美容医療のかかりつけ わたしの名医

トロメタミン 新しい美容効果!毛穴の角栓を溶かす働きとは?

トロメタミンという成分をご存じでしょうか。これまでは特に美容に関係していないと思われていた成分でしたが、近年花王株式会社の研究により、頑固な毛穴汚れを落とす効果が発見され話題になっています。

本記事では、トロメタミンの効果について詳しく解説します。

トロメタミンとは

トロメタミンはアルカリ性の物質であり、化粧品においてはpH調整剤として使用される成分です。
私たちの肌は弱酸性であることから、化粧品もそれに合わせて弱酸性に調整されるため、pH調整剤が必要になります。*¹
また、トロメタミンはこれまでに生物学や生化学の分野でも、pHを一定に保つ目的で使用される緩衝液の成分として、「トリス」の慣用名で広く利用されてきました。

一方で、トロメタミンの美容効果については以前はほとんど注目されていませんでしたが、近年、花王株式会社の研究により、毛穴の角栓を溶解する効果が新たに発見されました。これにより、毛穴の角栓除去を目的とする化粧品にも配合されるようになり、その高い効果からトロメタミンは一躍注目を集めています。

トロメタミンの効果

ここでは、トロメタミンの効果についてさらに詳しく解説していきます。

毛穴の角栓を溶解する効果

毛穴の角栓を溶解する効果は、2019年に花王株式会社が新しく発見したトロメタミンの効果です。
花王の研究によれば、酸化した皮脂がさらに角層を酸化させ、この複合物が毛穴に詰まること(角栓)が肌のくすみの原因だということが明らかとなりました*²。しかし、皮脂も角層(たんぱく質)も、もともと落としにくい汚れであり、それらが酸化されて複雑に絡まりあった角栓をきれいに洗い流すことはこれまで非常に困難でした。さらに、従来の洗顔料では角栓の表面部分しか洗えず、毛穴の中に詰まった角栓までは落とせませんでした。

しかし花王の研究により、このトロメタミンには、角栓に含まれるたんぱく質と皮脂の両方を溶かすことで、毛穴の中の角栓まで洗い落とす作用があることが発見されました。
まずたんぱく質に対しては、トロメタミンがなじんで絡まりをほぐすことで溶かします。 一方、皮脂に対しては、トロメタミンが結合して「脂肪酸トリス塩」という成分へと変化します。この脂肪酸トリス塩は、石けんと似た構造をしている物質です。石けんは、パルミチン酸などの「油脂」と水酸化カリウムなどの「アルカリ成分」が反応して製造されますが、皮脂汚れの中にも同じく「油脂」が含まれ、トロメタミンは「アルカリ成分」です。そのため、石けんと同じ原理で、脂肪酸トリス塩にも石けんのような洗浄作用があります。

つまり、これらを合わせると、角栓汚れはトロメタミンと触れることで、たんぱく汚れはほぐれて溶けていきつつ、皮脂汚れはそれ自身が洗浄成分となり毛穴をきれいに洗っていくということが明らかとなりました*³~⁵。

日焼け止め作用を補助する効果

トロメタミンは、他のアルカリ性のpH調整剤よりも分子サイズが大きいという特徴があります。この特徴により、酸化チタンや酸化亜鉛といった粒子の凝集を防止するという働きをもちます*⁶。酸化チタンや酸化亜鉛は日焼け止め成分であり、これらの成分が凝集してしまうと日焼け止め効果が落ちてしまいます。

つまりトロメタミンを配合した日焼け止めは、より少ない紫外線防御成分で高い日焼け止め効果をもつため、肌への負担も軽くできると考えられます。実際に、トロメタミンはドラッグストア化粧品からデパートコスメまで幅広いブランドの日焼け止め製品に配合されています*⁷。

医薬品でのpH調整効果

トロメタミンはpH調整を目的として、医薬品でも使用されている成分です。さまざまな注射薬のpH調整に使用されているとともに、血液が通常よりも酸性状態となっているアシドーシスに対する治療薬としても用いられています*⁸。

トロメタミンが配合されている化粧品

ここでは、トロメタミンがどのような化粧品に使用されているかについて、特許文献を参考に解説します。

トロメタミンはどのような化粧品に配合されているのか?

トロメタミンの最も多い配合目的はpH調整であるため、メイク品や乳液のようなスキンケアアイテム、シャンプーやクレンジングといった洗浄系アイテムなど、幅広い製品に配合されています。

角栓溶解効果が期待できる製品とは

角栓溶解効果は花王の独自技術です。そのため、花王またはカネボウの洗顔料にしかこの効果は期待できません。
特許となっている内容を要約すると、「トロメタミンと、ある種類のアニオン性界面活性剤を含んだ化粧品を、鼻周辺の毛穴に塗布して洗い流すと、角栓を除去できる」とされています *⁹。

化粧品はパッケージや商品の裏側に配合されている全成分が明記されています。その表示を確認し、「トロメタミン」と「アニオン性界面活性剤(例:〇〇カルボン酸、〇〇スルホン酸、〇〇硫酸)」が含まれているようであれば、角栓を除去できる効果が期待できます。
インターネット上では、「トロメタミン」とアルカリ性アミノ酸である「アルギニン」を含んだ化粧品に角栓溶解効果があるという情報も見受けられますが、必ずしもそうではありません。もちろん、トロメタミンはアルギニンと併用することで、より角栓溶解効果を高める作用が期待できます。しかし、トロメタミンだけでも十分な角栓溶解効果は確認されており、アルギニンは必須成分ではありません。ご自身が期待する効果の高さや使用感を考慮した上で、製品を選ぶと良いでしょう。

トロメタミン配合製品を使用するときの注意点とは

製品に記載された使用方法の通りに使用しましょう。角栓溶解効果が期待できる製品の多くを確認すると、一般的な洗顔剤と同様に、毎日使用できることがわかります。そのため、1日1~2回の使用であれば十分問題ないでしょう。
早い方では一度使用するだけで角栓溶解効果を実感できますが、効果に個人差はありますので、1〜2週間程度継続して使用するとよいでしょう。

トロメタミンに副作用はあるの?

トロメタミンは医薬品にも用いられる成分ですが、厚生労働省やアメリカ食品医薬品局(FDA)で現時点で明確な副作用は報告されていません。また、トロメタミンは急性毒性や眼刺激性、皮膚刺激性、感作性、その他の毒性のいずれも報告されていません*¹⁰ ¹¹。経皮吸収性もほぼないと報告されていることから、トロメタミン配合化粧品は安心して使用できると考えられます*¹⁰。
しかしながら体質が合わない場合には肌トラブル(湿疹、赤み)が発生する可能性がありますので、トロメタミン配合化粧品を使用した際に気になる症状があらわれた場合には使用を中断し、医師の診察を受けるようにしてください。

まとめ

トロメタミンは一般的によく使用されるpH調整剤です。これまで美容成分としての機能は全く注目されていませんでしたが、近年角栓を溶かす効果が発見されたことで一躍注目を浴びています。

夏は紫外線が強くなり、肌を守るために角層が厚くなります。すると角質が皮膚にたまりやすく、角栓ができやすい季節とも言えます。トロメタミンは毎日使用しても問題のないことが分かっている成分です。鼻の頭や小鼻など、角栓が気になり始めた際にはぜひ使用を検討してみてください。

人気記事

新着記事

最新クリニック

Facebook

Instagram

このエラーメッセージは WordPress の管理者にだけ表示されます
Instagram フィードに問題があります。
Click to Hide Advanced Floating Content