脂肪溶解注射 顔や太ももなどの部分痩せに効果的!切らずにできる話題の施術
脂肪溶解注射は、脂肪細胞を溶かす作用のある薬剤を注射することで、脂肪を減らす痩身施術です。顔や太ももなど、通常のダイエットでは難しい部分痩せの効果が期待できます。また、切らずにできる施術なので、痛みやダウンタイムが気になる方の間で話題になっています。
本記事では、脂肪溶解注射の概要やメカニズム、メリット・デメリット、脂肪吸引との違いなど詳しく解説します。
脂肪溶解注射とは
「脂肪溶解注射」とは、脂肪を分解・溶解し、細くするための施術方法です。注入する薬剤には、脂肪を部分的に減らす作用があります。脂肪のある部位であれば、どこでも注射可能です。
薬剤1本につき、手のひらサイズくらいの範囲に効果を発揮します。あくまで狭い範囲の脂肪に限り作用するため、1回の施術で全身を改善するのは難しいです。
その分、脂肪を減らしたい部分だけにアプローチでき、微調整がしやすく、例えばバストの脂肪はそのままで、お腹や足の脂肪だけを減らすといった施術も可能です。
脂肪溶解注射の主な成分は「ホスファチジルコリン」と「デオキシコール酸Na」の2種類です。
ホスファチジルコリン
大豆から抽出される大豆レシチンの主要成分で、脂肪細胞を溶かす強い作用があります。もともとは、脂肪肝や高脂血症の治療に使われていました。
デオキシコール酸Na
胆汁に含まれる酸の一種で、脂肪細胞を溶かす強い作用があります。日本の厚生労働省にあたるアメリカのFDAから、脂肪溶解効果を認められています。
脂肪溶解注射は、基本的にホスファチジルコリンやデオキシコール酸Naに、肌の引き締め効果などの美容効果のある成分を配合した薬剤を使います。
脂肪を分解・溶解する作用は同じでも、成分の量や組み合わせによって、効果や仕上がりに差が出る場合があります。クリニックごとに取り扱いの薬剤が違うので、医師からしっかり薬剤について説明をうけるとよいでしょう。
脂肪溶解注射の特長
こんな悩みをお持ちの方へ
脂肪溶解注射は、下記のようなお悩みをお持ちの方に向いている施術です。
・ダイエットしても顔の脂肪が減らない
・だんご鼻が気になる
・部分痩せをして理想のメリハリボディになりたい
・メスを使った手術はしたくない
・ダウンタイムはなるべく短くしたい
・周りに施術したことを知られたくない
・リバウンドをしたくない
脂肪溶解注射は、部分痩せが可能なので、必要な脂肪は残して、不要な脂肪だけを落とせます。さらに、細胞脂肪の数そのものを減らせるため、リバウンドの可能性をおさえられます。
脂肪溶解注射の仕組み
脂肪溶解注射により、脂肪が分解・溶解される流れは以下の通りです。
(1)薬剤の成分が、脂肪細胞の周りにある脂肪細胞膜を直に破壊
(2)細胞脂肪内に蓄積されている中性脂肪を除去し、脂肪細胞を破壊
(3)破壊された脂肪の成分は、静脈やリンパ管を通り、尿や汗と一緒に体外へ自然に排出
脂肪細胞は、中性脂肪を蓄える役割を持つ細胞です。脂肪溶解注射によって、中性脂肪が分解されると脂肪細胞が縮小または減少します。それにより、脂肪量が少なくなり、フェイスラインやボディラインが変化します。
脂肪溶解注射で取り除いた脂肪細胞は再生しないので、施術から時間が経過しても、脂肪細胞の数が減った状態を維持できます。
脂肪溶解注射のメリットや効果は?
