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ACRS療法 PRPとの違いや期待できる美容効果について

ACRS(自己血サイトカインリッチ血清)注入療法とは、自分の血液を使い健康的な素肌に近づける次世代型の美肌治療です。ハリ不足やくすみ、ニキビなどの肌トラブルの他、薄毛や膝の痛みなど、さまざまな症状に効果が期待できます。

しかし、一体どんな治療内容なのか、よく分からないという方も多いはず。そこで今回は、ACRS療法の効果やメリットについて紹介します。また、ACRS療法のデメリットや注意点についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

ACRS(肌再生治療)療法とは

ACRS療法とは「自己血サイトカインリッチ血清(Autologous Cytokine Rich Serum)」を皮膚に注入し、さまざまな肌悩みを改善に導く施術です。肌のくすみや毛穴開き、ニキビ、ニキビ痕、たるみ、シワなどに効果を発揮します。

ACRSには、細胞分裂を促進させる作用を持つ「成長因子」や、炎症を抑制する働きのある「抗炎症性サイトカイン」が豊富に含まれています。これらの働きにより細胞の活性化が促され、若々しい印象の肌に近づきます。

PRPとの違い

ACRS療法とよく似た治療に「PRP療法」があります。PRP療法とは、自身の血液から採取した高濃度の血小板を含む血漿(けっしょう)を直接注入して、肌悩みの改善を目指す治療法です。

PRP療法は、基本的に遠心分離機にかけて、抽出した血漿層をそのまま使います。体調や年齢によって血小板の品質が異なるため、効果にばらつきはあるものの、施術後1ヶ月ほどで治療の効果が感じられます。

一方、ACRS療法は採取した血液を3時間ほど培養させます。成長因子や抗炎症性サイトカインを増やした状態で、有効成分のみを注入するため、線維芽細胞の活性化がすぐに始まり、1週間ほどで治療効果を感じられるようになります。

成長因子とは

成長因子とは、体内の幹細胞から生成されたタンパク質の一種です。「細胞再生因子」や「グロスファクター」と呼ばれることもあります。成長因子には、細胞の増殖や皮膚の再生を助ける働きがあります。ケガをした時に時間の経過とともに自然に治るのは、成長因子が存在するためです。

人の細胞は加齢とともに衰えていき、働きが弱まります。年齢とともに、ハリ不足や乾燥が目立ち始めるのは、成長因子の減少も原因の一つです。細胞の働きが弱まると、コラーゲンやヒアルロン酸など、肌のハリやツヤを保つ成分が減少しやすくなります。

抗炎症サイトカインとは

「サイトカイン」とは、細胞から放出されるタンパク質の総称で、細胞同士の情報伝達を担う物質です。サイトカインにはさまざまな種類がありますが、免疫や炎症に関係した成分が多くあります。

人の体には、炎症を引き起こす「炎症性サイトカイン」と、それを抑える働きのある「抗炎症サイトカイン」とがあります。この2つの働きのがバランスが取れることで、健康的な体を維持できるのです。

しかし、なんらかの原因により「炎症性サイトカイン」が「抗炎症性サイトカイン」よりも多く放出されている状態が続くと、慢性的に炎症を起こした状態になります。その結果、シワや乾燥などのエイジングサインやニキビ、薄毛などの症状が起こることがあります。

ACRS療法にできること

ACRS療法は、患者様自身の血液から成長因子と抗炎症性サイトカインを抽出し、皮膚の真皮層に注入する治療です。これにより、炎症の鎮静やターンオーバーの正常化を図ります。

また、ACRS療法は、非常に濃い濃度の成長因子や抗炎症性サイトカインを直接注入できるため、画期的な治療とされています。

ACRS療法に期待できる効果

ACRS療法は、さまざまな肌トラブルにアプローチできる治療法です。ここからはACRS療法に期待できる効果を4つ紹介します。

目元、口元のエイジングサイン

目元や口元は特に、シワやくすみなど加齢による変化を感じやすい部位です。肌の慢性炎症は、シワやくすみといったエイジングサインを促進することが分かっています。ACRS療法を受けることで、抗炎症性サイトカインのバランスがリセットされるため、エイジングケア効果を期待できます。

ACRS療法は、顔全体にも注入できますが、気になる部分にピンポイントで注射することも可能です。目元にACRSを注入することでハリが出て、小じわやクマが目立たなくなります。

また、口元のエイジングサインにも効果的です。シワに沿ってACRSを注入することによって、凹んだ部分のボリュームが出て、シワが軽減されます。

ニキビ後の凸凹肌

ACRS療法には、コラーゲンやエラスチンを作り出す「線維芽細胞」を増殖させる効果が期待できます。線維芽細胞を増殖させることで、肌の陥没した部分を内側から持ち上げ、凸凹を目立たなくします。

