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セラミド 美肌効果3つとうるおいを保つスキンケアについて解説

セラミドはもともと肌にある保湿因子で、健康な肌を保つのに必要な成分です。セラミドには肌の潤いをキープするほか、肌バリアを正常に保ち、乾燥による肌トラブルを軽減する働きがあります。

セラミドが減少するとさまざまな肌トラブルにつながるため、毎日のスキンケアでセラミドを補うよう心掛けたいものです。補うだけでなく、日常生活でセラミドを失わないように気を付けると、さらに美肌へとつながります。

本記事では、セラミドの美肌効果や潤いを保つスキンケアについて解説します。セラミドについて正しい知識を身につけ、毎日のスキンケアに生かしてください。

セラミドとは

セラミドは皮膚の最も外側にある表皮に存在する成分です。肌の潤いをキープする、肌を刺激から守るという働きがあり、健康な肌を維持するのに重要な役割を果たしています。年齢を重ねると減少するため、スキンケアや日常生活でセラミドを補いましょう。

もともと肌に備わっている保湿因子

セラミドは肌にもともとある保湿因子のひとつです。皮膚の最も外側の表皮にある「角質層」に存在しています。角質層は0.02mmほどの厚さしかありませんが、健康な肌を維持するのに重要な器官です。

角質層の内側には、細胞同士をセメントのようにつなぐ「細胞間脂質」があります。細胞間脂質は肌の潤いをキープする役割があり、角質層そのものの潤いの80%以上は細胞間脂質が担っているといわれています。細胞間脂質の約半分はセラミドでできているため、セラミドが減少すると肌トラブルが起こりやすくなります。

セラミドの種類

セラミドには大きく分けて、動物型・植物型・ヒト型・擬似型の4種類があります。

種類 タイプ 特徴 表示名称
動物型 動物性セラミド 牛や馬などから抽出される。人のセラミドに近い構造をしているため、肌になじみやすい。他のセラミドより価格が高い。 ・ビオセラミド
・セレブロシド
植物型 植物性セラミド トウモロコシや米から作られた天然のセラミド。原材料にアレルギーがある場合は使用できないため、事前に確認が必要。 ・コメヌカスフィンゴ糖物質
・植物性セラミド
擬似型 擬似セラミド 人のセラミドに近づくように人工的に作られたセラミド。石油から合成されているため、安価で大量生産が可能。他のセラミドより浸透力は劣る。 ・ヘキサデシロキシPGヒドロキシエチルヘキサデカナミド
ヒト型 人型セラミド 酵母から作られ、体内のセラミドと近い構造をしている。保湿や肌を保護する効果に優れている。 ・セラミドEOP(セラミド1)
・セラミドNG(セラミド2)
・セラミドNP(セラミド3)
・セラミドEOH(セラミド4)
・セラミドAG(セラミド5)
・セラミドAP(セラミド6)
・セラミドAH(セラミド7)

動物性セラミドは人のセラミドに近く、肌になじみやすいのが特徴です。しかし、他のセラミドに比べて高額なため、日常的に使うには不向きといえます。

植物性セラミドは、トウモロコシや米から作られています。天然由来ということで人気がありますが、原材料にアレルギーがある場合は使用できないため、注意が必要です。

擬似セラミドは、石油から人工的に作られたセラミド。他のセラミドより浸透力は劣るものの、安価で手に取りやすい点がメリットです。

人型セラミドには7種類あり、いずれも酵母から作られています。体内のセラミドと近い構造をしており、保湿や肌を保護する効果に優れていると言われています。

セラミドが減少する原因と肌トラブル

セラミド不足になると、肌の乾燥やメイクのりの悪さを感じやすくなります。セラミドが減少するということは、細胞の潤いをキープする蓋がなくなるようなものだからです。

セラミドが減少する原因と、セラミドが不足することによる肌トラブルについて解説します。 

減少のおもな原因は加齢

セラミドは、加齢によって減少することがわかっています。

セラミドは「肌のターンオーバー(皮膚の新陳代謝)」の過程で生成される成分です。ターンオーバーのサイクルは、20代では約28日周期と言われていますが、加齢と共に徐々に周期が長くなります。

