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医療脱毛どう選べばいい?脱毛の種類や選ぶポイント

医療脱毛に使われている機械は種類によって、向いている部位や施術の痛み等が異なります。「自分に合う機器はどれだろう?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、医療脱毛の機械の選び方ついて、照射の方式やレーザーの種類と併せて解説します。産毛向けや剛毛向け、日焼け肌向け等、目的に合う機械選びや、効果的な機械のあるクリニック探しの参考にしてください。

医療脱毛の機械に使用されている方法は2種類

医療脱毛は、レーザーを照射して毛を作り出す細胞へダメージを与え、半永久的に毛を生えないようにする施術です。レーザーの照射方法は、蓄熱式と熱破壊式の2種類です。

蓄熱式は毛を包んでいる皮膚(毛包)へ熱を与え、発毛の司令塔であるバルジ領域を破壊する方法です。これに対し熱破壊式はショット式とも呼ばれており、毛根へ強いレーザーを当てて発毛組織を破壊します。

これまでに「蓄熱式より熱破壊式のほうが効果的」という評判を目にしたことのある方もいるのではないでしょうか。しかし実際は、2種類の方式の間に大きな優劣は確認されていません。

蓄熱式より熱破壊式のほうが効果的という説がある理由は、施術後の脱毛の経過が異なるためだと考えられます。蓄熱式は照射から脱毛までにタイムラグがあり、施術から約3~4週間後に毛が抜けおち、その後徐々に毛が細くなっていくというのが特徴です。

熱破壊式の場合、施術から脱毛までは数日〜1週間程度のため、蓄熱式よりも早く効果を実感できます。そのため、熱破壊式のほうがすぐ「効果があった」と感じやすいのですが、脱毛効果そのものには大きな差はありません。

蓄熱式|痛みがマイルドでお肌に優しい

蓄熱式は熱破壊式よりも低出力で脱毛するため、痛みがマイルドなのがメリットです。毛包へ熱を与え、バルジ領域にダメージを与えるため、メラニン色素が少ない産毛にも効果を発揮します。

デメリットは前章で触れたように、効果の実感まで少し時間がかかることです。熱破壊式よりも低出力で、じんわりと熱を与えて脱毛するため、即効性はありません。

熱破壊式|毛根を破壊するから即効性あり

熱破壊式は、蓄熱式よりも高出力のレーザーを毛根まで照射して破壊する方式です。照射した時点で毛根を破壊できるため、蓄熱式よりも早く効果を実感できます。

ただし人によっては、輪ゴムで弾かれたような痛みがあるかもしれません。感じ方には個人差がありますが、痛みが心配な方は麻酔を使ってもらえるかどうかを相談しましょう。

熱破壊式には、産毛のようなメラニン色素の薄い毛への脱毛効果が薄いというデメリットもあります。

医療脱毛の機械に使用されるレーザーは3種類

医療脱毛の機械の違いは、照射の方式だけではありません。レーザーの種類によっても脱毛の特徴が異なります。2種類のレーザーを組み合わせ、それぞれの特徴を活かして脱毛できるクリニックもあるため、まずはここでレーザーの違いを確認しておきましょう。

特に大きな違いは波長です。波長が短いと肌の表面に、長いと肌の深部にアプローチします。

アレキサンドライトレーザー ダイオードレーザー ヤグレーザー
波長 755nm 800~940nm 1064nm
得意な部位 ヒゲ、VIO 顔等の産毛 脇毛、ヒゲ、VIO、産毛
脱毛効果 高い 普通 高い
痛みの強さ やや弱い 弱い 非常に強い
特徴 肌の浅い部分へ照射する どのような毛質や肌色でも施術しやすい 日焼け肌や色素沈着があっても施術可
デメリット ・日焼け肌や色素沈着があると施術不可
・毛根が深い位置にある毛や産毛には反応しにくい
・白髪は不可
・剛毛には他のレーザーよりも効果が弱い
・他のレーザーよりも痛みが強い

アレキサンドライトレーザー|ヒゲやVIOなどの濃くて太い毛に

アレキサンドライトレーザーは、3種類のうちもっとも波長が短いレーザーです。毛に含まれるメラニン色素に反応する特殊なレーザーで、毛に栄養を送る毛乳頭や毛包を破壊します。肌の色が薄く、毛の色は濃いアジア人の肌質に合う医療脱毛レーザーです。

