままエキス化したハトムギ全粒熱水抽出エキス(ハトムギCRDエキス)や、水やアルコール等に代えて超臨界二酸化炭素(CO2)で抽出したハトムギ超臨界CO2エキスなどがあります。

ハトムギの効果

豊富な栄養素が含まれるハトムギには、以下のようなさまざまな効果が期待できます。

肌への効果

イボを取る

江戸末期の書物『経験千万』にはすでに「イボをとるには、ハトムギのお茶を飲むとよい」と記載されているほど、日本においても長きにわたりイボの治療に用いられてきました。

現在でも、漢方薬のヨクイニンは、ヒトパピローマウイルスの感染を原因とするイボに対して保険適用が認められています。

ヨクイニンは免疫細胞に働きかけて、抗ウイルス作用を示すことで、イボを取る効果があることが分かっています*²。そのためウイルスが関与しない老人性のイボ(脂漏性角化症)には効果が認められません*³。

肌の乾燥を防いで健康な肌へと導く

肌の角質層には、主にアミノ酸から構成される天然保湿因子(NMF)が存在し、肌の水分を保持する働きがあります。この天然保湿因子は、フィラグリンというタンパク質が酵素に分解されることによって生成します。

ハトムギ種子エキスには、フィラグリンの産生を活性化することで肌の天然保湿因子を増やし、肌にうるおいを与える作用があることが分かっています*⁴。

実際にアトピー性皮膚炎の方や老人性乾皮症の方の皮膚では、角質層中のアミノ酸とフィラグリンの量が低下していることが報告されており、ハトムギによってフィラグリンの産生量を増やすことで肌の保湿機能を高めて、健康な肌に導く効果が期待できます。

肌のターンオーバーを促しニキビや肌荒れを防ぐ

ハトムギにはコイクセノライドという特有の成分が含まれています。コイクセノライドには、肌のターンオーバーを促進することで、古い角質を自然に取り除きニキビや肌荒れの発症を予防する作用をもちます。

また、ハトムギには健康な肌を作るのには欠かせないビタミンB群やタンパク質、カリウムのほか、ゲルマニウムという新陳代謝を促進したり免疫機能を高めたりするミネラル成分も含まれています。

健康な肌細胞が作られ、ターンオーバーが活性化されることで、肌のくすみの改善やニキビ跡が薄くなるなどの美白効果も期待できるでしょう。

健康への効果

デトックス効果

余分な水分や老廃物がからだの中に蓄積すると、血液の循環が滞って、むくみや冷え、疲労感を引き起こします。

​ハトムギには、尿の排泄を促進して余分な水分や老廃物を排出するデトックス効果があります。また、食物繊維を豊富に含むため、大腸に働きかけて便秘を改善する効果も期待できます。

ダイエット効果

余分な水分や老廃物が排出されることにより代謝の改善が期待できます。

また、ハトムギに含まれる9-ヒドロキシ-オクタデカン酸には脂質代謝を促進して肥満を防ぐ作用があります。さらに細胞へのグルコースの取り込みを促すことにより、血糖値の急激な上昇を抑える効果もあります。

抗アレルギー作用

ハトムギには、アレルギー症状を引き起こすヒスタミンや炎症物質であるTNF-αの働きを抑える作用があります。

そのため、アトピー性皮膚炎などのアレルギー性炎症や花粉やハウスダストなどによるアレルギー症状を改善する効果が期待できます。

抗がん作用

ハトムギには異常増殖するがん細胞のアポトーシス(細胞死)を誘導することで、抗がん作用をもつことが報告されています。

実際に、中国ではハトムギ子実由来の抗癌注射薬である Kanglaite 注射剤が開発されており、アメリカでも複数の臨床試験が報告されています*⁵。

効率的な取り入れ方

ハトムギには、以下のようにスキンケア製品から摂取する方法と食事から摂取する方法があります。

化粧品から摂取

化粧品では「ハトムギ種子エキス」、医薬部外品では「ヨクイニンエキス」という表示名称で記載されている製品を選びます。
近年、SDGsへの取り組みもあり、天然由来成分であるハトムギエキスを配合した化粧品は注目を集めています。化粧水や乳液などのスキンケア製品、ヘアトリートメント製品、クレンジング製品、洗顔料、メイク用品など、さまざまな製品に使用されています。

