シリカの美肌・健康効果？シリカを含む水やコスメについて解説
美肌や健康効果があるとして話題のシリカ。水やサプリに含まれることで有名ですが、メイクやスキンケア用品に含まれている成分です。
「そもそもシリカって、どんな成分？本当に美容や健康に効果があるの？」と疑問に思う方も多いでしょう。
実は、シリカを体外から摂取しても、健康や美容への効果は期待できません。ただし、シリカの粉末を利用したコスメには、肌を艶やかに見せたり古い角質を落としてくれるなどのメリットもあります。
こちらの記事では、シリカを含む製品の特徴や効果について、詳しく解説します。
- 1. シリカ（ケイ素）とは
- 2. シリカが使われている商品
- 2-1. シリカを含むメイク・スキンケア用品
- 2-2. シリカ水やサプリ
- 3. シリカ水やサプリの効果「過度に期待すべきでない4つの理由」
- 3-1. 1日の必要量がわからない
- 3-2. シリカ（ケイ素）の不足や欠乏症は考えにくい
- 3-3. 十分なエビデンスがない
- 3-4. シリカの効果や安全性を疑う声がある
- 4. シリカ水やサプリを摂取する際の注意点
- 4-1. 過度な効果を期待しない
- 4-2. 量と頻度に注意する
- 4-3. 高額商品や定期購入は避ける
- 5. シリカを含むコスメの特徴・美肌効果
- 5-1. 特徴
- 5-2. 美肌効果① ソフトフォーカス効果で美肌を演出できる
- 5-3. 美肌効果② 抗炎症作用で肌荒れケアが期待できる
- 6. シリカコスメでなめらかな肌を演出しよう
シリカ（ケイ素）とは
シリカは、ケイ素が酸化した物質で「二酸化ケイ素」とも呼ばれます。
ケイ素は市販の飲料水や水道水など、多くの食品に含まれている成分です。体内の微量ミネラルでもあり、骨や髪、皮膚などを構成しています。
酸素とケイ素が結びついたシリカには、次の2種類があります。
・結晶性：ケイ素が水に溶けない（ガラスや乾燥剤など）
・非結晶性：ケイ素が水に溶ける（化粧品や珪藻土など）
シリカはそのままでは体内に取り入れられません。反対に、ケイ素は食物から摂取できます。「シリカを摂取する」とは「ケイ素を摂取する」と同じ意味であると考えて良いでしょう。
シリカが使われている商品
シリカは多くの製品に使われていますが、ここでは次の2つのタイプについて解説します。
シリカを含むメイク・スキンケア用品
シリカの粉末はメイクやスキンケア用品にも含まれています。
大きさは直径は2〜450μmと幅広く、形状もさまざまです。それぞれの大きさや形状で、表皮上での転がり、吸油性、屈折率などが異なるため、目的に応じて使用されています。
たとえば、微粒子のシリカはアイシャドウやファンデーションに。光の反射を抑え、皮膚の欠点をぼかしてなめらかな肌に見せてくれます。
シリカを含むメイク・スキンケアについての詳しい特徴や効果については、後ほど紹介します。
シリカ水やサプリ
「シリカ含有」と表示された飲料水や濃縮液、サプリなども販売されています。
シリカ（ケイ素）が微量ミネラルであるという理由から「骨や血管を強くする」といった効能をうたっているものも。
ただし、シリカ摂取の有効性について、十分な情報がないのが現実です。実際に、シリカ含有の健康食品に関して、国民生活センターは警鐘をならしています。
シリカ水やサプリの効果「過度に期待すべきでない4つの理由」
シリカ水やサプリの購入を検討している方は、健康や美容への効果を期待しすぎないようにしましょう。現時点で、シリカ（ケイ素）の摂取による有効性は実証されていません。
ここからは、シリカ水の効能に過度な期待をすべきでない理由を4つ解説します。
1日の必要量がわからない
一日に必要なシリカの量は決められていません。
日本では、シリカ（ケイ素）を必須ミネラルとして認められておらず「日本人の食事摂取基準 2020 年版」にも、推奨量は示されていません。また、米国や欧州でも十分な科学的根拠がないとしています。
なかには、「シリカの必要量は10mg～40mg」「通常の食事では足りないため、外部から補給すべき」と説明している広告もあるほどです。
しかし、これらの情報は根拠が乏しいため、無用な危機感を持たないようにしましょう。
シリカ（ケイ素）の不足や欠乏症は考えにくい
シリカの欠乏症は考えにくいとされており、昭和大学の食健康科学部、梅垣敬三教授も『ケイ素の摂取に関して、人における欠乏症があるのなら、必要量が設けられているはずです。ケイ素にそれがないのは、現時点では不足や欠乏することがおそらくないと考えられているからです。』とコメントしています。
なかには「シリカは年齢と共に減少する」「体調不良はシリカ不足が原因」などとしている広告もありますが、シリカ不足は考えにくいため、このような情報にも踊らされないよう、気をつけましょう。
十分なエビデンスがない
シリカの摂取で、健康、美肌になるという十分な研究結果はありません。昭和大学の食健康科学部、梅垣敬三教授は『健康食品やサプリメントからケイ素を摂取したときの有効性について、人における信頼できる科学的根拠（再現性があり、原因と結果の関係がしっかりとある研究結果）は見当たりません。』と述べています。
