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プラセンタとは?美肌への効果や取り入れ方、気になる副作用や安全性まで徹底解説

プラセンタは、ヒトや豚・馬などの哺乳動物の胎盤から抽出される成分です。更年期障害や疲労感を軽減しエイジングケア対策(※年齢に応じたお手入れ)としても効果が期待できることから、近年は美肌成分としても注目されるようになりました。

医療用のプラセンタ注射や、サプリメント・ドリンク剤などの経口摂取、プラセンタエキスを配合した化粧品を肌に塗るなど、さまざまな方法で取り入れることができます。今回はプラセンタの効果や取り入れ方、気になる副作用や信頼性までを徹底解説します。

プラセンタとは

プラセンタは、直訳すると哺乳類の胎盤を意味します。胎盤はお腹のなかの赤ちゃんに栄養素を届ける役割や、赤ちゃんを外部刺激から守る免疫機能の役割を果たす重要な臓器です。

栄養価がとても高く、人間以外の哺乳動物の母親は、出産後に自分の胎盤を食べることでダメージを受けた体を整えるといわれています。

医療目的・美容目的でプラセンタを使用する際は、胎盤をそのまま用いるのではなく、胎盤のなかに含まれる成分を抽出します。現在よく使用されているプラセンタは、人間の胎盤から得たヒト由来プラセンタ、豚・馬の胎盤から抽出した動物由来プラセンタの2つです。

プラセンタにはアミノ酸・タンパク質・ビタミン・ミネラル・成長因子など、さまざまな美容成分が含まれています。美肌やエイジング対策、婦人系の疾患にとくに有効とされており、疲労軽減にも効果的です。

古くから漢方薬として重宝されてきた歴史があり、現在では医薬品やサプリ・ドリンク剤、化粧品などに広く使用されています。

プラセンタに期待できる美容効果

プラセンタには、さまざまな美容効果が期待できます。メラニン生成の抑制や肌リズムに即したケアによるキメの乱れ、肝斑などの肌トラブルの予防や、肌内部の水分量や弾力を高めて保湿力・ハリをアップさせるはたらきがあります。

また、肌の年齢サインを防ぐ抗酸化作用や肌の保護バリア・ダメージを受けた肌をサポートする抗炎症作用などもあり、エイジングケアには欠かせない成分といえます。

ここでは、プラセンタに期待できる美容効果を詳しく解説していきます。

血流を促し透明感のある肌に

プラセンタの効果のひとつが、血行促進作用です。血行不良は肩こりや冷え性の原因となるだけでなく、肌へも悪影響を与えます。

肌の栄養は血液によって送られるため、血流が滞ると肌に栄養が届きにくくなり、さまざまな肌トラブルを引き起こします。

例えば、肌に老廃物が溜まることで、くすみ・クマ・肌荒れなどができやすくなったりします。プラセンタによって血行が改善されると、肌に栄養がいきわたり、瑞々しい透明感のある肌を取り戻すことができます。

サビない肌を作るサポート

プラセンタには、肌内部のメラニンを生成する酵素「チロシナーゼ」の活性を抑えるはたらきがあります。紫外線によるシミのもととなるメラニンが作られにくくなるため、シミの予防が期待できます。

肌のターンオーバーをサポートするはたらきもあり、すでに生成されたメラニンが目立たなくするのを助けます。肌リズムに即したケアが整えられると、肌の保護バリアが改善されるので、紫外線によるシミ以外のさまざまな肌トラブルも予防できるでしょう。

プラセンタを取り入れることで、くすみのない明るい印象の肌を目指すことができます。

みずみずしく弾力のある肌に

プラセンタには数十種類のアミノ酸が含まれており、肌の水分量をキープして乾燥を防ぐはたらきをします。成長因子は皮膚細胞を健やかに保って肌ダメージのケアをサポートし、肌の年齢感や気になる目元・口元のハリ不足を補うことが期待できます。

