マッサージピール 5つの美容効果とは?皮膚を剥離させない美肌ケア

「マッサージピール」は、ダウンタイムがほとんど発生しないピーリングです。薬剤を肌に塗布してマッサージすると、真皮に浸透し、コラーゲンの生成が促されます。メラニン色素の生成を抑制するコウジ酸も含まれているため、肌のハリ向上やシミ・ニキビ跡を目立たなくして滑らかな美肌に導くことが期待できます。
剥離作用の強いトリクロロ酢酸という成分を用いますが、他の成分と組み合わせることで刺激を抑えています。日帰りで気軽に受けられる美肌治療として、近年人気を集めている施術の一つです。
- 1. マッサージピールに期待できる効果
- 1-1. 透明感のある肌へ
- 1-2. 肌のハリ感をUP
- 1-3. 乾燥による小ジワ、たるみの目立たない肌に
- 1-4. ニキビのできにくい滑らかな肌に
- 1-5. 年齢が出やすい首や手にハリと潤いを与えるに
- 2. マッサージピールとケミカルピーリングの違いとは
- 3. マッサージピールに使用される成分
- 3-1. トリクロロ酢酸
- 3-2. 過酸化水素
- 3-3. コウジ酸
- 4. マッサージピールの効果は一回目から
- 4-1. 効果的な施術の頻度
- 4-2. マッサージピールの効果がないと感じる時
- 5. マッサージピールの副作用・リスク
- 5-1. ダウンタイム
- 5-2. マッサージ後の注意
- 6. 施術を受けられない方
- 6-1. マッサージピールの施術の流れ
- 7. セルフマッサージや通販の商品でも効果はある?
- 8. まとめ
マッサージピールに期待できる効果

マッサージピールは、肌内部の真皮でのコラーゲンの生成促進や、メラニン色素の増加を抑制することが期待できます。
コラーゲンが生成されることで、肌のたるみ・乾燥による小じわを目立たなくし、ハリ感向上、シミやニキビのできにくいお肌へと、さまざまな効果が期待できます。
透明感のある肌へ

効果のひとつとして挙げられるのが、シミ・くすみへのアプローチです。これは、マッサージピールの薬剤に配合されている、コウジ酸によるもの。コウジ酸は、メラニン色素のもとになるチロシナーゼの生成を防ぐ効果が立証されている成分です。
メラニン色素の増加を抑制することで、加齢やホルモンバランスの乱れによるシミの予防が期待できます。また、コウジ酸には血行を促すことによるトーンアップ効果もあるため、肌のくすみを軽減し、明るく透明感のある肌へと導いてくれます。
肌のハリ感をUP

肌のハリ感のカギを握るのは、肌内部のコラーゲンの存在です。コラーゲンが減少すると、肌のハリやみずみずしさが失われてしまいます。マッサージピールは、薬剤を顔に塗布してやさしくマッサージすることで肌内部に浸透させ、真皮内の線維芽細胞を活性化させてコラーゲンの生成を促します。
この作用によって肌内部のコラーゲンが増加し、肌にハリや弾力のある、ぷるんとした健康的な肌を目指せます。
乾燥による小ジワ、たるみの目立たない肌に

肌のたるみや小ジワの原因は、加齢や紫外線ダメージによる肌内部のコラーゲンの減少、乾燥による肌の水分量の減少などがあげられます。これらの肌悩みは、セルフケアではなかなか改善できないのが現状です。
先に述べたように、マッサージピールには肌内部の線維芽細胞を活性化し、コラーゲンの生成を促進させる効果があります。そのため、保水効果が増し、キメを整えて肌のたるみや乾燥による小ジワを目立たなくすることが期待できます。
ニキビのできにくい滑らかな肌に

マッサージピールは、キメの整った潤いのあるお肌を作るサポートをします。毛穴が締まるため、ニキビができにくくなります。
また、肌内部のコラーゲンの生成を促進させる作用や、ピーリングによる表皮の剥離作用によって肌の再生をうながし、凹凸のできてしまったニキビ跡を目立たなくすることが期待できます。
さらに、メラニン色素の増加を抑制する働きによって、ニキビ跡の色素沈着した毛穴を目立ちにくくする効果も得られます。
年齢が出やすい首や手にハリと潤いを与える