食事から摂取

市販のハトムギをごはんと一緒に炊いたり、牛乳をかけてシリアルにして食べたりする方法があります。
また、ノンカフェインでミネラルが豊富なハトムギ茶は、小さな子どもからお年寄りまで飲むことができる健康茶です。
ハトムギ茶を家で作る場合は、製品や煮だす時間によっても味や抽出される成分量が異なるので、色々試してみると良いでしょう。
例えば、水1Lに5〜10gのハトムギを入れて沸騰後、弱火で20分以上煮詰めるなどの方法があります6)。

サプリメントから摂取

栄養価の高いハトムギは、ハトムギエキスとして多くのメーカーからサプリメントが販売されています。
1粒に含まれるハトムギエキスの量は製品によって異なるため、服用上の注意を守って取り入れるようにしましょう。

副作用はあるの?

塗る場合

スキンケアとして肌から取り入れた場合のハトムギの大きな副作用については、現時点では報告されていません。
抗アレルギー作用をもつハトムギは、比較的アレルギー症状が出にくい成分であると考えられています。
しかし、イネ科の植物アレルギーがある方は念のため使用を避けた方が良いこと、製品を使用する前にはパッチテストをして問題ないかを確認した方が良いでしょう。

飲む場合

ヨクイニンの漢方薬では、まれに胃部不快感や下痢、発疹・発赤、じんましんなどの症状が起こることが報告されています。
また、ハトムギには子宮収縮を促進する作用が報告されているため、妊娠中の過剰な摂取は避けた方が安全です。
お茶やシリアルなどの食品から摂取する場合は問題ありませんが、サプリメントや高濃度に抽出したハトムギ茶を妊娠中に常用することはやめましょう。

ハトムギを取り入れて健康的な毎日を!

ハトムギが含む豊富な栄養素には、肌のターンオーバーを促して、古い角質を排出し、肌荒れやくすみ、乾燥を改善する効果があります。

デトックス効果やダイエット効果も期待できるハトムギは、お茶やシリアルなど多くの健康食品にも配合され、日常的に取り入れやすい成分です。

さまざまな健康・美容効果のあるハトムギを普段の食生活やスキンケアに取り入れてみるのはいかがでしょうか。

【参考文献】
1)鈴木 信孝,殻付ハトムギ熱水抽出物(CRD)の研究開発
http://www.jcam-net.jp/data/pdf/17018.pdf
2)鈴木 信孝,ハトムギの食品としての有用性と機能性,特産種苗第3号,20-24
https://www.tokusanshubyo.or.jp/jouhoushi03/j03-09.pdf
3)林 伸和,川端 康浩(2018),ヨクイニンの脂漏性角化症(老人性疣贅)に対する有効性の文献的検討,日臨皮会誌35(1)063-067
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jocd/35/1/35_63/_pdf/-char/ja
4)日本メナード化粧品株式会社(2006)「NMF産生促進剤」特開200
6-124350. https://www.j-platpat.inpit.go.jp/p0200
5)滝本裕子ほか(2013),ハトムギ Coix lachryma-jobi L. var. ma-yuen Stapf の有用成分に関する研究, 日本補完代替医療学会誌10(2)69–74
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcam/10/2/10_69/_pdf
6)クラシエの漢方ホームページ:潤い肌、ツヤ肌はカラダの内側から作る!乾燥肌におすすめ「ハトムギ」の摂り方
https://www.kracie.co.jp/kampo/kampofullife/beauty/?p=5066

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