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HARG療法とは?効果や費用・リスクについても解説!

HARG療法はAGAやFAGA(女性の薄毛)の治療に用いられる毛髪再生方法の一つで、頭皮内部に成長因子を含んだ薬剤を注入して持続的な発毛を促します。

この記事では、HARG療法のメリット・デメリットや治療にかかる費用、メンテナンスの頻度などについて詳しく解説します。薄毛に悩んでいる方や、投薬治療や育毛剤では効果を実感できなかった方は、ぜひ参考にしてみてください。

HARG療法とは

HARG療法はAGA治療の一種で、発毛や育毛、抜け毛の防止に効果が期待できる毛髪再生治療です。頭皮に直接薬剤を注入することで育毛・増毛を促す治療方法で、最短3か月で効果が実感できるといわれています。

注入する薬剤はAAPEとよばれるヒト由来のタンパク質で、150種類以上もの成長因子を含んでいるのが特徴です。頭皮に注入することで髪を作るはたらきをする毛母細胞を活性化させ、発毛がもたらされます。

HARGの特徴

HARG療法はHair Re-generative theraphy(毛髪再生医療)の頭文字をとって名付けられた薄毛の根本的解決につながる治療法で、「日本医療毛髪再生研究会」から認定を受けた特定の医療機関でのみ治療が可能です。

HARG療法では薬剤を使用して休眠中の毛根に発毛を働きかけ、本来の発毛力を呼び起こします。頭皮の再生能力自体を高める治療のため、一時的な発毛にとどまらず、治療後も発毛効果が持続するのが特徴です。

治療による副作用のリスクが少なく、年齢や性別の制限なく治療が受けられるため、これまで治療が難しいとされてきた女性の薄毛(FAGA)にも適用できます。

HARG治療の効果のメカニズム

HARG治療で注入するのは、毛根にある毛乳頭とよばれる、髪を育てる組織を刺激する薬剤(AAPE)です。毛乳頭は毛細血管から栄養を取り入れ、その先にある毛母細胞に送って髪を育てるはたらきをしますが、加齢・活性酸素の増加・ストレスなどによって細胞が傷付くと、薄毛が進行する原因となります。

AAPEは成長因子を豊富に含んでおり、傷付いた毛乳頭を修復し、休眠中の毛根から再び発毛が行えるようにサポートする効果のある薬剤です。また、成長因子のほかにも毛髪の成長を促すビタミンB・H・C・Eを含んでおり、健康的な髪を作る効果が期待できます。

HARG療法の治療期間と費用

HARG療法はこれまで主流とされてきたAGA治療とは異なり持続力のある治療ですが、1回の施術で治療が完了するわけではありません。

薬剤の注入は3〜4週間に1回のペースで行い、6〜9回を1クールとして治療を継続します。個人差はありますが、3〜9か月程度で発毛効果が実感できるといわれています。無事に発毛がみられ、治療が完了したら、あとは数年に1度のメンテナンス治療を行うことで発毛状態の維持が可能です。

費用はクリニックや薄毛の状態によって変動しますが、1回の注入につき約6〜9万円が相場とされています。1クール続けた場合、60万円程度の費用がかかると見積もっておきましょう。

HARG療法は推奨されていないって本当?

HARG療法によるAGA治療は、皮膚科学会が作成した「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」において「行わない方がよい(C2)」との記載がなされています。しかし、これはHARG治療に効果がない・副作用が強いという意味での非推奨ではなく、まだ研究調査が不十分であるという理由付けによるものです。

HARG療法は日本国内では薬事法上の認可を受けていない治療法ですが、米国FDA・韓国KFDAの承認は既に取得しています。また、日本では現在までに3万件以上のHARG療法による検証が行われ、患者の90%以上が発毛したとの報告もあります。