マッサージピールは、目元や口もとだけでなく、年齢や生活習慣による乾燥が出やすい手や首のシワにも効果的です。首は加齢や紫外線ダメージによる乾燥のほかに、日常の首を動かす動作や姿勢によってもシワができやすい場所です。
手は1日に何度も行う手洗いや手指のアルコール消毒、洗い物をする際の洗剤などで乾燥しやすく、水分不足からシワが目立ちやすいパーツといえます。マッサージピールによって、首・手にもハリと潤いを与え、乾燥によるシワを目立たなくすることが期待できます。
マッサージピールとケミカルピーリングの違いとは

マッサージピールもケミカルピールの一種ですが、2つの大きな違いは、施術後のダウンタイムの強さです。従来のケミカルピーリングは剥離作用の強いトリクロロ酢酸の濃度が高く、施術後に赤みや皮剥けなどの炎症が起こりやすい傾向がありました。
そのため、肌質によっては施術が受けられなかったり、部分的な使用にとどまったりしていました。一方でマッサージピールは過酸化水素を合わせて配合することで肌へのダメージを軽減し、ダウンタイムを抑えることができます。
マッサージピールはイタリアで10年以上もの歳月をかけ、臨床研究を繰り返して生み出された次世代のピーリングです。「マッサージピール」という名の通り、ただ薬剤を塗るだけでなく、マッサージするようにお肌に浸透させます。部位によって異なる皮膚の厚さ、強さを見極めて適切な手技を行うことが求められます。
マッサージピールに使用される成分

マッサージピールで使用される薬剤には、トリクロロ酢酸(TCA)・過酸化水素(H2O2)・コウジ酸の3つの効果的な成分が配合されています。ここからは、それぞれの成分の特徴と作用を解説していきます。
トリクロロ酢酸

トリクロロ酢酸は、肌内部の真皮層に浸透して線維芽細胞を活性化させ、コラーゲンの生成を促進させる成分です。剥離作用が非常に強く、ニキビ肌の凸凹を修復するためによく用いられてきました。しかし、塗布後は肌がヒリついたり炎症を起こしたりとダメージも大きいのが特徴です。
美肌治療においてトリクロロ酢酸を単体で使用することはリスクが伴います。マッサージピールでは低濃度の過酸化水素を併せて配合することで、剥離作用を抑制することができるようになりました。
過酸化水素

過酸化水素は、剥離作用の強いトリクロロ酢酸から肌を保護する成分です。トリクロロ酢酸と反応すると中和され、タンパク質の変性を防ぐことにより肌への刺激を抑制します。
また、トリクロロ酢酸と同じく、真皮細胞を活性化してコラーゲンの生成を促します。マッサージピールは単体使用では刺激の強すぎるトリクロロ酢酸に過酸化水素を合わせることで、剥離作用を抑制し、ダウンタイムのほぼない施術となったのです。
コウジ酸

コウジ酸は、シミを引き起こすメラニン色素のもととなる、チロシナーゼという酵素の生成を防ぐ成分です。メラニンの生成を抑制することで、シミを予防する効果が期待できます。
また、肌の老化の原因のひとつともいわれる、タンパク質・脂肪が糖と結合してできるAGEsの生成を抑制する抗糖化作用を持つのも特徴です。しなやかで弾力のある肌を保ち、透明感アップ効果も期待できます。

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マッサージピールの効果は一回目から

マッサージピールは、1回目の施術直後から効果を実感しやすいのが特徴です。薬剤に含まれたトリクロロ酢酸と過酸化水素が浸透時に反応すると水分が発生し、肌のハリや透明感がアップするからです。
効果の持続はもともとの肌状態によって個人差がありますが、1回目の施術後にすぐ効果が現れるのはうれしいポイントです。
効果的な施術の頻度

マッサージピールは回数を重ねるうちに段々と効果が現れやすくなっていきます。そのため、1回きりの施術ではなく、2〜3週間に1回の間隔で、5回を1クールとして行うとより効果的です。
1回目から効果を実感しやすい施術ですが、回数を重ねることによって肌のハリがさらに実感できるでしょう。
マッサージピールの効果がないと感じる時

施術前の肌状態や治療のペースによっては効果を実感しにくい場合もあります。5回を1クールとして行うのが推奨されていますが、もともとの肌状態や治療目的によっては2クール以上が必要です。
また、施術の感覚が開きすぎてしまっても、効果を実感しにくいことがあります。自分の肌状態に合わせて、焦らず気長に治療をしていきましょう。
マッサージピールの副作用・リスク