ダイオードレーザー|産毛や顔などの細い毛に

3種類のうち中間の波長で、どんな毛質・肌質の方でも脱毛しやすい医療脱毛レーザーが、ダイオードレーザーです。痛みがマイルドという特徴もあります。様々な産毛にバランスよくアプローチできるため、他のレーザーでは処理しにくい産毛や細い毛もケアできます。

ヤグレーザー|色黒肌や日焼け肌でもOK◎

ヤグレーザーはもっとも波長が長い医療脱毛レーザーです。肌の奥のメラニン色素に反応するため、表面のメラニン色素には反応しにくい特徴があります。そのため、他のレーザーでは対応できなかった色黒の方や、日焼けをしている方でも、脱毛可能です。

目的別による脱毛機械の選び方

医療脱毛の機械は、機種によって得意とする分野が異なります。導入している脱毛機械は、公式サイトで確認できるクリニックも増えてきました。

クリニック選びの際は、ご自身の脱毛の目的に合う機械が導入されているかどうかも確認してみてはいかがでしょうか。ここで、おすすめの脱毛機械を目的別に紹介します。

▼目的別|脱毛機械早見表

脇、VIO、ヒゲなどの剛毛 産毛や細毛 痛みが少ない 色黒、日焼け肌 短期間、短時間の施術
蓄熱式 ・ソプラノチタニウム
・ソプラノアイスプラチナム
・ヴィーナスワン
・ヴィーナスヴェロシティ
・ソプラノチタニウム
・ソプラノアイスプラチナム
・メディオスターネクストプロ
・ヴィーナスワン
・ソプラノチタニウム
・メディオスターネクストプロ
・ヴィーナスワン
・ヴィーナスヴェロシティ
・ソプラノアイスプラチナム
・ソプラノチタニウム
・ヴィーナスワン
・ソプラノアイスプラチナム
・ソプラノチタニウム
熱破壊式 ・ライトシェアデュエット
・ジェントルレーズプロ
・ジェントルマックスプロ
・スプレンダーX
・エリート+
・エリートiQ
・Xeo
・ライトシェアデュエット
・クラリティツイン
・ライトシェアデュエット
・ライトシェアクワトロ
・ライトシェアデザイア
・クラリティツイン
・サンダーMT
・エクセルHR
・エリート+
・エリートiQ
・Xeo
・ライトシェアデュエット
・ジェントルヤグプロ
・スプレンダーX
・サンダーMT
熱破壊式⇔蓄熱式 切り替え可 ・メディオスターモノリス
・ラシャ
・メディオスターモノリス
・クリスタルプロ
・ラシャ
・メディオスターモノリス
・クリスタルプロ
・メディオスターモノリス
・ジェントルレーズプロ

脇やヒゲ、VIOの硬くて濃い毛の脱毛に向いている機械

「スプレンダーX」
・方式:熱破壊式
・レーザー:アレキサンドライト、ヤグ

脇や男性のヒゲ、VIOなどの剛毛には、2022年1月に承認を取得した医療脱毛機器スプレンダーXが向いています。

スプレンダーXの最大の特徴は、アレキサンドライトレーザーとヤグレーザーを同時に照射できることです。従来の医療脱毛機械は、複数のレーザーの使い分けは可能でも、同時照射は不可能でした。この機械は目的によってレーザーを切り替える必要がありません。

顔や腕、背中などの細い産毛に向いている機械

「クラリティツイン」
・方式:熱破壊方式
・レーザー:アレキサンドライト、ヤグ

クラリティツインには、アレキサンドライトレーザーとヤグレーザーが搭載されているため、使い分けることでそれぞれの短所を補って脱毛できます。

メラニン色素が反応しにくい細い産毛には、クラリティツインのロングパルスヤグレーザーが効果的です。医療脱毛だけでなく、シミ、くすみ、たるみ、毛穴等の様々な肌悩みの治療にも使える特徴もあります。

即効性はないが痛みが少ない脱毛機械

「ライトシェアデュエット」
・方式:熱破壊式
・レーザー:ダイオード

ライトシェアデュエットは、ダイオードレーザー搭載の医療脱毛機械です。他のレーザーよりも即効性は低いものの、施術時の痛みは強くありません。痛みが苦手な方はもちろん、肌が弱い方にも向いています。

