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【薬剤師監修】ワセリンの種類や違いを知りたい!基本の使い方や安全性についても解説

皮膚科で保湿剤として処方されることや、ドラッグストアで見かけることも多いワセリン。

「何種類かあるようだけど、違いがわからなくてどれを選べばいいかわからない」という方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、ワセリンの種類や違い、効能や使い方についても解説します。また、気になる安全性についても説明するので、ぜひ参考にしてみてください。

教えてくれたのは

薬剤師 稲嶺千春 さん

大学卒業後、製薬企業で健康食品の品質保証に携わる。その後、調剤薬局の薬剤師へと転職して心療内科の処方を中心とした臨床経験を積む。会社員として働くなかで、自分の力だけで人々に価値提供していくことに興味をもち、もともと興味のあった美容や健康分野を中心に執筆活動をしている。

そもそもワセリンとはどんなもの?

ワセリンとは、石油を原料とした保湿剤です。保湿剤といっても、皮膚に水分を与えるわけではなく、皮膚の水分の蒸発を防ぐフタのような役割で使われます。

ワセリンの原料が石油であることに抵抗を感じる方もいるかもしれませんが、石油自体がもともと天然由来の成分であり、不純物は精製段階でほとんど取り除かれています。そのため、肌への負担を過度に心配する必要はありません。

ワセリンの種類や違い

ワセリンは基本的に2種類にわけられ、純度の低いものを「黄色ワセリン」、純度が高いものを「白色ワセリン」と呼びます。

黄色ワセリン

黄色ワセリンは、ワセリンのなかでも純度が一番低く、不純物の含有量が多いものをいいます。

比較的安く手に入りますが、純度が低いため、敏感肌の方やアトピー肌の方、赤ちゃんなどに使うと肌荒れが起こる場合もあります。そのため、現在は医療機関ではほとんど使用されていません。

黄色ワセリンは、かさつきや角質が気になるかかとやひじなどの保湿におすすめです。使用する場合は、事前に腕の内側でパッチテストするとよいでしょう。

白色ワセリン

白色ワセリンは、黄色ワセリンよりも純度が高いもののことをいいます。医療機関でも頻繁に使用されているため、敏感肌の方や赤ちゃんにも使いやすいです。

白色ワセリンのなかでも、純度によって「プロペト」や「サンホワイト」などにわけられます。

プロペト
プロペトは白色ワセリンの純度を高めたもので、皮膚科などの医療機関でも用いられる処方薬です。純度が高いワセリンなので、目の周りといったデリケートな部位にも使用できます。

サンホワイト
サンホワイトはプロペトの純度をさらに高めたもので、アレルギーパッチテストの基剤に使われるほど低刺激で肌にやさしい処方です。サンホワイトは、「肌が弱くて、自分に合った保湿剤がなかなか見つからない」という方に向いています。

こんなときに便利!ワセリンの効能や基本的な使い方

ひとつもっておくと便利なワセリン。ここでは、ワセリンの効能や、基本的な使い方についてご紹介します。

ワセリンの効能

ワセリンは皮膚表面をコーティングすることで水分蒸発を防ぐので、肌の保湿に役立ちます。化粧水や乳液の前に使用したあとに塗ることで、肌の水分を閉じ込めて潤いが持続します。また、保護膜を作ることで傷口を保護するため、すり傷やヤケドなどの治療にも使用されます。

ワセリンの基本的な使い方

ワセリンは顔や唇に加えて、手足などのからだにも使える便利な保湿アイテムです。塗りすぎるとテカリやベタつきが気になるため、少量ずつ使用しましょう。

ここでは、ワセリンの具体的な活用方法をご紹介します。

顔の保湿
化粧水や美容液で顔の保湿をしたあとにワセリンを塗ると、肌の潤いを閉じ込められるため、保湿効果が高まります。

使用量が多すぎると、ベタついて空気中のホコリを吸着してしまうことがあるので、適量を薄く伸ばして使いましょう。ベタつきが気になるときはティッシュオフがおすすめです。

リップケア
ワセリンは、皮膚が薄くて乾燥しやすい唇の保湿にも役立ちます。乾燥や皮むけが気になる場合には、寝る前のリップパックがおすすめです。ワセリンを唇に厚く塗ったら、小さくカットしたラップで覆い、5分ほどパックしましょう。ラップをすることで唇の保湿効果が高まります。

その他にも、ワセリンをリップメイクの下地にしたり、リップグロス代わりに使うこともおすすめです。

ヘアケア
ワセリンは、乾燥による髪のダメージ予防にも役立ちます。毛先のパサつきが気になるときには、髪を洗ったあとのタオルドライした髪に少量をなじませ、ドライヤーで乾かしましょう。ワセリンの量が多すぎるとベタつくので、毛先を中心に薄くつけましょう。

かかとの保湿
ワセリンは肌に膜をはることで水分蒸発を防げるため、かかとの乾燥やひび割れの改善・予防に役立ちます。

入浴後、タオルで水気を取ったあとに適量のワセリンをかかとに塗ると、保湿効果で次第にやわらかくなるでしょう。ワセリンを塗ったあとは、靴下を履くことで保湿効果がより高まります。