なお凸凹肌の治療は、ダーマペンやフラクショナルレーザーなど、他の施術と組み合わせるとより効果的です。ダーマペンとは、細い針で肌表面に沢山の小さな穴を開けて傷を作り、その傷が治る作用を利用して肌をなめらかにする治療です。肌に穴を開けてからACRSを注入するため、より深くまで成分が浸透し、ACRS療法単体で受けるより満足いく効果が得やすいとされています。

一方フラクショナルレーザーは、真皮に細かな傷をつけることで、肌の再生を促す治療です。ACRS療法と併用することで、ダウンタイムを抑え、短期間で肌質改善を目指します。

酒さ(赤ら顔)

「酒さ」とは、顔に発赤や毛細血管拡張が長期間持続する、慢性的な炎症性疾患です。鼻や頬の赤みが強く出るのが特徴で、30〜50代に発症しやすいとされています。

ACRSは、抗炎症サイトカインを豊富に含んでいるため、肌の炎症が原因で起こる酒さに有効です。また、肌の赤みや赤みのあるニキビ痕にも効果を発揮します。

薄毛

薄毛にはさまざまな要因がありますが、頭皮の慢性的な炎症も、その原因の一つと考えられています。炎症性サイトカインが多く放出されることで、毛包の萎縮や毛根の縮小が誘発されることがあります。

ACRSを使った薄毛治療では、髪の薄くなった部分の毛根の周囲に、まんべんなく注入を行います。これにより、頭皮の慢性的な炎症や血流不良が改善され、髪の成長が促進されます。

ACRS療法の施術の流れ

ACRS療法は、主に以下のような流れで施術が進みます。

採血

10㏄程度採血します。採取量を増やすために、水はたくさん飲むようにしましょう。また、施術の前日は、過度なアルコール摂取は控えてください。

インキュベーション

採取した血液を、特殊なガラスビーズの入った試験管に入れます。血液の中の血小板をガラスビーズに付着させることで、成長因子や抗炎症サイトカインを大量に放出させます。

血清の抽出

3時間ほど経ったら、血液を遠心分離器にかけ、フィルターを通して不純物を除去した血清を採取します。

注入

ダーマペンや水光注射などで使われる極細針を使い、ACRSを気になる部位に注入します。また、顔に注入する場合は、必要に応じて麻酔クリームを塗ります。痛みが苦手な方は、事前にクリニックに相談するようにしましょう。

ACRS療法のメリット

ACRS療法には、さまざまなメリットがあります。ここからはACRS療法のメリットを2つ紹介します。

アレルギーが起きない

人の体には、細菌やウィルスなどの異物から、身を守るために「免疫」という仕組みが備わっています。しかし、この働きに異常が起こり、免疫が過剰に反応してしまうことで、体に症状が引き起こされる場合があります。この反応がアレルギーです。

ACRSには、基本的に余計な添加物は含まれていません。さらに、自分の血液から抽出した成分を使うため、基本的にアレルギーは起こらないとされています。

PRPより大きな効果が期待できる

PRP療法の場合は、抽出した血小板を肌に注入し、肌の中で有効成分を増殖させます。一方、ACRS療法は試験管の中で、成長因子を約5~15倍、抗炎症サイトカインを約5倍に増やしてから肌に注入するため、より大きな効果が期待できます。

ACRS療法のデメリットとリスク

さまざまな美肌効果をもたらすACRS療法ですが、100%安全とは言い切れません。ここからは、ACRS療法のデメリットとリスクについて紹介します。

ダウンタイムが短い

ACRS療法では、ダーマペンや水光注射などでも使われる極細針が用いられます。針を使ってACRを注入するため、施術中はチクチクとした痛みを感じることがあります。

また術直後は、内出血や腫れ、赤みを伴うことがあります。赤みは2~3日、内出血は7日ほどで落ち着く場合が多いようです。なお、赤みが引けば翌日からメイクをしても問題ありません。シャワーは当日、入浴は翌日から可能です。

施術時間が長い

施術自体は30分程度で済みますが、血液の培養に3時間ほどかかります。ただ、時間が取れない場合は、抽出したACRSを冷凍し、別の日に注入することも可能です。また、ACRSを作成している間に外出できるクリニックもあるので、事前に相談しておくといいでしょう。

よくある質問

ここからはACRS療法について、よくある質問を紹介します。

どれくらいで効果が出ますか?

ACRS療法は、術後約1週間で効果を実感できます。1回の施術でも、しっかり肌の変化を感じられますが、2~3週間に1度のペースで受けると、より高い効果を期待できます。

妊娠中や授乳中でも受けられますか?

妊娠中や授乳中の方は、ACRS療法を受けることはできません。また、ペースメーカーを入れている方や、免疫機能に異常のある方も施術不可です。

効果はどれくらい持続しますか?

ACRS療法の効果は、1年程度持続するとされています。なお、3回治療を受けると、3~5年ほど効果が続きます。

まとめ

ACRS療法は、肌の乾燥やシワ、くすみなど幅広い肌悩みにアプローチする美肌治療です。また、ダウンタイムも比較的短いため、気軽に受けられる治療といえます。

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