脂肪溶解注射には、さまざまなメリットや効果があります。
痩せにくいフェイスラインを引き締められる
運動や食事制限をしても、顔の脂肪が落ちないと悩む方は少なくありません。二重あごや頬といった脂肪の多い場所に、脂肪溶解注射を打つことで、引き締まったフェイスラインを手に入れられます。
さらに、だんご鼻やまぶたのたるみにも注射ができ、顔のあらゆる箇所の脂肪除去が可能です。
お腹や太ももなど部分痩せで理想のボディを目指せる
運動や食事制限でのダイエットでは、痩せたい部分の脂肪だけを減らすのは難しく、バストなど減らしたくない部分も減ってしまう可能性が高いです。
脂肪溶解注射の場合、注射をした箇所の脂肪をピンポイントで取り除けるので、お腹や太もも、二の腕など気になる部分だけを引き締められます。例えば、バストはふっくらしているのに、お腹がキュッと細い、メリハリボディを目指せます。
脂肪細胞の数が減るためリバウンドしにくい
脂肪の量が増える原因は、脂肪細胞の増加ではなく、脂肪細胞が大きくなってしまうことです。
運動やカロリー制限といった通常のダイエットでも、細胞脂肪のサイズを小さくできますが、細胞脂肪の数は減らせません。脂肪溶解注射を打つと、脂肪細胞の数を減らせるため、リバウンドのリスクをおさえられます。
さらに、脂肪細胞のなかに老廃物が溜まって皮膚が凸凹する「セルライト」も取り除けます。セルライトができて見かけが気になる方は、脂肪溶解注射を受けるのもひとつの方法です。
脂肪をすぐに減らせる
脂肪細胞を直接分解するため、1回の注射でも脂肪を減らせます。使う薬剤や体質にもよりますが、施術から3日後くらいで変化を実感できる場合もあるでしょう。
施術時間が短い
メスできるのではなく、脂肪を取り除きたい場所に注射するため、施術時間は約10分です。手術が必要な施術と比べて大幅に時間を短縮しています。
身体の負担が少ない
メスで切らない分、身体の負担が少ないのもメリットです。手術に比べ大幅に痛みを軽減できるため、手術に抵抗のある方も多く受けています。施術後の回復も早く、ほとんどの場合、当日からいつも通りの生活ができます。仕事や家事などで忙しい方にも適した痩身治療といえるでしょう。
脂肪溶解注射のデメリットや副作用はある?
脂肪溶解注射のデメリットや副作用「脂肪吸引」との違いについて解説します。
デメリット
内臓脂肪の除去には向いていない
内臓脂肪とは、胃や腸などの内臓のまわりに蓄積される脂肪のことです。脂肪溶解注射で内臓脂肪を取り除こうとすると、内臓近くにまで針を刺す必要があり、内臓にダメージを与える危険性があります。
そのため、脂肪溶解注射では内臓脂肪を除去できません。脂肪吸引も同様の理由で難しいので、食生活の改善や運動など生活習慣を整えて減らします。
広範囲の脂肪除去には向いていない
脂肪溶解注射の脂肪溶解効果の範囲は、薬剤1本あたり手のひらくらいの範囲です。一度のたくさんの薬剤を注入すると、身体への負担が大きすぎるので、使用できる量には限りがあります。
そのため、広範囲の脂肪を落とすには、何度も繰り返し施術を行う必要があり、その分、時間や費用が多くかかります。また、腫れや痛みといったダウンタイムの症状も施術のたびに、発生するかもしれません。
副作用
脂肪溶解注射はメスで切らない分、身体の負担が少なくダウンタイムも短いですが、注射をするため、副作用のリスクがあります。
主な副作用は、注入箇所の腫れや痛み、内出血です。副作用による症状の重さや期間は人によって異なりますが、ほとんどの場合は、施術から数日~1週間ほどで落ち着きます。
多くの場合、副作用によって日常生活に影響が出ることはありません。時間の経過により症状が引いていくので、気になる場合は、休日や連休前のタイミングで施術を受けるとよいでしょう。
また、投与した薬剤や分解した脂肪は内臓で分解されるため、投与量が多いと、内臓に負担がかかる可能性があります。
脂肪吸引と脂肪溶解注射との違い
脂肪溶解注射以外の脂肪を除去する施術には、脂肪吸引などがあります。脂肪吸引は、皮膚を数mmくらい切開し、「カニューレ」と呼ばれる専用の細い管で皮下脂肪の脂肪細胞を吸い出し、取り除く施術方法です。
脂肪吸引と脂肪溶解注射の違いは、以下の通りです。
治療範囲
脂肪吸引は、広範囲の脂肪除去に向いており、ボディライン全体の変化やお腹周りなど脂肪量の多い部位に有効です。脂肪溶解注射は、頬やアゴなどのフェイスラインといった狭い範囲の脂肪除去に向いています。
変化を実感するまでの時間
脂肪吸引は、一度の施術で多くの脂肪細胞を除去できるため、1回の施術で大きな変化を実感できます。脂肪溶解注射は、少しずつ脂肪を減らす施術なので、変化を実感するまで時間がかかるケースが多く、数回は通院が必要です。しかし、その分、施術をしたことを周囲に気づかれないというメリットもあります。