ワセリンの安全性や副作用

天然成分の保湿剤として有用なワセリンですが、安全性の問題や、副作用はないのでしょうか。ここでは、ワセリンの安全性や、考えられる副作用について解説します。

安全性

ワセリンは安全性が高い天然成分であり、医療現場や薬の基剤として使われることも多くあります。基剤とは塗り薬のベースとなるものであり、有効成分の肌への吸収をよくしたり、患部を保護したりする役割をもつものです。

ただ、純度が低いものを使うと、肌の弱い方では肌荒れが起こる可能性があります。肌トラブルが心配な方は、からだの目立たない部分に試しに塗ってみて、赤みやかゆみなどが出ないか確認してから使用しましょう。

副作用

一般的に、ワセリンは副作用が少ない安全な保湿剤です。しかしながら、以下のような副作用が起こる場合があります。

かぶれや発疹
敏感肌の方やアトピー肌の方は、黄色ワセリンといった純度の低いものを使用することで肌荒れを起こす場合があります。心配な方は、使用前に腕の内側といった目立たない部分に少量塗って試してから使いましょう。顔とは異なり、もし赤みが出たりかぶれたりした場合でも目立ちにくく、服で隠すこともできます。

毛穴の詰まり
ワセリンを顔に大量に塗ると、毛穴をふさいでニキビを悪化させてしまう場合があります。ベタつかないように薄くのばし、気になる場合はティッシュオフしましょう。

ワセリンを使う際の注意点

ここでは、ワセリンを使う際に覚えておきたい注意点についてご紹介します。

ワセリン自体に水分を与える働きはない

ワセリンは保湿剤ですが、ワセリン自体に水分を与える働きはありません。そのため、化粧水や美容液で保湿したあとに使うと効果的です。

雑菌の混入や品質の劣化に注意する

ワセリンには、無添加で防腐剤が入っていない製品も多くあります。そのため、開封後はできるだけ早く使い切りましょう。

また、容器の中に直接指を入れて取り出すと、手の皮脂や雑菌などが入ってしまいます。ジャー容器に入った製品を使う場合は、スパチュラを使うとよいでしょう。スパチュラの使用が面倒な場合は、チューブ型の製品を選ぶとよいでしょう。

火気に注意する

ワセリンの原料は石油なので、燃えやすいという特徴があります。ワセリンの近くで火を使ったり、喫煙したりすることは避けましょう。

ワセリンに関するよくある質問

ここでは、ワセリンの種類や使い方に関してよくある質問についてお答えします。

Q1. ワセリンとヴァセリン(Vaseline)の違いは?

「ヴァセリン(Vaseline)」はユニリーバ・ジャパンの商品で、ワセリンのなかでも黄色ワセリンに分類されます。

ヴァセリンは化粧品コーナーに置いてある商品であり、顔や唇、手足などの保湿に使用できます。ヴァセリンの中身である黄色ワセリンは不純物の含有量が多いため、肌が弱い方はパッチテストをしてから使用しましょう。

Q2. ワセリンとベビーワセリンの違いは?

ベビーワセリンは白色ワセリンでできており、酸を使わない精製方法でつくられています。そのため、白色ワセリンよりも不純物が少ないことが特徴です(※1)。

使用感に関しては、白色ワセリンよりもやわらかくて伸びがいいとされています。そのため、赤ちゃんのおしりかぶれや乾燥肌の予防にも役立ちます。

Q3. ワセリンを塗ると日焼けしやすいって本当?

ワセリンには紫外線を防ぐ働きがあるため、塗ることで日焼けが悪化することはありません。実際に、健康な35人を対象にしたトルコの実験では、肌にワセリンを塗った場合の紫外線防御効果が示されています(※2)。
このような結果からも、少なくともワセリンが日焼けを悪化させることは考えにくいと考えられます。

ワセリンの種類を知り、自分に合ったものを選ぼう

ワセリンは、顔やからだに使える万能な保湿剤であり、純度によって白色ワセリンや黄色ワセリンにわけられます。肌が弱い方や、赤ちゃんに使う場合は、できるだけ純度の高いワセリンを選ぶとよいでしょう。

ワセリンは安全性の高い成分ですが、使用するなかで肌荒れや炎症を起こした場合は、使用を中止して医療機関を受診しましょう。それぞれのワセリンの特徴を理解して、自分の肌質や用途にあった活用方法を試してみてくださいね。

【参考文献】
1)健栄製薬 ベビーワセリンとは Q&A 従来の白色ワセリンとどこが違いますか?
https://www.kenei-pharm.com/baby-waserin/
2)Emel Fetil 1, Sebnem Ozka, Mahmut Cüneyt Soyal, Turna Ilknur, Yasemin Erdem, Ali Tahsin Güneş ,Effects of topical petrolatum and salicylic acid on the erythemogenicity of UVB,Eur J Dermatol, 2002;12(2):154-156
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/11872412/

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