薬剤の注入方法によっては治療後の痛みやかゆみ・腫れ・発疹などの皮膚トラブルが起こる可能性もありますが、いずれも症状が軽度なうえ、重篤な副作用も今のところ報告されていません。今後さらに研究調査が進んでいけば、国内でも推奨度が高まる治療法であるといえるでしょう。

HARG療法の治療方法

HARG療法におけるAAPEの皮膚への注入方法は、注射針・エレクトロポレーション・レーザーなどいくつかの選択肢があります。術式によって痛みやダウンタイムに差があるほか、薄毛の状態によっても最適な注入方法が異なるので、医師と相談しながら治療を進めていきましょう。

パピュール法

パピュール法は注射針で頭皮に薬剤を注入する方法で、HARG療法のなかでもっともポピュラーな注入方法です。頭部に1〜2cm間隔で注射針を刺し、表皮と真皮の間に薬剤を注入して有効成分を頭皮内部に浸透させます。

薬剤が浸透しやすく効果が出やすい注入方法の一つですが、施術する人の技術力が必要なうえ、針を用いるため痛みを伴いやすいのがデメリットです。痛みが苦手な方は、麻酔をしてから施術を受けるなどの対策を取るとよいでしょう。

エレクトロポレーション

エレクトロポレーションは、注射の痛みが不安な方向けの針を使わない注入方法です。頭皮に特殊な電気パルスを与えて一時的に微小な穴をあけ、薬剤を穴から注入して角質層の奥まで浸透させます。

薬剤の浸透力はパピュール法よりもやや劣るといわれていますが、針を使わないため痛みがほとんどなく、頭皮が傷つくリスクもありません。注射針を用いるパピュール法を避けたい方は、エレクトロポーションを採用しているクリニックを探してみてはいかがでしょうか。

フラクショナルレーザー

フラクショナルレーザーも、エレクトロポレーションと同様に針を使わない注入方法です。レーザーで頭皮に極小の穴を開け、その穴から頭皮内部に薬剤を浸透させます。

レーザー放射によって効率よく薬剤を浸透させることが可能なうえ、痛みも少ないことがメリットです。しかし、パピュール法に比べると薬剤の浸透力が劣るため、治療を開始してから発毛を実感するまでに回数がかさむ可能性があります。

その他の注入法

このほかにも、ダーマーローラーや最新機器を用いた治療法がクリニックごとに取り入れられています。微細な針を用いるダーマローラーや水光注射にも用いられるニューラジェット・U225(メソガン)は、パピュール法よりも痛みが少ない方法です。

また、炭酸ガスの噴射による圧力を利用したMEDJET(メドジェット)を採用しているクリニックもあります。治療時間や痛みの強さなど、医師と相談しながら自分に合った注入方法を見つけましょう。

HARG療法の注意点

HARG療法は薄毛を根本的に治療できるうえ、制限が多く治療が難しい女性の薄毛にも対応しているのが強みです。一方でまだ研究・調査途上のために未解明な部分も多く、痛みや発毛までの時間などのデメリットもあります。

痛みを伴うことがある

HARG療法の施術では、AAPEを頭皮に注入する際に痛みを伴うことがあります。痛みが苦手な方や施術が怖い方は、麻酔を使用して治療を受けることも可能です。

また、注射針やダーマローラーなどの針を使った注入よりも痛みの少ないエレクトロポレーションやレーザーなどの注入方法を選べる場合もあるので、事前に医師とよく相談してから治療を受けましょう。

施術後は2週間ほどパーマやカラーリングが出来ない

HARG療法は頭皮に薬剤を直接注入する治療法のため、治療後に頭皮から出血することがあります。頭皮への負担や頭皮トラブルを避けるためにも、施術後2週間程度はパーマやカラーリングが出来ません。

洗髪も当日はNGで、施術翌日から可能です。施術を受ける前に、スケジュールをしっかりと確認しておくようにしましょう。

治療にかかる費用が高い

HARG治療は1回の施術につき約10万円がかかり、それを約6〜9回セットで行います。1回の施術にかかる費用や治療期間には個人差がありますが、治療費が高額になることが懸念されます。

