「クリニックで脱毛をしたいけど、照射部位によっては硬毛化や増毛の可能性もあるとか。硬毛化の原因や硬毛化してしまった時に、どのような対処法があるのかを知りたい」
このようにお悩みの方も多いのではないでしょうか？
硬毛化とは、脱毛前よりも毛が濃くなってしまう現象のことを言います。硬毛化について聞いたことのある方は、せっかく脱毛をしても、硬毛化してしまったらどうしようと考えて不安になることもあるようです。
そこで本記事では、医師の小笠原先生にご監修いただき硬毛化の概要や原因、対処法を解説していきます。これから脱毛をしようと思っている方は、ぜひ参考にしてください。
監修者
アトール鹿児島スキンクリニック 理事長
医師 小笠原 徹 先生
大手美容クリニックを経て品川スキンクリニック福岡院にて勤務、2017年に品川スキンクリニック鹿児島院 院長就任。延べ4万人に美容医療を提供。2020年12月鹿児島県鹿児島市にアトール鹿児島スキンクリニック開院。
2022年には多くの患者様に支持され大型増床を果たす。これまで以上に効果的かつ高い医療技術、わかりやすい説明、続けられる価格を提供し、日々患者様と向き合っている。
◆当コラムの掲載記事に関するご注意点
※本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。
硬毛化とは
硬毛化とは、脱毛することでその部位の毛が逆に濃く、太くなってしまう現象のことです。
およそ100人に1人に硬毛化が起こるとされていますが、はっきりとした原因はわからないため、実際に脱毛をしてみないとどうなるかは予想できません。
そのため、ほとんどのサロンやクリニックでは、脱毛のカウンセリング時に硬毛化のリスクについて説明があります。
また、硬毛化は脱毛してすぐに分かるのではなく、数ヶ月後に現れるため、すぐには気づきにくいものです。
硬毛化する原因は低出力のマシンや破壊しきれない毛根
脱毛後の硬毛化はレーザーの種類が肌に合っていないことや出力が弱すぎるなどの、毛根にダメージが与えきれなかったことが原因だと考えられます。
硬毛化の対策としては、出力の高いレーザーでしっかり毛根を焼ききることが大切です。
エステサロンでも脱毛を受けることはできますが、医療脱毛と大きく違う点はまさに機械の出力の違いです。
出力の大きな脱毛器は医療機関でしか扱うことが許されていないため、エステサロンで受ける脱毛は一般的に効果がマイルドです。医療脱毛は毛のタイプにあったレーザーで、しっかり毛根にダメージを与えることができるため、硬毛化の可能性は低くなります。
硬毛化しやすい部位ってあるの？
これまでの硬毛化の症例から、産毛や細い毛の部位が硬毛化しやすいことが分かっています。
そもそも脱毛レーザーは、産毛や細い毛などのメラニン色素が薄い毛には反応しにくいため、脱毛効果が十分に得られないことがあります。
そのため、レーザーがしっかり当たらなかった毛には、かえって刺激となり硬毛化してしまうのかもしれません。
硬毛化しやすい部位は下記の通りです。
・背中やうなじの毛
・肩や二の腕の外側
・顔
これらの部位は、産毛が多い部位で範囲も広いので、硬毛化する可能性が高くなります。
硬毛化しやすい毛質はある？
上記では、硬毛化しやすい部位について解説しましたが、産毛以外にも硬毛化しやすい毛質というのはあるのでしょうか？
硬毛化しやすい毛質は、次のようなものです。
・メラニン色素が薄い
・毛が密集している
・毛根が深いところにある
硬毛化しやすい部位の毛と同じ理由で、色素が薄い毛にはそもそもレーザーが効きにくいのです。また、毛が密集しすぎているとレーザーが全ての毛に当たらずに、照射洩れしてしまうことがあります。
毛根が深いところにある方はレーザーが届きにくいため、毛根にダメージを与えきれていない場合があります。そのため、中途半端な照射になり、かえって発毛組織が活性化してしまうのです。
ただ、この特徴に当てはまっていても硬毛化しない方もいますし、逆に当てはまっていなくても硬毛化する方もいます。
硬毛化してしまったときの対処法
では、硬毛化してしまったら、どのような対処法があるのでしょうか？
硬毛化してしまうと、元に戻るまで時間がかかってしまう場合があります。しかし、対処法によっては早期に解決することもあります。
まずは、硬毛化していることをクリニックに相談してください。
ただし、せっかく再照射を受けても、同じ施術ではまた硬毛化する可能性があります。機械を変えてもらったり、出力を上げてもらったりすると良いでしょう。
また、再照射を断られてしまった場合の対処法もお伝えしておきます。
1つめの方法は、硬毛化が自然に抜け落ちるのを待つことです。ほとんどの場合、硬毛化した毛は自然に抜け落ちるため、気長に待ちましょう。
もう1つの方法は、カミソリなどで自己処理をすることです。硬毛化した毛は剃っても問題ありません。自然に抜け落ちるまで待てない方は、自己処理もおすすめです。処理の後には必ずローションやクリームを塗って保湿をしましょう。
まとめ
硬毛化は、はっきりとした原因は分かっていないものの、産毛や細い毛が生えている部位に起きやすいということが分かりました。
また、より出力の高い機械を使って、しっかりと毛根までレーザーを当てることが、硬毛化しないためのポイントです。
ぜひ本記事を参考にして、硬毛化のリスクが低い脱毛クリニックを選んでみてください。