ダウンタイム
脂肪吸引は、メスを使って切開するため、痛みや腫れなどの症状が出やすく、ダウンタイムも1ヶ月ほどかかります。脂肪溶解注射は、ダウンタイムが数日から1週間程度で、症状が出ている間も、普段とほぼ変わらない生活ができます。
費用
脂肪吸引と比べて、脂肪溶解注射の方がリーズナブルなイメージがあります。しかし、脂肪溶解注射は効果を実感するまで、何回か施術する必要があります。施術範囲などによっては、脂肪吸引とほぼ同じくらいの費用がかかる可能性があるので、医師と相談して見積りをしてもらうとよいでしょう。
施術の流れ
(1)カウンセリング・診察
施術前に医師によるカウンセリング・診察を受けます。脂肪を減らしたい部位や理想の体型といった悩みや希望を伝えます。悩みや希望の仕上がりに合わせて、注射を打つ箇所と本数を決定。また、アレルギーや持病など体調面の不安のある方や痛みに弱い方は、事前に相談しましょう。その他、ダウンタイムや費用など何か気になる点があれば、遠慮なく質問してください。
(2)マーキング
施術前に、顔の施術の前はメイクを落とすなど肌を清潔に整えます。脂肪を溶解させたい箇所と針をさすにマーキングして、カウンセリング・診察時に決めた内容通りに施術できるよう準備します。
(3)施術
マーキング通りに、丁寧に薬剤を注入します。痛みが気になる場合は、注射前に痛みを和らげる麻酔クリームを塗る場合もあります。
(4)クーリング
注入後に、体調不良や施術箇所の腫れ、しびれなどの問題がないかチェックします。特に異変がなければ、すぐに帰宅できます。
施術時間
脂肪を溶解させたい箇所に注射するだけなので、基本的には10分程度で施術が終わります。短時間で終わる施術で、ダウンタイムもほぼないため、忙しい方も受けやすいです。
ダウンタイム・注意事項
脂肪溶解注射のダウンタイムや注意事項についてご紹介します。
痛み
人それぞれ痛みの感じ方には個人差がありますが、細い針を使用して注射するため、痛みはほぼありません。アイシングをしながら施術するなど、痛みを軽減する工夫をしているクリニックもあります。
痛みに弱い方や気になる方は、カウンセリング時に相談するとよいでしょう。麻酔クリームなどを使って、痛みをおさえられる場合もあります。
ダウンタイム
何度か注射針を刺すため、施術後に、内出血や赤み、腫れ、痛みなどが出る場合があります。しかし、ほとんどの場合、1週間ほどで落ち着きます。筋肉痛のような痛みが数日間続く方もいますが、日常生活に支障のない程度です。
異変がなければ、施術直後からメイクもでき、その日のうちにシャワーも可能です。
施術頻度
治療する部位や施術箇所の広さによって、施術回数・期間は異なります。注射する範囲が広いほど、注入量も増えるため、施術回数が多くなり、期間も長くなります。
同じ場所に注射する場合は、少なくとも2週間ほど間を空けて打ちます。顔に注射する場合は約1ヶ月おきに2~3回、身体に注射する場合は約1ヶ月おきに6回くらいが、施術回数の目安です。
複数個所に注射を打つ場合は、施術箇所を組み合わせてスケジュールを立てることで、効率的に脂肪を取り除けます。
施術前後の注意事項
脂肪溶解注射は、ダウンタイムも短く、日常生活への影響が少ない施術です。ですが、赤みや腫れ、内出血などが出る場合もあります。
飲酒や湯船につかっての入浴、マッサージは、上記の症状を助長する場合があるので、施術当日は控えましょう。
赤みや腫れが続いたり、蕁麻疹が出たりする場合は、アレルギーなどの可能性があります。早めに施術した医師に相談してください。
また、ダウンタイムが過ぎた後は、マッサージや有酸素運動をすると、以下のような作用により、効果を実感しやすくなります。
・マッサージ:注入した薬剤が皮膚の下に広がり、効果を促します
・有酸素運動:溶けた脂肪を燃焼させることにより、部分痩せの効果を促します
こんな方は受けられません
以下の項目に当てはまる方は、脂肪溶解注射を受けることができません。
・妊娠中または妊娠の可能性がある方
・授乳中の方
・最小血管障害や血管不全のある方
・免疫不全のある方
・1型糖尿病や関節リウマチ、甲状腺機能亢進症など、自己免疫疾患のある方
・抗がん剤治療中の方
・施術箇所の皮膚に潰瘍や感染などがある方
・湿疹や乾癬など皮膚に異常のある方
・糖尿病や心疾患、高血圧の方
・大豆アレルギーのある方(大豆由来の成分を使用した薬剤の場合)
など
体調に不安のある方や服薬治療している方、アレルギーのある方は、施術を受ける前に必ず医師に相談してください。