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歯の黄ばみの落とし方を原因別に解説!白い歯を保つ5つの習慣も

「笑ったときに、歯の黄ばみやくすみが気になる」という人は多いのではないでしょうか。毎日飲んでいるコーヒーや加齢など、歯の黄ばみにはさまざまな原因があります。

今回は、歯の黄ばみの原因や黄ばみを取る方法、歯医者で行うクリーニング・歯石除去・ホワイトニングなどについて詳しく解説します。毎日の歯磨きや市販の歯磨き粉などによるセルフケアによって予防する方法もあるので、ぜひ今日から取り入れてみてください。白い歯を取り戻し、若々しく魅力的な笑顔を作りましょう。

歯の黄ばみを引き起こす7つの原因

私たちの歯は、表面から「エナメル質」→「セメント質」→「象牙質」→「歯髄(しずい)」の順に構成されています。歯の主要な部分は象牙質で、エナメル質は象牙質を守るためにコーティングする役割を持っています。

エナメル質は半透明で色が薄く、内側にある象牙質の色が透けて見えるため、歯の本来の色は象牙質の色味にある程度左右されるといってよいでしょう。象牙質は基本的には乳白色ですが、生まれつき白い象牙質を持った人もいれば、黄色味を帯びている人もいます。

① 嗜好品による色素沈着

歯の黄ばみの原因として一番に挙げられるのが、普段の食事で摂っている食べ物や飲み物による着色です。この着色汚れは「ステイン」とよばれ、原因となる物の色素がエナメル質の表面にある膜と結びつくことで発生します。ステインが歯の表面に付着・蓄積すると、歯の色が黄ばんで見えてしまいます。

コーヒー・紅茶などのタンニンが豊富に含まれる飲み物、カレー・ソースなどの着色料が含まれている食品、タバコなどが、ステインの元になりやすいといわれています。

② 歯の磨き残しによる変色

普段の歯磨きでの磨き残しも、歯の黄ばみの原因に。歯磨きによって十分に歯の汚れを落としきれていないと、歯の表面に歯垢(プラーク)や歯石が堆積してしまいます。

歯垢は歯の表面に付着した細菌の塊で、歯石は歯垢が長期間放置されて石灰化したものです。歯垢や歯石は本来白っぽく見えますが、上からステインが付着することで黄ばんで見えることがあります。

歯垢は成分のほとんどが水のため、歯磨きによって容易に取り除くことができますが、歯石は石のように硬く、歯科医院の専門機器を使わなければ除去できません。

③ 生まれつきの歯の色

先ほど説明したように、歯の色は歯の表面にあるエナメル質ではなく、その内側にある象牙質の色によって左右されます。象牙質の色は個人差がありますが、日本人の多くは「黄色味がかったクリーム色」の象牙質を持つといわれており、歯が黄ばんで見えやすい傾向です。

また、人によっては生まれつきエナメル質が薄い場合もあります。エナメル質が薄いと、普通の人よりも象牙質の色味が透けて見えやすく、黄ばみを感じやすいでしょう。

④ 加齢による変色

私たちの歯は、年齢を重ねるにしたがって神経を守るための象牙質が厚くなり、反対にエナメル質はすり減って薄くなっていくことがわかっています。そのため、加齢とともに自然と歯の黄みが目立つようになるのです。さらに、長年口にしてきた食品や嗜好品の色素も歯の表面に蓄積され、黄ばみを感じやすくなります。

また、噛み合わせや歯磨きの刺激によって歯の表面に細かな傷が付き、その傷から色素が入り込んで黄ばみが目立ちやすくなっているということも考えられます。

⑤ 抗生物質による影響

歯の黄ばみの原因の一つとして、抗生物質による影響も考えられます。私たちのなかには、テトラサイクリンという抗生物質を子供のころに飲んだことによって、歯が黄ばんでしまっている人がいます。