マッサージピールは肌を傷つけることがほとんどないため、美容医療の中でも大きな副作用やリスクのない施術ですが、人によっては施術中に顔にひりつきや火照りを感じることがあります。
施術中や施術後に肌の異常を感じた場合は、すぐにスタッフや病院に相談しましょう。
ダウンタイム

マッサージピールはケミカルピーリングと異なり、ダウンタイムがほとんどないのが特徴です。したがって術後の赤みや炎症は起きにくいものの、人によっては薄皮が剥けたり、多少の赤みが発生したりすることがあります。
その場合は触ったり皮をむいたりして刺激を与えないようにしてください。熱感があるときは患部を冷やし、自然に治るまで待ちましょう。
また施術直後に皮下気泡(稗粒腫のような白い点)が出現する場合がありますが、1時間程度で改善します。施術するクリニックによっては、医師の判断によりステロイドなどの抗炎症剤が処方されることもあります。
ダウンタイムは個人差が大きいため、カウンセリングの際によく説明を受け、不安を解消してから施術を受けるのが望ましいでしょう。
マッサージ後の注意

施術当日は肌の炎症を強めるおそれがあるため、飲酒や激しい運動は控えるようにしてください。術後しばらくは、スキンケアやメイク時にマッサージや摩擦などの刺激を与えないように気をつけましょう。
スキンケアでは普段以上に十分な保湿を行い、日焼け止め(SPF50以上)を使用して肌をいたわることが重要です。また、肌にかさぶたや皮剥けができた場合は、無理に剥がさず、自然に剥がれるまで待ちましょう。
施術を受けられない方

マッサージピールの薬剤に含まれる成分によって皮膚や身体に影響を与える可能性があるため、以下に当てはまる方は施術を受けられません。自分が施術を受けられるかどうか、受診する前に確認しましょう。
・妊娠中、妊娠の可能性のある方、授乳中の方
・1カ月以内に日焼けをした方、または日焼け予定のある方
・日光過敏の方
・TCAやコウジ酸にアレルギーのある方
・アルコール過敏症の方
・ヘルペス治療中の方
・皮膚に傷や炎症がある方、他の美容医療の施術直後の方
・重度の乾燥肌、敏感肌の方
マッサージピールの施術の流れ

1. マッサージピールの施術を受ける際は、初めに医師による診察・カウンセリングを行います。悩みの症状や期待する効果などを元に治療回数や治療プランを決め、施術に関する説明を受けましょう。
2. 施術前にはクレンジング・洗顔を行い、メイクや肌の油分をしっかりと洗い流します。施術の効果を上げるために、化粧水や乳液はつけずに施術室へと移動してください。
3. 準備ができたらマッサージピールを行います。薬剤を肌に塗布してマッサージをし、肌に浸透させます。施術は約30分〜1時間ほどで完了します。
4. 施術後はクリームなどでしっかりと保湿して終了です。肌に特に問題がなければ、その日のうちからメイクをすることができます。
セルフマッサージや通販の商品でも効果はある?

通販の商品を自分で購入したり、市販の商品を使ってセルフマッサージをすることはおすすめしません。必ず美容皮膚科など、医療機関で施術を受けましょう。
通販や個人輸入でマッサージピールの薬剤を購入するのは危険がともないます。製造環境や成分の安全性が不明瞭なうえ、冷蔵保存が義務付けられている薬剤の保存状況も確認できません。
また、クリニックでは機器を使用して肌の状態をチェックしているほか、医師が患者の肌状態をしっかりと見極めてマッサージを行っています。
専門知識のない人がセルフでマッサージを行うと、使用量やマッサージの加減を誤ってしまう可能性が高いでしょう。セルフでのピーリングはリスクが高く、かえって症状の悪化を招きかねません。
まとめ

肌の真皮に浸透してコラーゲンの生成を促進させる効果のあるマッサージピール。従来のケミカルピーリングと異なり肌への刺激が少なく、ダウンタイムがほとんどない点が魅力です。
肌の老化や乾燥によるたるみや小ジワ、ハリ不足が気になる方や、シミ・ニキビ跡の凹凸や色素沈着で悩んでいる人は、ぜひ一度美容皮膚科などの専門の医療機関を受診して施術を受けてみてください。