ケイ素は髪や骨を構成している微量ミネラルですが、補充しても体の変化を及ぼすものではありません。「髪や骨、血管や肌を強くする」といった内容の広告も、明確な根拠はないと知っておきましょう。
シリカの効果や安全性を疑う声がある
国民生活センターには、シリカ水やサプリに対する相談が、過去 5 年半（2017年から2022年9月までの調査）に 429 件寄せられています。
相談内容は、次のようなものです。
・飲み続けても、効能を実感できない
・効果に対して商品が高額すぎる
・定期購入の解約でトラブルが生じている
・摂取し続けることによる安全性に不安がある
効果を実感したという口コミはあるものの、こういった相談も一定数あるということを知っておくことも大切です。
シリカ水やサプリを摂取する際の注意点
シリカ水の効能には十分な情報がないとはいえ、効果がまったくないという証拠もありません。シリカ水やサプリを試してみたいという方は、次の点に注意して購入しましょう。
過度な効果を期待しない
シリカは、病気を治したり美肌にしたりする特効薬ではありません。シリカ水やサプリを試す場合は、期待しすぎず生活に取り入れましょう。
また、消費者に過度な期待をさせる広告には、注意が必要です。「爪や骨を強くする」「アトピーを治す」「感染症を予防する」などと広告している商品は避けた方が良いでしょう。
量と頻度に注意する
食品に含まれる通常の量であれば問題ありませんが、シリカの摂取量（濃度）や頻度には注意が必要です。
シリカ水には濃縮タイプもあり、量や濃度を意識せず摂取している方も多いでしょう。
シリカはすべての人に安全とは言い切れず、成分の影響を受けやすい人がいる可能性も。とくに、妊娠中・授乳中であれば信頼できる情報がないため、避けるようにしましょう。
高額商品や定期購入は避ける
シリカが美容や健康に良いという十分な情報はありません。費用対効果を考えても、高額商品や定期購入は避けたほうが良いでしょう。
国民健康センターにも、次のような相談が寄せられています。
・500mlで2万円もするシリカ水を購入したが効果がなかった
・シリカ水を定期購入したが、解約の際にトラブルがあった
効果が現れなかった場合も考えて、適正な価格の商品を試すようにしましょう。
シリカを含むコスメの特徴・美肌効果
シリカは、ふだん使っているメイクやスキンケア用品にも含まれています。シリカを含むコスメの特徴や、美肌効果について紹介します。
特徴
シリカは白色の細かい粉末で、粒の直径は2〜450μm（1µm＝0.001mm）ほど。
次のような特徴があり、幅広い目的で使われています。
・吸水性が低く皮脂や汗を吸着する
・酸化しにくい
次のように、粒子の大きさに応じて、使われている製品もさまざまです。
・粒子が大きいもの：歯磨きやスクラブ洗剤、研磨剤など
・粒子が細かいもの：アイシャドウやパウダーファンデーションなどの固形コスメ
・さらに微粒子のもの：泥パックや粘土調整剤
シリカは吸水性が低いため、メイク用品が水分を吸ってダマになるなどのトラブルを防いでくれます。大きな粒子は、皮脂や古い角質を除去する天然由来のスクラブ剤にもなります。ボディケア製品には欠かせない成分といえるでしょう。
シリカの配合目的を確認して、賢くメイク・スキンケア用品を選びましょう。
美肌効果① ソフトフォーカス効果で美肌を演出できる
シリカ粒子を配合したメイク用品には「ソフトフォーカス効果」が期待できます。反射光が低減され、シリカ粒子の下にあるものが見えにくくしてくれます。
シリカ配合のメイク用品なら、肌の欠点をソフトにカバー、薄いシミや毛穴の凹凸がぼかされ、シルキーでなめらかな肌に仕上がります。厚塗りする必要もなく、自然で透明感ある肌を演出できるのがメリットです。
美肌効果② 抗炎症作用で肌荒れケアが期待できる
シリカは肌荒れ予防・改善も期待できるとして、注目を集めています。
肌あれ（乾燥して皮がむけたり、キメが乱れたりしている状態）には「ウロキナーゼ」という酵素が関係しているといわれています。
日本化粧品技術者会（2002年）の報告では、シリカにはウロキナーゼを吸着し活性化を抑える働きがあります。その性質を利用し、肌荒れケアもできるメイクアップ用品も開発されているほどです。
肌荒れしていると、メイクによる肌の負担が気になることも。肌荒れケアとメイクを同時に叶えたい方は、シリカコスメを検討しても良いかもしれません。
シリカ配合コスメでなめらかな肌を演出しよう
シリカを含む商品は、主に次の2つのタイプがあります。
・水やサプリなど、体外から摂取するもの
・スキンケアやメイク用品に含まれているもの
通常生活でシリカが欠乏することは考えにくく、摂取しても健康や美肌にしてくれる特効薬とはなりません。試してみたい方は期待しすぎず、取り入れるようにしましょう。
一方、シリカを含むメイク用品は、自然に肌の欠点をぼかしてくれ、透明感のある肌を演出してくれます。また、最近の研究では、シリカにより肌荒れケアが可能であるという報告も。
「シミや毛穴の凹凸は気になるけど、厚塗りメイクはちょっと……。」という方は、シリカ含有のメイク用品を試してみるのもよいでしょう。
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