テトラサイクリン系の抗生物質は、風邪や肺炎などに効く抗生物質として、昭和40年代頃によく使われていました。しかし、歯の内部に色素が沈着するなどの副作用がみられることがわかったため、現在ではほとんど処方されていません。

⑥ 歯の神経を取ったことによる変色

虫歯治療の一環で神経を取り除いた歯や、神経がなくなってしまった歯は、時間の経過とともに変色が起こります。

健康な歯の中には、神経と毛細血管が通っています。治療によって歯の神経を抜くと、同時に毛細血管も失われ、歯の内部の代謝の働きが滞ってしまいます。古くなったコラーゲン物質が代謝されずに歯の内部に残るため、歯がだんだんと褐色〜黒色に変色していくのです。

残念ながら、内側から変色してしまった歯は、上からホワイトニングを行っても白くなることはほとんどありません。

歯の黄ばみの落とし方

歯の黄ばみの原因がわかったところで、ここからは歯の黄ばみの落とし方について見ていきましょう。歯の黄ばみは、市販の歯磨き粉を使って落とす方法から歯医者で専門的な治療を受ける方法までさまざまです。

市販の着色汚れ用の歯磨きを使う

軽度のステインであれば、ある程度は市販の歯磨き粉で落とすことができます。着色汚れを解消したい人には、歯の表面に付着したステインを落とす作用のある「ポリリン酸ナトリウム」を含む歯磨き粉や、清掃剤が配合された歯磨き粉を使ってみましょう。

国内の市販品のなかには、歯を白くすると謳っているホワイトニング歯磨き粉もありますが、歯の汚れを漂白するホワイトニング成分を配合しているわけではなく、あくまでブラッシングによって汚れを落として黄ばみを解消するものであることを覚えておきましょう。

歯医者でクリーニングを受ける

家庭の歯磨きだけでは落としきれない黄ばみや着色のなかには、歯科医院でクリーニングを行うことで取り除けるものがあります。歯の黄ばみの原因となっている歯垢・歯石・ステインは、歯科医院でのクリーニングで除去が可能です。

クリーニングでは、専用の電動のブラシと研磨ペーストを用いて歯1本1本をていねいに磨いていき、歯垢やステインを一掃。歯垢が石灰化することでできる歯石は、専用の機器を使用するスケーリングという処置で除去します。

ホワイトニングを受ける

クリーニングやスケーリングでも改善できない重度の歯の黄ばみは、歯の表面だけではなく、内部にまで汚れが入り込んでいる可能性があります。その場合は、歯のホワイトニングが効果的です。

ホワイトニングは歯を削らないうえ、歯へのダメージもほとんどありません。一定の間隔をおいて継続的に行うことで、ホワイトニング効果を高めたり、再び着色した汚れを取り除いたりすることが可能です。

ホワイトニングは、方法によってオフィスホワイトニング・ホームホワイトニング・セルフホワイトニングの3種類に分けられます。

オフィスホワイトニング

オフィスホワイトニングは、歯科医院で専用の薬剤を用いて歯科衛生士によって行われるホワイトニングを指します。市販では手に入らない高濃度の薬剤を使用するため1回の施術でも効果を感じやすいのが魅力です。保険適用外のため、治療費は比較的高額となります。

ホームホワイトニング

ホームホワイトニングは、歯科医院で処方されたマウスピースに薬剤を入れて装着することで白い歯を目指す方法です。1回通院するだけでよいため、忙しい人でも続けやすいでしょう。ただし、オフィスホワイトニングよりも薬剤が弱いほか、長い装着時間や飲食制限などを考慮する必要があります。

セルフホワイトニング

セルフホワイトニングは、歯科医院で自分で薬剤・機器を操作して行うホワイトニングです。同じクリニックでの施術でも、オフィスホワイトニングに比べて安価で行えるのが魅力です。しかし、セルフホワイトニングでは弱い薬剤しか扱えないため、あくまで着色汚れの除去を目指す程度です。