しかし、発毛効果が出てからのメンテナンス費用は比較的安価なため、長期的に考えると育毛剤や服薬での薄毛治療を続けるよりも低コストに押さえられる可能性があります。

即効性がなく発毛の実感には3か月ほどかかる

HARG治療は即効性があるものではなく、治療を開始してから発毛効果を実感できるまでに最短でも3か月ほどかかるといわれています。

髪が伸びる速度には個人差があります。また、HARG治療に限らず服薬での治療でも同じですが、すぐに発毛効果が出るわけではありません。すぐに発毛効果が出るわけではないので、治療を始める際は根気が必要です。

よくある質問

ここからはHARG療法に関するよくある質問に対して、Q&A形式で解説していきます。治療を検討している方は、事前に確認しておきましょう。

HARG療法は保険適用される?

HARG療法はAGA治療の一種であり、健康に支障をきたす怪我や病気の治療には該当しないため、保険は適用されません。

HARG療法に副作用はありますか?

HARG療法の軽度な副作用として、施術後の皮膚の内出血や血がにじむなどの報告はありますが、アレルギー反応といった重篤な副作用は今のところ報告されていません。

HARG療法とサロンやエステでの育毛の違いは?

サロンやエステは医療機関ではないため、医療行為となる投薬や治療は出来ません。そのため、サロンやエステでの施術は、頭皮マッサージや髪への栄養補給などに限られます。対してHARG療法は頭皮に直接成長因子を注入するため、根本的な薄毛治療が可能です。

HARG療法は妊娠中や授乳中にも受けられる?

HARG療法の妊娠中や授乳中の施術は、基本的には問題ないとされています。しかし、母子の安全を考慮すると、なるべく控える方が望ましいでしょう。

AGAにはHARG療法と内服治療どちらが効果ある?

HARG療法と内服治療では作用のメカニズムが異なるため、一概にどちらが効果があるとは断言できません。まずは医師に相談し、自分の薄毛の状態に合わせた最適な治療法を判断してもらいましょう。

HARG療法の施術にかかる時間はどれくらい?

HARG療法の施術時間は注入法や施術の範囲によっても異なりますが、平均30分程度といわれています。消毒や麻酔の時間も考慮すると、40分から1時間程度見ておくと安心でしょう。

HARG療法で白髪が黒くなる?

HARG療法で注入する成長因子によって、白髪が黒くなることが報告されています。しかし、医学的な根拠はなく、絶対的な効果があるとは言い切れません。

HARG療法をやめるとどうなる?

HARG療法の治療を完全にやめてしまうと、再び薄毛が進行してしまう可能性があります。施術後も定期的なメンテナンスが必要なため、定期的にクリニックを受診するようにしましょう。1クールの施術を終えた後のメンテナンスは、年に1〜2回程度が望ましいとされています。

HARG療法と育毛メソセラピーの違いは?

HARG療法と育毛メソセラピーは、どちらも頭皮に薬剤を注入する点は同じです。HARG療法は薬剤の成分構成が決まっており、治療法や効果にクリニックによる差がありません。対してメソセラピーはクリニックによって使用する薬剤が異なるほか、クリニック独自の成分構成の薬剤を用いることもあります。そのため、施術を受けるクリニックによって効果の差が大きい場合があります。

薄毛のお悩みはHARG療法で根本的な解決を!

HARG療法は頭皮に直接薬剤を注入して毛母細胞に働きかけ、休眠している毛根から再び発毛を促す仕組みの治療法です。ほかの薄毛治療に比べると高額ですが、成長因子を含んだ薬剤を用いるため発毛効果を実感しやすいうえ、一時的な発毛ではなく薄毛の根本的な解決を図れます。

すでにいくつかの薄毛の治療法を試しても効果が出なかった方や、これから薄毛治療を始めようと考えている方は、ぜひ一度クリニックに相談してみてはいかがでしょうか。

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