50代になるとターンオーバーのサイクルは45日周期ほどになると言われ、生成されるセラミドも減少していくのです。50代では、セラミドの量が20代の約半分にまで減ると言われています。

また、紫外線などの外部ストレスやホルモンバランス、生活習慣の乱れが原因で、正常にセラミドが作り出されなくなるケースもあります。

乾燥により起こる肌トラブル

セラミドが不足すると、次のような肌トラブルが起こる可能性があります。

・乾燥
・小じわ
・赤み
・ヒリヒリとした痛み
・ニキビや吹き出物


セラミドが不足すると肌に潤いを保ちにくくなるため、肌がどんどん乾燥します。また、外からの刺激を受けやすくなり、肌荒れが起こりやすい状態です。シワやたるみなどの年齢のサインも表れやすくなります。

セラミド不足による肌荒れが起きた場合は、失われたセラミドを補給するのが効果的です。セラミド入りの化粧品やサプリメントを活用して、しっかりと保湿ケアを行いましょう。

セラミドによる美肌効果3つ

セラミドの主な働きは、肌バリアを正常に保つこと、肌の潤いを保つこと、肌トラブルを軽減することの3つです。

セラミドは肌に塗るか、口から摂取することで補給できるため、セラミド入りの化粧品やサプリメントを活用すると効果的です。米・小麦・乳製品・大豆などのセラミドを含む食品を食べることも、健康的な肌を維持するのに役立ちます。

肌バリアを正常に保つ

セラミドは、肌バリアに大きく関係する成分です。肌バリアとは、肌を乾燥や外部の刺激から肌を守ったり、水分が蒸発しないように潤いを保ったりする働きのこと。

健康な肌はセラミドが肌をしっかりと守ってくれますが、セラミド不足の肌は紫外線や乾燥などの刺激に弱くなってしまいます。乾燥がひどい、刺激を感じやすいという場合は、セラミドが不足しているのかもしれません。

セラミドを補うことで肌バリアの働きが通常に戻れば、乾燥や刺激が起きにくくなると期待できます。

肌の潤いをキープする

セラミドは、肌の潤いを保つ上で非常に重要な成分です。

肌の表面では細胞間脂質が細胞同士をつなぎ、潤いを保っています。この細胞間脂質の主成分がセラミドです。細胞間脂質がうまく働かないと細胞間の隙間から水分が逃げてしまい、肌の潤いを維持できません。

表皮にある角質層の水分の80%以上は、細胞間脂質によって保たれていると言われています。

また、角層の細胞内で水分とセラミドがミルフィーユ状に重なった「ラメラ構造」が整っていると、肌に潤いが保たれることもわかっています。

乾燥による肌トラブルを軽減する

セラミドが肌を満たすことで、乾燥による小じわや紫外線ダメージの緩和が見込めます。

セラミドは肌の潤いを保持するのに重要な働きをする成分です。セラミドが不足して細胞間脂質の働きが弱まると、水分が逃げやすくなり肌は乾燥します。乾燥は下記のような肌悩みにつながるため、注意が必要です。

・目元や口元に小じわができる
・肌がかさつく
・くすみが気になる
・メイクのりが悪い


また、肌が乾燥すると肌バリアが低下するため、紫外線や摩擦などのダメージによる炎症が起こりやすくなります。乾燥による肌トラブルを防ぐには、セラミドを補給するのが効果的です。

セラミドに満たされた肌にするために

セラミドの効果を十分に得るためには、肌のセラミドを失わないことと、補うことの2つが重要です。セラミドを保つコツを紹介します。

保つ|肌のセラミドをキープ

肌にもともと備わっているセラミドを失わないためには、ちょっとしたコツがあります。セラミドを失わない、正常に作り出すための習慣を紹介しますので、ぜひ今日から取り入れてみましょう。

肌を優しく洗う

セラミドが失われやすいのが「洗顔」です。洗顔料をたっぷり使って肌を洗い過ぎると、角層からセラミドが流れ出してしまいます。洗顔に時間をかけ過ぎるのも良くありません。