プラセンタには角層深部にある線維芽細胞を促進させる作用もあり、肌内部のコラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸などの美容成分の生成を助けます。肌の保湿力・弾力を高め、肌のエイジングサインやハリ不足を感じさせないみずみずしい肌へと導くことができます。

疲労回復

もともと滋養強壮の薬として用いられてきたプラセンタは、美肌へのはたらきだけでなく、疲労回復にも効果的とされています。

プラセンタは更年期障害の治療に保険適用されており、ホルモンバランスの乱れによる疲れやすさやほてり・のぼせ、気分の浮き沈みなどの症状を緩和することが認められています。

プラセンタによって疲れた体の内側から活力を与え、体も肌も生き生きとした状態を目指すことができます。

プラセンタを取り入れる方法

プラセンタを取り入れる方法はさまざまです。最も効果的なのは医療用のプラセンタ注射や漢方薬ですが、医療機関を受診する必要があったり、高価であったりするのがネックです。

そこで、もっと簡単にプラセンタを取り入れる方法として挙げられるのが、サプリやドリンク剤で内側から摂取する方法と、スキンケア化粧品で肌から取り入れる方法です。

プラセンタの効果を感じやすくするためには、継続して使用することが大切です。自分に合った続けやすい形でプラセンタを取り入れていきましょう。

医療用医薬品

医療用医薬品としてプラセンタを用いる「プラセンタ療法」は、日本でも1950年代から医療の現場で行われてきました。

医療用のプラセンタが保険適用となるのは更年期障害・肝機能障害・乳汁分泌不全などですが、美容皮膚科や生理不順・PMSの治療でも使用されています。

主な治療方法は注射で、腕やお尻への皮下注射または筋肉注射でプラセンタを取り入れます。

医療用のプラセンタはヒト由来のプラセンタ製剤を使用しており、現在厚生労働省は2種類のプラセンタ製剤を医療用医薬品として認可しています。

漢方薬の原料としても用いられる

プラセンタは、大昔から中国で漢方薬として利用されてきました。秦の始皇帝が不老長寿の薬として愛用していたほか、疲労回復や婦人疾患などの治療目的で老若男女から重宝されてきました。

日本でも、江戸時代に滋養強壮の薬として利用されてきた歴史があります。漢方薬としてのプラセンタは「紫河車(シカシャ)」と呼ばれており、現在も美肌や産後の養生など、さまざまな用途で服用されています。

サプリやドリンク剤として

医薬品や漢方薬よりももっと気軽なのが、サプリやドリンク剤です。主に動物由来のプラセンタが使用されていますが、市販品を購入する場合は、含有量を確認するようにしましょう。

含有量のチェックポイントは、プラセンタエキスから水分と不純物を除いたものを濃縮した粉末量を指す「純末量」です。値が記載されていない商品もありますが、しっかりと明記されているものの方が信頼できるでしょう。

味や形状は商品によってさまざまなので、自分に合った続けやすい商品で、手軽にプラセンタを取り入れてみましょう。

化粧品

プラセンタは、化粧水・美容液・クリームなどのスキンケア化粧品にも用いられています。化粧品に使用されるプラセンタは豚や馬などの動物由来のものがほとんどです。

プラセンタ配合化粧品をスキンケアに取り入れることで、日焼けによるシミ・そばかすの予防改善や、肌の保湿力・ハリアップなどの効果が期待できます。できるだけ配合量の多いものを選ぶと、効果を感じやすいでしょう。

医薬品やドリンク剤などと比べて、肌から取り入れるので美肌への効果が感じられやすいほか、継続がしやすい点も大きな魅力です。

プラセンタ注射のリスクと副作用

プラセンタを取り入れる際の最も大きなリスクは、アレルギーと感染症です。医療用はヒトの胎盤、そのほかの用途では豚・馬などの動物由来のものを使用していることが原因です。