吸引機能もライトシェアデュエットの特徴です。肌を吸い寄せると照射口と毛包が近づくため、出力を上げずとも効果的に毛包へ照射できます。

色黒、日焼けしていても脱毛できる機械

「ラ・フィール」
・方式:熱破壊式
・レーザー:ダイオード

ラ・フィーユはダイオードレーザーで脱毛する機械です。日本では薬事承認はされていません。肌の色が黒めな方や日焼けしている方でも施術しやすいという特徴があります。

一度に高出力のレーザーを照射せず、数回に分けて熱を入れるのもラ・フィールの特徴です。施術に冷却が必要なく、痛みがあまりない上、1回の施術が短時間で済みます。

短期間で脱毛したい人に向いている機械

「ジェントルヤグプロ」
・方式:熱破壊式
・レーザー:ヤグ

ジェントルヤグ・プロは、ヤグレーザーを搭載した医療脱毛機器です。アメリカFDAはもちろん、国内でも厚生労働省に承認されています。

こちらの機械は1秒間に2ショット照射できるスピードが特徴です。剛毛に効果的なため、なかなか抜けきれなかった毛もスムーズに脱毛できます。

医療脱毛のダウンタイムは?

医療脱毛は他の美容医療施術と比べると、肌への負担が軽いため、ダウンタイムがほとんどありません。毛のメラニン色素へレーザーを照射する施術のため、肌そのものにはダメージが少ないのです。

もし赤みが出たとしても、通常は長くて2~3日で元の状態に戻ります。

ただし、脱毛後の肌は乾燥し、敏感になっています。施術当日は入浴を避け、シャワーで済ませましょう。肌トラブルを避けるには、スキンケアをおこなって入念に保湿することも大切です。外出時は日焼け止めを塗るなどの紫外線対策をしましょう。

脱毛にかかる期間と回数

脱毛が完了するまでの期間や回数は、施術部位や施術の間隔によって異なりますが、目安は1年~1年半、回数は5~6回です。

そもそも毛は、休止期、成長期、退行期というサイクルで生まれ変わっています。この中で医療脱毛が効果を発揮する時期は、成長期のみです。

毛の生えるタイミングは1本1本異なり、成長期の毛は全体の約20%に過ぎません。このことから全体の脱毛を済ませるには、少なくとも5回の施術が必要であると考えられます。

さらに毛が生まれ変わりのサイクルを1周するには、2~3ヶ月かかります。これを5回おこなうとすると、すべて完了するまでの目安は1年~1年半です。

医療脱毛とエステ脱毛の違いは?

医療脱毛とエステ脱毛の大きな違いは、使用される機械です。医療脱毛で使用するのは、出力の高い医療脱毛用のレーザー機器です。医療機関にしか使用が許可されておらず、医師の監督のもとで看護師が施術します。エステでは使用できません。

エステ脱毛の機械の特徴は、医療脱毛の機械よりも出力が弱いことです。脱毛というよりも減毛や抑毛に近く、施術回数が増える傾向にあります。サロン通いを止めたら毛が生える可能性も高いでしょう。

費用は医療脱毛のほうが高額ですが、短期間で施術が済むため、トータルの費用を考えるとサロンよりも安いケースがあります。

医療脱毛のリスクについて

医療脱毛は安全性が高い美容医療のひとつですが、リスクが無いわけではありません。やけどや炎症等の肌トラブルが発生する可能性があります。

そもそも医療脱毛のレーザーは熱によって毛の組織を破壊する仕組みです。そのため施術後の肌は、軽くやけどした状態になっています。肌がデリケートな方は強い炎症が出てしまうかもしれません。

毛嚢炎も、医療脱毛によって起こる可能性のある肌トラブルです。毛穴の奥に細菌が入り、炎症が起きてニキビのようになってしまいます。

医療脱毛によって太く硬い毛が生えてしまう硬毛化も、医療脱毛のリスクです。いずれも適切な対処をすれば後には残りません。

医療脱毛を受けることができない人

体質や体調によっては医療脱毛を受けられない方がいます。基礎疾患を持っている、生理前や生理中である、妊娠中や授乳中である等、体調面に問題があるときは、基本的に医療脱毛は受けられません。

ひどい肌荒れや過度な日焼け、重度アトピー症等の肌トラブルがあると、医療脱毛ができないケースもあります。

まとめ

医療脱毛の機械は、サロンの脱毛器よりも高い出力で発毛組織にダメージを与え、半永久的に脱毛できる点が大きな特徴です。照射の方式やレーザーの種類によって、脱毛できる毛質や肌質が異なります。

そもそもムダ毛を自己処理すると、肌が傷付き、荒れたり黒ずんだりしてしまいます。肌を守りつつ適切に脱毛したい方は、美容皮膚科へ相談してはいかがでしょうか。

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