洗い過ぎて肌のセラミドが減少すると、皮膚の水分をキープできずに肌がどんどん乾燥していきます。また、体をゴシゴシ洗うのもセラミドを減少させる原因となり、カサつきにつながります。

肌を洗う際は適量の洗浄剤を使い、日中の汚れだけをやさしく落とすようにしましょう。手をゆっくり動かし、肌をなでるように洗うと余分な力が入りません。洗顔後つっぱり感があるようなら、洗いすぎの可能性があります。この機会に洗顔方法を見直しましょう。

ターンオーバーが整う生活を心がける

セラミドが満たされた肌を保つには、日頃の生活習慣を見直してみることも大切です。

ターンオーバーが乱れて肌の生まれ変わりのリズムが不規則になると、セラミドがうまく作られずに全体量が減少し、乾燥が進む原因となります。日頃から気をつけたいのは、紫外線対策と良質な睡眠です。

紫外線によるダメージは、ターンオーバーを乱れさせる要因のひとつ。日焼け止めや日傘、アームカバーや帽子などを活用し、年間を通して紫外線対策を行いましょう。また、睡眠不足になるとターンオーバーの回復が遅れるため、忙しくても睡眠時間を確保することが重要です。

補う|肌にセラミドをチャージ

加齢やホルモンバランスが原因のセラミドの減少は、残念ながら防ぎようがありません。日常生活の中で、セラミドを補う必要があります。

食べ物やサプリで摂取する

サプリメントや食べ物でセラミドを補うと、全身の潤い効果が期待できます。

サプリメントでセラミドを補給する場合は、「グルコシルセラミド」を摂取すると効果的です。「グルコシルセラミド(糖セラミド)」はセラミドの前段階の物質で、肌のターンオーバーの過程でグルコシルセラミドからセラミドに変化します。

食品の中で最もセラミドの含有量が多いのは「生芋こんにゃく」で、100gあたり0.76mg。そのほかにも、米(米ぬか)、小麦(小麦胚芽)、大豆、わかめ、ひじき、牛乳などにもセラミドが多く含まれています。

グルコシルセラミドは、1日1.2 mg以上摂ると良いといわれています。しかし、1日1.2mgのグルコシルセラミドを食品だけで摂るのは難しいため、ドリンクやサプリメントを利用するのが現実的な方法です。

セラミド配合コスメでケアする

外からセラミドを補給するなら、普段何気なく選んでいるスキンケアをセラミド配合のコスメに変えてみましょう。

セラミド配合のコスメには、化粧水や美容液、クリームなどがあります。セラミドは油に溶けやすい性質があるため、とろみのあるタイプの化粧水や美容液が多く販売されています。

セラミドの濃度や使用感は商品によって異なるため、サンプルやテスターで試してみると良いでしょう。気になる部分には何度か重ねてつけると、効果を感じやすくなります。

また、「セラミド」と言っても種類によって特徴が異なります。自分に合ったセラミド配合のコスメを選ぶことが大切です。

セラミド化粧品の選び方

化粧品に配合されるセラミドには、動物型・植物型・ヒト型・擬似型の4種類があります。それぞれ特徴が異なるため、セラミド配合の化粧品を選ぶときは、セラミドの種類を確認しましょう。

また、セラミドの配合量も重要です。成分表示は配合量の多い順に記載してあるため、前の方に「セラミド」の表記があれば、セラミドの濃度が高い化粧品ということになります。

セラミドの種類で選ぶ

「動物型」と「ヒト型」のセラミドは肌への馴染みがよく高い効果が期待できますが、扱いが難しく価格が高い点がデメリットです。そのため、あまり配合量を増やせないという問題があります。

「植物型」と「擬似型」のセラミドは肌馴染みが「動物型」や「ヒト型」に劣るものの、価格面や配合のしやすさで優れています。そのため、配合量を増やして濃度を上げ、効果を高めることが可能です。