アレルギー反応は医療用・そのほかの用途問わずに起こる可能性があります。豚肉・動物由来のタンパク質にアレルギーがある人は、特に注意が必要です。

感染症のリスクが懸念されているのは医療用のプラセンタ注射のみで、そのほかの用途では危険性はありません。

アレルギー

プラセンタの原材料として広く使用されているのは、ヒト・豚・馬の胎盤です。いずれも動物由来のものであるため、アレルギーのリスクがないとは言い切れません。

ヒト由来のプラセンタを使用する医療用のプラセンタ注射では、接種後に痛みや痒みなどのアレルギー反応が生じることがあるので、施術前に医師の説明をしっかりと聞くようにしましょう。

サプリやドリンク剤、化粧品では、豚・馬由来のプラセンタを使用していることがほとんどです。豚肉や動物性タンパク質にアレルギーがある人は、購入前に医師・薬剤師に相談するのがよいでしょう。

感染症

プラセンタの安全性として最も懸念されるのが、クロイツフェルト・ヤコブ病と言われる感染症です。脳組織が変性する狂牛病の一種で、ヒトの胎盤を由来とする医療用プラセンタの使用によって発症する可能性が否定できていません。

日本の医療現場で用いられているプラセンタは既往症や渡航歴などの調査をクリアした日本人の胎盤から抽出し、ウィルス・感染症の検査をして厳格に管理されています。基本的に感染症の可能性は限りなく低いといえますが、プラセンタ療法におけるリスクも知っておきましょう。

プラセンタの種類によって効果は変わる?

プラセンタは、使用用途によって原材料が異なります。医療用に用いられるのはヒト由来で、サプリや化粧品など、そのほかの用途では動物由来プラセンタが使用されています。動物由来に比べて栄養分が少ない、植物由来や海洋由来のプラセンタもあります。

ヒト由来プラセンタ

ヒト由来プラセンタは、ヒトの胎盤から抽出したエキスを使用したプラセンタです。唯一医療用医薬品として認可されており、プラセンタ注射に用いられています。ヒト由来プラセンタは、医療用以外での使用が禁止されています。

動物性プラセンタ

豚・馬の胎盤から抽出した動物由来プラセンタは、サプリや化粧品に最も多く使用されています。豚は多産のためプラセンタを安価で入手しやすく、馬由来のプラセンタはアミノ酸の含有量が多いことからやや高価です。牛由来のプラセンタは、狂牛病の発生を受けて現在日本では使用が禁止されています。

植物性プラセンタ

植物に胎盤はありませんが、似たようなはたらきをする「胎座」という組織からプラセンタを抽出することができます。主にメロン由来の植物性プラセンタが使用されますが、ヒト由来・動物由来のプラセンタと異なり成長因子は含まれていません。感染症の懸念がないという利点があります。

海洋性プラセンタ

魚の卵を包む「卵巣膜」から抽出したものを、海洋性プラセンタと呼んでいます。植物性プラセンタと同じく成長因子は含まれていませんが、卵を成長させるために必要なアミノ酸やコラーゲンなどの栄養素を多く含んでいます。

プラセンタ注射をすると献血ができなくなるって本当?

厚生労働省では感染症のリスクを考慮し、プラセンタ注射を受けたことがある人に対して一定期間の献血を禁止しています。

これはヒト由来の医療用プラセンタの注射にのみ適用される措置であり、サプリやドリンク剤などの動物性プラセンタを摂取しているぶんには問題ありません。

医療用プラセンタの危険性は基本的には無視できる程度ですが、プラセンタ療法を受けると献血ができなくなるというデメリットは知っておきましょう。

プラセンタで健康と美しい肌を手に入れよう

更年期障害や肝機能障害の治療から美しい肌に導く美容効果まで、あらゆる効果が期待できる成分であるプラセンタ。
プラセンタを日常生活にうまく取り入れれば、健康な体をキープしながら若く見える美しい肌に近づけていけるでしょう。
自分のライフスタイルにあった摂取方法を選んで、プラセンタを上手に取り入れてみてはいかがでしょうか。

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