歯マニキュアを利用する

歯の内部に黄ばみの原因がある場合は、クリーニングやホワイトニングでの改善が難しいといわれています。そのような場合は、歯マニキュアを利用するのも一つの方法です。歯マニキュアとは歯の表面に塗る白い塗料のことで、一時的に歯の表面をコーティングして白く見せることができます。

歯マニキュアは、歯科医院で塗ってもらうホワイトコートとセルフで行う市販品があります。市販のものは比較的安価で手に入るため、大切な用事がある際に歯を短時間でも白く見せたい人に向いています。持ちが短く、唇が当たったり食事をしたりするだけで剥がれやすいほか、歯の表面の凸凹によってムラになりやすいのが弱点です。

歯科医院で行う場合は、一回の施術で約1〜3か月程度効果が持続します。ただし、保険適用外のため、1本あたり2,000〜5,000円程度かかることがあります。

セラミックで歯を覆う

神経がない歯や抗生物質の影響で黄色くなってしまった歯は、歯の表面を削り、セラミックで覆うことで白い歯に見せる方法もあります。ただし、この方法は歯そのものを削るため、単に歯を白く見せたいというだけで選択するにはリスクが大きいでしょう。

セラミックは本物の歯の色に近いうえ、陶器と同じ材質のためきれいなツヤを出しやすいですが、割れる可能性があるほか、人によっては劣化による取り替えの必要が出てくることもあります。

歯の黄ばみをつきにくくする5つの習慣

ここからは、歯の黄ばみを予防するための方法を紹介していきます。治療が必要となる前に、日々の習慣によって歯の黄ばみが起こりにくくなるようにしていきましょう。今日から実践できるものもあるので、ぜひ参考にしてみてください。

① 色素が歯に触れるのを避ける

歯の表面にステインが付着しないようにするためには、色素が歯に触れるのを避けるのが有効です。色素が強い食べ物や飲み物を摂ったら、すぐに口を濯ぐ習慣をつけましょう。たとえ味が薄いからといって、歯磨きの後に麦茶や緑茶などを飲んでそのままにしてしまうのもよくありません。お茶には色素やタンニンが含まれるため、ステインの原因となります。

また、歯に触れる面積を少なくするために、色素の濃い飲み物を口にする際はストローを使うのも良い方法です。

② 毎食後に正しく歯磨きする

ステインの原因になりやすい食べ物も、食べてすぐに着色が始まるわけではありません。食後すぐに歯磨きをすることで、ステインを予防することができます。

出先でなかなか歯磨きがしにくいときもありますが、食後はできるだけ歯を磨く習慣をつけましょう。カバンに入るサイズの歯ブラシセットを持ち歩くのもおすすめです。

また、歯磨きは正しい方法で行うことがとても重要です。これを機に、正しい歯の磨き方を覚えましょう。

正しい歯の磨き方をマスターしよう

まず、歯ブラシは鉛筆と同じように持ち、力を入れすぎないようにします。力を入れて磨いてしまうと、ブラシの毛先が開いて歯の汚れをうまく落とせないほか、歯に傷をつけてしまうおそれがあります。

歯ブラシは1〜5ミリの幅で小刻みに動かし、歯1本1本をていねいに磨いていくのがポイントです。歯の表面についた汚れや歯垢は数回ブラシを当てただけでは落とせないため、1箇所につき20回以上は磨くように心がけてください。

また、歯の表・裏・噛み合わせの部分はそれぞれ分けて磨くようにしましょう。磨く順番を決めておくと、磨き残しを防げます。

電動歯ブラシを使うのも良い

ていねいな歯磨きのために、電動歯ブラシを使うのも良いでしょう。電動歯ブラシは電源を入れるだけで細かい振動が発生し、自動で歯をきれいに磨いてくれます。

近年は一つの電動歯ブラシのなかでクリーンモードやホワイトニングモードなどの切り替えができたり、ヘッド部分を付け替えることで磨き方を変化させられるものがあったりと多様です。