4種類のセラミドのなかで最も注目されているのが、「ヒト型」セラミドです。「ヒト型」セラミドは肌への親和性が高く、より効果も期待できると言われています。化粧品によく配合される「ヒト型」セラミドの表示名は、以下の通りです。

・セラミドEOP(セラミド1)
・セラミドNG(セラミド2)
・セラミドNP(セラミド3)
・セラミドAP(セラミド6II)


高い効果を求めるなら、上記のセラミドが配合された商品が向いています。

セラミドの濃度が高いものを選ぶ

化粧品の全成分表示は、配合量の多いものから順番に表記するルールがあります。効果的な使い方をしたいなら、セラミドがなるべく前に記載してある化粧品を選びましょう。

商品によっては1種類だけでなく、複数のセラミドが配合されたものがあります。例えば、「ヒト型」と「擬似型」セラミドが配合された化粧品が販売されています。

どちらのセラミドの配合量が多いのか知りたい時は、成分表記をチェックしてください。成分表記に記載してある順番を確認すれば、濃度の違いがわかります。

他の美容成分にも注目する

別の保湿成分が一緒に配合されている化粧品を選ぶと、相乗効果でより一層肌に潤いを与えられます。代表的な保湿成分として、次のようなものがあります。

・ヒアルロン酸
・アミノ酸
・スクワラン
・グリセリン
・BG
・DBG
・ヘパリン類似物質
・リコピン


その他にも、肌に弾力を与えるコラーゲンやプラセンタエキス、エイジングケアやシミ予防にも効果的なビタミンC誘導体が配合された化粧品も、相乗効果が期待できる成分です。

セラミドと一緒に配合されている成分の性質や量によって、使用感や保湿以外の働きが異なります。自分の肌を観察して、自身に合った化粧品を選んでください。

セラミドを含む化粧品の効果的な使い方

商品に使用方法が明示されていればそれに従いますが、特に記載がなければ次の方法が効果的です。

1. 洗顔後に化粧水をつける
2. セラミド美容液をなじませる
3. 特に乾燥が気になる部分に、セラミド美容液を重ねてつける
4. 手で顔を包み込むようにハンドプレスする
5. 乳液や保湿クリームを塗り、肌に蓋をする


化粧水をつける際にコットンを使う場合は、強く叩くようにつけると肌への刺激となります。コットンで肌に風を送るイメージで、優しくパッティングしましょう。

また、美容液を付けた後に肌が潤っていても、乳液やクリームを省くのは良くありません。毎日正しい方法でスキンケアを行うことが美肌につながります。

セラミドによくある質問

セラミドに関するよくある質問をまとめました。セラミドの効果について疑問がある方は、参考になさってください。

ニキビにも効果がありますか

できてしまったニキビに対する効果は低いものの、ニキビのできにくい肌に整える効果が期待できます。セラミドを補えば肌に潤いをキープできるようになるため、乾燥による皮脂の過剰分泌を防ぐことが可能です。

また、ターンオーバーのサイクルが乱れにくくなり、古い角質によるニキビの予防にも効果が期待できます。

効果が出るまでどれくらいかかりますか

使用している化粧品の成分や種類、肌の状態によって、効果を感じるまでの期間は異なります。一般的に、表皮が生まれ変わるターンオーバーは、28日サイクルです。化粧品であれば1か月以上、サプリメントなどのインナーケアであれば3ヶ月程度が目安となります。

ただし、ターンオーバーのサイクルは年齢とともに遅くなると言われており、効果を感じるまでにより長い期間が必要となるケースもあります。

スキンケアにセラミドを取り入れて潤い肌を手に入れよう

セラミドは健康的な肌を維持するのに欠かせない成分です。肌の潤いを保ち、肌バリアを維持する働きがあります。乾燥による肌トラブルの予防効果も期待できます。

肌のセラミドは加齢とともに減少していくため、化粧品やサプリメントで補うと効果的です。日頃からセラミドを失わないように心がけ、紫外線や睡眠不足にも注意してください。

また、化粧品に配合されているセラミドの種類や量は、それぞれ異なります。自分に合ったセラミド化粧品を見つけて、乾燥知らずの美肌を手に入れましょう。

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