電動歯ブラシを使って歯磨きをする際は、力を入れたり手を動かしたりせず、歯にやさしく当てるようにしましょう。

③ 歯科医で定期検診を受ける

歯科医で定期的な健診を受けることも大切です。定期的に歯の状態をチェックすることで、虫歯の進行による歯の黄ばみを予防できます。

また、健診と合わせて歯のクリーニングを受ければ、歯に付着した歯垢や歯石を専門機器を使って除去することができます。通常の歯磨きでは完全に取りきれない歯垢や全く落とすことのできない歯石は、歯科医で行うクリーニングが効果的です。

定期的な健診とクリーニングで黄ばみの原因を解消し、白い歯を保ちましょう。

④ 唾液の分泌を増やす

唾液は歯の表面に付着した汚れを洗い流してくれるうえ、食事の度に溶けてしまう歯のエナメル質を修復する「再石灰化作用」というはたらきを持っています。

唾液の分泌量を増やす方法として、歯ごたえのあるものを食べる・よく噛んでゆっくりと食事をする・ガムを噛む・梅干しや昆布などの唾液の分泌が増えるものを食べる・口の中で舌をぐるぐると動かすなどが挙げられます。日々の食事から実践できるので、ぜひ今日から意識してみてください。

⑤ 口呼吸を避ける

実は、口呼吸も歯の黄ばみに繋がる可能性があります。口呼吸をすると口の中が乾きやすくなり、唾液の分泌量が減ってしまいます。また、口内が乾燥すると歯の表面がザラザラになり、汚れや細菌も付着しやすくなります。

歯の表面の汚れを洗い流してくれる唾液が少なくなったり、歯の表面に汚れが溜まりやすくなったりすると、歯の黄ばみの原因となるため注意が必要です。日頃からの鼻呼吸を心がけましょう。

改善に逆効果?やってはいけないデンタルケア

普段よかれと思って行っているデンタルケアが、歯の黄ばみを助長させているかもしれません。ここでは、歯の黄ばみの原因となりうる、やってはいけないデンタルケアについて解説していきます。

強すぎる歯磨き

強すぎる歯磨きは、かえって歯の黄ばみの原因となりうるおそれがあるため注意が必要です。歯磨きによって歯に強い刺激を与えると、エナメル質に傷がついてしまったり、エナメル質が薄くなってしまったりします。

歯ブラシの硬さは、柔らかめ〜普通がよいでしょう。硬い歯ブラシでゴシゴシと磨くと、歯の表面に細かい傷がつき、光の加減で傷の凹凸が黄色く見えてしまう可能性も。歯の表面の傷は、その部分にステインが付着しやすくなることにも繋がります。

また、歯の磨きすぎもよくありません。1日の歯磨き回数は3回〜5回を目安にしましょう。

重曹で歯を磨く

インターネット上で、「重曹で歯を磨くと歯が白くなる」といった情報を見かけることがあります。しかし、重曹には研磨作用があり、歯を磨くとエナメル質を傷つけてしまうため逆効果です。エナメル質を傷つけてしまうと、象牙質の色味がより透けて見えやすくなるほか、外部刺激にも弱くなってしまいます。

歯の表面の色素沈着には、クリニックでのクリーニングやホワイトニングがリスクも少なく有効です。自己流で行うのではなく、必ず専門機関を訪ねるようにしましょう。

歯の黄ばみには原因ごとの対処法が大切

歯の黄ばみが気になる人は、まずは原因から対処法を考えましょう。ステインや歯垢・歯石などの外的要因なら、歯科医院で行うクリーニングやホワイトニングが有効です。歯の治療によって神経が失われている場合や抗生物質の影響などの内的要因なら、歯マニキュアやセラミックを検討してもよいでしょう。軽度の黄ばみであれば、市販の歯磨き粉やホームホワイトニングなどで解消できる可能性もあります。

歯の黄ばみは、進行すると改善に時間とお金がかかってしまいます。日頃の歯磨き習慣を見つめ直して、未然に予防することが大切です。

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